企業ノエビアホールディングス東証プライム:4928】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、“すべてはお客さまのために”を第一に、お客さまの美と健康に役立つ商品を提供し、中長期的な戦略のテーマ「グループ各事業の持続可能な経営による節度ある成長の実現」に取り組んでおります。

 当社グループの新商品開発は、㈱ノエビアのグループ総合研究開発部が担い、化粧品・医薬部外品・医薬品・食品のイノベーション創出を目指しています。滋賀研究所は、化粧品を生産する滋賀工場に隣接し、商品開発を加速しています。研究開発部門に知的財産及び薬事申請部門を統合し、商品開発を強化しました。東京研究所の先端研究、北海道暑寒別岳パイロットファームにおける植物栽培、鈴鹿高山植物研究所における植物エキス抽出を推進し、高品質で競争力のある植物由来の素材と製品の開発を進めています。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は1,066百万円であり、セグメント別の内訳は、化粧品事業943百万円、医薬・食品事業122百万円であります。

 当連結会計年度における研究開発活動及び研究成果は次のとおりであります。

化粧品事業

 当連結会計年度におきましては、当社グループの強みであるスキンケア研究を活かし、各ブランドの価値向上を目指した化粧品の開発に取り組みました。当連結会計年度において開発いたしました主な商品は、以下のとおりであります。

 スキンケア商品

商品名称

主な特徴

販売形態

ノエビアリンクル91

乾燥による小じわを目立たなくし、ハリと弾力感のある肌へ導く美容液。次世代レチノールと呼ばれるバクチオール、自社栽培ワレモコウなど9つの植物エキスを配合。

カウンセリング販売

ノエビア バイオサイン

ナイトスムージー

乾燥に耐える復活草、時間リズムに着目した時計草、夜に花咲く茉莉花(まつりか)などを配合した、睡眠中にはぐくまれる美しさをサポートする美容液。

カウンセリング販売

なめらか本舗 シリーズ

豆乳のスキンケアブランド「なめらか本舗」から、肌荒れ防止&毛穴ケアして透明感のあるお肌に導く薬用純白ライン「薬用純白化粧水」「薬用純白乳液」「薬用純白美容液」、しわ改善&シミ対策のWケアができる薬用リンクルライン「薬用リンクルミスト化粧水 ホワイト」、「薬用リンクル美容液 ホワイト」を発売。

セルフ販売

ノブプラス シリーズ

低刺激性化粧品ブランド「ノブ」から、機能性スキンケア「ノブプラス」を発売。保湿化粧水「ノブプラス セラムローション」をはじめ、美容石けん、化粧水、美容液など4種類。

セルフ販売

 メイクアップ商品

商品名称

主な特徴

販売形態

ノエビア スペチアーレ

薬用クッションファンデーションセラム<医薬部外品>

最高峰スキンケアシリーズ「ノエビア スペチアーレ」から発売。みずみずしくうるおいに満ちた上質なつや肌へ導く。

カウンセリング販売

ノエビア レイセラ

サンケアシリーズ「レイセラ」から、やさしい使い心地とUVカット力の強さを兼ね備えた日焼け止め、UVクリーム・ミルク・ジェルを発売。

カウンセリング販売

エクセル シリーズ

メイクアップブランド「エクセル」から、朝用スキンケアUVクリーム「デイスキンコンフォート」を発売。メイク前に使用し、肌をうるおいで守る。

セルフ販売

毛穴パテ職人

ポアレス クッションファンデーション

毛穴ベースメイクブランド「毛穴パテ職人」初の「クッションファンデーション」を発売。厚塗り感のない薄膜ハイカバー。

セルフ販売

ニューボーン シリーズ

アイブロウブランド「ニューボーン」から多機能アイブロウ「パーフェクトアイブロウ」発売。ロングセラーの3機能一体型「WブロウEX N」を刷新。

セルフ販売

医薬・食品事業

 当連結会計年度におきましては、美と健康を求めるお客さまのニーズに寄り添った機能性表示食品の開発に取り組みました。当連結会計年度において開発いたしました主な商品は、以下のとおりであります。

 食品

商品名称

主な特徴

販売形態

素肌記念日

モイストヌードサプリ

ナチュラルメイクブランド「素肌記念日」から、初のサプリメントを発売。顔やからだの肌の水分を逃しにくくし、乾燥から肌を守る(バリア機能)機能性表示食品。

セルフ販売

すや睡眠ドリンク

睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)向上をサポートする機能性表示食品ドリンク。

セルフ販売

アイルテインV

目の疲労感を軽減し、くっきり見る力を改善する機能があるアスタキサンチンとルテイン・ゼアキサンチンを機能性関与成分とした機能性表示食品。認知機能維持、肌の水分保持にも役立つ。

配置販売

その他の事業

 研究開発活動を行っておりません。

 基礎研究分野での主な成果は、次のとおりであります。

 植物と夜美容の研究成果として、復活草(ハベルレアロドペンシス)がヒアルロン酸とエラスチンを増加し肌の生まれ変わりを促すこと、さらに、老化により減少する睡眠ホルモン・メラトニンの合成酵素と受容体を茉莉花(まつりか)と時計草が回復させることを見出しました(「日本薬学会第144年会」にて一部発表)。老化によって乱れた肌の体内時計を整え、夜間に高まる肌の回復を促進する効果が期待されます。

 植物と皮膚の研究成果として、皮膚バリア機能改善が報告された芳香族炭化水素受容体AhR作動薬に着目して植物成分を探索した結果、エゾヨモギとその含有成分にAhR活性化による炎症抑制と皮膚バリア機能の改善作用を発見しました(「第70回日本生薬学会」にて発表)。研究成果は、エゾヨモギ配合スキンケア化粧品の品質向上に活用します。

 植物と神経の研究成果として、神経細胞を維持・修復する機能をもつシュワン細胞に着目したところ、シュワン細胞が産生する神経栄養因子をシャクヤクが促進することを見出しました(「第70回日本生薬学会」にて発表)。研究成果は、老化によって衰える感覚神経の維持・増進に応用し、脳-皮膚相関による新たな美容理論を開発します。

 植物と皮膚セラミドの研究成果として、ムラサキバレンギクが角層の細胞間脂質のセラミド量を増加し、ラメラ構造形成を促し、皮膚バリア機能を向上することを発見しました(「第1回 日本化粧品技術者会 学術大会」で発表)。ムラサキバレンギクに含まれる特定の脂質の関与を確認しています。

 セラミド含有製剤技術の研究成果として、角層の細胞間脂質と同じラメラ構造をもつ製剤にセラミドを含有させたところ、ヒト試験により皮膚の水分量の増加と皮膚バリア機能の向上を確認しました(「第1回 日本化粧品技術者会 学術大会」で発表)。外部からセラミドを補う効果に加えて、皮膚状態の改善により、内因性のセラミド合成も促進することを示しました。

 リポソーム製剤技術の研究成果として、リポソームの微細構造を大型放射光施設の小角X線散乱で解析し、添加したセラミドの種類による多重層リポソームのラメラ構造への影響を確認しました(「第75回コロイドおよび界面化学討論会」にて発表)。研究成果は、より高品質なリポソーム化粧品の開発に活用します。

 アトピー性皮膚炎患者の臨床研究の成果として、アトピー性皮膚炎患者を対象にしみやしわなど皮膚の加齢変化を評価したところ、皮膚の乾燥による小じわや慢性炎症による色素沈着が見た目の年齢に影響することを確認しました(「第49回日本香粧品学会」にて発表)。研究成果は、治療を補助し患者のQOL(生活の質)を向上する化粧品の開発に応用します。本発表は、第49回日本香粧品学会の会頭より会頭賞を受賞しています。

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