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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社の「エコム」という社名は、Ecology(環境)& Combustion(燃焼)を意味する造語であります。「熱のスペシャリスト集団」として、工場の省エネルギー化を実現し、「加熱技術で環境問題に取り組む企業」を企業目標に掲げております。
(2)経営環境、経営戦略等
我が国経済は、雇用・所得環境が改善傾向にあり、個人所得やインバウンド需要が持ち直したことにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、為替相場の急激な変動、大幅な円安による物価の上昇、ウクライナやパレスチナにおける紛争等による影響や中国経済の減速等を受け、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
また、我が国では2050年までの「カーボンニュートラル」実現に向けて、産業部門の構造転換への取り組みを加速させており、こうした影響を受け、製造業では大手メーカーを中心に温室効果ガス(主にCO₂)排出量削減を実現するための生産設備の更新や改造工事への投資需要の高まりが見受けられました。
上記のような経営環境のもと、産業システム事業においては、産業構造変化にともなう、設備ニーズの変化に対し、燃焼技術とエネルギー管理という専門性を追求し、最適な技術の提供を継続していきます。また、多品種少量生産のニーズに合わせた、セル生産向けの加熱設備を提供し生産効率向上への貢献をいたします。そして、カーボンニュートラルや排ガス規制などの世界的環境規制をクリアした省エネデバイスの提供により、社会環境への貢献を目指します。
また、保守サービス事業においては、他メーカーの加熱設備、加熱機器を点検できる点検技術を有し、熱設備の不具合に対して困ったときの窓口としての存在感を発揮いたします。そして、IoTを駆使して、いつでも、どこでも設備の稼働状況を把握する設備の予防保全サービスの確立を目指していきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の目標とする経営指標は、変動費率、売上高総利益率及び売上高営業利益率であります。当社の特色として、産業システム事業は1件ごとの受注額が大きい反面、市場の影響を受けやすく、変動費率の高い特色のセグメントであります。反対に、保守サービス事業は安定的な受注が見込めますが、受注額が小さく変動費率の低い特色のセグメントであります。そのため、当社の経営状況を読み取るには、掲げた3つの経営指標を総合的に判断する必要があります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
コロナ後の世界は、各産業とも新たな生活様式に合わせた構造変化が求められることが予測されるほか、日本は未曽有の人口減少という人口構造の変化により労働力の減少も予想され、業務効率化が急務となっております。当社といたしましては、社会変化に対応した人材育成を重視し、社是である「共育」のもと、以下の課題に取り組んでまいります。
① 優秀な人材の採用と育成・活用
当社は人材育成が事業活動の軸であると考えております。熱意のある人材を適時に採用することが重要な課題と認識しているため、人事教育制度の整備、OJTによる現場研修制度などを導入しております。また、働きがいのある職場づくりを目指し健康経営の推進による生産性の向上を目指してまいります。今後も従業員満足度を高める取り組み、定着に向けた施策を講じながら、優秀な人材の採用とさらなる育成に投資を行っていく方針であります。
② 技術革新への対応
当社は、自動車産業を中心とした様々な業種のお客様へ、オーダーメイドの高付加価値設備の提案やメンテナンスサービスを展開しておりますが、電気自動車への技術革新や進歩に対してタイムリーに対応することが、今後の事業展開上重要な要素であると認識しております。そのために、ヒートトライアルを通じて顧客の動向やニーズを的確に把握し、独自の熱技術を提供することで、自社の先進性や独自性を確保していく方針であります。さらに、自社の得意分野である加熱技術による省エネルギー化した設備を提供することにより、お客様が求める「カーボンニュートラル」を見据えたものづくりを実現してまいります。
③ 海外進出への対応
当社では、日本市場で展開してきた独自の熱技術を海外市場でも活用するべく、海外に拠点を持つ既存顧客へのサービス展開をベースとしながら、様々なネットワークや情報収集を通じて更なる顧客の開拓を図り、サービスの多国展開を達成することが、事業の一層の発展に貢献し得る要素であると考えております。その一環として、ノリタケ株式会社との提携を図り、海外事業の拡大・成長の機会を検討してまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は、事業規模を拡大すると同時に企業価値を継続的に高めていくために、内部管理体制のさらなる強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するため、また、円滑で効率的な業務運営を行うため、各種会議体の運営における工夫にも注力してまいります。併せて、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンスに関する意識を高く持つ体制の一層の強化を図るとともに、内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
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