企業兼大株主日本電気硝子東証プライム:5214】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶

 融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給するこ

 とにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。

 同時に、事業活動を行うにあたり重要と認識するCSR(企業の社会的責任)の重点課題を設定し活動を推進す

 ることにより、企業の社会的責務を果たしていきたいと考えています。これらの取り組みを通して、社会の発展に

 貢献するとともに企業アイデンティティの発信にも努め、企業価値の向上と持続的成長を図ってまいります。

   《日本電気硝子 企業理念体系》

 わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすも

 のと位置付けています。

   (企業理念)

「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」

 スローガン:  GLASS FOR FUTURE

   (目指すべき企業像)

    「世界一の特殊ガラスメーカー」

   (大切にしている価値観)

・お得意先第一

お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。

・達成への執念

執念をもって、課題を為し遂げること。

・自由闊達

前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。

・高い倫理観

いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。

・自然との共生

自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。

  (2) 目標とする経営指標

 将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資並びにこれらの活動を支える売

 上と利益が不可欠であると考えています。また、企業価値を高めるためには、効率的な事業運営や資本の効率的

 な活用が重要になります。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利

 益率)を重要な経営指標と位置付け、中期経営計画において目標値を設定しています。

  (3) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

   <経営環境>

     ○事業内容

 当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の

 製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野ではディスプレイ事業、電子デバイス事業などのビジネス

 を、また、「機能材料」の分野では複合材事業、医療事業、耐熱事業、建築事業などのビジネスを展開

 し、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築しています。

 (主要製品)

区 分

製 品 分 類

主 要 製 品 名

電子・情報

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディスプレイ

 

 

液晶ディスプレイ用ガラス

有機ELディスプレイ用ガラス

化学強化専用硝子<Dinorex>

電子デバイス

 

 

 

 

 

 

半導体プロセス用ガラス

LTCC製品

機能性粉末ガラス

イメージセンサ用板ガラス

小型電子部品用管ガラス

光エレクトロニクス用ガラス

蛍光体ガラス<ルミファス>

機能材料

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

複合材

 

 

 

 

機能樹脂強化用チョップドストランド

建築材料用ウェットチョップドストランド

樹脂強化用ロービング

自動車用チョップドストランドマット

セメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ

医療

 

医薬用管ガラス

放射線遮へい用ガラス<LXプレミアム>

耐熱

 

 

超耐熱結晶化ガラス<ネオセラム>

調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス

<StellaShine>

建築

 

 

防火設備用ガラス<ファイアライト>

ガラスブロック

結晶化ガラス建材<ネオパリエ>

その他

 

照明用ガラス

ガラス製造機械

     ○当連結会計年度の経営環境

 世界経済は、長期化する不安定な国際情勢や各国の金融政策等を背景に、インフレーションと景気悪化の同

 時進行など先行き不透明な状況が続きました。国内においても円安の進行とも相まって物価上昇が続きまし

 た。

 このような中、当連結会計年度においては、売上高は前連結会計年度を下回りました。損益面においては、

 営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上する結果となりました。

   <当社グループの経営戦略>

     ○ビジネスモデル

 ガラスは、元素の組み合わせや製造方法により多種多様な機能と形状を可能にする素材です。長年育んでき

 た広範なガラスの技術と独自の発想を掛け合わせ、社会が求める様々な高機能ガラス製品を提供しています。

 この「モノづくり」(※)のための「創造力」、「技術力」、「人材力・組織力」こそが当社グループの強み

 です。

創造力

「板」、「管」、「球」、「繊維」、「粉末」、「成形品」、薄膜・樹脂・金属等との「ハイブリッド製品」といった多種多様な形状と機能を持つガラスで新しい価値を創出しています。

技術力

材料設計・プロセス開発・製品開発の一体的な開発体制を構築し、製品開発と事業化のスピードアップを図っています。これらの開発には、計算科学(ICTやAI等を活用したデータ解析を含む)を用いています。

人材力

組織力

多角的なスキルアップを推進するための人材育成プログラムにより、“あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人材”を育成しています。

また、研究開発部門、プロセス技術部門、事業本部の一体的な開発体制と企業戦略、マーケティング部門の支援により、シーズ・ニーズにスピーディに対応しています。

 ※当社グループが目指す「モノづくり」

 社会のニーズに応えるべく、最先端の技術をベースに研究開発を推進し、優れた製品を生み出し、最高

 水準の品質と高効率の生産により、潤沢に市場に製品を供給する。再び、市場からの声を研究開発に活か

 す。こうした循環を当社グループが目指すべき「モノづくり」と考えています。

     ○展開する市場分野

自動車

:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器

エネルギー

:二次電池、再生可能エネルギーシステム

医療

:先進医薬容器、先端医療機器・設備

半導体

:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセス

ディスプレイ

:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)

情報通信

:光通信デバイス(次世代高速通信対応)

社会インフラ

:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)

家電・住設

:高機能家電・住設材料、多機能壁材

   <中期経営計画「EGP2028」>

 当社グループは、2024年度から2028年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画「EGP2028」を

 策定しました。

      (スローガン)

        “STRONG GROWTH”

      (基本方針)

 既存事業の収益基盤強化と成長分野への積極的なリソース投入を推進し、持続的成長と企業価値向上を実現

 する。

      (期間)

        2024年1月1日~2028年12月31日(5か年)

      (経営目標)

 売上高          4,000億円(電子・情報1,900億円、機能材料1,600億円、新規事業500億円)

 営業利益           500億円

 営業利益率            12.5%

        ROE                8%

 目標達成年度        2028年度

      (事業戦略)

        ①既存事業の強化(競争力向上による収益基盤強化)

         ・高付加価値製品の開発、事業化を強化する。

         ・全電気溶融技術を活用し、生産性・品質の向上を図る。

         ・強固な事業基盤を構築する(リソースの効率的な運用、DXの活用、調達の見直し、業務/製造プロセ

 ス改革等)。

         ・事業収益性の分析を徹底し、投資や縮小、撤退を判断する。

        ②戦略事業の拡大(成長分野へのリソース拡充)

         ・自社の強みを活かし、成長が期待できる分野へリソースを積極的に投入し戦略事業を拡大する。

         ・ガラスの付加価値を高めるデバイス事業を拡大する。

         ・エネルギー、医療、環境、食料分野を中心に、研究開発のリソースを拡充するとともに、大学や研究機

 関、ベンチャー企業等との連携を積極的に活用する。

         ・戦略的投資枠(5年間で500億円)を設定し、M&Aや戦略的提携、事業投資等を積極的に行う。

        ③調達リスクマネジメント

         ・経済情勢や物流の混乱等による調達リスクへ対応する(調達先・物流ルートの複数化、取引先との戦略

 的提携等)。

      (財務戦略)

           ①政策保有株式の縮減

 事業環境の変化等を考慮し、資本コストを踏まえた定量面と経営戦略等の定性面から保有の適否を検証し

 一層の縮減を進める。

           ②資産の圧縮

             EGP2028や事業改革等の過程で生じたノンコア資産については、適宜、処分し資産効率の向上を図

 る。

        ③バランスシートの管理と株主還元の充実

 財務の安定性と資本効率性を考慮してバランスシートを管理するとともに、将来の成長に期した内部留保

 を確保しながら、株主還元の充実を図る。

           - 自己株式の取得

 資本効率向上に向けて、2023年11月から2028年12月末までの間(約5年間)、総額1,000億円の自己

 株式の取得を計画

           - 継続的な配当の拡大:目標DOE3%

 安定配当を基本とし、業績、財務状況、成長投資等を踏まえ配当を拡充

      (サステナビリティ戦略)

        ①カーボンニュートラルの推進

 全電気溶融技術をはじめとする技術開発等を推進し、地球温暖化防止に貢献するとともに、持続的な成長

 と企業価値の向上を図る。

 全プロセスの電化を進める

 再生可能エネルギーへの投資と調達

            CO₂フリーエネルギー(水素等)の技術開発

        ②人材戦略

 経営の基盤となる人材への投資を拡大するとともに、多様な人材が十分に能力を発揮できる職場環境を確

 保し、競争力の向上を図る。

 高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成

 多様な人材の登用

 多様な人材が働きやすく、働きがいを感じる職場の整備

        ③サプライチェーンマネジメント

 サプライチェーン全体で、環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みを推進し、持

 続的な成長と企業価値の向上を図る。

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