西松建設 【東証プライム:1820】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、企業理念として掲げた「価値ある建造物とサービスで安心して暮らせる持続可能な社会をつくる」を実践するため、サステナビリティスローガン(基本方針)「みんなでつくる みんなが輝く」を策定しております。この基本方針のもと、当社は、ひと、まち、自然を大切につなぎ、人々が活き活きできる場を創ることで「みんなが輝く社会」を実現してまいります。
(2) 長期ビジョン、中長期的な経営戦略
当社は、コロナ禍やグローバル化の進展など社会・事業環境の絶え間ない変化と価値観の多様化を受け、自らの社会における存在価値や将来ありたい姿、提供していく価値について改めて見つめ直し、2023年2月に長期ビジョンを「西松-Vision 2030」に刷新するとともに、「中期経営計画2025」を策定いたしました。
「西松-Vision 2030」では、「あたりまえに安心でき 活力がわく地域やコミュニティを 共に描きつくる総合力企業へ」という長期ビジョンを掲げ、当社がこれまで取り組んできた国内外の建設事業を中心とする「社会基盤整備」に加え、エネルギー、環境保全、社会・都市機能、防災・安全、不動産開発など、地域に寄り添い共に社会課題を解決する「社会機能の再構築」に取り組んでまいります。これらの「価値共創活動」を拡大することで、当社グループの成長を目指すとともに、社会に対して「安心・活力・つながり」を提供してまいります。
「中期経営計画2025」では、2022年度に収益が悪化した建築事業と国際事業(土木)の収益改善に注力するとともに、「西松-Vision 2030」実現に向け、「脱炭素」や「価値を生み出すアセット」等へ積極的な投資を実施いたします。
なお、「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、併せてご参照ください(https://www.nishimatsu.co.jp/ir/library/plan.html)。
(3) マテリアリティ
当社は、「西松-Vision 2030」の実現に向け、既存の重要課題(マテリアリティ)をベースとして、企業理念及び長期ビジョンを踏まえたマテリアリティに進化させるため、以下のとおり、当社が事業を通じて取り組むべきマテリアリティを特定いたしました。
・安心でき、活力がわく社会の実現
・現場力を最大限発揮できる組織づくり
・価値創出を最大化できるパートナーシップの形成
・安心とワクワクにつながる技術戦略
・多様な人財がワクワクし活躍できる仕組みづくり
・コンプライアンスの遵守
当社は、特定したマテリアリティの重要性を認識したうえで、課題解決に向けた実効性のある経営、事業活動に取り組んでまいります。マテリアリティにつきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、併せてご参照ください(https://www.nishimatsu.co.jp/esg/materiality.html)。
<マテリアリティ>
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2023年2月に公表した「中期経営計画2025」において、目標とする業績指標として連結売上高及び連結営業利益を掲げております。また、目標とする財務指標として、ROE、自己資本比率、D/Eレシオ、連結配当性向及び自己資本配当率(DOE)を掲げております。特にROEは持続的成長への競争力を高めた結果として向上するものであり、当社の目指す経営方針と合致することから、目標とする財務指標として採用しております。
(5) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く環境は、コロナ禍やグローバル化の進展、価値観の多様化を受け、絶え間なく変化しています。建設業界におきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに増加傾向にありますが、建設資材の価格高騰や人手不足による人件費上昇の影響により、注視が必要な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループは、2022年度に策定した「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」の達成に向けて、計画に掲げた施策を着実に実行してまいります。
事業上の戦略として、国内土木事業におきましては、公共工事の受注規模拡大に向けて人員・組織力の強化に取り組んでおります。また、新分野への挑戦として、洋上風力発電設備工事への参画を推進しており、自己昇降式作業台船(SEP)の共同保有等を目的とした会社を、当社を含む建設会社6社で設立し、2023年10月にSEPの調達契約を締結しました。
国内建築事業におきましては、高収益体質への変革に向けて、企画提案力向上による顧客との対話の深化、社内外リレーションを最大限活用した営業展開、データセンター・冷凍冷蔵倉庫・環境施設などの注力分野における差別化要素の確立に取り組んでおります。また、主に設計・施工物件において「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」を推進・拡大してまいります。
国際事業におきましては、事業リスクの最小化を図り、土木はODA工事、建築は日系企業からの工事に加え、外資企業からの工事受注に向けた取り組み体制を強化しております。
アセットバリューアッド事業におきましては、国内外成長分野へのバリューアッド事業投資を積極的に展開し、収益基盤の着実な積み上げと「循環型再投資モデル」への進化を図っております。「循環型再投資モデル」の一環として「西松プライベートリート投資法人」を設立し、2023年9月より運用を開始しました。本投資法人を活用したタイムリーな資産入替により「循環型再投資モデル」への進化を加速させるとともに、投資マネジメント事業における受託資産残高1,000億円の早期実現を目指してまいります。
地域環境ソリューション事業におきましては、再生可能エネルギー事業・まちづくり事業の成長に向けて、中期経営計画2025の3年間で積極的な事業投資を実施します。
当社はサステナビリティ経営の実現に向けて、本年2月にサステナビリティスローガン(基本方針)を策定し、当社が事業を通じて取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を改めて特定するとともに、マテリアリティ解決に向けたKPIツリーを策定しました。今後も引き続き、「サステナビリティ委員会」「サステナビリティ戦略会議」等の推進体制のもと、全社一体となってサステナビリティ推進に取り組んでまいります。
財務上の課題として、「中期経営計画2025」の3年間につきましては、事業活動により獲得した資金に加え、有利子負債を活用し、成長投資に向けた資金を確保してまいります。また、財務健全性の観点から、2025年度の自己資本比率30%程度、D/Eレシオ1.5倍程度を堅持してまいります。
今後も、当社は全役職員一丸となって「中期経営計画2025」を達成するとともに、「西松-Vision 2030」の実現に向けて邁進してまいります。
(業績及び財務計画(連結))
指標 | 2023年度実績 | 2025年度修正計画 | |
売上高 | 4,016億円 | 4,150億円 | |
営業利益 | 188億円 | 250億円 | |
資本効率 | ROE | 7.8% | 10% |
財務健全性 | 自己資本比率 | 29.1% | 30%程度 |
D/Eレシオ | 1.1倍 | 1.5倍程度 | |
株主還元 | 配当 | 1株当たり年間配当金220円 配当性向70.1% | 2024~2025年度 自己資本配当率(DOE) 5%程度の安定配当 |
(投資計画)
投資分類 | 投資効果 | 主な投資 | 2023~2025年度 |
GX まちづくり | 再生可能エネルギー ・事業利益の獲得 ROA 4% ・発電量(2025年度)87,000 MWh(35,000t-CO2相当) | 再生可能エネルギー 小水力発電、地熱発電、バイオガス発電、木質バイオマス発電、揚水式発電 まちづくり 蓄電所(EMS)、提案型PPP事業 | 400億円 |
アセット バリューアッド | アセットバリューアッド ・事業利益の獲得 ポートフォリオROA 4~5% 建設 ・市街地再開発事業の組成 ・顧客リレーションの構築 | アセットバリューアッド ワーキングスペース(オフィス) レジデンス(寮・高齢者施設) 観光・娯楽(ホテル、ホール) 生活応援・ヘルスケア(商業施設) データセンター・物流 | 700億円 (投資1,100億円 回収400億円) |
人財開発 DX 技術開発他 | 経営基盤 ・「個の力」「組織の力」の最大化 建設 ・建設事業の生産性向上 ・先駆的建設技術の獲得 ・建設物の高付加価値化 | 経営基盤 人財開発・育成、DX 建設 省力化技術、労働環境改善技術 インフラリニューアル技術 木造建築技術、ZEB・ZEH、低炭素型材料開発 | 100億円 |
総額 | 1,200億円 |
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