企業淺沼組東証プライム:1852】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進しております。

 研究開発活動としては、免震及び制震技術などの高品質・高性能な構造物を構築する技術、ストック活用のためのReQualityブランド化に資するリニューアル技術、ICTやIoTを活用した施工改善・生産性向上に資する技術などに主として注力しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は380百万円であり、主要な研究開発活動は以下のとおりであります。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

(建築及び土木)

[高品質・高性能な構造物を実現する技術]

(1) 大型物流施設等を対象としたエネルギー法を用いた制振構造の設計手法

 エネルギー法とは、制振構造に適した比較的新しい構造設計手法です。大型物流施設など制振構造において、設計期間の短縮に加え、鉄骨量の削減効果が期待できます。当連結会計年度では、仮想建物を対象とした制振構造の試設計をエネルギー法により実施し、日本ERIによる構造性能評価を取得するとともに、エネルギー法による構造設計の社内体制を確立いたしました。翌連結会計年度では、設計部門と技術研究所が協働して設計技術力を強化し設計フローの合理化を進めるとともに社内体制を強化し、大型物流施設を中心に合理的な設計手法を確立し新規受注に繋げたいと考えております。

(2) 鉄骨造の合理化工法開発

 物流施設をはじめとした建築物への鉄骨造の採用が拡大しており、その競争力の強化には鋼材量、加工量、特殊材料等の省力化が課題となっております。当連結会計年度では、床スラブの補剛効果を利用する「横座屈補剛工法」について8物件、柱幅の異なる箇所の合理化を行う「シンプルダイア工法(異幅柱接合部工法)」について5物件が採用されました。さらに、シンプルダイア工法については適用範囲の拡大に向けた検討も行っており、翌連結会計年度においても引き続き、シンプルダイア工法の適用範囲拡大に向けて構造実験及び数値解析による検討を進め、建築技術性能証明の取得を目指してまいります。

(3) 鉄筋コンクリート造壁・床のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の展開

 当社では、鉄筋コンクリート造の壁や床に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁や床に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁や床を築造する「CCB工法」を開発してまいりました。当連結会計年度では10物件に採用されております。また、前連結会計年度において、一般財団法人 日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明を取得した「PRS目地充填工法」についても、当連結会計年度では5物件に採用されました。翌連結会計年度では、実物件への適用をさらに拡大させるとともに、新たな合理化技術「床CCB-NAC工法」の一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得を目指してまいります。

(4) 環境配慮型コンクリートの開発と適用

 環境配慮型コンクリートには低炭素性と資源循環性の2種類があります。当社では、CO2排出量を最大70%程度まで削減した低炭素性のものと、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを使用した資源循環性のものとの両方の環境配慮型コンクリートを開発しており、当連結会計年度では3作業所にて、二酸化炭素排出量を約50%削減したJISマーク品の環境配慮型コンクリート(BB+FA)を適用いたしました。今後も環境経営に資する取組みとして積極的に展開を図ってまいります。さらに前連結会計年度からNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)グリーンイノベーション基金事業にも再委託先として参画し、二酸化炭素を吸収・固定するカーボンプールコンクリートの開発を推進し、脱炭素社会への貢献を目指してまいります。

[ストック活用のためのリニューアル技術]

(5) 環境配慮型リニューアルReQualityの推進

 「人間にも地球にも良い循環をつくる」をかかげて取組むリニューアル事業『ReQuality』のフラッグシップのプロジェクトであった淺沼組名古屋支店改修プロジェクト(2021年9月完成)は、グッドデザイン賞・ベスト100 (主催 :公益財団法人日本デザイン振興会)など多くの賞を受賞したことにより、当連結会計年度では10物件に当社独自のADVANCE技術が採用されました。また、新たな土活用技術として立体木摺土壁を開発(特許出願中)し、展示会への出展とともに実店舗施設の内装材としても採用されております。翌連結会計年度では環境配慮型リニューアルReQualityに資する技術、自然素材の活用技術に関する技術開発をさらに進化させ、リニューアル事業の更なる受注拡大に繋げたいと考えております。

(6) 既存不適格鉄骨造建物の耐震診断・改修手法の開発

 既存不適格の鉄骨造建物は耐震性能が極めて乏しいために改修工事まで議論が進まず、放置された建物が数多く残されていることが社会的な課題となっています。当社では、本課題に対してリニューアル事業の一環として取り組み、既存不適格の鉄骨造建物を対象として、低コストかつ省スペースの制振技術を利用した耐震改修工法の開発を進めております。当連結会計年度では、制振装置について要素実験を実施し、基本性能の確認と性能改善のための開発を行いました。引き続き、翌連結会計年度では実大柱梁フレーム架構を用いた構造実験による検証、およびFEM解析による検討を進め、第三者機関による構造性能評価の取得を目指してまいります。

(7) 鉄筋コンクリート構造物の劣化診断システムと寿命予測技術

 当社独自の劣化診断システムである「透気試験複合法(仕上げをした鉄筋コンクリート構造物においてダブルチャンバー法とドリル削孔法を併用し、仕上げの劣化を加味して構造物の耐久性を定量的に評価する調査診断手法)」を開発しており、当連結会計年度には3物件に適用いたしました。この手法はコンクリート構造体に大きな傷をつけずに供用中の建物でも居ながらの調査が可能となります。調査結果から得られる劣化度や所有者の意向に応じて、最適かつ合理的な無駄のない補修方法の提案が可能となります。翌連結会計年度の早期には、(一財)日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明が取得できます。改修工事において劣化診断システムを採用し、建物の寿命予測と共に合理的な改修方法を提案することで、リニューアル工事の受注に繋げたいと考えております。

[施工改善・生産性向上に資する技術]

(8) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発

 AI(人工知能)を利用した配筋自主検査システムは、当連結会計年度において配筋自主検査システム実用機の試行を繰り返し、現場での実験検証を行いました。その結果、壁・床に加えて、柱・梁の検知精度の向上が確認できました。翌連結会計年度では本開発をさらに深化させると共に、現場での実用化を目指してまいります。建設現場での生産性・安全性の向上、コスト削減等を実現するため、ロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)の推進を図るべく設立された「建設RXコンソーシアム」に当社も参画しております。当連結会計年度では自動搬送ロボットの現場試行結果の情報共有を行い、建築ロボット活用のためのガイドラインを制定するなど、生産性向上に向けた取組みを継続しております。また、BIMモデルを活用した若手社員向けの体験型施工管理教育システム「現場トレーナー」は、当連結会計年度においてサブスクリプションによる他社へのサービスを開始いたしました。翌連結会計年度では当社内での活用をさらに深化させ、アップデートや新しいコンテンツの追加を目指してまいります。

 また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われておりません。

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