中国塗料 【東証プライム:4617】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループは、グローバルで市場ニーズに適合した製品開発を行い、地球環境への負荷を低減した高品質かつ収益性の高い製品をタイムリーに供給することを基軸として研究開発活動を行っております。
高機能を有し顧客のニーズに対応した製品の開発をはじめとして、SDGsで掲げられた課題解決を念頭に省エネルギーや省資源、温室効果ガス削減やVOCなどの有害物質の削減に加えて、バイオマス由来原材料への転換やカーボンフットプリントを一つの指標としたサステナブルな製品開発を推進し、得意分野である船舶用塗料をはじめ、工業用塗料、コンテナ用塗料の各分野で競争力のある基幹製品群の更なる拡充を目指しております。
更に当社独自技術の権利化を推進しグローバルな戦略的特許網の構築や、各国の化学品法規を遵守した体制強化も進めております。
研究開発の体制は、日本の広島県大竹市と滋賀県野洲市にある研究開発部門が基幹技術の研究開発にあたり、自社開発に加えてオープンイノベーションやDXを活用し製品開発の促進や顧客サービスの充実化を図っております。また当社のグローバルネットワークを生かし、中国の上海、韓国、シンガポール、オランダにある技術部門が補完する体制を構築しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は1,662百万円であり、研究開発の活動状況は次のとおりであります。
なお、研究開発については、塗料の分野別に研究開発を行っていることから、各分野別に記載しております。
(船舶用塗料分野)
(1) 世界のあらゆる海域や各船種、さまざまな運航状況、更に近年進む地球温暖化に伴う高い海洋生物活性環境下においても優れた防汚性能を発揮し、併せて二酸化炭素排出量削減にも貢献できる低燃費技術を兼備する船底防汚塗料の研究開発を重点的に行っております。その研究成果を基に新たな加水分解型防汚塗料や塗膜表面自由エネルギーを制御したシリコーンタイプ防汚塗料の開発、環境負荷低減に貢献する新規素材を導入した防汚塗料の研究開発も行っております。また、防汚塗料の効果が反映される船舶性能の解析技術も深化させ、船舶の燃費性能解析や就航解析を行う技術サービス(CMP-MAP)も提供し、低燃費で航行するための最適な防汚塗料のご提案なども行っております。更にこれらの解析技術の信頼性と透明性を高めるために第三者機関の認証取得なども積極的に取り組んでおります。
(2) 防食塗料分野では、各国のVOCおよびその他の有害物質規制に対応したハイソリッド、無溶剤及び水系などの各種塗料の開発や、国際海事機関のバラストタンク及びカーゴタンクの塗装標準化等に対応した長期耐久性と環境対応を兼備する高性能防食塗料の開発に加え、脱石油由来原材料適用の取り組みを行っております。また、塗装工程の合理化、省力化に寄与する製品、メンテナンスサイクル延長を可能とする製品、海外ニーズにも応えたグローバルに対応可能な製品など、顧客にメリットを実感いただける高付加価値製品の開発・改良に努めております。
(3) 更にこれら船舶塗料分野の技術を再生可能エネルギーなどの海洋開発分野へ水平展開しております。
これらは主として広島県大竹市の研究開発部門が担当しております。
(工業用塗料分野)
(1) 住宅建材用途では、顧客ニーズに沿った木質建材用塗料や窯業系外装建材用塗料などの開発を行っております。木質建材用塗料では、フロアー向けを中心に抗ウイルス機能を付与したSIAA(抗菌製品技術協会)マークの認証を取得した無溶剤UV硬化塗料や植物由来材料を含有したバイオマスマーク(日本有機資源協会)認定の無溶剤UV硬化塗料などを開発し、製品ラインナップの充実化を進めております。窯業系外装建材用塗料では、外装建材の耐久性向上を目的とした水性塗料の開発を行っております。また、非住宅建材用途では、塩ビフロアー用塗料として木質建材用塗料同様の高い製品開発力で、汚染性・耐久性に優れた無溶剤UV硬化塗料を開発し、シェア拡大を進めております。
(2) 重防食分野においては、社会インフラの整備や維持につながる長期防食性、超耐候性等の性能を有し、VOC削減にもつながる水性塗料やハイソリッド塗料、無溶剤塗料の開発を重点的に行っています。また、コンクリート用塗料では、はく落防止性などの機能を持った塗料の開発に注力しています。
併せて近年注目されている再生可能エネルギーとして期待される洋上風力発電等の海洋構造物に適した製品の開発にも努めております。
(3) その他にも特殊な技術を要する電波吸収塗料、鉄道向け軌道用及び船舶機器据付け用充填材、スマートフォンなどの各種ディスプレーに使用されるフィルムや車載用フィルム等への機能性付与、車のヘッドライトカバーの保護、車体を傷から保護するペイントプロテクションフィルム等高機能製品の開発・改良に努めております。
(4) またVOCを含まない粉体塗料と塗装システムの開発を進めており、既存顧客だけでなく新規市場への展開を図るべく研究開発を重ねております。
(5) 工業用塗料においても日本国内をはじめとして中国、韓国、東南アジアなど、グローバルにビジネス展開可能な製品の研究開発を行っております。
これらは主として滋賀県野洲市の研究開発部門が担当しております。
(コンテナ用塗料分野)
世界の貿易や物流に使用されるコンテナは90%以上が中国で製造されており、中国のVOC規制に対応した製品が必要とされております。コンテナ用塗料分野ではVOCの排出量を大幅に削減できる水系塗料を中心にコスト競争力のある製品の研究開発に取組み、これらは主として広島県大竹市の研究開発部門が担当しております。
(塗料用樹脂原材料分野)
塗料用樹脂の研究開発を自社で行い、塗料製品の高性能化及び環境負荷低減など多様な顧客ニーズに対応しております。また塗料製品の安定供給及びコスト変動を最小限に抑えることにも寄与しております。
これら塗料用樹脂原料は主として広島県大竹市の研究開発部門が担当しております。
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