神栄 【東証スタンダード:3004】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関する取組み
当社グループは、「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念の下、食品・物資・繊維・電子という人々の生活に関わる事業分野で、暮らしを豊かにする安全で安心な製品・商品及びサービスを提供するよう日々努めております。
このような中、2015年に国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)が示す社会課題解決に向けて取組むことは、新たな事業機会の創出や事業成長にもつながるものであり、環境問題をはじめとする各種課題への企業の取組みが注目される中での社会的責任でもあるとの考えに基づき、サステナビリティの取組みを重要な経営テーマとして推進していくこととしており、その基礎となる考え方を示すものとして、以下のとおり「神栄グループサステナビリティ基本方針」を定めております。
<神栄グループサステナビリティ基本方針> 神栄グループは「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念の下、神栄グループ倫理憲章を常に遵守し、グローバルなネットワークを活用して、人々の様々な豊かさと持続可能な社会の実現に向けて全力で貢献するとともに、その結果として自らの持続的成長と企業価値向上に努めます。 |
<ガバナンス>
当社の取締役会は、当社グループにおけるリスクマネジメントに関する組織と運営について定め、これを確立・維持・継続的に改善し、より実効性の高いリスクマネジメントシステムを構築することによってリスクの発生を防止することにより、企業価値の増大を図ることを目的として、「神栄グループリスクマネジメント規則」を制定し、サステナビリティ関連を含む当社グループのリスク全般を統括管理する当社グループ横断的な常設の機関として、当社の代表取締役を委員長とする内部統制委員会を設置しております。また、内部統制委員会の下部組織の1つとしてリスクマネジメント小委員会を常設し、リスクマネジメント計画の企画立案や実施を担わせております。リスクが顕在化した場合には、個別の事案ごとに重大性を勘案し、危機管理対策委員会又はリスク対策委員会を必要に応じ設置して、対策を行うこととしております。
当社の取締役会は、当社グループにおける環境問題をはじめとする各種社会課題に関するサステナビリティの取組みを推進することにより、持続可能な社会の実現を図るとともに、当社グループの持続的成長と企業価値向上を目指すことを目的として、「神栄グループサステナビリティ推進委員会規則」を制定し、当社グループのサステナビリティ活動全般を統括管理する当社グループ横断的な常設の機関として、当社の代表取締役を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。また、サステナビリティ推進委員会の下部組織として、事業特性等に応じた的確な推進活動を行うべく本部ごとに小委員会を設置するとともに、グループを横断する特定の課題に対応する環境問題分科会及び持続的調達関連分科会を設置し、それぞれの課題の整理・解決に向け取組んでおります。
内部統制委員会及びサステナビリティ推進委員会には、構成員である取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び取締役を兼務しない執行役員並びに当社の部長及び子会社社長(執行役員が兼務する者を除く)とともに、オブザーバーとして常勤監査等委員である取締役及び社外取締役も出席することとしており、幅広い意見交換を可能としております。
なお、当社グループにおけるガバナンス体制図は下図のとおりであります。
<戦略>
当社グループでは、「神栄グループサステナビリティ基本方針」を具現化し、企業として社会的責任を果たすとともに持続的成長を目指すために取組むべきと考える重要度の高い課題である「マテリアリティ」について、事業や分野ごとに重要度が比較的高いと考えられる課題を選定したうえで、ステークホルダーである取引先・大株主・従業員などへのヒアリングを経て、それぞれの重要度評価を確認し、以下のとおり取締役会において決議しております。
社会課題 | マテリアリティ | 事業領域 | 項目 |
地球環境保護 (E) | 環境に配慮した事業の推進 | 食品 | 食品ロス低減への貢献 |
電子 | 物流環境における包装材料の削減や製品破損の防止への貢献 | ||
全事業 | サプライチェーンにおける廃棄物の削減 | ||
持続可能な社会 (S) | 暮らしを豊かにする製品・商品及びサービスの供給 | 食品 | 豊かな食生活に貢献する食品の安定供給 |
物資 | 快適・安全・持続可能な暮らしづくりに貢献する製品・商品及びサービスの供給 | ||
繊維 | 心を豊かにし健康で快適な暮らしに役立つ衣料品等の供給 | ||
電子 | 健康で安全・安心な生活を促進する製品の供給 | ||
持続可能なサプライチェーンの実現 | 全事業 | サステナブル調達の推進 | |
共創活動の推進 | 電子 | パートナーシップの推進による新たな付加価値の創出 | |
労働環境 (S) | 働きがいのある職場環境の整備 | 全社 | 働きがいのある職場づくり |
ガバナンス (G) | 経営基盤の強化 | 全社 | ガバナンス体制の強化 |
コンプライアンスの徹底 | |||
内部通報制度の利用促進 |
各マテリアリティについては、中期的な取組目標を設定したうえで、各小委員会及び各分科会においてアクションプランを策定し、アクションプランに基づき取組みを進めております。各取組みについては、経営理念や事業部門の各本部がそれぞれ定めたパーパスに基づき、事業拡大や事業創出、事業を通じた社会貢献の実現を目指すものであり、アクションプランの内容は、各本部が策定する単年度の経営計画等にも反映し、また今後は中期経営計画にも反映することとして、戦略的に推進してまいります。
<リスク管理>
サステナビリティ関連を含む当社グループにおけるリスクについては、「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、各部署において発生し得るリスクを抽出し、各リスクについて、その発生頻度及び金銭的損失や人身・人命への被害、信用低下その他の要素を含めた影響度を評価し、対応策や対応状況とともにリスクマネジメント小委員会に報告することとしております。報告を受けたリスクマネジメント小委員会は、その内容を検証し、内部統制委員会に提出し、内部統制委員会において確認・協議いたします。また、影響度が一定以上のリスクなど、当社グループ全体で取組むべきリスクについては、内部統制委員長の指示の下、リスクマネジメント小委員会が対応することとしております。
上記<戦略>に記載のとおり、サステナビリティの取組みにおけるマテリアリティについては、各項目に基づく取組目標を達成するため、サステナビリティ推進委員会の下部組織である各小委員会及び各分科会においてアクションプランを策定しており、アクションプランに基づき取組みを進めるとともに進捗管理を行い、これらの結果をサステナビリティ推進委員会に報告し、サステナビリティ推進委員会において確認・協議いたします。また、マテリアリティや具体的な取組目標の見直しについて、サステナビリティ推進委員会において検討することとしております。
また、当社グループのサステナビリティについての取組みの詳細につきましては、以下の当社ウェブサイトに掲載しております。
https://www.shinyei.co.jp/sustainability/
(2) 人的資本経営に関する取組み
<戦略>
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
当社グループでは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象に策定した中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」において、基本方針に「ヒューマンリソースの確保・育成」を掲げ、優秀な人材を採用し活用し続けることができるよう、社員のやりがいや多様な働き方などにおいて満足度を高め、会社と社員が互いの期待に応え続ける関係の構築を推進しております。
多様化する社会のニーズを捉え、社会の期待に応える「新しい価値創造」を続けていくために、多様な人材がそれぞれの経験や価値観に基づき活躍できる環境が重要であるとの認識の下、育児や介護、病気療養といった事情を抱えながら働き続けることを可能とするための在宅勤務制度や、法令の水準を上回る育児・介護における休業及び所定労働時間短縮制度の整備など、柔軟で働きやすい環境を整備しております。
また、現行の「神栄グループ人事処遇制度」や研修制度を通して、個々の人材力の最大化を念頭に置き、人材の確保・育成・活用を行っております。能力開発制度は、会社が提供する教育と個人の意欲に基づく自己啓発の双方による実現を目指しております。特に自己啓発支援については、自ら学ぶテーマを内発的に設定し、能力向上に努めるとともに、仕事を通じて「より社会に貢献できる人材」となることを期待し、金銭面での補助の拡充に加え、活用を促進するための相談体制の充実や学びの環境整備など、手厚い支援体制を構築しているところであります。
労働力不足や仕事に対する価値観の変化など、働く人々を取り巻く環境は大きく変化しております。当社グループで働く人々が「働きやすさ」と「仕事のやりがい」を実感し、持てる力を最大限発揮できる環境づくりにより、当社グループの持続的成長につなげるべく、人的資本経営に取組んでまいります。
なお、人的資本経営を経営主導で推進することを明確にするため、2023年4月に「人的資本経営推進委員会」を設置いたしました。本委員会は、代表取締役社長を委員長、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)、本部長及び関連部署の長を委員とし、当社グループにおける人的資本経営に関する以下の重点課題に取組んでおります。
① 事業及び組織の機能の維持・拡大のための採用戦略・人材育成戦略
② 企業風土・文化の変革(働きがいの増進)
③ 健康経営の推進(従業員の心身の健康の促進)
<指標及び目標>
当社グループでは、上記<戦略>において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び当連結会計年度における実績はそれぞれ記載のとおりであります。なお、当社グループとしての取組みはすべての連結会社を対象とはしているものの、海外子会社においては国内と同一に取扱うことが困難であると考えられるため、次の指標に関する目標及び実績は、当社及び国内連結子会社(以下「対象会社」といいます。)を対象とするものであります。
また、次の指標及びこれに関する目標は、当社グループが人的資本経営に取組む上で短期的に実現すべきと考えられるものであり、今後、当社グループとして目指すべき姿を見据えた議論をさらに深め、改めて中長期的な視点での指標及び目標についても検討してまいります。
① 男性労働者の育児休業・休暇取得率(目標:2024年度までに100%、実績:28.6%)
本指標は、対象連結会計年度における、配偶者が出産した男性労働者の数に対する、育児休業をした男性労働者の数及び小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を3日以上利用した男性労働者の数の合計数の割合であります。
対象会社において育児休業をした男性労働者は、当連結会計年度においては0名ではあるものの、2017年3月期以降において複数名が長期の育児休業を取得した実績があり、また配偶者の出産時には、年次有給休暇とは別途の100%有給の特別休暇の取得が可能となっております。
次世代を担う子どもたちを安心して産み育てるための環境整備は企業の社会的責務であると認識しており、まずは育児を目的とした休暇制度の利用も含めることとして、すべての対象者が育児休業又は育児を目的とした休暇を取得できるよう、制度の見直しや取得しやすい環境づくりに取組んでまいります。
② 1人当たりの年間教育・研修費(目標:2023年度に50,000円、実績:35,545円)
本指標は、対象連結会計年度において教育・研修費に該当する勘定科目に記載された合計金額を、対象連結会計年度末日時点における対象会社の役員の数及び正規雇用労働者の合計数で除したものであります。教育・研修費には、自社主催の場合の研修講師への報酬及び会場費・教材費、外部教育機関のセミナーや通信教育・e-ラーニングの受講料、自己啓発やリスキリングに対する支援・補助などを含みますが、研修に係る旅費交通費、OJTや社内講師に係る人件費は含んでおりません。
当社グループでは、人的資本への投資として、2023年4月1日より、対象会社において、管理職を含む正社員の基本賃金を一律月額10,500円引き上げるベースアップを実施したことに加え、教育・研修計画において、階層別研修などにより人材育成を強化するとともに、リスキリングや自己啓発の取組みに対する支援を拡充するため、前期実績を大幅に上回る教育・研修費を予算化しており、計画どおりの実施を目指してまいります。
なお、人材の多様性の確保や多様な働き方への対応の観点として、「管理職に占める中途採用者の割合」や「育児休業からの復職率」についても、重要な指標であると認識しております。「管理職に占める中途採用者の割合」の実績は65.8%であり、適所適材の観点から個人の能力に応じた人材登用が行えているものと判断しております。また、「育児休業からの復職率」の実績は100%であり、育児をしながら働く従業員を受け容れる職場風土が醸成されているものと判断しております。これらの指標については、すでに適正な水準にあり、今後もこの水準が維持できるよう取組んでまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング