フェニックスバイオ 【東証グロース:6190】「サービス業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)PXBマウス事業への依存について
当社グループの売上高は単一事業であるPXBマウス事業のみとなっており、同事業に依存した収益構造となっております。経営資源を集中させることにより収益規模を拡大させることを目指しておりますが、今後、他社との競争によりPXBマウス事業の売上高が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定顧客への依存について
当社グループの2024年3月期におけるAlnylam Pharmaceuticals,Inc.に対する売上高は、約39%を占めております。当社グループは安全性等分野においてPXBマウス及びPXB-cellsの有用性を示すデータの取得、新製品開発、プロモーション活動等を推進し、新規顧客獲得により特定の顧客に依存しない基盤づくりに努めてまいりますが、思うように進まず、同社の事業方針の変更や業績の変化等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります
(3)大学等の公的研究機関との関係
当社グループの販売先である大学及び公的研究機関は、その研究資金の大部分を科学研究費補助金など公的な補助金及び助成金に依存しております。現在、海外製薬企業を中心に民間企業への販路が拡大しているものの、今後も大学及び公的研究機関に対する売上は一定程度見込まれることから、科学研究費補助金等の削減又は制度の変更により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)国立大学法人広島大学との共同研究について
当社グループは、自社での研究活動の他、国立大学法人広島大学と共同研究を実施しております。当社グループは、今後も同大学との間で良好な関係を維持し、共同研究を継続していく方針でありますが、当該契約の更新が困難となった場合、当社グループの研究開発活動に悪影響を与える可能性があります。
(5)大規模試験の実施について
当社グループで行う受託試験サービスのうち、肝炎関連試験は長期間の試験となるため、総売上高の5%を超えるような大規模試験となる場合があります。受託試験サービスは、クライアントと試験計画を協議した上で、試験計画書に基づき実施しておりますが、予期せぬトラブル又は不可抗力により試験期間が遅延することがあり、これらが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)生産設備の事故、故障、感染症の発生について
当社グループの事業は、マウス、ラットなど動物を扱う事業であり、これらは当社グループの研究施設及び生産施設内のクリーンルームで外部の病原菌からの感染を防止するなど、厳重な管理体制のもと飼育し、また不測の事態を考慮して複数の施設に分散する等リスク軽減のための処置を施しております。しかしながら、予期せぬ天災、環境設備の故障及び事故等で施設が損傷を受けた場合、又は動物に感染症等が発生した場合、当社グループの事業に重大な影響を与える可能性があります。
(7)ヒト肝細胞の入手について
当社グループの主要な製品であるPXBマウスはヒトの肝細胞を移植しております。移植に使われるヒト肝細胞は、国内での入手は行えず、代理店を通じて国外業者から輸入しております。今後、仕入価格の高騰、法規制等でヒト肝細胞の入手が困難になった場合PXBマウスの生産に制約を受け、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)小規模組織であることについて
当社グループの組織は2024年3月31日現在で取締役5名、監査役3名、従業員70名と小規模であり、内部管理体制も当該規模に応じたものであります。今後の事業拡大に伴い、計画的な人員の増強と内部管理体制の充実を図る方針でありますが、必要な人員を確保できない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(9)技術者の確保、育成について
当社グループの事業は特殊性が高く、かつ専門性が高いため、技術育成に期間を要します。また、技術の個人依存度が高いため急な増員が難しく、技術者が大幅に流出した場合には当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
(10)税務上の繰越欠損金について
当社グループは2024年3月31日現在、743,731千円の税務上の繰越欠損金を有しております。従いまして、当社グループの業績が順調に推移し当期純利益が計上された場合でも、当該繰越欠損金が解消されるまで課税される税金負担が繰越控除の限度内にて軽減されると考えております。しかしながら、当該繰越欠損金が解消された以降は税負担が増加し、当期純利益に影響を与えることが予想されます。
(11)研究開発について
当社グループは、開発競争の激しいバイオ産業のなかで収益力を維持するためには、技術の独自性及び先進性を保ち、顧客のニーズにあったサービスを提供できるよう技術開発を行う事が重要だと認識しております。
当社グループにおいて研究開発費は大きなウエイトを占めており、将来を見据えながら先行して研究開発及び設備投資を実施しております。しかしながら、研究開発が期待通りの結果を得られない場合は、先行して投資した研究開発費及び設備投資費を回収できない可能性があります。
(12)知的財産権について
当社グループの属するバイオ産業は、技術進歩は著しく速く、日々新しい技術開発が進んでおります。当社グループの技術に関して第三者の知的財産権の侵害は存在しないと認識しておりますが、今後、知的財産権の侵害を理由とする当社グループへの訴訟が発生しないとは限らず、このような事態が発生した場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(13)配当政策について
当社は創業以来、累積損失を計上しており利益配当を実施しておりません。
当社は、事業の確立に向けて研究開発及び設備投資を実施している段階であり、投資した研究開発及び設備投資費用を回収するまでには至っておりません。さらに今後、生産体制を強化するため設備投資を実施する計画であります。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、事業の確立、経営基盤の安定及び累積損失の一掃後に、内部留保を勘案しながら還元していく方針であります。
(14)為替相場の変動について
当社グループは販路拡大を目的に、米国を中心に海外製薬会社に対し積極的にPXBマウス販売や受託試験サービスを展開しており、2024年3月期において約8割が海外売上となっております。海外製薬企業との契約を締結する場合は、外貨建取引によっており、為替リスクを有しております。このため、為替相場が円高傾向になりますと、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、為替リスクの低減に努める所存でありますが、為替相場の変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(15)技術革新について
当社グループの属するバイオ産業は、開発競争が激しく、技術革新が急速に進んでおります。当社グループの主要な製品であるPXBマウスは、ヒト肝細胞の置換率が70%以上という高置換率を誇っており、医薬品開発において有効な技術であると認識しております。しかしながら、今後これに代わる優れた技術、又は価格競争力に優れている技術が開発され、当社グループ技術の優位性を失った場合、技術の陳腐化、又は価格競争にさらされる恐れがあります。
(16)競合について
PXBマウス事業の基幹技術である「ヒト肝細胞を持つキメラマウス」を安定生産するには、高い技術力と生産に係る経験を基礎とするノウハウを要するため、参入障壁が高いと考えておりますが、市場拡大が期待されることから、今後、他社が参入する可能性があります。現在の競合他社や新規参入により当社の優位性が低下した場合、価格競争にさらされて、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(17)法的規制について
当社グループでは、PXBマウスの生産で遺伝子組換え生物等を取り扱っており、国内においては遺伝子組換え生物等を用いる際の規制措置を定めた「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に則り、事業を行っております。製品(PXB-cells)の販売につきましては、経済産業省から第二種使用等拡散防止措置確認を取得して産業利用を行っております。また、海外での生産につきましても、現地法令等に則り事業を行っております。
当社グループでは、施設の保全、リスク管理並びに従業員への教育訓練等を実施し、法令等を遵守していく所存でありますが、事故による拡散及び法規制の強化等により、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(18)大株主との関係について
当社のその他の関係会社である三和商事株式会社は、2024年3月31日時点で当社発行済株式総数の25.02%(1,008,000株)を所有し、同社の緊密な者である森本俊一氏、三和澱粉工業株式会社、株式会社特殊免疫研究所は、それぞれ当社発行済株式総数の12.56%(506,000株)、6.81%(274,218株)、3.20%(129,000株)を所有しております。同じくその他の関係会社である三和澱粉工業株式会社は、当社発行済株式総数の6.81%(274,218株)を所有し、同社の子会社である株式会社特殊免疫研究所は、3.20%(129,000株)を所有しております。また、同社の緊密な者である三和商事株式会社、森本俊一氏は、それぞれ当社発行済株式総数の25.02%(1,008,000株)、12.56%(506,000株)を所有しております。
現在、これら大株主との関係については大きな変更を想定しておりませんが、将来において、大株主との関係に大きな変化が生じた場合は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(19)感染症の拡大について
新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生、拡大により、当社グループの主要顧客である製薬企業において新薬開発が停滞した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、従業員間で感染症が拡大した場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。
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