企業スペースシャワーSKIYAKIホールディングス東証スタンダード:4838】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)経営の基本方針・中長期的な経営戦略

 当社グループでは、急激に変化する昨今のビジネス環境下、当社グループの持続的成長と企業価値向上を実現すべく、2022年5月13日、中期経営計画「Daylight 2024」(2022年度から2024年度を対象とする3ヶ年計画)を策定し、公表し、以下の基本方針を掲げております。

<定量目標>

2024年度までに以下の定量目標を実現する

  ・連結売上高 200億円

  ・連結営業利益 10億円(営業利益率 5%)

  ・ROE 20%

<定性目標>

1,セグメントを「メディア」「ライブ・コンテンツ」「ソリューション」へ再編

  1)「メディア」の収益を可能な限り守りつつ、依存から脱却

  2)「ライブ・コンテンツ」、「ソリューション」を成長の重点領域とする

2.働き方改革・経営効率改善に取組むとともに、SDGs・サステナビリティなど、社会的要請への対応を進める

3.M&Aも視野に、デジタル領域のリソースを拡充し、新しく生まれつつあるエンタメテック領域(WEB3、メタバース、NFT等)での事業開発を進める。

 また、中期経営計画「Daylight 2024」のなかで、創業以来の当社グループのミッションを更新しておりますが、2024年4月1日のSKIYAKIとの経営統合に際し、以下へのさらなるアップデートを致しました。

<当社グループのミッション>

EMPOWER ARTISTS & CREATORS, ENRICH FAN EXPERIENCE

 

 我々が住むこの社会を持続可能なものにするために、文化や価値観の多様性を育むことが求められています。

 音楽をはじめとしたエンタテインメント業界で活動する当社グループは、さまざまなバックグラウンドを持つアーティストやクリエイターたちと共に、豊穣な文脈をもった良質なコンテンツを提供し、ユーザーの心に感動を生み出すことで、人々の内面世界に彩りを与え、文化・芸術、そして社会の多様性の実現に貢献してまいります。

 また、個人へのパワーシフトが進む社会の変化に対応して、幅広いジャンルで活躍するアーティストやクリエイターたちが、豊かにそして長くその活動を続けられるように、利便性の高いソリューションを360°で提供し、表現活動をする人たちの裾野を広げ、その価値を高めていくことが我々の社会的使命だと考えています。

AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化によって、エンタテインメント業界では、ビジネスのあり方が今後加速度的に変化していくことが予想され、これまで以上に、テクノロジーとの真摯な向き合いが必要不可欠なものとなってきています。

 当社グループは、このような激変する業界環境において、SKIYAKIとの経営統合により実現された、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成することで、新しいビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指し、アーティスト・クリエイターへのソリューション提供、ユーザー・ファンへのコンテンツ・感動提供の実現を通じて、当社グループミッションの実現を図ってまいります。

 なお、ホールディングス体制下での新たな中期経営計画は、企業結合に関する会計処理の確定に相応の時間を要するため、2024年11月頃の発表を予定しております。

(2)優先的に対処すべき課題

 当社グループの属する音楽業界においては、2023年(1月-12月)のライブ・イベントの公演数が、34,545公演(前年同期比6.8%増)、動員数は5,632万人(前年同期比16.5%増)となり、ライブ・イベントについて、コロナ禍以前の実績値を超え、成長を遂げた一年となりました(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。

 また、2023年(1月-12月)の音楽ソフトパッケージ総生産額が 2,207億2千2百万円(前年同期比9%増)、デジタル音楽配信売上は1,164億9千8百万円(前年同期比11%増)、合計金額は 3,372億2千万円(前年同期比10%増)と、音楽ソフトパッケージ市場の増加に加え、デジタル音楽配信市場が堅調に成長したことで、音楽流通市場全体としての成長が継続いたしました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。

 一方で、有料多チャンネル放送業界における、2024年3月の衛星放送契約者数(NHK-BSを除く)は、5,207,505件(前年同月比4.2%減)と、減少傾向が続いております(出所:一般社団法人衛星放送協会)。

 このような環境のもと当社グループは、2023年11月10日に「株式会社スペースシャワーネットワークと株式会社SKIYAKIとの経営統合契約及び株式交換契約の締結、並びに株式会社スペースシャワーネットワークの吸収分割による持株会社体制への移行、商号変更その他の定款の一部変更及び代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表し、2024年4月1日にSKIYAKIとの経営統合が成立いたしました。当社の有するコンテンツ制作能力と、SKIYAKIの有するプラットフォームサービス及びシステム開発の技術力を組み合わせることで、テクノロジーの急速な変化によって加速度的に変化することが予想されるエンタテインメント業界において、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成し、新たなビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指してまいります。

 当社グループの既存事業であるライブ・イベント市場のコロナ禍以前の水準を超えての成長、デジタル配信市場の堅調な成長に対して、音楽ソフトパッケージ販売の停滞傾向や、継続する有料放送市場の縮小など、先行きの不透明な事業環境において、主に以下の課題があることを認識しております。

① 市場環境の変化への対応

 放送市場の減衰が続く一方で、サブスクリプションサービスなどの普及により、音楽や映像を楽しむスタイルが多様化したことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を契機に、音楽ライブの映像配信も一般的となりました。

 また、ソーシャルメディアの発展により、コンテンツのマーケティング戦略の複雑さが増しております。さらにはグローバルなプラットフォームの登場によって音楽や映像コンテンツが国境を超えることが容易となりました。国内の音楽ソフトパッケージ市場が低迷し、人口減少の懸念が拡大する一方で、アジアを中心とするグローバル市場におけるニーズの高まりもあり、日本ではまだ無名のアーティストが海外で人気を博すケースも稀ではなくなっております。

 これらの変化へ対応するため、グローバル展開力の強化、映像コンテンツ制作機能の高度化、デジタルマーケティング機能のさらなる強化を実現すべく、JVパートナーであるオランダのテクノロジー企業FUGA社との連携を推進することに加え、SKIYAKIの技術開発力の活用や、M&Aや他社とのアライアンスも視野に、新たな収益獲得基盤の構築を目指すことが大きな課題と認識しております。

② 多様化する消費者ニーズへの対応

 ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる消費者世代が存在感を増し、消費者間の世代差が顕著となるなど、消費者ニーズの多様化が進んでおります。

 このような環境下で、音楽配信及び、ライブ・コンテンツにおいて、当社がこれまで取り組んできたJ-ポップやJ-ロックを中心とした音楽ジャンルを超え、HIPHOPやゲーム、アイドルなど多様な音楽ジャンルと向き合い、幅広いユーザーやクライアントの獲得を目指すとともに、放送コンテンツにおいては、高年齢化する有料多チャンネルプラットフォームの視聴者層に対応すべく最適化させて行く必要があります。

 また加えて、グループで培った関係性を素地として、新たなジャンル、多様な世代に向けたイベント開発を進め、消費者の支持を拡大させていくことが、重要課題であると認識しております。

③ ヒット作品創出に向けた取り組み

 当社グループの音楽ソフト関連事業は、アーティストマネジメント、原盤制作、マーケティング・プロモーション、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信、著作権管理・分配を一気通貫で提供する機能を有しております。当社グループのミッションである「アーティストへのソリューション提供」、「ユーザーへのコンテンツ・感動の提供」の実現に向け、有望アーティストの発掘・育成を継続的に進めるとともに、当社グループの諸機能を駆使したコンテンツマーケティング施策を通した価値の向上、魅力の拡散により、ヒットの創出を目指すことが、重要課題であると認識しております。

④ 独立系・DIYアーティストサポートの拡充

 インターネット環境の発展を始めとする技術の進歩により、原盤制作から、SNSを活用したプロモーション、デジタル音楽配信ディストリビューションまでを個人で行う、DIYアーティストが存在感を増しております。当社グループのあらゆる機能を活用し、DIYアーティストのキャリアアップに向けたサポートを拡充することにより、「アーティストとファンが直接結びついていく」という音楽シーンの新しい潮流において、SKIYAKIを含めた当社グループの果たす役割を確立することが、大きな課題となっております。

⑤ 新規事業領域への展開拡大

 当社グループはさらなる成長を目指すべく、音楽エンタテインメント企業としての当社独自の強みやポジションを活かし、日本国内はもとより、海外においても人気獲得が期待され、今後も成長が見込まれる、アニメ、アイドル、キャラクター、ゲーム等、ポップカルチャー領域に対しても、積極的に取り組んで行く必要を認識しております。

 また加えて、Web3(ウェブスリー)時代の到来に向け、NFT・DAOや、メタバース、XR映像などの新技術の浸透により、今後の成長が予測される市場に対し、当社グループが提供するコンテンツ・ソリューションを高度化させていく必要があります。

 これらの事業領域に向けて、当社の独自性や機能と、他社のノウハウとの融合によるコンテンツ・ソリューション提供を目指すべく、M&Aやアライアンスを積極的に検討し、事業規模の拡大に取り組むことが重要な課題であります。

⑥ コーポレート・ガバナンスの推進

 持続的な成長と企業価値の向上を実現するにおいては、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要な課題と認識しております。

 的確かつ迅速な意思決定および業務執行体制、並びに適正な監督・監視体制の構築を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、当社グループ全体で、リスク管理、内部統制、コンプライアンスへの取り組みを徹底するとともに、独立社外取締役の活用等を通じ、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。

 加えて、改訂コーポレート・ガバナンス・コードへの対応を適宜進めてまいります。

⑦ 人材育成の強化

 以上のような様々な課題に対応し、今後一層の事業拡大を目指すにおいて、当社グループの人材の強化が必須です。当社グループの所属する音楽エンタテインメント業界のみならず、激変する市場環境へも適応でき、今後の企業価値向上に必要な人材の確保を行うとともに、優秀な人材を育成していくことが継続的な課題であります。

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