企業UBE東証プライム:4208】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりですなお文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当社グループのサステナビリティの推進とは、企業の経営そのものと捉えております。スペシャリティ化学を中核とする企業グループとしてのパーパスを全うするため、経営資源を効果的に活用し、社会に新たな価値を創出することで持続的成長を図ります。その礎となる持続可能な社会の実現に向けて、「UBEグループサステナビリティ基本指針」をグループ全ての役員・従業員に徹底させるとともに、「成長」「環境」「社会」「経営」それぞれのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その解決に積極的に取り組んでおります。

 サステナビリティ推進体制としては、サステナビリティの各専門委員会等で個別のサステナビリティ事項を検討し、全体として取締役会と経営会議にその取組みを報告し、指示を受けております。

②リスク管理

 当社では、当社グループのリスクを適切に管理しリスクが顕在化した場合の損害を最小限にするために、取締役会決議にて制定した「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、リスク管理規程を定め当社グループ全社を対象にしたリスクマネジメント制度を実施しております。本制度では、当社グループのリスクマネジメントに関する業務を統括・推進するために取締役、執行役員の中から社長が指名するチーフ・リスク・オフィサー(以下CROという)を選任し、CROを補佐しリスクマネジメントの事務局となるリスク管理部を設置しております。

 当社グループ全体に影響をおよぼす重要なリスクについては、リスク管理委員会に報告、審議した後、経営会議に付議し、リスクの認定と管理方針や対策の有効性等を審議いたします。また、取締役会は、その審議内容について、定期的に報告を受けることでモニタリングを行っております。この重要(重大)なリスクに関しては、リスクごとに「リスクテーマ役員」を定め、当該役員が全社俯瞰的な観点から当該リスクやその対策の有効性を評価し、対策の実施部署に対して次年度のリスク対策等を指示・指導を行う体制を整備しております。

 経営に対する影響度の特に大きい重要なリスクについては、成長・環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の4項目に分類しております。GHG排出量の多い企業として、最も重要なリスクは「環境」であるとの認識のもと、GHG排出量削減への能動的な取組みと環境貢献型製品・技術を一層拡大することで、環境リスクを低減させるだけでなく、リスクを機会に転じさせることを目指しております。地球環境問題等の当社グループが抱える諸リスク、社会の持続的な発展に向けたグローバルなコンセンサス、環境負荷低減に貢献する当社グループの技術力等を総合的に勘案し、当社グループの持続的な成長に重要な影響を与えるマテリアリティを特定し、取締役会へ報告しております。

(2)気候変動への取組みとTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応

 当社グループにとってカーボンニュートラルや地球環境問題は大きな課題であり、中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においても、化学事業の成長戦略と地球環境問題への取組みについては、一体のものとして捉え、当社グループの持続的な成長及び企業価値向上にとっての最重要課題であると認識しております。

 この地球環境問題の課題解決をチャンスと捉え、スペシャリティ化学を中核とする企業グループを目指しグローバルに持続的成長を図ってまいります。

①ガバナンス

 当社グループでは、地球環境問題に関する課題の把握や対策を講じる地球環境問題対策委員会を設置しております。代表取締役社長が議長を務める経営会議は、地球環境問題対策委員会から審議内容の報告を受け、検討後、適宜指示を行い、継続的に対策の進捗状況を確認しております。また、重要事項については年1回、取締役会に上申・報告をしております。

②戦略

 気候変動対応による低炭素・脱炭素社会への移行を前提に2030年以降の考えられる姿(シナリオ)を複数検討し、それぞれのシナリオに沿って当社グループのリスク及び機会(チャンス)を分析し、必要とされる戦略を策定しております。

 移行シナリオとして2℃シナリオと4℃シナリオの2つ、物理シナリオを検討・作成しました。それぞれのシナリオにおけるUBEのリスク及び機会を分析しております。その結果、それぞれのシナリオにおいて、顕在化が想定されるリスクによる影響は免れられないものの、同時に顕在化が想定される機会を取り込むことによって、持続的な企業価値の向上が可能であることを確認しました。

 シナリオ分析の検討ステップ

・各事業がどのようになるか、自家発電の操業予測を含めてシナリオごとに検討

・各シナリオの結果を基に当社グループとしての将来を分析

・2050年を見据えた、2030年のレジリエンス(強靭化)を有する長期的な戦略を作成

 上記のシナリオ分析の結果、2030年近傍の財務影響度、影響の可能性が大きいものについてまとめたものが次のとおりです。

③リスク管理

 当社グループでは、気候変動対応を、リスク情報の一元管理や対策の実施状況等のモニタリングで活用しているリスク管理システムに登録し、管理しております。リスク管理システムに登録されたリスクは、それぞれの影響度に応じて重要(重大)リスク、ミドルリスク、マイナーリスクに分類され、経営における重要(重大)なリスクは、経営会議で審議され、具体的な戦略・施策へ反映されます。

 気候変動対応は、地球環境問題として経営会議で審議され、取締役会に定期的に報告されます。それらの過程で、当社グループ全体としての気候変動に関するリスクとして識別・特定され、特定された気候変動関連のリスクについては、環境安全部担当役員を委員長とした全社的横断組織となる地球環境問題対策委員会にて、対策及び取組み方針等が立案・実施されます。

④指標及び目標

 当社グループは、地球環境問題への取組みに関する2030年度の目標を見直し、下記のとおり新たな目標を策定しました。

 温室効果ガス(GHG)排出量:50%削減(2013年度比)

 集計範囲:連結グループ主要事業所等のScope1&2

 環境貢献型製品・技術の連結売上高比率:60%以上

 当社グループは、2030年目途に国内のアンモニア生産を停止することを検討するとともに、スペシャリティ化学へ事業転換を図ることによって、上記のGHG排出量削減目標を達成できる見込みです。

 なお、2022年度のGHG排出量は、省エネ活動等の取組みにより382万トンとなりました。これはUBE三菱セメント㈱へ移管されたセメント関連事業を除いて集計したものであり、同範囲で集計した2013年度と比較して19%のGHG排出量削減となっております。また、2022年度の環境貢献型製品・技術の連結売上高比率は、46%となりました。

⑤カーボンニュートラルに向けたロードマップ

 当社グループは2021年4月26日に、「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言しました。自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発のイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルに貢献していくことを目指します。

(一)GHG排出量の削減

 生産活動における徹底した省エネ推進・プロセス改善に継続的に取り組むとともに、再生可能エネルギーの利用の最大化や化石資源利用の極小化等を推進します。

 更に2050年のカーボンニュートラル達成には革新的な技術開発が不可欠であることから、中長期的な視野で、他社等との協業を含めた原料の非化石化やCO2利活用技術の研究開発・実用化にも取り組みます。

(二)環境貢献型製品・技術

 環境貢献型製品・技術の開発を推進し、より多くのお客様に提供することで、当社グループ及び社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指します。当社グループでは、ISO14001:2015改訂版をもとにガイドラインを策定し、環境貢献型製品・技術を定義しております。

(3)人的資本

 当社グループは、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を2030年のあるべき姿の実現に向けた最重要課題と位置づけ、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出し、グローバルな事業拡大と新たな価値を創出する原動力とするとともに、グループ全体でワークエンゲージメントの向上に取り組んでおります。

①戦略

(一)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

 当社は、スペシャリティ化学を中核とする事業構造への転換を図っております。従来の企業風土から脱却し変革を進めるためには、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出すことが不可欠と認識し、女性活躍推進をはじめ、専門性の高い人財のキャリア採用、シニア社員制度改定による働き甲斐の向上、障がい者の職域拡大等の施策を推進しております。

(二)社内環境整備に関する方針

 当社は、エクイティを重視し、多様な人財一人ひとりが活躍できるよう、アンケートや対話、面談の機会の充実でニーズの把握に努め、多様な支援制度の拡充を進めております。更に、多様な社員が能力を存分に発揮して活躍するためには、管理職の「インクルーシブ・リーダーシップ」の向上が重要であると考え、キャリア面談のスキル向上、両立支援施策の理解促進、心理的安全性確保に関する教育を実施しております。

②指標及び目標

 スペシャリティ化学への変革推進に向け、経営戦略と連動した人財戦略を定め、着実に実行してまいります。

 重点施策として、以下の4つを推進しております。

 

重点施策(2024年度目標)

進捗状況(2022年度実績)

人人材材のの育多成様に性関のす確る保方を針含む

1.女性の活躍推進

 女性社員比率  15%

 女性管理職比率  6%

1.女性の活躍推進

 女性社員比率  2021年度 14.4% ⇒ 2022年度 15.0%

 女性管理職比率 2021年度  3.3% ⇒ 2022年度  4.1%

2.キャリア採用、外国人採用

 キャリア採用比率(総合職)25%以上 ※

 外国人採用      (総合職) 5%以上 ※

2.キャリア採用、外国人採用

 キャリア採用比率(総合職)

  2022年度 34.7%(国内連結)、34.8%(UBE単独)

 外国人採用   (総合職)

  2023年度新卒 2名(国内連結)、2名(UBE単独)

3.専門職制度、専門性の高いキャリア採用、シニア社員向け施策の充実

3.事業戦略に即した専門性の高い即戦力人財のタイムリーな採用実施、アンケート・意見交換会に基づきシニア社員制度改定

に社関内す環る境方整針備

4.働きやすく働き甲斐のある職場づくりと従業員満足度の向上

4.当社健康経営ホワイト500認定、プラチナくるみん認定

 グループ1社ブライト500認定、8社優良法人認定

※中期経営計画策定時の指標から、一部見直しを行いました。

 キャリア採用比率(総合職)25%以上 ⇒ 50%以上

 スペシャリティ化学への変革推進に向け、専門性の高い即戦力人財の採用増

 外国人採用      (総合職)5%以上 ⇒ 複数名

 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進による風土改革並びにグローバルな事業拡大に向け採用増

 推進している具体的な取組みの概要は、以下のとおりです。

(一)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組み

(a)女性の活躍推進

 当社グループは、女性活躍を最重要課題の一つと捉え、女性管理職比率、女性社員比率の目標を設定して加速度的に取り組んでおります。当社においては、女性のライン長を増やして意思決定への関与を推進するとともに、採用面接や昇格面接において女性社員の参画を促進し多様な視点の反映に努めております。また、無償ケア労働の女性への偏りが活躍の阻害要因であると認識し、アンコンシャス・バイアスe-ラーニングを実施し、性別や属性に関わらず総労働時間短縮や両立支援制度拡充を進めるともに、男性の育児休職の取得を積極的に促進しております。2022年度、当社は子育てサポート企業として高い水準の取組みを行ったとして「プラチナくるみん」に認定されました。

 更に、社会的な課題である女性のSTEM(科学・技術・工学・数学)人財増加のため、教育機関や近隣企業と連携して育成に取り組んでおります。

(b)専門性の高い人財の採用

 当社グループでは、人々の生命と健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学の会社を実現するために、多様な個性を持つ人財の採用に取り組んでおります。計画的に新卒採用及びキャリア採用を実施し、外国人採用も積極的に進めております。

 とりわけ、経営戦略として掲げるスペシャリティ化学の強化実現に向け、事業戦略に即した専門性の高い即戦力人財をタイムリーに獲得すべくキャリア採用を強化しております。

(c)キャリア開発支援

 当社では、「キャリア開発シート」を年に1回作成し、上司との面談を通じて社員一人ひとりが自律的にキャリアプランを考える風土を醸成しております。また、「キャリア相談室」を設置し、キャリア相談員との面談を通じて仕事やキャリアにおける課題の解決を支援する仕組みづくりを行っております。更に、社内公募を定期的に実施することで、業務の垣根を超えた新たな成長の場を提供しております。

 今後も、一人ひとりの個性や志向を尊重しながら、社員が自らキャリアを描きその実現に向け成長できる環境を提供し、個人の能力や創造性を活かした組織パフォーマンスの向上につなげてまいります。

(二)社内環境整備に関する取組み

(a)従業員との対話

 当社は、重要なステークホルダーである従業員と経営層の対話を積極的に行っております。各種アンケートを通じてエクイティ実現のためのニーズを把握し、フィードバックを行うとともに、スピード感を持って施策に反映しております。また、経営層と社員が直接対話をしてUBEのありたい姿について直接意見を交わし、共感の深化を進めております。2022年度は、女性社員と社長の車座ミーティング、女性社員と人事担当役員・人事部長との意見交換会やキャリア支援面談、シニア社員と人事担当役員・人事部長との意見交換会を実施し、障がいのある社員の働き甲斐を高めるため社長との交流も図りました。抽出された人財戦略面の課題は、取締役会、経営会議、役員経営研究会で議論するとともに、労使協議会で共有し労使で連携した取組みにつなげております。

(b)健康経営の推進

 当社グループは、中長期的企業価値の向上を目指し、疾病管理のみならず健康増進へと健康投資を実施し、健康経営の浸透と定着を図っております。当社では、自律的な健康管理と安心安全な職場環境整備のため、健康管理アプリの導入、ヘルスリテラシー向上のためe-ラーニング、3分健康アドバイスの発信、「健康経営宣言」「健康経営スローガン」募集による労使一体活動等を実施しております。また、全管理職に対し、健康経営浸透のための情報提供を実施しております。

2022年度、当社は2021年度に引き続き健康経営優良法人ホワイト500に認定、グループ会社においては㈱福島製作所がブライト500、他の8社が優良法人に認定されました。

(c)人権の尊重

 当社グループは、「人権の尊重」を企業活動の基本に据えております。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して「UBEグループ人権指針」を定め、企業としての社会的責任を果たします。

 当社グループ全体での人権教育推進体制を整え、継続的に人権教育を実施し、社員全員が人権について正しい理解と認識を持ち、あらゆる事業活動において一人ひとりが尊重されるよう取り組んでおります。2022年度は人権週間に合わせて当社国内グループ全体でe-ラーニングを実施し、「ビジネスと人権」「人権デューディリジェンスとUBEの取組み」について学びました。

 また、人権デューディリジェンスの取組みとして、企業活動による人権に対する負の影響を特定し、それを防止、軽減する活動を進めております。行動計画に基づいて2024年までにPDCAを実施し、2025年以降はそのサイクルを回して継続的に取り組んでまいります。

 これまでの取組みにより、働きやすい環境は整いつつあります。今後は、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を推進しながらも働き甲斐とワークエンゲージメントの向上を重視した取組みを行ってまいります。

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