企業兼大株主東京インキ東証スタンダード:4635】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。企業理念である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」と、目指すべき企業像として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。

 このような中、2023年12月に創立100周年を迎え、2030年に目指す姿として長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。

これからの持続可能な社会(サステナビリティ)のために何ができるのかの観点から、改めて「東京インキグループのパーパス(存在意義)」を問い直し、以下のとおり、理念体系の整理を行いました。

 当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。

 パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。

 この度、持続可能な社会(サステナビリティ)実現に向け、実行力を高める目的で、2024年4月1日より当社グループのコーポレート・ガバナンス体制を見直しました。代表取締役社長の下にサステナビリティに係る委員会を設置し、活動内容について、取締役会が監督することといたしました。

 (2)経営環境

 2023年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除されたことにより、社会経済活動正常化への動きが一段と進み、企業業績・個人消費ともに緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、今後も不安定な国際情勢や世界的な金融引き締めによる影響が懸念され、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

 また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。

 持続的に成長できる企業になるため、環境問題への長期的な取り組みや、外部環境変化に対応できる企業構造への変革を進めてまいります。

 (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題

 ①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」

 イ.マテリアリティ(重要課題)の決定

 持続可能な社会(サステナビリティ)の観点からみたメガトレンドと当社グループのパーパス(存在意義)を踏まえた上で、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」からバックキャストし、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を4つに集約いたしました。

ロ.マテリアリティ(重要課題)達成に向けたアプローチ

 長期ビジョン(2030年に目指す姿)達成に必要な4つのマテリアリティ(重要課題)を達成するために、事業領域拡大に向けたビジネスアプローチ、企業基盤構築に向けたプラットフォームアプローチ、人材育成と企業文化醸成に向けたマインドセットアプローチの3つのアプローチを以下のとおり設定いたしました。

ハ.2030年目標

サステナビリティへの対応や、マテリアリティ(重要課題)に沿った事業活動を通じて、当社グループは2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を設定いたしました。目指す姿の実現に向け、サステナブル対応製品比率の向上や、温室効果ガス排出量削減などに取り組んでまいります。また、具体的な施策や指標などは期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。

 ニ.価値創造プロセス

 当社グループは、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」策定の際、環境・社会問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応が経営の重要課題であると認識いたしました。持続的成長実現の源泉となる「6つの資本」を投入し、4つのマテリアリティ(重要課題)を、3つのアプローチにて推進することで、暮らしに役立つものづくりで社会に貢献できる価値を創造してまいります。

        ※2023年12月11日公表 長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」資料より抜粋

 ②中期経営計画「TOKYOink 2024」

当社グループは、2022年度から2024年度までの3カ年の中期経営計画「TOKYOink 2024」を策定し、計画に沿った取り組みを進めております。中期経営計画「TOKYOink 2024」の概要は以下のとおりとなります。

 また、中期経営計画「TOKYOink 2024」における、各事業セグメント別の優先的に対処すべき課題は、以下のとおりとなります。

(インキ事業)

・ 主力インキ事業領域のポートフォリオ変革を進め、環境対応製品、デジタル化への転換を推進

・ 高バイオマスインキ、環境対応インキ、産業用インクジェットインクの開発推進で収益獲得

(化成品事業)

・ 主力合成樹脂市場での成長機会を追求し、サーキュラーエコノミー参画を推進

・ 機能性マスターバッチ、自動車用着色材を主力に環境対応製品の拡大による成長を目指す

(加工品事業)

・ 市場の伸長が期待できる水処理用資材や防災減災資材を主力に特長ある新規製品の開発を推進

・ ネトロン®・土木資材を軸に各製品セグメントの特徴を活かし、ニッチトップ戦略により高収益化を目指す

  (注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。

 中期経営計画「TOKYOink 2024」の進捗状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財務状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ニ.中期経営計画「TOKYOink 2024」2023年度までの取り組みについて」に記載のとおりであります。

③資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

 当社グループは中期経営計画「TOKYOink 2024」の最終年度を迎えております。2024年度の営業利益目標は20億円に設定しておりましたが、計画策定当初に比べ、当社グループを取り巻く環境は想定以上に変化していることから、目標達成は難しい状況となっております。このような状況の中、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の実現に向けて、持続的成長と中長期的な企業価値向上を図るべく、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について現状分析・評価を行い、改善に向けた今後の方針・目標や具体的な取り組みについて策定いたしました。具体的な取り組みは下記のとおりとなります。

『具体的な取り組み』

   イ.成長戦略:事業ポートフォリオ変革

   ロ.資本政策:財務戦略

   ハ.資本政策:キャッシュアロケーション

   ニ.非財務施策:コーポレート・ガバナンス体制の強化

   ホ.非財務施策:サステナビリティ経営の推進

   ヘ.非財務施策:IR活動の強化と通じた企業価値向上

詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、ご覧ください。

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」掲載URL

https://www.tokyoink.co.jp/ir/ir_library/management_plan/

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