マルサンアイ 【名証メイン:2551】「食品業」 へ投稿
企業概要
農林水産省の見込みによると、国内の人口減少や高齢化に伴い、将来にわたる食品に対する支出額は全体として縮小していくことが予測されています。一方で、加工食品への1人当たりの支出額は2015年を100%とした場合、2020年は105%、2025年は110%、2030年は117%と増加していくことが予測されています。これらのことから食品に対する支出の中で加工食品が占める割合が増えていくと予測され、より一層の差別化を図るために付加価値を有した商品開発、研究活動が重要となると考えております。
又、世界に目を向けると、世界的な食料需要の増大やSDGsへの関心の高まりを背景に、大豆等の植物性たんぱく質を用いた商品の開発が進められています。
そのような中、当社では短期的な位置づけとして、機能性表示食品、栄養機能食品などの付加価値を有した商品開発活動に取り組んでおります。中長期的な位置づけとして、高齢化社会への対応として、豆乳がフレイル予防に繋がる根拠の構築に取り組んでおります。豆乳には大豆たんぱく質やイソフラボンなどの成分が含まれており、それらが高齢者に与える影響の調査を大学等の研究機関とともに取組み、学会発表や論文投稿に取り組んでおります。
世界的な食糧需給への提案素材としては、豆乳を粉末化した豆乳パウダーの開発、製造に取り組んでおります。豆乳パウダーで他社との差別化を図るとともに、国内外での販売を進められるよう、加工品の提案なども進めてまいります。
研究活動については、みそ、豆乳及び発酵豆乳の機能、豆乳の加工特性、おからの有効活用等のテーマでのべ10大学2公共機関と共同研究を実施しており、これらの研究情報につきましては、学会発表、論文投稿、特許申請等を行ってまいります。
当連結会計年度における研究開発費は、119,681千円(前連結会計年度比2.6%減)でありました。
セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) みそ事業
当社のロングセラー商品である「純正こうじみそ」をさらにおいしく、使いやすくするため「国産純正こうじみそ 蔵出し生」を発売しました。原料は全て国産素材とした加熱殺菌をしない生みそとし、使いやすいカップ容器を使用しました。
一方で、本社みそ工場でのみそ製造を終了し、子会社の株式会社玉井味噌へ集約することに伴い、赤だしみそ、ミックスみそ、鮮度みそなどの製造を終了しました。今後は株式会社玉井味噌にて生みそ、調理みそを中心とした商品開発活動に取り組み、本社みそ工場で培ってきたみそ製造技術を移管してまいります。
(2) 豆乳飲料事業
特定保健用食品である国産大豆の調製豆乳に続く、機能性を強調した豆乳やアーモンドミルクのラインナップを拡充しました。不足しがちな栄養素を1本で摂ることができる「1日分の鉄分 豆乳飲料 プルーンmix」、「1食分の食物繊維 豆乳飲料 きなこ」を発売しました。それぞれ、植物性たんぱく質やイソフラボンと共に栄養機能食品として1日分の鉄分、1食分の食物繊維を手軽に摂ることができます。
機能性表示食品としては「トリプル対策 この一本 豆乳飲料」及び「トリプル対策 この一本 アーモンドミルク」を発売しました。機能性関与成分をGABAとし、睡眠の質改善、疲労感緩和、血圧低下の3つの機能性を訴求しました。これら3つの訴求は、豆乳やアーモンド飲料では初めての商品であります。
ひとつ上の豆乳シリーズでは、好評であった「あまおうⓇ」の再発売、「紅茶」のリニューアル、「抹茶」を新発売しました。関係機関と共同開発した、青臭みや苦味が少ない国産プレミアム大豆「きぬさやか」と「すみさやか」の2品種をブレンドした「るりさやかⓇ」を使用し、他社にはないオンリーワンの大豆を使用したひとつ上の豆乳シリーズを、当社の戦略商品としてブランド化を推進しております。
又、コラボ商品として、パイン株式会社とコラボした「豆乳飲料 パインアメ」も発売しました。
(3) その他食品事業
食べる豆乳として植物由来乳酸菌TUA4408Lで発酵した乳成分不使用の「国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト」もレギュラー品の「豆乳グルト」と同様に、お通じを改善する機能性表示食品としてリニューアルしました。
豆乳シュレッドはお客様のニーズに対応し、そのままでもおいしくお召し上がりいただけるよう、生食に対応するリニューアルを行いました。豆乳スライスは配合を見直し、コクと風味をアップし、よりチーズに近い味わいとなるリニューアルを行いました。
鍋スープでは、森永製菓株式会社の甘酒とコラボした「ほっと甘酒鍋スープ 豆乳仕立て」を発売しました。酒粕のコク、米麹の自然な甘さが特長の甘酒と有機大豆を使用した無調整豆乳のやさしい風味を活かし、どなたでもおいしくお召し上がりいただける味に仕上げました。
又、豆乳製造時に産出するおからの有効活用として、飼料や肥料以外の利活用を模索しております。現在、おからを利用した紙の作成など行っており、今後もおからの付加価値をつけたリサイクルを進めてまいります。
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