太陽化学 【名証メイン:2902】「食品業」 へ投稿
企業概要
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「食と健康に貢献する独創技術の開発」をモットーとして、新規素材の開発から製剤の開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。
現在、研究開発は、各セグメントに所属する研究開発スタッフ及び研究開発支援部門のスタッフにより推進されております。
知的財産権の取得にも注力しており、当連結会計年度中に公開された当社が出願人である公開特許件数は12件であり、海外での特許取得についても積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における全体の研究開発費は1,334百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)ニュートリション事業
緑茶抽出物、機能性アミノ酸(テアニン)、水溶性食物繊維、ミネラル・ビタミン等の乳化製剤についてエビデンスに基づく研究開発を行い、伸張するQOL市場に向けてグローバルな展開を目指し、新規製品開発や応用開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果として、身近な天然素材から最先端技術を応用した新規素材までを取り扱い、研究開発型ソリューション企業として、無限の可能性を秘めた機能性食品素材の創成に実績を積み重ねております。研究の更なる発展を図るため、京都府立医科大学に寄附講座「生体免疫栄養学(太陽化学)講座」に加え、株式会社吉野家ホールディングスと産学連携共同研究講座「食と健康研究講座」にて共同研究を進めております。「生体免疫栄養学講座」では機能性素材の抗老化作用のメカニズムの解明、「食と健康研究講座」では水溶性食物繊維の栄養吸収調節作用の検証、その生理作用を活かした商品開発を目指しております。また、新たに東京工科大学、広島大学と時間栄養学的な視点に基づく共同研究を開始し、水溶性食物繊維のセカンドミール効果や機能性素材の睡眠調節作用のメカニズムの検証に取り組んでおります。
水溶性食物繊維(ファイバー)においては、腸皮膚連関や腸脳相関にも着目し、ヒト臨床試験により肌のバリア機能および弾力への有効性、健常高齢者の認知機能や睡眠に対する有効性を明らかにし、論文発表しました。また、世界において広まる食物繊維市場にあわせ、効率の良い製造検討も行っております。
機能性表示食品への展開においては、サンアクティブHCDの血管内皮機能改善作用や血流改善作用、モリンガの肩、首、関節の不快感への有効性に関して論文発表し、ヘルスクレームの取得を目指しています。ニュートリションデリバリーシステム(NDS)においては、オートメーション化された新工場稼働により効率的な製造や新たな製造技術の導入による世界的に需要が高まっているミネラル・ビタミン製品のラインナップ強化に取り組んでおります。
当セグメントの研究開発費は500百万円であります。
(2)インターフェイスソリューション事業
食品用乳化剤、飲料用乳化安定剤・乳化製剤、化粧品・トイレタリー用素材の研究開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果として、加工食品用途は油脂改質及び表面改質機能の向上に引き続き注力し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを主とした改質提案を推進しております。
飲料用途は市場の中心であるPETボトル飲料向けの素材開発に注力しております。高い安定性が求められるPETボトル飲料向けに乳化剤製剤、乳化食品を主に展開を進めます。酸化防止剤製剤は飲料用途のみならず顧客のサステナビリティの取組みの観点から飲食品の賞味期間延長に対する展開が今後も期待されます。
化粧品用途は強みであるクレンジング分野と並行してスキンケア関連に注力しております。界面科学・皮膚科学の両面からポリグリセリン脂肪酸エステルの新たな価値を開拓し、高機能・低刺激の強みを活かした積極的な提案活動を推進しております。
当セグメントの研究開発費は478百万円であります。
(3)ナチュラルイングリディエント事業
トレーサビリティに基づいた安全・安心な品質管理のもと、素材のおいしさや機能を活かしながら、独自の加工技術により特長ある加工食品の開発を行っております。原料高騰の影響もあり、適正な利益が確保できるよう製品の見直し等も進めております。
当連結会計年度の主な成果として、マイクロ波加工品では、独自のマイクロ波加工技術を活かせる分野に注力し、また生産部門と連携した生産性向上に関する取組みも行っております。
安定剤は、コンビニ関連商品や惣菜用途へ注力し、製品開発を行っております。新規分野である化粧品への採用実績も進んでおり、今後もターゲットを明確にした製品開発を行います。
品質改良剤として従来から展開している鶏卵や蛋白質が持つ機能を活かした製品の開発に注力しております。調味料用途の物性改良目的で開発した酵素処理卵黄の採用が進んでおり、付加価値のある機能に着目した開発を進めてまいります。
新規素材・新領域について、SDGsを意識した製品開発を行っており、プラントベース向けの新製品開発やフードロス対策・賞味期限延長などに貢献できる、抗酸化をキーワードとした製品開発を行ってまいります。
当セグメントの研究開発費は355百万円であります。
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