ケミプロ化成 【東証スタンダード:4960】「化学」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2024年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、創業以来、社会に貢献する開発型企業としての役割を強く認識し、常に時代に求められる企業を標榜してまいりました。化学のプロ集団として、常に技術開発にチャレンジし、独自の新しい発想や技術力をもとに、高付加価値製品の創出に取り組んでまいりました。私たちの生活が豊かに、そして快適になればなるほど、化学メーカーの果たす役割は日に日に広がりを見せております。私どもはそこに当社の存在価値を見出すことができると自負しております。
また株主の皆様に適正な利潤を還元すること、従業員が安心して意欲的に働ける社内環境の整備、また地域社会との共存を図り、環境に対する配慮を十分に行い、コンプライアンスを推進することで、さらに企業価値を高めてまいります。
化学は、私たちの生活に欠くことのできないものであり、その製品を担う化学メーカーとして、常に未知なるものへのチャレンジをし続ける姿勢にこそ、当社の真の姿があると考えます。今後も人にやさしく、社会の繁栄に寄与するケミプロ化成製品をグローバルに展開していきたいと願っております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社は、2025年3月期を初年度とする第3期中期経営計画『ケミプロ化成経営革新プランⅢ~Flexible for Sustainability~』を策定し、推進しております。その内容は、次の通りであります。
[ケミプロ化成経営革新プランⅢ(2024年度~2026年度)]
1.本計画の位置付け
当社は、2018 年度より初の3ヶ年中期経営計画『ケミプロ化成経営革新プラン〔Reborn(再生)プラン〕』を稼働させ、第1目標であった売上高100億円の突破を2020年3月期において実現しました。その後、2021年度より3ヵ年で推進する第2期中期経営計画「ケミプロ化成経営革新プランⅡ Reborn to Flexible」を立ち上げ、Reborn(再生)を完了し、Flexible(しなやかな)企業を目指す取り組みを進めてまいりました。しかしながら、数々の逆風や課題に阻まれ、経営目標や業績計画については目指す水準を達成できませんでしたが、逆風や課題への対応を通じ、変化に柔軟に対応する意識や企業風土の醸成は確実に進みました。
本計画は、2024年度より3ヶ年で推進し、これまで培ってきたものを活かし、さらに進化させ、経営目標と業績の向上と達成を目指すものであります。
2.本計画の基本コンセプト 《Flexible for Sustainability》
「Flexible(しなやかな)な企業となり、 Sustainability(持続可能性)を追求する」
社名の由来であるケミストリー(化学)によるプロスペリティ(繁栄)実現に向け、「いいなと思われる、自慢できることがある会社になろう!」という中長期ビジョンのもと、社会から必要とされ、お客様から頼りにされ、社員と家族が誇らしく思う会社を目指します。
*Flexible(しなやかな)の意味
し | 消費者(顧客)目線の「し」 | 社会性が高い企業 |
な | なくてはならない「な」 | 永続性が高い企業 |
や | 役割分担が上手い「や」 | 応用力が高い企業 |
か | 環境順応性が高い「か」 | 柔軟性が高い企業 |
な | 永く稼げる安定収益モデルを持つ「な」 | 強靭な企業 |
3.重点方針とタスクフォース活動
「稼ぐ力の向上」、「収益体質の強化」、「持続可能性の追求」の3方針を本計画の重点方針とし、これらに基づき実施する施策を具体化し、以下のタスクフォース活動に落とし込んで推進すると同時に、SDGsの推進にもつなげるよう実践してまいります。
具体的な内容は下表をご参照ください。
<重点方針とタスクフォースおよび主な具体的な取り組み内容>
重点方針 | タスクフォース名 | 主な具体的な取り組み内容 |
稼ぐ力の向上 | NEWフロンティアR&D | マーケットに訴求できる製品の開発、新規事業の 展開・強化、次の主力事業となり得る製品開発検討 |
パートナービジネス拡大 | 受託製品の展開強化 新規事業の展開・強化 | |
メインビジネス強化 | 既存事業・製品の販売強化、マーケットに訴求できる 製品の開発、低環境負荷製品の開発 | |
ホーム産業事業強化 | 既存事業・製品の販売強化、低環境負荷製品の開発、 受託製品の展開強化 | |
収益体質の強化 | 購買体制強化 | 安定・安価な原材料購入による工場操業の安定化 利益向上への貢献 |
財務基盤の健全化 | 抜本的な在庫圧縮・回転率向上 有利子負債の圧縮 | |
IT化推進 | 全社基幹業務システムの再構築 生産性向上に寄与する業務改善、コスト削減 | |
持続可能性の追求 | プラントサステナビリティ追求 | 同一製品製造可能ラインの複数化 将来の適正生産体制検討 |
廃棄物高度処理法の確立
| 革新的な廃水処理技術の探索、確立 | |
工場ピッカ美化 | 作業環境改善 汚染源特定による効果的な美化推進 | |
公正なQCA活動の推進 | QCA力量の向上 環境に配慮できる分析技術の確立 | |
働き方改革 | 報酬水準の見直し 人員・組織体制の適正化 |
4.経営目標(最終年度:2027年3月期)
経常利益率 | 5%以上 |
自己資本利益率(ROE) | 7%以上 |
自己資本比率 | 39%以上 |
*ご参考:2024年3月期実績(経常利益率:1.4% ROE:2.7% 自己資本比率:34.1%)
5.業績計画
(単位:百万円) | 2024年 3月期 | 2025年 | 2026年 | 2027年 |
3月期 | 3月期 | 3月期 | ||
売上高 | 9,236 | 9,800 | 10,500 | 11,000 |
経常利益 | 132 | 200 | 500 | 600 |
当期純利益 | 126 | 140 | 300 | 360 |
(注)文中の業績計画等の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(3)会社の経営環境
世界経済は、原油高等コスト上昇に起因した物価の高止まり、金利差などに基づく為替変動、地政学的リスクの長期化等により、引き続き不安定かつ不透明な状況が続くものと思われます。一方、わが国経済では、政府主導による雇用・所得環境の向上政策を背景として個人消費の押し上げが期待されるものの、当社を取り巻く事業環境においては為替動向、資源・エネルギー価格、人件費の上昇などが大きく影響を及ぼすものと思われます。
当社といたしましては、主力製品を中心とした既存取引先との関係・維持強化に加え、環境配慮型新規製品の開発を含めた各製品の販路拡大を図るとともに受託製造製品ラインナップの拡充などにより、安定収益の持続的な確保を図ってまいります。また、官学連携の製品開発改良活動の展開や環境配慮型製品への計画的なシフトのほか、原材料や設備見直しなどを実施することにより、一層の事業安定化を図ってまいります。
加えて、優秀な人材の確保・育成に努めるとともに、利益確保と在庫削減などにより内部留保を充実させるとともに資金調達可能枠の確保に繋げ、強靭な財務基盤を構築します。そして、それらに基づく安定配当の継続により、株主満足度の向上を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。
①事業上の対処すべき課題
・化学品事業 主力製品の受注量変動リスクを最小化するため、既存取引先との関係維持・強化を図るとともに、環境配慮型新規製品の開発を含めた各製品の販路拡大と、設備の稼働状況の安定化を目的とした受託製造製品ラインナップの拡充を追求する。これにより、直販・OEM・受託の最適プロダクトミックスの一刻も早い実現を図り、安定収益の永続的な確保に繋げる。
・有機EL 営業活動から生ずる損益の早期黒字化を実現するため、電子材料関連分野での官学連携の製品開発改良活動を展開し、市場規模の拡大局面にシェアを確保するための顧客と一体となった潜在ニーズの発掘と機動的販売強化、盤石な販売ルートの構築を図る。
・ホーム産業事業 受託加工品の取り込みを含めた販売網の一層の拡充と、環境配慮型製品への計画的なシフト、原材料及び設備の見直しを実施することにより、一層の事業の安定化を図る。
②財務上の対処すべき課題
財務上の優先的に対処すべき課題は、下記の通りであります。
・株主満足度を高めることに繋がる、安定配当の継続と内部留保の充実。
・利益確保と在庫削減などによる、強靭な財務基盤の構築。
・金融機関からの信任を前提とした、資金調達可能枠の確保。
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