テンポスホールディングス 【東証スタンダード:2751】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
<100年企業として成長分野に投資進出する>
当社グループは、「飲食店の5年後の生存率を9割にする」を経営方針に掲げています。そのため、中小零細の飲食企業を利益追求と顧客満足の両面から経営サポートする「Dr.(ドクター)テンポス」に取り組んでおります。
また、当グループが目指す姿は「ビジネスサイエンティスト」です。テンポスが見つけたビジネス上の発明発見やノウハウが世の中に役立つように広めていくことが当社グループの役目であると考えています。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは売上高2,000億円、時価総額2,000億円企業を目指しております。その実現のための戦略は大きく4つです。
①業務用中古厨房機器の会社として圧倒的1位を確立する
主要子会社である株式会社テンポスバスターズは、M&Aも含めて10年で120店舗へと拡大してまいります。それに合わせ、テンポス再生センター12か所を拠点に全国メンテナンス網作りを行い、単なる安売り屋ではなく安心して使える中古厨房販売としての地位を高めてまいります。
②ネット通販およびWEB事業を次世代の中核と位置づけ人材と資金を投入する
WEB集客サービスやクラウドサービス等、WEBサービスの開発に注力致します。なお、これらのサービスは月額課金制のストック型ビジネスとして展開してまいります。ネット通販事業における厨房販売では業界第1位のシェアを、拡大して圧倒的な地位を築いてまいります。
③情報・サービス事業の収益を最大化させる子会社のプロ化
情報・サービス事業の子会社群は、「Dr.テンポス」事業のなかで「専門医」と位置づけ、事業の収益拡大に取り組んでまいります。一方で、売上高100億円を目指す子会社は、テンポスグループのシナジーに頼らない独立した事業体として個々の得意分野で収益の最大化に取り組みます。
④M&Aや資本業務提携の積極活用
厨房機器の販売におきましては、この業界はメーカー直販会社が上位を占めており、当社が上位に食い込むことは長期的に見ても非常に困難を伴うものと思われます。当社の戦略は厨房機器の販売で上位を目指すのではなく「Dr.テンポス」の名のもとに外食産業における中小中堅事業者に寄り添い、各種サービスを提供するサービス産業へと脱皮を図ることです。そのために、当社で自力開発をするのではなく、外食産業にかかわる独自の商品、独自の開発力のある企業、変化に乗り切れず収益力の落ちている企業に対して、株式会社テンポスバスターズの全国68拠点(FC含む)の販売力、資金力、信用力を活かしたM&A、資本業務提携をしてまいります。
顧客支援という点で一致しているプライム市場の株式会社ぐるなびからのべ100名以上の人材の出向を受け入れを行い、当社の「Dr.テンポス」化へ向けた活動をより成果に結びつけたものにしてまいります。また2023年9月にはヤマトサカナ株式会社(旧社名:株式会社ヤマト)を買収し、飲食事業を強化しております。
(3)目標とする経営指針
当社グループは経営指標として経常利益率10%の確保とROE12%以上の維持を重点目標とし、売上および利益の拡大を目指します。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。
①М&A戦略
当社グループは「業界シェア上位を獲得する」「全国展開する」「スペシャリスト集団にする」を経営方針に掲げており、その手段の一つにМ&Aを実施しています。そのため各事業会社では個々にМ&A案件を進めており、その中でも飲食事業では、2023年9月に年商70億円規模のヤマトサカナの子会社化を皮切りに、日々新たなМ&Aの検討を進めております。子会社化した事業で着実に収益をあげ、グループ全体のさらなる事業拡大に繋げていくために、経営戦略の策定や実行を担う子会社幹部の育成が急務であると考えております。また、子会社化した企業の飲食店経営ノウハウをさまざまな飲食店支援策や経営コンサル育成に活かし、大手に押され気味な飲食店経営を支援してまいります。加えて、ヤマトサカナ株式会社が持つ道の駅「房総の駅とみうら」などの新業態は、当社に新たな事業の芽をもたらしました。今後はこれらの事業ノウハウも取込み、М&Aの効果を着実にあげてまいります。
②今後の出店拡大について
物販事業では今後5年で2倍の120店舗にすることを成長戦略に掲げています。しかし今期は「ぐるなび」のFC加盟による江戸川店の出店を含め4店舗の出店にとどまりました。そこで、今までの郊外に低コストで出店し早期の黒字化をはかるという出店モデルの他に、高コストでも駅前にある大型家電量販店の跡地に出店するという新たな出店方法を試したところ、オープン翌月には黒字化するという手ごたえを得ました。これは、単なる物売りではなく、飲食店経営に役立つ情報とサービスを提供することが徐々にかたちになっている成果だと言えます。今後は、自社で物件を探し出店をすると同時に、地元のリサイクル業者へのFC出店、業務提携を視野にいれ、より一層の早期120店体制づくりをいたします。
ただ出店するのではなく、経営コンサルを中心とした店舗、業種に特化した専門店を出店をする等、新たな業態での出店、新たな売り方を確立していくことを課題と考えております。経営コンサルにおきましては、現在社内で社員教育を強化しており、業種特化型の専門店におきましては、実験店として埼玉県にある既存店を、2023年9月に製菓・製パン専門店へ変更し、現在大阪府に2号店を計画しております。このように、既存店の拡大におきましても、新たな取り組みに挑戦してまいります。
なお、飲食店事業の「あさくま」「ヤマトサカナ」におきましても、それぞれ3~4店舗の出店を計画しております。
③情報サービス事業の難しさ
当社グループでは、飲食店のかかりつけ医のような存在となることを目指し、経営支援を行う「Dr.テンポス」サービスを開始しました。そのサービスの確立に向けて、WEB集客支援や物件探しの支援など、様々なサービスを開始すると同時に、従業員は週5時間・年間240時間のオンライン研修を6年間継続してまいりました。これにより、曲がりなりにも飲食店の集客サービスや、物件紹介の知識・ノウハウを習得していきましたが、飲食店経営者の相談にのれる人材育成には時間がかかります。
当社グループでは、物件紹介を行うことで新店オープン顧客の客単価を上げることを成長戦略に掲げ取り組んでまいりましたが、これが上手くいかなかったのは、営業トークや基礎知識は身に付いたけれども、まだまだ社員が知らないことが多くあり、飲食店経営においては素人だからです。そこで、2023年より飲食店のサービスや品質をチェックする「格付診断」サービスを開始しました。今後は、社員は一人5店舗ほどの格付診断の店舗をもち、毎月飲食店を訪問してチェックすることで、飲食店を見る目を養ってまいります。これにより、オンライン研修だけでは身に付かなかった飲食店経営支援のスキルを習得し、経営コンサルタントに育て上げてまいります。
当社グループが将来にわたって、安定的・継続的に収益を確保するため、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟、的確な対応を実施してまいります。
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