企業兼大株主パソナグループ東証プライム:2168】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります 。

 当社グループは「社会の問題点を解決する」を企業理念に、サステナブルな社会の実現を目指して事業活動に取り組むとともに、当社グループの持続的な成長に向けてサステナビリティ経営を推進しております。サステナビリティに取り組む意義や目指す未来の姿を明確化するために「Pasona Group Sustainability」として明文化し、グループの共通認識としております。ESG・サステナビリティに関する取り組み詳細については、当社ホームページ(URL  https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/index.html)をご参照ください。

(1)ガバナンス及びリスク管理

 当社グループでは、社内の各種会議・委員会・部門がサステナビリティ経営を推進する役割を担っております。気候変動課題については、「環境経営戦略会議」において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定し、当該方針をもとに「環境マネジメント推進会議」が各部門・各グループに対して実効的なアクションプランを推進しております。人的資本については、グループ人事部門にてグループ全体の人事領域における重要課題に関する議論と取り組みの推進を行っております。また、SDGsの観点で持続可能な社会の発展に寄与する当社グループの事業活動を「SDGs委員会」で取りまとめ、情報の発信とともに更なる活動の拡大を議論しております。サステナビリティに関する重要な事項については、各会議・委員会が取締役会または経営会議に報告し、必要に応じてそれぞれが適切な助言を行うことで、モニタリングを実施しております。

 当社グループでは、気候変動によるリスクのほか、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。

 サステナビリティ全般における各種リスクは社内の各種会議・委員会において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす事案を特定し、その対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。また、その内容については定期的に取締役会に報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。

(2)ESG・サステナビリティ経営

① 持続可能な地球環境への取り組み

 当社グループは、政府主導の「チーム・マイナス6%」プロジェクトが開始された2005年より、グループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置いたしました。以来、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでまいりました。

 近年、世界レベルでの環境破壊や地球温暖化、異常気象、生態系の破壊などが深刻化する中、ソーシャルソリューションカンパニーとして、当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために、2021年に「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進会議」も発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。

 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応については、以下の当社ホームページをご参照ください。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/index.html)

a. CO2排出削減に向けた主な取り組み

 グループ全体でCO2排出削減に向けて、積極的な省エネ活動を推進しております。社有車はハイブリッド車や電気自動車へ切り替えを行っているほか、オフィスにおいて再生可能エネルギーの利用を進めております。また、社員手帳のアプリ化、契約書や紙資料の電子化、役員会をはじめとする会議でのタブレット端末の使用など、全社で紙資源の利用削減を推進しております。職場内はもとより、個人、家庭でのエコ活動を促進する「カイゼンチャレンジ」活動や、国内外での環境保全活動を通じた役職員一人ひとりの行動変容によってCO2排出の削減に努めております。2023年5月期は、エコカー導入や紙書類の電子化、環境保全活動などの活動により、915トンのCO2を削減いたしました。

b. 環境への取り組み

 グループ全体の環境問題への意識の向上と行動変容を促すことを目的に、社内外の専門家を招いた勉強会を開催し、全国の役職員1,500名が参加いたしました。また、環境保全に対する取り組みとして、全国各地域において植樹・育樹を通じた里山保全活動や、国連で採択されたアースデー(4月)とWorld Clean Up Day(9月)に合わせて国内外70拠点での環境美化活動等を推進しております。こうした海や山での活動を2023年5月期は国内外で268件実施し、4,300名の従業員が参加いたしました。また、資源循環に対する取り組みとして、生ごみを捨てずに循環する資源として活用するコンポストを取り入れ、主に兵庫県淡路島で運営する店舗で廃棄される生ごみを堆肥化して資源に変え、農場で使用する取り組みを行っております。

c. 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

〇ガバナンス

 環境経営戦略会議は、当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定いたします。当該方針をもとに、環境マネジメント推進会議が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。環境委員会では、自然との共生を体験する、地域と協働した環境活動を全国で展開しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。


〇戦略

 当社グループでは、複数の気候変動シナリオ(1.5~2℃と4℃)に基づき、2030年におけるリスクと機会を分析しました。シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)や国際エネルギー機関IEA(International Energy Agency)、環境省等が発行するレポートを参照しています。シナリオ分析における分析プロセスと特定した主要なリスク・機会は以下のとおりです。


 特定したリスク・機会について、具体的なシナリオを描き、事業への財務的影響を定量的かつ定性的に検証した結果、当社グループが、今回のシナリオ分析を経て特定した主要なリスク・機会とその対応方針は以下のとおりで、事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。今後も継続的に評価の見直しと情報開示の充実を進めてまいります。


〇戦略(機会)

 国内外において脱炭素に向けた動きが加速し、特に上場企業においては、気候関連財務情報の開示や、サプライチェーンも含めたカーボンニュートラルの実現を目指した対応が求められています。しかしながら、多くの企業ではCO2排出量可視化のノウハウはもとより、それに伴う煩雑な作業を行うリソースが不足しているのが現状です。また、従業員へのSDGs教育も課題のひとつとなっています。
 当社連結子会社のキャプラン株式会社では、CO2排出量の可視化や関連業務を支援する「BPOサービス」と、従業員への「環境研修サービス」を提供しております。

環境問題・気候変動関連の企業向け研修

キャプラン株式会社の幅広い講師ネットワークや、パソナグループ各社で8,000名以上の役職員を対象に実施してきた環境教育のノウハウを活用し、各企業の課題に合わせてカスタマイズした「環境研修サービス」を提供しております。社内の意識改革を図るとともに環境領域で新しい挑戦を担う人材を育成してまいります。

共創、循環、多様性を学ぶ サステナブル研修プログラム

 株式会社パソナ農援隊では、企業・団体・学校法人に向けて、食の安全や自然環境など「SDGs」について学べる研修プログラムを開講しております。土づくり、食の安全性や生産過程を学ぶ農業体験や、耕作放棄地の課題や脱プラスチック素材を学ぶ座学研修を実施し、2023年5月期は約8,600名が参加しております。

CO2排出量の可視化

 キャプラン株式会社の「CO2排出量可視化BPOサービス」では、GHG(温室効果ガス)の排出量算定・可視化クラウドサービスのほか、当社グループの有するBPOサービスのノウハウを組み合わせて、CO2排出量の可視化をシステムとオペレーションの両面から支援しております。

〇リスク管理

 当社グループでは、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。

 気候変動によるリスクは、環境マネジメント推進会議において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす自然災害を特定し、気候変動への対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。

 また、その内容については定期的に取締役会に報告し、対応状況の把握と進捗の管理、見直しを実施することで、気候変動リスクに対するマネジメント体制を構築しております。

②人的資本への取り組み

 当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。社内においても、従業員一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方の提案やキャリア構築の支援をはじめ、安心して働くことのできる職場環境づくりを推進することで、当社グループの持続的な発展・価値向上につなげております。

<人材育成方針 及び 社内環境整備方針、指標及び目標>

 当社グループの仕事は「人を活かす」こと。すなわち、人々の心豊かな生活の創造「ライフプロデュース」です。その役割を果たすため、「自分の未来は自分で創る」という人材育成方針のもと、従業員一人ひとりが高い志と使命感を持ち、果敢に挑戦し続けることができるよう、才能・能力の発揮を後押しする多様な人事制度・施策を整備し、従業員の自律的なキャリア構築を支援しております。

 人材戦略として以下の3つの柱「Diversity & Inclusion/誰もが活躍できる仕組みづくり」「Sustainable/自律的なキャリア形成」「Well-being/真に豊かな生き方・働き方」を掲げ、従業員の成長を後押しすることで、当社グループの成長はもちろんのこと、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を推進しております。

 また、創業以来変わらぬ企業理念のもと、パソナグループの芯を示す「Pasona Way」を行動指針として、創業の精神を継承し、常にぶれない判断の軸としています。毎年、「Pasona Way Week」として創業記念日の2月16日から2ヶ月間を強化月間として、パソナグループの果たす役割とは何か、当社グループの事業の歴史を振り返るとともに、フィロソフィをテーマにディスカッションや一人ひとりの行動目標設定を行うなど、全役職員がフィロソフィを共有しております。


a. Diversity & Inclusion/ 誰もが活躍できる仕組みづくり

 年齢や性別、国籍、障害の有無に関わらず、全従業員がパソナグループというステージを通して才能・能力を活かしてイキイキと活躍し、豊かな人生設計を描くことのできる環境を整備することが、中長期的な企業成長につながると考え、多様な人材の活躍を推進しております。

〇女性活躍推進

「家庭の主婦の再就職を応援したい」という想いから創業した当社グループでは、性別による格差のない社会の実現を目指して、創業当時より全員が総合職として入社し、男女の隔たりのない人材育成や適材適所配置を実践してまいりました。出産、子育て、介護などのライフステージの節目においても従業員が活躍できるよう、1990年代より「在宅勤務」「短時間勤務」「フレックスタイム」などの柔軟な勤務制度を整備、グループ本部内に事業所内保育所を設置し、兵庫県淡路島のパソナファミリーオフィスでは従業員が子供と同じ空間で働ける環境を整備しております。女性の人材育成・キャリア形成支援においては、2014年にスタートした次世代女性リーダー育成プログラム「ワンダーウーマン研修」の修了者のうち2名がグループ会社の社長、22名が執行役員、9名が副役員、42名が上位責任者に昇格するなど成果を上げております。

 これらの活動により、従業員全体に占める女性の割合は58.5%、全管理職に占める女性の管理職の割合は48.9%、取締役及び執行役員に占める女性の割合は25.0%と、多数の女性管理職・女性役員を輩出しております。
  当社グループで培ったノウハウを生かし、2021年からは企業の経営幹部に求められる第一線のビジネス力、プレゼンス力を学び、自社だけでなく、社会に貢献できる女性幹部候補を育成するプログラム「Women’s Advanced Program」のサービス提供を開始しており、これまでに41社72名の女性幹部候補生を育成いたしました。


〇多様な国籍の人材の活躍 

 当社グループでは、国内外42カ国、約1,000名の多様な国籍の従業員が活躍しており、国内連結子会社の従業員における外国籍人材の割合は2.5%(海外連結子会社を含む場合は8.1%)、事業運営の中核である管理職における外国籍人材の割合は0.8%(海外連結子会社を含む場合は7.6%)となっております。多様な価値観をもつ多様な国籍の人材が交流し、適材適所に配属、登用され活躍することで、事業における変化への対応力、新たな発想に繋がっております。

2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)をはじめ、今後の兵庫県淡路島における文化・芸術・食・健康・教育などの「Well-being」をテーマにした新たな事業創造において、多様な価値観や才能・能力を持った外国籍人材の活躍がますます重要になると考えております。そのため、2023年新卒採用では、全新入社員(314名)の約2割にあたる67名を外国籍人材とするなど、積極採用に取り組んでおります。

 また2017年から開始した、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す人材育成プログラム「Awaji Youth Federation」ではこれまで、世界42カ国・地域から87名の優秀な若者や社会起業家を受入れており、多様な価値観と知識・経験をもったグローバル人材がプログラム修了後も淡路島において、地域課題解決のための新たなイノベーション創出に取り組んでおります。

〇音楽家による文化創造 

 当社グループは2006年より、音楽・芸術活動と仕事の両立を支援する「ミュージックメイト」を開始し、音楽家の就労支援に取り組んでまいりました。2020年からは、全国の音楽家が音楽活動と仕事のハイブリッドキャリアを実践し、音楽を通じた地方創生を目指す「音楽島」プロジェクトを淡路島で開始、現在約80名の音楽家が活躍しております。当社グループ施設における演奏はもとより、島内での音楽事業の企画など、音楽を通じて人々の心や生活を豊かにする文化創造事業に取り組んでおります。

〇アスリートの競技と仕事の両立支援

 現役及び引退後のアスリートやコーチ等を対象に、競技活動と仕事を両立するハイブリッドキャリアや、セカンドキャリアの実現を支援するため、全国の拠点で就労機会を提供するとともに、一人ひとりの長期的なキャリア形成をサポートしており、現在約50名のアスリートが活躍しております。

〇ひとり親家庭への就労サポート
 雇用と生活の両面で困難な状況に直面する「ひとり親家庭」の方々に向け、仕事・住居・教育をトータルで支援するプロジェクトを2020年から兵庫県淡路島で開始しております。淡路島で安心して仕事に従事できる環境とともに、自然の中で伸び伸びと子育てをしながら、充実した教育を受けられる環境を提供し、32世帯75名の方が淡路島で生活を送っております。
 また、全国のシングルマザーの方々に、学び直し(リスキリング)による就業機会の創出と、職業選択の可能性を広げる支援を実施。キャリアカ

 

 


ウンセリングを行った後、個々の適性やビジョンに合わせたコース別スキル教育を提供し、プログラム終了後には当社グループの全国ネットワークを活かした就労支援を実施しております。これまで1,515名の方が参加し、新たなキャリアにチャレンジしております。

〇ミドル・シニア人材の活躍推進

 当社グループでは、1980年代から豊富な経験や能力を持つシニア層に向けて、新たな雇用インフラの創造や能力開発支援を推進してまいりました。現在、当社グループでは60歳定年からの再雇用率は100%、60歳以上の従業員はグループ全体の約1割(1,000名以上)、うち65歳以上の社員は約500名と、多くのシニア人材が活躍しております。

 シニア人材が長くイキイキと活躍できる環境づくりを推進することが、企業の更なる成長につながると考え、40代・50代の従業員を対象に、自身の価値観や可能性を再認識し、今後のキャリアや生き方についてデザインする「キャリアディスカバリープログラム」を実施するなど、総合的かつ継続的なキャリア形成に向けて支援しています。さらに人生100年時代の到来で長期化する職業人生をより豊かにしていくため、従業員がキャリアの棚卸をする中でリカレント教育が必要な場合、費用補助や休職取得が受けられる福利厚生制度も整備しております。

 対外的には、これまでのノウハウを活かし、2021年より50代からの自律的なキャリア形成支援を行う「セーフプレースメント・トータルサービス」(導入企業 約730社)を、また2022年6月より個人のキャリア・ライフプランに合った学びの場を提供する会員制リカレントプログラムサービス「パソナリカレント」を開始いたしました。

〇障害者雇用
 「障害は個性、才能に障害はない!」をコンセプトに、働く意欲がありながら、就労が困難な障害者がイキイキと働ける環境と健常者と共に社会参加できる“共生”の場を創出してまいりました。オフィス業務はもとより、“アート”による就労分野の拡大を目的にアーティスト従業員が就労する「アート村」(写真右)や、農業のプロとして無農薬・有機で安心・安全の野菜やお米・ハーブを栽培する「ゆめファーム」、一流職人の指導のもと無添加のパン・焼き菓子等を製造・販売する「パン工房」など、特

 


例子会社パソナハートフルをはじめ、グループ各社で571名のメンバーが個々の能力を活かして活躍の場を広げております。さらに、これまで培ってきた障害者雇用における様々なノウハウを活かし、障害者雇用に積極的に取り組まれる企業へ向けたコンサルティングやCSR活動支援にも注力しております。

〇人権方針 基本的な考え方

 当社グループは、「パソナグループ行動規範」 において人権の尊重を定めております。人権に関しては、国際人権章典や国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、OECD多国籍企業行動指針等の人権に関する国際規範を尊重し、事業活動を遂行しております。当社グループは、各国の法令を遵守することは当然として、国際的に認められた人権を可能な限り最大限尊重する方法を追求いたします。人権方針については、以下の当社ホームページをご参照ください。

(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/humanrights.html)

b. Sustainable/ 自律的なキャリア形成 

 当社グループは、これまでの企業依存社会から、誰もが才能と能力を活かして活躍できる個人自立社会への転換に向け、従業員の自律的な成長はもとより、エキスパートスタッフ(派遣スタッフ)の方々、そして働きたいと願う方々に向けたキャリア開発支援に取り組んでおります。また、雇用をテーマに「社会の問題点を解決する」新たな事業創造をし続けることが、当社グループの成長の源泉であるという考えのもと、社会の環境変化に臨機応変に対応できる強い個を育成し、新しい発想で社会課題を解決することのできる人材育成に取り組んでおります。

〇企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」

 当社グループ全従業員を対象とした研修教育プログラムを企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」として体系化し、実施しております。各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得をはじめ、一人ひとりの才能や可能性を最大限に活かす選抜研修、デジタルスキルを身につける多様な研修、グループの次世代を担う経営人材の育成など、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。

・従業員研修費用/対象者人数 ※1、2

407百万円/6,626人

・従業員一人当たりの平均研修時間 ※2

47.9時間

・年次・職位・職能別研修参加者数 ※2

延べ2,647名

・次期上級管理職育成プログラム参加者数

副役員11名、ジュニアボード14名、CBOボード21名、

 

ワンダーウーマン研修14名

・体験を通じて企業理念を理解する社会貢献委員会

国内外グループ各社より40名が参加

※1 人件費・光熱費・交通費等、研修実施に関わる費用含む

※2 算出対象:当社及び国内連結子会社28社    


〇‟複線的なキャリア構築”を支援する「ハイブリッドキャリアプログラム」

 社会の環境変化に臨機応変に対応できる人間力を身に付け、社会に貢献できる人材を育成するため、2022年4月入社の新卒採用から「ハイブリッドキャリアプログラム」を開始しております。

 新入社員が週に1日、「営業×農業」「人事×新規事業立ち上げ」「経営企画×起業家」等、配属先の業務とは異なる業務に挑戦できる環境を整備し、これまで453名がハイブリッドキャリアを実践しております。配属先の業務では得ることができない新たな視点や社内外ネットワークを得る機会につながり、全体の約8割が「ハイブリッドワークでの経験が業務に活かせた」と回答、全体の約9割が「大変満足・満足した」と評価しております。

〇新たな付加価値を生む「DX人材」の育成

 デジタル技術を活用した新たなソリューション事業を開発し、経営戦略である「X-TECH BPOへの進化」を実現するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引する人材の育成に注力しております。2023年5月期は、階層別のDX研修等による内部人材の育成や、IT未経験者のデジタルフィールドへの挑戦を支援するプログラム実施に加え、社内での育成実績を元に顧客向けプログラムも新たに提供を開始し、約1,000名のDX人材を育成いたしました。ローコードツールを活用した業務自動化による生産性向上にも取り組み、業務オペレーションにおいて前期比2.5倍となる約17,000時間の時間削減を実現しております。2024年5月末までに従業員、エキスパートスタッフ等、社内外で約10,000名のDX人材の育成を実現することで、サービスに新たな付加価値を創出し、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。

〇従業員のキャリアチャレンジを応援

 社内公募されたポジションに自ら手を挙げチャレンジできる「オープンポジション制度」を1989年より実施しております。2023年5月期は、65名が本制度を活用し新たなキャリアチャレンジを行いました。また、従業員自らが考えるキャリアプランを毎年直接人事部門に申告できる「マイキャリアバンク」を1993年から実施しており、従業員の自律的なキャリア形成を支援しております。

〇地方創生人材の育成

当社グループは、全国の自治体と地域活性化に関する実践的な「包括連携協定」を締結することで、地域の社会課題解決に取り組む人材や企業の誘致・交流を促進し、地域に根差した新産業創造と雇用創出、豊かな生き方・働き方を実現できる街づくりに取り組む「地域共創プロジェクト」を2022年7月より開始いたしました。 

2023年4月には、山口県下関市との包括連携協定を締結し、兵庫県淡路島で10年以上にわたり地方創生事業を推進してきたパソナグループ従業員が“地域活性化起業人”として着任し、当社グループの地方創生事業ノ

 

 


ウハウを活かしながら、関係人口創出や地域事業者振興による地域活性化に取り組んでおります。今後も、当社グループが地方創生事業を通じて育成した人材が、全国自治体に活躍の場を広げ、地域の魅力や価値向上に貢献していくことで、持続可能な社会に向けた地方創生事業を推進してまいります。

〇社内ベンチャー制度「チャレンジの日」

 創業以来、「社会の問題点を解決する」を企業理念に、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んできた創業の精神を継承するため、1995年から創業記念日である2月16日を「チャレンジの日」として制定し、全従業員から新規事業や業務改善提案を募集しております。応募案の中から優れた企画は事業化を支援し、新たな新規事業を創造しております。全ての従業員が創業の精神に立ち返り、従業員一人ひとりの「夢」や「志」を実現する機会を提供するとともに、イノベーション創出に向けた自律的な組織作りを推進しております。2023年5月期は、新入社員から海外現地法人の従業員まで、約1,300件の応募がありました。

〇社会課題解決に向けた企業文化の醸成「パソナ・シャドーキャビネット」

 当社グループの役職員が、入社年次に関わらず「社会の問題点」を議論し、具体的な方策を社会に提言することを目指す社内組織として2007年に発足いたしました。時代によって変化する様々な社会課題について議論を深め、法案(新規事業提案、社会提言等)として参加する従業員が採決をいたします。「Beyond SDGs」をテーマに8省庁が議論し、制度化や事業化を進め、2023年5月期は3件の新規事業(Japan Incubation Base、オンライン健康推進室、地方創生プラットフォーム「Pasona Connect」)が誕生しております。

〇働く人々の“ワーク”と‟ライフ”を支える「ワークライフファシリテーター」

 国家資格を持つ当社グループ従業員のキャリアコンサルタントが、働きたいと願う方々の能力や強みを丁寧に引き出し、年間延べ215,000名のキャリア創りをサポートしております。また、スキルアップや資格取得などに役立つ8,800もの専門講座が学べる「Pasona Career College」を提供し、430,000名の方が受講しております。
 当社グループが働く人々の‟ライフプロデューサー”としての役割をさらに果たしていくため、キャリアのみならず、育児や介護、マネープラ


ン、健康などの悩みに幅広く対応し、一人ひとりの自律的なキャリア構築やライフプラン設計をサポートする「ワークライフファシリテーター」の民間資格を2022年4月に創設いたしました。今後、2025年5月期までに、社内のキャリアコンサルタント関連資格又はワークライフファシリテーターの有資格者を2,000名育成してまいります。

 ・1級キャリアコンサルティング技能士 13名    ・国家資格キャリアコンサルタント 455名

 ・2級キャリアコンサルティング技能士 406名    ・ワークライフファシリテーター    209名

 ・産業カウンセラー等その他キャリアコンサルティング関連資格  329名

c. Well-being/ 真に豊かな生き方・働き方 

 「人を活かす」ことを使命とする当社グループは、働く人々がイキイキと活躍するための各種支援サービスを展開しております。サービス提供者である従業員が、心身の健康に加えて、働くことを楽しみ、心豊かな人生を送り、社会に貢献しているという実感をもつことが、一人ひとりの幸福感(Well-being)を高め、よりよいサービス提供につながると考え、従業員の健康増進・働く環境づくりに積極的に取り組んでおります。

〇健康経営推進体制

 当社グループでは、経営トップの健康経営に対する方針のもと、産業医、健康推進室、人事部門などが、定期健康診断データやライフスタイル調査にもとづいて、従業員がイキイキと活躍することができる健康経営を推進しております。また、保健師や管理栄養士、スポーツトレーナーなどの専門スタッフとともに、従業員の心身の健康を支援する独自のプログラムを開発するほか、全国の拠点及びエリアに配置された衛生委員が中心となり、各地域の職場環境の声を収集して、各施策の立案に活かしております。

〇健康経営の取り組み方針

 当社グループの健康づくりに関する方針を「パソナグループ健康宣言」として定めております。健康経営の取り組み方針として、「健康行動促進」「性差の共通理解の醸成」「ハイリスク者向け健康サポート」「メンタルヘルス対策」「ソーシャルワークライフバランスの推進」の5つを掲げ、各種施策を推進しております。

 また、健康経営における「戦略マップ」を策定し、具体的な取り組みや期待する効果と、解決したい経営上の課題のつながりを整理・把握し、健康経営を推進しております。詳細については、当社ホームページ(URL https://www.pasonagroup.co.jp/company/health.html)をご参照ください。


〇ライフスタイル調査の実施

 定期健康診断、ストレスチェックの他に、全従業員を対象に独自の「ライフスタイル調査」を実施し、運動・食事・睡眠・嗜好(飲酒・間食・喫煙)のカテゴリで生活習慣をスコア化しております。個人の結果及び全社における自身の健康の位置付けをフィードバックすることで、生活習慣の見直しに役立て、従業員一人ひとりの健康リテラシー向上につなげております。2022年はグループ30社7,000名がライフスタイル調査に回答いたしました。

〇生活習慣の改善に向けた健康行動促進
 ライフスタイル調査の結果、約60%の社員が「生活習慣の改善が必要」と回答し、特に運動・食事に課題を抱えている社員が多い状態でした。調査結果では生活習慣が悪化するほど仕事のパフォーマンスが低下し、「生活習慣」と「仕事のパフォーマンス」に相関関係があることがわかりました。そこで、生活習慣の改善に向けて、自身の健康課題に対する改善アクションを学ぶ研修参加を必須化、また独自開発した「オンライン健康推進室」によるLINEを活用した健康情報の配信や、チャット・WEB・電話での相談受付などの施策を実施いたしました。
 その結果、運動・食事・睡眠・飲酒・間食・喫煙などの生活習慣全般

 


スーツのままで短時間でも取り組めるトレー

ニングジム(東京・港区のPASONA SQUARE内)

の改善度を測る独自スコアが、2021年度から2022年度にかけて1.3%向上し、各生活習慣では飲酒以外の全てのカテゴリにおいてスコアが向上しました(対象企業:㈱パソナグループ、㈱パソナ)。日々の生活習慣改善を通じて仕事のパフォーマンス向上を支援した結果、プレゼンティズム(出勤はしているものの、健康上の問題によって完全な業務パフォーマンスが出せない状況)やアブセンティズム(傷病による欠勤)などの指標にも改善傾向が見られました。


〇女性の健康への共通理解促進

 社内で実施した「女性の健康に関するアンケート」では、元気に出勤している女性従業員の80%近くが女性特有の健康課題を抱えており、乳がん・子宮がん検診全額費用補助を約半数しか利用していない状況でした。そこで、女性従業員の健康リテラシーの向上とともに、気軽に相談しやすい環境を整備するため、女性だけでなく男性も含めた全従業員を対象に産婦人科医師による女性の健康講座を実施、女性の健康づくりへの職場の共通理解を育んでおります(年間7回、参加者延べ3,322名)。

当社グループの取り組みは外部からも高く評価されており、社員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組んでいる企業として「健康経営銘柄2023」に選定され、健康経営優良法人のホワイト500にも7年連続で認定されております。


 〇真に豊かな生き方・働き方の実現を目指す「本社・本部機能の一部移転」

 東京一極集中による様々な社会課題を解決し、働く人々の真に豊かな生き方・働き方を実現するため、2020年9月に兵庫県淡路島への本社・本部機能一部移転を発表し、現在約1,050名の従業員が淡路島で本社・本部機能に関わる業務に従事しています。淡路島で勤務する従業員からは、「豊かな自然の中で子育てができて嬉しい」「職住近接で通勤ラッシュによる心身の疲労がなくなった」など、「移住前よりも生活が豊かになった」という声が多数寄せられております。また、多くの地域住民の方が当社グル


ープの仲間となり活躍してくださるなど、地域における雇用創出にも貢献しております。

 今後も、真に豊かな生き方・働き方を実現する「Well-beingアイランド・淡路島」を目指して、従業員はもちろん働く人々にとって魅力的な環境づくりに取り組むことで、多様な人材を誘致し、持続可能な社会に向けた地方創生事業を推進してまいります。

〇全国の従業員が参加する社会貢献活動

 当社グループの企業姿勢を明確にするため、2005年に「社会貢献室」を設置いたしました。グループの社会貢献活動のリーダーシップを担う存在として、国内外のグループ各社から40名の「社会貢献委員」を任命し、国内外で活動を行っております。現在は、持続可能な地域社会づくりに貢献するため、6つの重点テーマ「食品ロス」「環境保全」「地域貢献(復興)」「スポーツ・健康」「ダイバーシティ」「パートナーシップ」を定めております。2023年5月期は、約16,600名の従業員が各地の活動に参加いたしました。

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