企業UACJ東証プライム:5741】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

R&Dセンターでは、「UACJ VISION 2030」の実現に向けて、お客様との丁寧な交流による成長分野と新規分野の探索および具体策立案を進め、素材+αによる付加価値拡大に取り組み、DXの活用による研究開発の加速と効率化を図っています。2023年度は、新型コロナ感染症が5類に移行されたこともあり、お客様との交流が対面で実施できる機会も増え、これまでのリモート会議も有効に活用しつつ、ご要望に迅速に応える新製品の開発や高品質化を推進しました。あわせて、マーケティングに生かせる技術の取組みを活性化させる目的にて、新設されたマーケティング・技術本部の傘下となり活動を推進させています。基礎研究の牽引の成果として、軽金属学会からは奨励賞(微細化剤添加による結晶粒径予測モデルに関する研究)、論文賞(塗装焼付温度における3104アルミニウム合金冷延板の微細組織変化と塗装焼付軟化特性に及ぼす固溶原子の役割)を、また、表面技術協会からは論文賞(電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔の鉛の表面偏析)を受賞しました。2022年度に実施した技術の棚卸の結果からコア技術を選定し、既存、あるいは、これからのお客様との共創活動とリンクさせ、全社のマーケティングに活用できるものにするための取組みを開始しました。国内外の先端研究機関との連携を継続し、最新の技術や知見の獲得を通じて、研究開発力の継続的な向上を図っています。その代表例として、東京大学に発足した「先制的LCA社会連携研究部門」に参画するとともに、同大学とは「次世代軽量アルミ合金の創製とプロフェッショナル人材育成を目指す」講座を開設し、産学の知の融合を邁進しています。未来に残すべき技術として「超々ジュラルミンなどの航空機用アルミニウム合金開発」の技術資料2件が国立科学博物館の重要化学史に登録されました。一方で、愛知県主催のあいちスタートアップフェス2023に参画し、「新産業創出」と「人材育成」にもチャレンジしております。さらに、朝日新聞社主催の「地球教室」および「SDGsジャーナル」、日本経済新聞社主催の「日経エデュケーションチャレンジ」等の教育企画への講師派遣も継続しています。

 当社の主力であるアルミ板製品に関わる研究開発では、アルミ缶等の容器をはじめ、自動車ボディシート、自動車構造部品、自動車用熱交換器、エアコン、IT関連機器、メモリーディスク、船舶用厚板、半導体製造装置、リチウムイオン電池用集電体等に使われるアルミニウム材の開発に注力し、多様化・高度化するお客様に新たな価値を提供しています。アルミニウムは、資源量が多く軽い材料であり、リサイクル材の多用は環境負荷低減にもつながり、今後の世の中の成長に大きく貢献する材料です。2023年度は、アルミ缶や自動車用材料において、環境対応型材料やリサイクル性に優れた材料の開発推進に努め、お客様にご評価いただきました。東洋製罐様とは共同で、製造工程で発生する温室効果ガスをリサイクル原料の使用率を高めることで約4割削減した飲料缶用の蓋「EcoEnd™」を開発しました。一方、社内生産現場へのデータサイエンスの適用を推し進め、生産性向上、製造コスト・環境負荷低減に貢献しています。また、CPS(サイバーフィジカルシステム)を基軸にした課題遂行に向け、DX人材育成にも取り組んでいます。国家プロジェクトとしては、「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクル技術開発(NEDO助成金)」、「製造分野における熱プロセスの脱炭素化(NEDO委託事業)」、ならびに、「自動車リサイクルにおける再生材利用拡大に向けた産官学連携推進事業(環境省委託事業)」に参画し、実証試験や評価方法の開発等で主体的に活動しています。アルミ板事業と並ぶ当社グループの中核事業であるアルミニウム形材・管・棒製品に関わる研究分野では、自動車用熱交換器材料や空調用材料の開発とともに、輸送機器用のアルミニウム材料、ならびに、部材開発を行っています。これらの製品においてもリサイクルを始めとするカーボンニュートラルに向けた取組みを進めています。また、鋳鍛製品に関わる研究開発では、付加価値の高いアルミニウム製部材の開発と品質課題に積極的に取り組んでいます。

 また、当社では自動車部品事業を成長分野と位置付け、2020年10月に、自動車部品事業本部に直属の開発組織:モビリティテクノロジーセンターを発足させました。2023年4月に、新設のマーケティング・技術本部傘下にR&Dセンターとともに配置され、マーケティング活動と密に連携可能な技術開発体制としました。モビリティテクノロジーセンターでは、引き続きR&Dセンターと連携した材料や接合等の基礎技術の開発および自動車部品のバンパーや骨格部品などの部品開発に加え、大きな変革期であるモビリティ分野の最先端技術に対応するため、電気自動車向け電動化関連部品の開発、DX活用による生産技術開発にも取り組んでいます。これらの技術を、北米や中国の生産拠点を含めた、当社グループ全体に活用し、グローバルな開発対応により技術競争力の強化に取り組んでいます。

 当連結会計年度の費用総額は、4,643百万円であります。

2024年度もお客様と共に成長できる姿を目指して連携を深め、加えて第4次中期経営計画の初年度として、新技術の探索と既存技術の進化、ならびにイノベーションを通じて、UACJグループの成長を促しつつ、持続可能で豊かな社会の実現に貢献してまいります。

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