アミューズ 【東証プライム:4301】「サービス業」 へ投稿
企業概要
サステナビリティの基本方針
当社の価値創造の源泉はアーティスト、社員といった「人」であり、当社の持続的な成長にとって最も重要な要素であると考えております。「人」がその才能や個性を発揮し、互いに高めあうことで、当社の価値は最大化します。人的資本をどのように守り、強化していくかは経営戦略上の最重要課題と認識しております。
また、昨今様々な社会課題が顕在化し、企業にも責任ある対応がより求められております。当社においても社会や時代の要請に積極的に対応することは当然のことながら、当社が強みとするエンターテインメント企業としての発信力を活かし、多くの人々に社会課題についての気づきや考える機会を提供することで、社会全体をより良い方向に導いていくことが、当社が果たすべき社会的責任と捉えております。
当社はこの「人的資本の強化」と「より良い社会を築くための発信力の活用」をサステナビリティの重要事項と位置付け、中長期的な企業価値の向上と、誰もが良く生きられる持続可能な世界の実現を目指してまいります。
(1)ガバナンス
当社グループにおけるサステナビリティの取組をさらに促進するため、2022年度よりサステナビリティ委員会を設置し、重点テーマを中心に、グループ・部門横断で協議しております。
サステナビリティ委員会は社長直轄の委員会であり、代表取締役 社長執行役員を委員長、経営企画部を事務局とし、グループ会社を含む部門責任者を中心とした約30名で構成されております。委員会では月一回程度の全体会に加え、具体的な目標を設定した分科会を随時開催しており、当該委員会で協議した内容は年一回取締役会へ報告しております。2022年度は「心と身体の健康」「ダイバシティ&インクルージョン」「環境」「働きかた/働きがい」の4つを重点テーマと位置づけ、外部専門家のアドバイスを交えながら、実行方針を策定や、具体的な取組を進めました。
また、採用や人事異動といった人的資本に関する重要事項については、人事部が中心となり、取締役との協議・報告体制をとっております。
(2)リスク管理
人的資本及びその他サステナビリティに係るリスクについては、コーポレートガバナンス委員会への報告を通じて全社的なリスク管理及び内部統制システムに取り込み検討しております。
人的資本に係るリスクについては、人事部から適時取締役への報告を行うことに加え、定期的にコーポレートガバナンス委員会へ報告しております。
また、その他サステナビリティの課題は広範にわたるため、サステナビリティ委員会内で「当社経営・事業に対する影響の重要度」及び「ファンの皆様、投資家などステークホルダーにおける重要度」の2つの軸で重要性を評価・議論しておりますが、その中でも特に重要であると認識したリスクは事務局からコーポレートガバナンス委員会に定期報告を行っております。サステナビリティ委員会は、2022年度においては「心と身体の健康」「ダイバシティ&インクルージョン」「環境」「働きかた/働きがい」を重点課題とし、考えられるリスクや取組について議論いたしました。
(3)戦略
前述のとおり、当社ではアーティスト、従業員といった人的資本に係る戦略をサステナビリティの最重要項目と位置付けて取組を進めております。
1.アーティストに関する取組
当社では所属するタレントのクリエイティビティに敬意を表し、ジャンルに依らず、所属するタレントを「アーティスト」と呼んでいます。アーティストは当社事業の価値創造の源泉であり、その唯一無二の才能と向きあい世の中に届けることが当社にとって最大の使命であると認識しております。多彩なアーティストが才能を発揮し、長く活躍し続けられる環境づくりに努めております。
1) 新人アーティストの才能開花を応援する取組
・「AMUSE CAMPα」
2022年より、いわゆるZ世代からα世代の可能性をもった若いアーティストの強化育成プログラム「AMUSE CAMPα」をスタートいたしました。本プログラムでは、当社所属アーティストを含む講師陣による演技・ダンス・ヴォーカルをはじめとした様々なレッスンを実施し、小学生から大学生までの39名の当社新人アーティストが、切磋琢磨しながらその才能を磨いております。次世代の才能を輩出してきた当社ならではの育成プログラムを拡充し、新たなアーティストの発掘と育成を引き続き強化してまいります。
2) 長期視点でのマネージメントを実現するための取組
・プロデュース体制の強化
当社ではアーティストが長く活躍を続けるためには、その才能に加え、プロデュース体制が重要であると捉えており、なかでもアーティスト・マネージャーの強いパートナーシップを実現する上で不可欠なマネージャーの人員確保・配置の最適化に努めております。2020年にはアーティストの送迎を行う「車両室」を設置し、アーティストや社員の安全管理を向上させるとともに、マネージャーの業務負荷を分散させることで、アーティストとのコミュニケーションやプランニングなどのプロデュース業務により集中できる環境をつくりました。また、ファンクラブやグッズ製作においても、アーティストごとの担当者がアーティストやマネージャーと直接的に関わりながらサービス開発にあたる担当制を導入しており、アーティストを中心に据えた最適なプロデュース体制を構築しております。
3) アーティストのプライバシーや権利を守るための取組
・法務部twitterアカウント
当社では以前より、アーティストに係る過度な憶測記事や私生活への介入を伴う取材行為、アーティストへのなりすまし行為など、アーティストの権利を侵害する行為に対して、所轄の警察署やその他の専門機関と連携を取り、必要な対応を行ってまいりました。情報発信の場がSNSへと移行し、デジタル上での権利侵害が深刻化してきたことを受け、2020年には当社法務部(2019年に部格として新設、新設当初の名称は「グループ法務部」)がtwitter上でアカウントを開設し、アーティストの権利や利益を守るために、誹謗中傷やデマ情報などの権利侵害に関する警告や注意喚起、エンターテインメント法務に関する啓発活動を行っております。
2.従業員に関する取組
多様なジャンル・属性のアーティストをマネージメントするためには、多様なプロデュース人材が必要です。性別や年齢、経歴や国籍などに捉われずに、多様な才能を獲得・受け入れることで、豊かな感性を育んでおります。
1) 多彩な人材獲得のための取組
・AMUSE ISHIN採用(定期採用)
現在、アミューズは新時代の幕開けを推し進めた明治“維新”のように、新卒一括採用における従来の様式を廃止し、ルールや慣習に縛られない「AMUSE ISHIN採用」を実施しています。30歳未満(この年齢基準は長期勤続によるキャリア形成のためのものです)であれば、学歴、経験、経歴は不問です。
また定期採用のほかにも随時、積極的なキャリア採用も行っております。
2) 個性・感性・能力を磨くための取組
<人事制度>
・等級と役職の分離
個人の能力・スキルを評価する「等級」と、組織内での役割にあたる「役職」を分離し、個々の能力や適性を発揮できる仕組みを運用するとともに、有能な若手人材の抜擢・登用がしやすい環境づくりを行っております。
・部門特化型研修
全社員向け、管理職向けのセミナーや研修のほか、部門の業務内容やメンバー構成、課題にあわせた部門独自のテーマに基づいて実施する部門特化型研修の取組を行っています。「マーケティング」「カスタマーサービス」「チームビルディング」などの研修事例があります。
・業務報告、及び評価シートにおいて「目標以外の成果」項目を設置
月次の業務報告や期末の評価において「目標以外の成果」を記載・評価する項目を設置しています。現在の所属部署や担務、設定した目標の枠にとらわれずに、広い視野で挑戦する姿勢、チームに貢献するマインドを奨励しております。
・キャリアデザインシート
年に1度、全社員を対象にキャリアデザインシートの記入・提出を実施しています。
キャリアの棚卸と「今後のありたい姿」をイメージした上で、「今後3年以内を目安にやってみたいこと・達成したいこと」「実現するために必要だと思うスキル、能力、環境」などを書き込み、必要に応じて人事面談を行うなど、キャリアプランの形成支援を行っております。
<研修>
・「One Young World」への派遣
次世代リーダー育成と国際交流を目的とした世界規模のサミット「One Young World」に社員やアーティストを派遣しています。気候変動やジェンダー平等などの様々な社会課題に当事者意識を持ち、解決のための発想力と実行力を身につける機会を提供しております。
・アミューズサステナビリティラボ「S-Labo」
「S-Labo」はサステナビリティについて考える社内プログラムです。外部講師による社会課題に関する勉強会や、山梨の豊かな自然を活かしたアクティビティを通じて得た気づきを、日々の業務や新たなクリエイティブ創出に活かすことを目的にしています。同時に、社員同士のコミュニケーションを深める場にもなっております。
3) チーム力を強化するための取組
・全社横断プロジェクト
「FUN OUT! ~ FIREWORKS ON SAIKO ~」(2021年12月山梨県・西湖)のように、所属部署・職種を問わず、全社員が一丸となってイベントの運営に取り組むことで、普段の業務とは異なる視点を体験する、お客様に直接サービスを提供する、部署の垣根を越えてコミュニケーションする機会を創出し、事業や社員同士の理解を促進しております。
・コミュニケーションチーム
社内コミュニケーションの活性化を目的に、毎年、様々な部署からメンバーを集め運営しています。BBQや釣り、スポーツや映画観賞などのレクリエーションを企画することで、部署を超えたコミュニケーションを創出し、業務の活性化を促進しております。
・ESOP(業績連動株式報酬制度)
管理職相当の社員を対象にESOP制度を導入することで、企業価値をより一層向上させることへのインセンティブや、経営参画の意識を高めることを狙いとしております。
3.アーティスト・従業員共通の取り組み
1) 心と体の健康(ウェルネス)を守る取組
・アミューズ ヴィレッジ
2021年に山梨県・西湖湖畔に創設した新本社「アミューズ ヴィレッジ」は新しいクリエイティブの拠点であると同時に、アーティスト、社員のコミュニケーションを活性化し、心と身体を解放するための福利厚生施設としても機能しています。業務利用のみならずプライベートでも利用できる宿泊施設やジム、大浴場を完備し、地産無農薬野菜を取り入れた食事を提供するなど、都会では享受できない自然環境のもとでのウェルネス促進を目指しております。
・産業医への健康相談体制、各医療機関との連携
健康診断・人間ドックの定期受診や各医療機関との連携に加え、アーティストや社員からの幅広い相談を受けることができるよう、2020年度より産業医を1名から3名に増員しました。また、コロナ禍では総務部を中心とする新型コロナウイルス感染症対策チームを組成しました。ワクチンの職域接種や検査体制の整備を行うとともに、感染者発生時には必要に応じて医療機関と連携を取りながら、感染者のサポートを実施いたしました。
2) 法令、コンプライアンス遵守に係る取組
・コンプライアンス研修
従業員についてはハラスメントや著作権、情報漏洩等、幅広いトピックスを取り上げたコンプライアンス研修を定期的に実施し、多様な人材が活躍する中にも、健全で前向きなアイデアとコミュニケーションが活性化する風土を醸成しています。また、新規契約アーティストを中心に法務部がコンプライアンス研修を行うとともに、注意すべき法改正や社会の動向についての注意喚起等をマネージャーに適宜行うことで、法令、コンプライアンスにかかるリスクを低減し、アーティストが長く活躍し続けるための土台づくりに努めております。
(4)指標及び目標
1.アーティストに係る指標(連結グループにおける主要な事業を営む提出会社)
アーティストは当社価値創造の源泉ですが、数に拘るものではありません。長期視点にもとづき一人ひとりの才能や可能を最大化させることを基本方針としており、プロデュース体制の整備状況とあわせて注視しております。
① 契約アーティスト組数
2020年度 229組
2021年度 221組
2022年度 218組
※各年度末時点における所属アーティスト数
指標の解説 モノづくりの源泉であるアーティストの契約組数は当社にとっての重要な指標です。必ずしも数に拘るものではありませんが、魅力的な才能との出会いを積極的に創り、育んでまいります。
当期の状況 新規アーティストとの契約を開始した一方で、今後の活動方針を踏まえ契約終了に至ったアーティストが複数組あり、その総数は218組となりました。
② 平均契約年数
2020年度 9.8年
2021年度 10.1年
2022年度 10.2年
※各年度末時点における所属アーティストの平均契約年数
指標の解説 当社では長期視点にもとづくマネージメントを方針としております。平均契約年数は、アーティストとの関係が短期的なものになっていないか、マネージメントの傾向を測る指標としております。
当期の状況 長期視点でのマネージメント方針を継続し、平均契約年数は10.2年となりました。
③ マネージャー1人あたりの担当アーティスト組数
2020年度 1.5組
2021年度 1.4組
2022年度 1.4組
※各年度末時点における所属アーティスト組数を同時点でのマネージャー数で除して算出
指標の解説 アーティストとの長期的なパートナーシップを実現するためには、アーティスト一人ひとりと十分に向き合うことができるマネージメント体制が不可欠です。アーティストの活動内容によっても必要となるマネージャー数は異なりますが、全体的なマネージャー人員確保のための指標としております。
当期の状況 マネージャー1人あたりの担当数が2組以下と、適正値となっております。
2.従業員に係る指標(連結グループにおける主要な事業を営む提出会社)
指標の解説 当社では属性・経歴等を問わず、意欲と能力を伴った優秀な人材が活躍しております。その多様性の維持・向上について、「女性比率」「入社形態」「年齢層」等を指標とし、定期的にその制度・環境を見直し、拡充を目指してまいります。
当期の状況
1)従業員数 344人(175人)
2)平均勤続年数 10.12年
3)平均年間給与 7,584,162円
(注)1.従業員数は就業人員であり、( )内は平均臨時雇用者数で外数となっております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4)男女の賃金の差異
正規雇用労働者: | 女性6,368,895円 | 男性7,669,880円 | (対男性賃金差異83.0%) |
非正規雇用労働者: | 女性4,387,976円 | 男性5,165,523円 | (対男性賃金差異84.9%) |
全労働者: | 女性5,667,319円 | 男性7,092,896円 | (対男性賃金差異79.9%) |
5)男女の平均勤務継続年数の差異
女性10.7年 男性9.4年(対男性平均継続勤続年数+1.3年)
6)女性管理職比率
7)中途採用比率
8)新卒入社者と中途採用者の管理職比率
9)プロデュース部における30代以下の管理職比率
10)外国籍社員比率
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