W TOKYO 【東証グロース:9159】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等
当社は、「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げ、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランドを活かした独自のプロデュースノウハウを軸に、ヒト・モノ・コト・地域のまだ見ぬ価値を共創し、その価値を最大化させることをミッションとして事業を展開しております。
このような経営方針のもと、当社は、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド価値及びノウハウを活用し、あらゆるヒト・モノ・コト・地域の価値を高めるためのブランディングやプロモーションをリアルイベント以外の方法でも提供するサービスに注力し、事業基盤の強化に努めております。
当社事業のさらなる拡大のために、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランドの維持・向上、あらゆるヒト・モノ・コト・地域のブランディングを重点的に進めてまいります。当社が創り上げたTOKYO GIRLS COLLECTIONというブランドを中心とした当社の事業は、事業活動に係る直接的な許認可等はないものの、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド、知名度とネットワークは2005年より本書提出日まで通算37回にわたる開催実績(TOKYO GIRLS COLLECTIONの東京開催)の蓄積及び継続的投資の中で確立し得たものであり、他社が即時に模倣することは困難であり、引き続きこのブランド力を活用したさらなる事業拡大を図ってまいります。
(2)経営環境
①市場の規模
当社は、TOKYO GIRLS COLLECTIONの企画・運営に加え、TOKYO GIRLS COLLECTIONで培った企画力やネットワーク、TOKYO GIRLS COLLECTION自体のブランド力等を活用し、多様な事業機会の創出を行うことで、様々な業界に幅広く関連するビジネスを展開しているため、当社事業と完全に合致する業界はありません。
そのような中で、当社が展開する事業の根幹は、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力を活かして、あらゆるヒト・モノ・コト・地域のブランディング、コンテンツプロデュース等を行い、それらの魅力をリアルやオンラインの形で世の中に発信していくことであるため、関連性が比較的高い業界は、以下のとおりとなります。
広告市場:7兆1,021億円(内インターネット広告費3兆912億円(2022年)(参考:「2022年 日本の広告費」㈱電通)
ライブ・エンタテインメント市場:5,652億円(2022年、オンラインライブ市場は含まず)(参考:「2022年のライブ・エンタテインメント市場規模(速報値)」ぴあ総合研究所㈱)
オンラインライブ市場:466億円(2022年)(参考:「「国内オンラインライブ市場に関する調査」市場規模推計値」ぴあ総合研究所㈱)
②市況
広告市場は、2022年においては新型コロナウイルス感染症拡大以前の2019年を超え、推定開始以降、過去最高となりました。このうちインターネット広告費はコロナ禍においても継続して拡大しており、2022年は前年対比114.3%の3兆912億円(「2022年 日本の広告費」㈱電通)と伸長し、動画広告需要が広告市場全体の成長を後押ししております。
ライブ・エンタテインメント市場は、音楽ライブ、コンサート、演劇、ミュージカル、スポーツを中心としたものから、フェスティバル(飲食、キャンプ、複合型)、アニメやゲームを題材としたイベント、2.5次元ミュージカル、ランイベント等、従来の一方通行の鑑賞から参加型、体験(エクスペリエンス)型へのシフトにより興行の多様化が進み、2019年まで市場規模が堅調に拡大しました。これは、人がメディアとなった現代において、人々は「共感」を通じてエクスペリエンスをシェアすることにより、その興行の価値が高まり、さらに発信力を高める相乗効果を生み出し、O to O(Online to Offline)の動きが加速していたことによると当社では認識しております。
2020年春頃からの新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛の影響を大きく受け、ライブ・エンタテインメント市場は2020年に1,106億円と前年対比17.6%と落ち込んだ後、2021年は3,072億円と2019年対比48.8%となっておりましたが、2022年は5,652億円と2019年対比89.8%となり、コロナ禍以前の水準まであと一歩に迫っております(「2022年のライブ・エンタテインメント市場規模(速報値)」ぴあ総合研究所㈱)。ポスト・コロナにおけるインバウンド需要の取り込みにおける課題として、観光客のエンタテインメント不足が指摘されていることもあり、ライブイベント(エクスペリエンス)の需要は当社としては今後も継続すると想定しております。
また、「イベント関連を含む展示・映像等の広告費」についても、2022年は2,988億円とコロナ禍の影響により2019年(5,677億円)対比52.6%となっておりますが(「2022年 日本の広告費」㈱電通)、2021年の東京2020オリンピック・パラリンピックの影響がありイベント領域で回復に至っていないものの、映像関連の制作需要は高まっており、新型コロナウイルス感染症拡大の前の2019年までは堅調に規模を拡大してきたことも踏まえ、ライブ、イベント等の再開につれ当社としては需要が回復すると見込んでおります。
一方、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛を契機として、電子チケット制の有料型オンラインライブ市場は短期間に急拡大を遂げましたが、ぴあ総合研究所㈱の「「国内オンラインライブ市場に関する調査」市場規模推計値」によると2022年の「チケット制有料オンラインライブ国内市場規模」の総額は、466億円と推計されており、2021年(512億円)対比91.0%とやや縮小しております。
新型コロナウイルス感染症の収束につれ、リアルライブは回復に向かっていることから、オンラインライブ市場は縮小傾向にあると考えられますが、ライブ・エンタテインメントの楽しみ方、参加の仕方が多様化した影響は続くものと当社は想定しております。
当社では、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた期間中、オンライン配信へのユーザーの取り込みに注力してまいりました。これまでTOKYO GIRLS COLLECTIONの会場に足を運んだことがないユーザーに対しても、オンラインライブが入り口となり、リアルライブへの参加が増加する効果があると考えております。また、オンライン配信での視聴によるTOKYO GIRLS COLLECTION(東京開催・地方開催)を体感するユーザーの増加は、TOKYO GIRLS COLLECTIONの発信力やブランド価値の強さを示すものでもあり、協賛企業や地方自治体の満足度を高め、契約の継続につながることや、当社が提供するTOKYO GIRLS COLLECTION(東京開催・地方開催)以外のコンテンツプロデュース・デジタル広告サービスへの興味促進にもつながるものと考えております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の展開するTOKYO GIRLS COLLECTIONブランドは、2005年より本書提出日まで通算37回にわたる開催実績の蓄積及び継続的投資により、圧倒的な認知度・ブランド力・発信力を誇る、青年層と社会課題をつなぐ架け橋となるプラットフォームへ進化してまいりました。
当社は、今後の成長戦略として、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力・発信力を最大限に活用し、今まで培ってきたノウハウとネットワークを活かし、あらゆるヒト・モノ・コト・地域を世の中にフィットしたかたちで、それらの魅力がより輝くようにコンテンツプロデュース・ブランディングを行い、これらを通じて利益率の高い収益基盤の強化に努めてまいります。TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力・ネットワークに魅力を感じる顧客に対しては、TOKYO GIRLS COLLECTION以外のコンテンツプロデュース・ブランディングの機会も提供しうるため、顧客数の増加に連動して事業成長が可能となります。
当社は、将来にわたって成長を継続させ、企業価値の向上を実現するために、以下の課題に積極的に対処してまいります。
①TOKYO GIRLS COLLECTIONブランドの更なる価値向上
TOKYO GIRLS COLLECTIONブランドは、2005年より本書提出日まで通算37回にわたる開催実績の蓄積及び継続的投資により、他社による模倣困難な強固なブランド力を確立しておりますが、当社事業の中長期的な成長戦略を実現していくために、常に青年層のニーズや時代の潮流を反映したコンテンツを企画し、継続的にブランド価値を高めるとともに、その価値を最大限に活用した事業展開に努めてまいります。
②他社及び地方自治体との提携
当社はTOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド価値を活用し、異なる強みを持った企業との提携を積極的に展開しており、当社と提携先の持つ経営資源を融合することにより、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド価値の更なる向上という相乗効果を生み出すことが可能となります。
また、当社はTOKYO GIRLS COLLECTIONの地方開催やその他シティプロモーションにより、地方自治体との連携を積極的に展開しております。これらの活動は、当社固有のノウハウ・ネットワーク及びTOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力を活用することにより、それぞれの地域のニーズ・社会課題に応じた取り組みを再現性高く、日本全国の1,700を超える自治体を対象に、効果的・効率的に展開することが可能となります。
今後の成長戦略において、積極的に他社との提携による事業シナジーの創出及び地方自治体との連携による社会課題の解決を通じた企業価値の向上に努めてまいります。
なお 、当社は2023年5月8日に株式会社NTTドコモ(以下、「NTTドコモ」という。)との間で、業務提携に向けた基本合意を締結しております。今後NTTドコモ及び当社では、基本合意に基づき、両者が保有する事業アセットを活用し、相互にシナジーを追求してまいります。提携を具体的に協議する事業領域として、下記を想定しております。
1.WEB3及びメタバースを活用したイベント企画及びTOKYO GIRLS COLLECTIONのファンコミュニティ形成
2.NTTドコモのデータ活用を通じたデジタルマーケティングの推進
3.TOKYO GIRLS COLLECTIONの地方開催における協業
また、NTTドコモの子会社でWEB3事業推進を加速する株式会社NTT Digitalとの間で、WEB3の普及および社会実装の加速に向けた連携に合意いたしました。今後は3社が連携し、NFT(非代替トークン)を使ったコンテンツ・知的財産の管理や売買、暗号資産やステーブルコイン(法定通貨と価格連動するブロックチェーン上の通貨)によるFinTech、DID(分散型ID)を活用したパーソナルデータの自己管理といったユースケースを共同で創出してまいります。
③優秀な人材の獲得・育成
当社が展開する事業の優位性を維持・向上していくためには継続的に優秀な人材の確保が必要となるとともに、当社の経営理念、ビジネスモデルに適した人材の開発が重要となってまいります。そのため当社は、時代やトレンドの変化に敏感で企業や自治体のニーズを汲み取り、付加価値を生み出すことのできる企画提案力に優れた優秀な人材を惹きつける事業戦略を展開し、新卒・中途採用の積極的展開、既存社員の育成に注力していくとともに、人材が中長期的に活躍できるような事業環境を整えてまいります。
④海外事業展開
当社の事業活動は、現状、国内における事業活動が中心でありますが、当社の継続的な成長にはより多くの市場が存在する海外、特にアジア圏への進出は重要であると考えております。個々のブランド、企業体だけでは難しい海外進出について、TOKYO GIRLS COLLECTIONで培ったノウハウ・ネットワークを活用することによりクールジャパンとしての面による展開が可能となると考えております。
当社は今までの国内におけるブランド価値の創造、タイ、シンガポール、インドネシア等の海外進出経験を活かし、経済産業省等の行政機関や支援パートナーとの適時適切な連携を行っていくことにより、更なる事業拡大に努めてまいります。
⑤財務基盤の強化
当社の運転資金及び設備投資資金は、主として営業活動により得た資金に加え、必要に応じて金融機関から借入実施により調達した資金で賄うことを基本方針としております。上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処する等、財務基盤の強化に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、調整後営業利益、調整後当期純利益を採用しております。これらの指標は、当社のTOKYO GIRLS COLLECTIONというブランド価値を活用した社会への価値提供の程度、また当社における経営の効率性を測るためものとして適切であると考えております。
(調整後利益の計算方法)
調整後営業利益=営業利益+のれん償却額+商標権償却額
調整後当期純利益=税引前当期純利益+のれん償却額+商標権償却額-想定税金費用(※1)
※1想定税金費用=法人税、住民税及び事業税+法人税等調整額+商標権償却額×実効税率(課税所得が発生する場合)
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