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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、2006年10月の設立以来、『幼・青・老の共生』をコンセプトに事業子会社である株式会社さわやか倶楽部、株式会社ボナーを通じ、高齢者介護施設の運営、カラオケ・飲食店舗の運営、不動産事業等の事業活動を展開してまいりました。現在は介護事業・カラオケ事業を中心として、地域社会に必要とされる企業となること及び顧客に安心・信頼していただけるサービスの継続的な提供を行うことを経営課題として日々事業活動に取り組んでおります。

(2) 経営環境

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されたことで徐々に経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きがみられましたが、地政学的リスク等による原材料価格・光熱費の高騰の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような経営環境下におきまして、当社グループでは、介護事業においてICTを活用することでDX化に努め、業務負担軽減およびサービスの質の向上に取り組んでまいりました。また、人的資本への投資として、社内認定資格の充実、研修プログラムの強化を図り、サービスの質の向上と併せて従業員の育成、定着率向上に取り組んでおります。

 なお、当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。

 介護事業では、高齢化社会を背景に需要が拡大して行くものと認識しております。当社グループが中心として取り組んでいる特定施設につきましては、第8期介護保険事業計画(2021年度~2023年度)のもと、高齢化が進んでいる中核都市以上の都市を中心に公募が出され、選定された事業者による開設が進んでおります。今後当社グループが施設展開を安定的に行っていくためには、第9期介護保険事業計画(2024年度~2026年度)に基づき、対象となる都道府県の計画を早期に把握し、市町村における公募等の情報を適時に把握していくことが必要となっております。また、定期的に実施される介護保険制度改正や報酬改定といった環境変化に大きく影響を受けることとなるため、明確なビジョンを持ち、変化に応じて柔軟な施策が推進できるような体制整備が必要となると考えられます。

 カラオケ事業におきましては、カラオケボックス業界の市場規模が縮小傾向にあり、事業者間での競争が激化していると認識しております。今後におきましても、少子化の影響で主要な客層である10代から20代の利用が徐々に縮小していくと考えられますが、一方で団塊世代の定年後の余暇需要がマーケットとして認識される点や、2007年度以降のカラオケ参加人口がほぼ横ばいであることなどを踏まえると、今後も参加人口については現状とほぼ変わらずに推移するのではないかと考えられます。

 飲食事業のうち、当社グループが主に参画している居酒屋業界におきましては、長引くデフレや「若者のアルコール離れ」等からの影響で、市場規模が縮小傾向にあると認識しております。今後もこの傾向は継続すると考えられるため、アルコール以外の商品の充実や食品の質・品揃えの向上、接客サービスでの差別化、コンセプトを含めた店舗の特徴などのさらなる充実を図る必要があると考えられます。

 このような環境下、当社グループは各事業分野において、課題の対処を強化するとともに新しい生活様式を意識した営業スタイルの確立やビジネスモデル、商品開発等を行い環境の変化に順応していきます。また、当社グループの従来の事業における需要が改めて見直される機会になるとも考えられ、今後さらに従業員教育を徹底し、専門知識の習得とサービスの質の向上により競合他社との差別化を図ってまいります。

(3)中期経営戦略

 当社グループを取り巻く環境は、各セグメントにおいて、その状況にも相違があります。介護事業におきましては、今後日本国内の高齢化が加速して行くと考えられている現状において、これまで以上に利用者、入居者との信頼関係を構築していく必要があると考えられます。また一方でカラオケ事業、飲食事業におきましては、環境は一段と厳しいものになると予想されており、新規出店、既存店リニューアル、不採算店のスクラップによる安定的な成長を目指し、企業間、店舗間における競合への対応が必要となると考えられます。

 このような状況の下、当社グループでは、主要となる事業セグメントにおいて、個々の持つ特徴を強く打ち出し差別化を図っていきたいと考えております。

 セグメント別には次の目標を掲げております。

①介護事業

 有料老人ホームの新規開設を年間5ヵ所程度を目標としております。各事業所の全国展開を確実に推進するため、新たに進出する地域において地域社会との交流を活発に行い、認知度と信頼関係を強化するとともに、高齢者サービスへの需要に対して適時に対応することでビジネスの拡大を図ってまいりたいと考えております。

 また、安定した施設開設を行うためにも、物件の情報収集と、行政機関との関係の構築を行ってまいります。

②カラオケ事業

 既存店舖におきましては、来店客数の増加を見込むため、アプリ会員や65歳以上のゴールドメンバーを積極的に募集し、リピート率の向上に努めてまいりたいと考えております。

 新規出店に関しましては、経済環境及び消費動向等を慎重に見極めて、出店地域や方針などを柔軟に検討していきます。全国展開を進捗させることで企業の認知度、関心、注目度を高めていくことが可能となると考えております。

③飲食事業

 既存店の店舗力の強化に注力をして行きたいと考えております。サービスや商品の強化を随時行うことで、顧客の信頼や安心感を高め客数の向上を図るとともに、店舗の個性を磨き、足を運んで頂ける店舗づくりを行うことで、消費環境の変化などの影響を受けない体質へと改善して行きたいと考えております。また、継続して、カラオケ店舗と居酒屋店舗の顧客の回流を促進することで、効率的に収益の向上を図ってまいります。

④不動産事業

 主に、賃貸マンションの賃貸・管理業務と不動産物件の売買・仲介業務を行う予定です。また、不動産市況等の情勢を見極め、収益物件の取得および販売用不動産などの調査も適宜行い、迅速に対応してまいります。

(参考)中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)

①定量目標

決算年月

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

実績

実績

計画

売上高

(千円)

26,911,561

28,842,902

31,749,762

営業利益又は

営業損失(△)

(千円)

△798,868

589,051

1,500,941

親会社株主に帰属する当期純利益
又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

△400,580

213,915

927,421

親会社株主に帰属する当期純利益率

(%)

△1.5

0.7

2.9

総資産回転率

(回)

0.9

0.9

1.1

財務レバレッジ

(倍)

2.5

2.5

2.0

R O E 

(%)

△3.2

1.7

6.6

(注)中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)①定量目標は、2022年5月19日に公表したものであります。

②定性目標

人財の育成により、これまで以上に高いレベルでの社会貢献を目指す。

 企業の成長を通じてステークホルダーの幸せを追求し、様々な課題にチャレンジをする。

  a. 成長戦略

・既存事業に親和性のある新規事業の開発に努める。

・3つの事業の柱を中心に、よりハイレベルなサービス提供を実現し、差別化を図る。

・介護事業を中心にM&A等の情報収集に努め、積極的に取り組む。

 b. ガバナンス体制の強化

・経営に対するチェック機能の充実・意思決定の迅速化による経営効率の向上を図る。

・コンプライアンス委員会を中心として、更なるコンプライアンス管理体制の強化を図る。

 c. 人財教育

・社内教育システムを充実させ、より社会性の高い人財の育成を図る。

・成長をフォローする環境を整え、定着率向上を図る。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(3)に記載の経営方針及び中期経営戦略を実行する上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

 当社グループは「幼・青・老の共生」をコンセプトとして、「幼年~青年~老年、共に楽しく過ごせる社会作り」を目指し、介護施設やカラオケ店舗の運営を中心とした事業展開を図っております。

 今後は、国内外の経済情勢、自然災害、新型コロナウイルス感染症等の影響についても留意しつつ、更なる広域展開を志向し、各事業子会社、各事業セグメントにおける対処すべき課題を適宜精査し、その都度適切な対応策を講じてまいります。

 当社グループとして、現在事業の拡大・推進にあたり重要な課題として認識している事項は、以下のとおりであります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

新型コロナウイルス感染症の第8波までの感染動向により事業環境への影響を受けたものの、行動制限が緩和されたこと等により、経済活動は緩やかに持ち直しの動きがみられる状況となりました。このような環境の下、当社グループにおいては、状況に応じた感染拡大防止対策を徹底し、安心してご利用いただける施設・店舗環境を整えながら、お客さま、従業員をはじめ全ての方々の安全と健康の確保に努めてまいります。

 また、当社グループが取り組むべきの課題といたしましては、不採算店舗の閉店やコスト削減に努めると共に新たな環境に適合し、継続的に成長できるよう各事業における営業スタイルやビジネスモデルの確立、商品開発等に取り組んでおります。

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

(全社)

① 人材育成の方針

 当社グループの属する介護事業、カラオケ事業及び飲食事業では慢性的に労働力不足の問題を抱えております。当社グループにおきましては、対応策として採用に力を入れるのはもちろんですが、OJTを中心とした技術指導だけではなく、従業員研修制度に基づく各種取り組みにおいて個々の成長をフォローし、職責や当社グループに対するロイヤリティーを高めることで定着率の安定化を図ってまいります。

② 管理体制の強化

 当社グループとして、今後事業規模を拡大していくにあたり、人材の育成とともに管理体制を強化し、企業統治をより機能的に行っていくことが重要であると考えております。当社グループにおいては、管理・統制機能を担う各管理部門及び経営企画室を持株会社である当社に集約し、企業グループとして一体的な管理ラインを構築・運用することで、正確かつ効率的な企業統治に努めております。

(介護事業)

① 事業展開地域の拡大

 当社グループは、介護事業の中心となっている介護付ホーム(特定施設入居者生活介護)については、介護保険施設等にかかる総量規制の対象となっていることから、従来以上にスピード感をもって新規開設を図るべく、全国の自治体による公募に参加し、開設の認可を得られるように努めると同時に、親和性のある新規事業の開発に関する情報等も積極的に収集するなどして、事業規模拡大の方策を検討してまいります。

② 接遇レベルの向上

 当社グループの介護施設の入居者のほとんどの方が要介護認定者であり、そのような方々に快適な生活を提供するためには、自立支援の観点を持ち、過剰なサービスとならないために配慮することが不可欠であり、その見極めには知識や経験、正しい情報が必要となります。それらを適切に行っていくためにも、自社の研修制度を充実させ、それらを通じて、従業員の能力向上を図るとともに、本質的なサービスの質の向上を果たし、少しでも多くの入居者の満足感や信頼が得られるように努めております。

③ 施設レベルの向上

 介護施設において、利用者に安心、安全にお過ごし頂くためには、介護職員による接遇レベルの向上のみならず、施設の安全性や信頼性を確保する必要があります。当社グループでは、災害時を想定した防災訓練の実施や、日々のクリンリネスの徹底、厨房の衛生検査の実施などにより、安全、衛生管理に取り組んでおります。また、介護事業においては、介護保険法や老人福祉法をはじめとする関係法令の周知は不可欠であることから、研修委員会等を通じて知識や技術指導を行うとともに、コンプライアンス委員会主導の下、コンプライアンス推進会による法令全般に係る指導の徹底に努めております。

④ 有資格者の確保

 介護サービスの提供にあたり、看護師やケアマネジャー、介護福祉士等の有資格者の確保は不可欠であり、法令遵守の観点からも、有資格者の安定した雇用は重要な課題であると考えております。当社グループでは、有資格者の採用にあたって、知識・経験等を十分に考慮するとともに、入社後においても、能力や実績に応じて適宜待遇面の見直しを行うなどして、安定的な採用と定着率の向上を図っております。

(カラオケ事業・飲食事業)

① 遠隔店舗の店舗力強化

 当社グループのカラオケ事業及び飲食事業は、福岡県を中心とした九州地区から関東まで、広範囲に渡る地域展開を行ってまいりました。今後も全国展開を継続していくためには、各店舗が安定的に収益を生み出すことが必要であり、そのためには、管理体制、教育体制の強化を図り、迅速な問題の把握とその解決に努めなければならないと考えております。WEB会議等を活用し遠隔店舗の情報を迅速に掴むとともに、店舗力の客観評価を行い、適切に改善策、対応策を打ち出すことができる体制の構築に努めてまいります。

② 競争激化と他社との差別化

 カラオケ事業及び飲食事業においては、各地域での競合が激しさを増しております。当社グループとしては、競争力のある商品力、サービス力、価格設定等を随時検討するとともに、既存店舗の業態変更やリニューアルを行うなどして、対応策を講じてまいります。

③ 衛生管理の強化

 衛生上の事故を予防し、顧客の信頼を保つことは、継続的に運営する上での前提となります。当社グループでは、専任の環境パトロール担当者を設置し、クリンリネスのチェックを行っている他、全店舗において外部業者による定期的な衛生検査を導入しており、客観的な検証を通して衛生管理の精度の向上に努めております。

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