電気興業 【東証プライム:6706】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループは、2030年を見据えた「未来の当たり前をつくる企業(Pioneering the future)」の実現に向けたビジョン及び成長戦略である「中長期経営戦略」を策定しました。それをもとにサステナビリティ基本方針を定め、当社グループの課題としてマテリアリティ(重要課題)を掲げ、各種KPI達成に向け取り組み、中長期的な企業価値向上を目指しております。
また、「中長期経営戦略」のビジョン達成に向けて、2022年5月20日に、2023年3月期からの3ヵ年における目標及び注力、推進することを明確にするために、中期経営計画「DKK-Plan2025」を策定し、基本方針を「サステナビリティ経営の推進による企業価値の向上」と定め、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みについては、以下のとおりとなります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、社会に貢献し、持続可能な社会の実現に貢献するための方針として、サステナビリティ基本方針を策定し、企業活動に取り組んでおります。また、サステナビリティ経営の推進を図るための組織として、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役及び執行役員等で構成されるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティ課題の特定や多様性や労働環境、人権などの社会問題や、気候変動等に関する環境問題に関する方針・KPIの設定、重点取り組み事項に関する進捗状況について審議・議論を行っております。
サステナビリティ経営の推進に当たっては、当社グループの事業及びステークホルダーに対して優先的に取り組むべき課題を5つのマテリアリティ(重要課題)として設定し、5つのマテリアリティごとに重点取り組み事項を定めております。
各マテリアリティに対しては、取締役を含めた部門横断型のワーキンググループ(WG)を設置し、重点取り組み事項及び目標とする指標であるKPIを定め、継続的に取り組みを進めております。
また、WGの取り組み内容については、サステナビリティ委員会にて協議の上、定期的に取締役会に報告を行っております。
<DKKグループ サステナビリティ ガバナンス体制>
(2)戦略
サステナビリティ経営の推進に向けては、サステナビリティ基本方針に基づき、設定したマテリアリティへの取り組みを継続することにより、持続的な社会の成長への貢献と企業価値の向上を図っております。サステナビリティ経営の推進に向けた当社マテリアリティは、「職場風土・働き方改革」「コーポレートガバナンスの強化」「社会インフラ整備への貢献」「環境経営の推進」「新規事業の創出」といたしました。
なお、特定したマテリアリティにおける当社グループの事業や業績に与えるリスク及び機会、並びに重点取り組みについては、下記のとおりとなります。
(気候変動)
気候変動が当社グループの事業・業績に与える影響について、シナリオ分析を実施しました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)・国際エネルギー機関(IEA)に基づき、2℃、4℃シナリオで分析を実施しており、事業への影響度※は大・中・小で評価をしています。評価対象は当社グループ全体としており、分析の時間軸は移行リスクについては2030年、物理的リスクについては2050年を基準としております。
当社グループでは引き続き、特定したリスクと機会に関して、1.5℃シナリオでの分析や財務インパクトの把握やリスク・機会の対応策の導出を進めてまいります。
※影響度は、全社リスク管理プロセスに則り、発生可能性と事業活動への影響の大きさを総合的に勘案し、定性的に判断
大:発生可能性が中程度以上で、事業に大きな影響を与え、事業計画・体制の変更を余儀なくされる可能性あり
中:発生可能性が中程度で、事業に影響を与え、事業計画・体制の見直しが必要となる可能性あり
小:発生可能性が低く、事業への影響は限定的で、事業計画・体制に変更がない可能性あり
セグメント名 | 主な事業内容 |
移動通信 | 携帯電話向け基地局アンテナ・工事・鉄塔、無線設備等 |
固定通信 | 官公庁向け防災無線・消防無線、防衛向け通信アンテナ・設備等 |
放送 | テレビ・ラジオ放送向け送信所設備、メンテナンス等 |
ソリューション | サービスを含めたネットワーク関連事業(ローカル5Gなど) |
その他(電気通信) | 鉄鋼構造物製造・めっき処理、航空障害灯、LED照明、再生可能エネルギー関連等 |
誘導加熱 | 自動車部品向け高周波誘導加熱装置の製造、メンテナンス |
受託加工 | 自動車部品等の熱処理受託加工 |
新領域 | 環境関連・食品関連向け高周波応用事業、その他新領域向け事業 |
(人材育成方針/社内環境整備方針)
当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
① 人材育成方針
当社グループは、経営理念において「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める。」と掲げており、企業成長の源泉は「人財」であり、個人の人格や個性を尊重し、風通しのよい職場環境整備や教育の場を積極的に提供することで、企業の原動力である「チャレンジ精神」「生産性向上」につながるものと考えております。また、人財育成の継続なくしては、将来の発展と成長はないものと考えており、「中長期経営戦略」の達成に向け、下記の人財育成重点取り組みを実行しております。
※当社グループでは、「ヒト」を企業の礎を築く最も重要な要素の一つ「宝(タカラ=財)」と考え、“人材”ではなく“人財”とあらわしております。
(人財育成重点取り組み)
重点取り組み | 実施事項 |
1.人財育成の推進 | ①新たなキャリアアップを目指す新人事制度の立案 |
②社内人財の育成・能力開発の強化 | |
2.多様な人財の雇用と活躍 | ①女性管理職の育成推進 ・女性社員活用プログラムの実施 |
②キャリアを持った人財の中途採用 ・新規事業展開、経営基盤強化に即した中途採用 | |
③シニア社員活躍のための「70歳までの雇用制度」の立案 | |
④障害者雇用 | |
3.風通しの良い職場環境づくり | ①ワークライフバランスの向上 ・バースデイ休暇の導入、有給休暇奨励日の設置 |
②エンゲージメント調査による課題抽出と改善策の実行 | |
③社員全員を対象としたハラスメント教育の実施 |
② 社内環境整備方針
当社グループが持続的に発展するためには、従業員全員が安心して、いきいきと働ける職場環境の整備が必要であると考えております。マテリアリティにおいては『職場風土・働き方改革』を掲げ、サステナビリティ活動を推進しており、従業員一人ひとりがお互いを尊重しながら能力を最大限に発揮できる風通しの良い職場環境づくりに注力しております。また、労働安全衛生の維持向上にも注力し、従業員とその家族がより豊かで幸福な生活を維持していけるようにするため、労働災害防止をはじめ、過重労働による健康障害防止にも努めております。
(社内環境整備重点取り組み)
重点取り組み | 実施事項 |
1.風通しの良い職場環境づくり | ①従業員と代表取締役との意見交換会の実施 |
②役員トークセッションの実施 | |
③職場環境アンケートの実施 | |
④労使協議会の実施 | |
⑤ハラスメントのない職場環境づくりの宣言 | |
⑥「さん」付け呼称の実施 | |
2.働き方改革 | ①提案活動の推進 |
②各種特別休暇の導入 ・バースデイ休暇/ボランティア休暇 | |
③有給休暇取得奨励日の設置 | |
④社内IT環境の整備 ・Wi-Fiスポットの増設/ノートPC化の推進 | |
3.労働災害の防止 | ①安全衛生大会の実施 |
②安全パトロール活動の推進 | |
③車両運行管理システムの導入 | |
4.過重労働の防止 | ①労働時間勉強会の実施 |
②ノー残業デイ/ライトダウンの実施 | |
③ストレスチェックの実施 |
(3)リスク管理
当社グループは、社会課題や環境課題などサステナビリティに関するリスクの特定にあたり、サステナビリティ委員会が中心となり、外部及び内部環境の変化を踏まえ、社会及び当社事業に与える影響度の高いリスクを識別・評価の上、マテリアリティとして設定いたしました。サステナビリティに関するリスクについては、マテリアリティへの取り組みをサステナビリティ委員会でモニタリングを行い、定期的に取締役会に報告しております。今後も進捗や事業環境に応じて、適宜事業戦略の見直しを図るなど、長期的な視点でリスクへの対応を行ってまいります。
また、全社的なコーポレートリスクマネジメント体制として、リスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会においては、当社グループのリスク・危機の洗い出し、評価の上、重要なリスクを特定し、モニタリング、運用状況の把握、是正指示を行っております。特定された重要リスクの対応策と進捗状況については、定期的に取締役会に報告をしております。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
サステナビリティに関するリスクとリスク管理委員会におけるコーポレートリスクマネジメントは、グループ横断的に情報の集約と管理の強化を行い、情報連携の上で取締役会にて総合的にリスクの把握・管理・発生頻度や影響の低減を図っております。
<リスク管理体制>
(4)指標及び目標
当社グループは、中長期的な観点から5つのマテリアリティを掲げており、その取り組みについて成果を評価する指標(KPI)を下記のとおり設定し、確実に推進を図っていくことで、持続的な社会の成長への貢献と企業価値の維持・向上を目指しております。なお、重点取り組みやKPIについてはサステナビリティ委員会、取締役会において協議の上、見直しを行っております。
なお、KPI(中長期目標)の実績及び進捗状況については当社ウェブサイトに掲載しております。
https://denkikogyo.co.jp/sustainability/data/
<職場風土・働き方改革>
<コーポレートガバナンスの強化>
<社会インフラ整備への貢献>
<環境経営の推進>
<新規事業の創出>
(気候変動)
当社グループは、マテリアリティに基づき「環境経営の推進」に取り組んでおり、カーボン・ニュートラルの推進、循環型社会実現の推進、環境製品の拡充についてそれぞれ定量的な目標を掲げ、具体的な施策に取り組んでおります。
カーボン・ニュートラルの推進においては、今後も継続把握並びに精度向上に努め、当社グループの気候変動に関する戦略策定とも併せて、2030年に2019年度比で30%以上(Scope1,2)、15%以上(Scope3)の温室効果ガス(GHG)削減を目標として、グループ一丸となって取り組んでまいります。
なお、GHG排出量の実績については当社ウェブサイトに掲載しております。
https://denkikogyo.co.jp/sustainability/data/
(人材育成方針/社内環境整備方針)
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、各々指標を用い目標達成年度を2025年としております。
各領域の課題に対し、既存従業員には人材育成方針をもととした教育研修を行い、新たな人財獲得では社内環境
整備方針による多様性を重視した採用を展開しております。
これら二つの方針を通じて、当社グループ従業員一人ひとりが、持続可能な社会の実現に貢献できる一員として、価値ある人財となれるよう、企業としてその育成責任を果たすことを目標としております。
人材育成方針/社内環境整備方針の実績については、「第1 企業の情報 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
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