企業兼大株主味の素東証プライム:2802】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

<「中期ASV経営2030ロードマップ」初年度の振り返り>

 味の素グループでは、従来型の3ヵ年中期経営計画を廃止し、長期視点のありたい姿から挑戦的な「ASV指標(*1)」を掲げ、バックキャスト(*2)して2030年までのありたい姿への道筋である「中期ASV経営 2030ロードマップ」を発表し、2023年3月から取組みを開始しました。

 *1 味の素グループが事業を通じて得た財務パフォーマンスを示す経済価値指標と、提供・共創したい価値に基づく社会価値指標から成る、更なる成長やチャレンジを後押しする指標。

 *2 未来を起点に現在を振り返り、今何をすべきか考える未来起点の発想法。

<改訂した「志」(パーパス)の自分ごと化プログラムの開始>

 「中期ASV経営 2030ロードマップ」策定時に進化させた味の素グループの「志(パーパス)」である「アミノサイエンス®(*3)で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の従業員への理解促進を目的として、「パーパス自分ごと化」プログラムを、2023年度は全社展開へ先立ち、経営メンバー(執行役、執行理事・理事)から開始しました。

 *3 創業以来、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスを総称したもの。また、それらを社会課題の解決や“Well-being”への貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチ。

<味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)>

 多様な関係者の皆様とも対話を重ね、社外有識者を中心としたサステナビリティ諮問会議からの答申を基に2023年に設定した価値創造のフレームワーク(考え方)を活用して、2024年は、味の素グループがマルチステークホルダーから期待されていること、社会に対して提供していく価値の視点から、現在の味の素グループが取り組む「重要テーマ」を次の6項目に整理しました。

①「持続可能な地球環境の実現」②「食を通じたウェルビーイングの実現」③「先端医療・予防への貢献」④「スマートソサエティ(*4)の進化への貢献」⑤「多様な価値観・人権の尊重」⑥「経営基盤の強化」

*4 企業・行政・生活者等がネットワークでつながり、社会課題を解決していく社会のこと。

(1)中期ASV経営へのマネジメント変革

 「中期ASV経営 2030ロードマップ」の1つ目のポイントは「中期ASV経営」へのマネジメント変革(計画中心から継続的に実行力を磨き込む経営に進化させること)です。「2030年のありたい姿」に向けて掲げた挑戦的な目標である「ASV指標」とのギャップ(課題)を明らかにし、そのギャップを埋めるために、自組織の枠を超えて新たな価値や事業モデル変革を追求し続ける取組みを開始しました。

 一方で、事業環境の変化を機敏に捉え柔軟に打ち手を講じていくフォーキャスティング(*5)の重要性も実感しており、バックキャストとフォーキャストを上手く組み合わせながら、実行力を磨き込んでいきます。また従業員一人ひとりが、高い目標に対し挑戦することを称える企業風土を醸成して、それらも原動力に企業価値を飛躍的・継続的に向上させていきます。

 *5 現在の延長線上で未来を予測する発想法。

(2)ポートフォリオマネジメントの進化

 2つ目のポイントは最適な資産配分を検討するポートフォリオマネジメントの進化です。事業・機能・地域等の各種ポートフォリオ(組み合わせ)について、効率性向上やアセットライト(有形資産を軽くする取組み)は継続しつつ、より中長期の成長性を意識した検討を進めています。新たなポートフォリオの考え方では縦軸は中長期の成長性とし、横軸は競争優位性の構築や持続可能性として、成長分野に経営資源を集中させ、高収益な事業構造への転換を図っています。同時に、将来を見据えた種蒔きを続け、機敏な撤退判断も行いながら、①集める、②変える、③始める、④止める、によって常に新しく進化する当社らしいポートフォリオの「型」の構築を目指しています。2023年はフォージ・バイオロジクス社の買収により、遺伝子治療CDMO(*6)の事業基盤と独自の差別化技術を獲得し、さらにシナジーによる事業強化・創出や、細胞治療分野への展開の足掛かりを得ました。

 *6 製造受託とともに、製造方法の開発を受託・代行する事業・会社(Contract Development &  Manufacturing Organization)

(3)無形資産への重点投資

 最後のポイントは、無形資産への投資です。当社における競争優位の源泉は技術資産・人財資産・顧客資産・組織資産といった無形資産にあると考えています。

 2023年度は無形資産強化によるASV経営の進化へのつながりを、グローバルにおけるうま味調味料事業のバリューチェーンを通じた価値創出の事例で可視化しました。生活者視点での取組みにより、経済・社会価値が創出され、長期的な経済価値につながり、さらなる無形資産が蓄積されるという好循環につながっています。

 うま味調味料事業 ASVの実現と無形資産の循環

<リスクマネジメント体制の強化>

 近時、事業環境の変化は激しく、これまで以上に包括的なリスクマネジメントが重要であると認識しています。これまでは、サステナビリティ委員会の下部機構であるリスククライシス小委員会がリスクマネジメントを担う体制としていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックや、最近の地政学的な紛争を踏まえ、リスク管理を強化しレジリエントな経営体制を構築するため、2023年4月、経営リスク委員会を設置しました。サステナビリティ委員会と経営リスク委員会は連携して味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行います。その上で、環境課題やサプライチェーンにおける人権課題等はサステナビリティ委員会で、経営がイニシアチブをもって対処すべきリスク(パンデミック、地政学リスク、情報セキュリティリスク等)は経営リスク委員会で対策の立案と進捗管理を行うことで、味の素グループのリスクを適切に管理しています。

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