U-NEXT HOLDINGS 【東証プライム:9418】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループは、「必要とされる次へ。」をコーポレートスローガンに、社会への価値提供、企業価値の向上に努めてきました。環境問題や社会課題が深刻化する中で「未来を今に近づける”ソーシャルDX”カンパニー」として、事業活動を通じ環境問題や社会課題の解決に向けた取り組みを推進していくために、2021年8月よりサステナビリティ推進室、サステナビリティ委員会を新設し、体制を強化してまいりました。また、当社が優先的に取り組むべき重要課題として4つのマテリアリティを策定し、当社の事業戦略や意思決定においての重要な要素として位置付け、グループ一丸となってサステナビリティの取り組みを推進しています。
I. ガバナンス
2021年8月に、サステナビリティ推進室が事務局となるサステナビリティ委員会を設置しました。本委員会は、グループ全体のサステナビリティ基本方針の策定、目標とする指標や活動内容の設定、仕組みの構築、必要な情報の抽出や調査を実施し取締役会への報告や提言を行うことなどを役割としています。USEN-NEXT HOLDINGS取締役、管理部門部室長から成るメンバーで構成され、2023年度は年4回(四半期ごとに)開催しました。
Ⅱ. リスク管理
当社グループでは、2017年に「リスクマネジメント基本規程」を定め、2022年5月にはリスク管理委員会を設置し、リスク管理の強化に努めています。同委員会では、リスクの未然防止、早期発見、適切な対応の実践などを目的とし、リスク管理の計画や方針の策定、重要リスクの検討、対応策の進捗フォローアップ、規定類の改廃審議を行っています。リスク及び機会は、リスク管理委員会におけるリスクの識別・評価、取締役会における審議・指示、事業会社における対応策の実施、リスク管理委員会におけるモニタリング・対応策の見直しというプロセスで管理されます。リスク管理委員会では、あらゆるリスクと機会を洗い出し、その影響度からリスクの評価及び順位付けを行ったうえで重要リスクを選定し、代表取締役社長を通じて取締役会に報告します。取締役会はリスクに対する対応策を審議し、事業会社に対して指示・指導を行います。事業会社は対応策を実施し、リスク管理委員会がその実施状況をモニタリングし、必要に応じて対応策の見直しを行うことになります。当社グループでは、四半期ごとにこのサイクルを回していきリスク及び機会の管理を行っています。このように、取締役会及び代表取締役社長がリスク管理を主導し、執行役員や管理部門が事務局となり、グループ内で認識されたリスク及び機会を適時適切に管理しています。
Ⅲ. 戦略
当社が優先的に取り組むべき課題として、「外部評価をもとにした課題整理」「グループ子会社全体の事業整理」をもとに、“外部評価をもとにした重要度”と“事業への取り組みに対する重要度”を分析し、重要度が高いマテリアティを特定しました。Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)に加え、当社の事業に掛け合わせた4つのマテリアリティを掲げています。
<4つのマテリアリティ>
<マテリアリティ策定プロセス>
Step1:課題整理
外部評価をもとに147にわたるESGへの取り組み項目の優先度と重要度をつけ、現状の課題を把握しました。
Step2:事業環境分析
グループ子会社毎のESGへの取り組みを整理した上で、SASB/SDGs目標/グローバルリスク報告書をもとに作成したリスク項目と照らし合わせ、優先順位をつけました。
Step3:マテリアリティマッピング
「Step1:課題整理」「Step2:事業環境分析」で優先順位づけした項目を分類し、マテリアリティマップを作成。グループにおける重要なテーマをマッピングしました。
Step4:社内ヒアリング
選定した重要なテーマと社内ヒアリング内容をすり合わせマテリアリティを選定しました。
Step5:マテリアリティの決定
最後に、当社における重要な4つのマテリアリティを決定しました。
Ⅳ. 指標及び目標
各マテリアリティに沿った重要指標(KPI)を策定し、2021年度の数値や状況を基準に2025年度までの目標を掲げています。KPI項目は、Environment(環境)で7項目、Social(社会)で15項目、Governance(企業統治)で10項目、Business(当社の事業)で3項目、合計35項目を設定しております。これらのKPIについて、毎年実績の把握及び開示を行い、取組みの進捗状況のモニタリング、結果に基づいた取組みへの反映を行っています。(2023年度実績は現在集計中です。)
Enviroment (環境) | 環境負荷の低減と循環社会への貢献 | ||
目標テーマ | 重要指標(KPI) | 2025年度目標 *1 | 2022年度実績 |
脱炭素への貢献 | Scope1、2 *2 合計のCO2排出量削減率 | 22%以上 | 7% |
EV・HV車両の導入率 | 45%以上 | 20% | |
事業所の電力の再生可能エネルギーへの切り替え | 70%以上 | 50% | |
循環型社会の構築 | 廃棄物排出量の削減率 *3 | 20%以上 | 7% |
プリンターの使用量の削減率 | 前年度比削減 | 現状把握から開始 | |
自然との共生 | 製品パンフレット・カタログ・チラシの森林認証紙比率 | 80%以上 | 現状把握から開始 |
生物多様性への対応 | さんご保護活動 | 継続実行 | 取り組み開始 |
Social (社会) | イキイキと働ける環境による、すべてのステークホルダーとの共栄 | ||
目標テーマ | 重要指標(KPI) | 2025年度目標 *1 | 2022年度実績 |
従業員への配慮 | 従業員アンケートにおけるフレックスタイム制度の浸透度・効率実感のポジティブ回答率 | 90%以上 | 95% |
従業員アンケートにおけるリモートワーク制度の浸透度・効果実感のポジティブ回答率 | 90%以上 | 95% | |
定年再雇用率 | 90~95% | 95% | |
人材育成・開発 | グループ内異動制度での異動者数 | 500人以上 *4 | 103人 |
ネクストキャリア支援制度の利用者数 | 100人以上 *4 | 32人 | |
ライセンスサポート制度の利用者数 | 500人以上 *4 | 376人 | |
健康への配慮 | 定期健康診断受診率・再検査の受診率 | 90%以上 | 82% |
ストレスチェック実施率/アラート社員率 | 90%以上/10%未満 | 86%/16% | |
オンライン医療相談利用回数 | 300回以上 *4 | 92回 | |
Diversity,Equity & Inclusionの推進 | 人権/LGBTQに関する研修(eラーニング)の受講率 | 80%以上 | 実施に向けた準備を開始 |
障がい者に対する求人開示率 | 100% | 100% | |
女性管理職比率 | 30%以上 | 6% | |
サプライチェーンへの対応 | 当社方針の理解・浸透 | 当社方針の送付 | 方針策定を実施 |
地域課題への対応 | Workers Location制度におけるRemote Workerの比率 | 30%以上 | 20% |
社会課題への対応 | 当社サービスを使った社会課題の解決推進の継続 | 継続実行 | 継続実行 |
Governance (企業統治) | 変化・進化をし続ける、健全で透明性の高い経営 | ||
目標テーマ | 重要指標(KPI) | 2025年度目標 *1 | 2022年度実績 |
コンプライアンス | コンプライアンス研修(eラーニング)の回答率 | 100% | 99% |
コンプライアンスプログラム相談窓口*5 への報告件数のうち、重大な法令違反及び会社に著しい損害を及ぼす恐れのある事項 | 0件 | 0件 | |
コーポレートガバナンス・コード 対応情報開示 | コーポレートガバナンス・コード全項目に対する準拠 | 全項目準拠 | プライム市場に求められる項目への対応を順次実施 |
統合報告書やサステナビリティなど各種媒体を通じた情報の開示 | 開示 | 開示 | |
リスクマネジメント | 情報セキュリティ研修(eラーニング)の受講率 | 95%以上 | 99% |
迷惑メール訓練の開封率 | 2.5%未満 | 6.2% | |
Usirt(当社の情報セキュリティ体制)報告件数のうち重大インシデント案件 | 0件 | 0件 | |
Safetylink24(当社の安否確認システム)の24時間以内回答率 | 95%以上 | 92% | |
備蓄食品・備品の点検回数 | 年2回以上 | 年1回 | |
リスク管理委員会の開催 | 年4回開催 | リスク管理委員会の組成、運営開始 |
Business (当社の事業) | テクノロジーで人々を、街を、社会を幸せに | ||
目標テーマ | 重要指標(KPI) | 2025年度目標 *1 | 2022年度実績 |
店舗DX | Hosppitality Index *6 の増加 | 2.2倍増 | 1.5倍 |
施設DX | Hosppitality Index *6 の増加 | 1.4倍増 | 1.1倍 |
ライフスタイルDX | QoL Index *6 の増加 | 1.5倍増 | 1.3倍 |
*1 2021年8月時点の数値を基準とした目標です。
*2 TCFD提言の温室効果ガス排出量のScope1.2を指します。
*3 店舗DXを推進する株式会社USENの目標です。
*4 当社の人事制度についてはこちらをご覧ください。 https://usen-next.co.jp/culture/
*5 人間関係・ハラスメント・労働時間・育児介護などの社内相談窓口の他、社外の法律事務所の弁護士を担当者とした窓口がございます。
*6 事業を通してサステナブルな世の中に貢献すべく、事業のKPIを設定しております。店舗DX、施設DXにおいては、「DX商材の提供拡大による社会への提供価値の拡大」をテーマに、独自に「Hospitality Index」という指標を策定。またライフスタイルDXにおいては、「ライフスタイルDXの提供拡大による社会への提供価値の拡大」をテーマに、独自に「QOL(Quality of Life) Index」という指標を策定しました。詳細はこちらの補足資料をご覧ください。 https://usen-next.co.jp/sustainability/data/business_kpi_supplement.pdf
(2)気候変動
当社グループは、気候変動の対応を重要な経営課題の一つとしてとらえており、近年の気候変動による財務的影響などに対処し、組織の強靭性を確保するため、気候変動による経済・社会的影響をより正確に把握し、適切な目標を設定し、必要な対策を講じています。環境領域のマテリアリティ活動の一つとして、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同表明および、提言に沿った情報開示を行っており、パリ協定で掲げる「世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える」という目標の達成に向けて、取組みを推進しています。
I. ガバナンス及びリスク管理
気候変動に関するガバナンスおよびリスク管理は、サステナビリティに関する考え方に組み込まれています。詳細については、(1)サステナビリティに関する考え方のI.ガバナンス、II.リスク管理をご参照ください。
Ⅱ. 戦略
当社グループでは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)の各報告書、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)の世界エネルギー展望(World Energy Outlook)、その他関連情報を参照し、気候変動のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を 2℃以下シナリオ及び 4℃シナリオの下で識別しています。気候関連のリスク及び機会を識別するにあたっては、リスクを移行リスクと物理的リスクに大別し、さらに移行リスクを政策・法規制リスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクに、また、物理的リスクを急性的リスクと慢性的リスクに分類し、さらに、機会を資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスの開発、新市場の登場、強靭性に分類しています。これらの分類ごとに、当社グループの調達と売上に対する財務的影響の大きさを短期(1年)、中期(3年)、長期(10年)の時間軸で定性的に評価・分析し、リスクと機会が組織に与える影響を把握しています。今般、2021年9月から2022年8月期における気候関連のリスクと機会を分析したところ、その結果は次のとおりです。
<2℃シナリオ> |
| <4℃シナリオ> | ||
リスク・機会 | 説明 |
| リスク・機会 | 説明 |
移行リスク | 温室効果ガスを多く排出する産業やエネルギー源への規制強化や市場変動が中期的には原材料価格の高騰や技術的変更に対する潜在的リスクがあると認識。 |
| 移行リスク | 温室効果ガスに関する規制や技術革新はさほど進まないが自然災害などが市場価格の変動に影響を与えると予測されるため、中期的な財務リスクがあると認識。 |
物理的リスク | 気候変動対策が進展することにより、自然災害等のリスクが相当程度抑制されると認識。 |
| 物理的リスク | 現状のまま気温上昇が進み。自然災害などの物理的リスクが発生すると想定される。また、中長期にわたり、調達先や顧客にも影響を及ぼすことから、財務リスクがあると認識。 |
機会 | 規制強化や技術革新に伴い新素材や燃料を中心に新市場が生まれ活性化すると想定されることから、これら産業分野の取引先や顧客を通じて財務への好影響が及ぶと認識。 |
| 機会 | 規制強化や技術革新がさほど進まないと想定されることから、取引先や顧客を通じた新たな機会にはつながらないと認識。 |
Ⅲ. 指標と目標
Scope別の温室効果ガス排出量について、当社グループでは、GHGプロトコルに基づき、外部専門家の監修により算定を行っています。2022年度については、当社の主要6社(従業員及び売上規模においてグループ全体の約90%を占める)を対象として、Scope1、2、3の全項目を算定しました。特にScope3のカテゴリ1(原材料)に関しては、全ての製品やサービスを精査して排出量を把握しています。2021年度比の各Scopeの算定結果は、Scope 1、2は減少したものの、Scope3が増加したことに伴い、全体のGHG排出量が増加しています。ただし、炭素強度は 76.9tCo2/億円から 73.5tCo2/億円に改善していることから、売上増による自然増の影響を除けば、Co2は削減しているといえます。全体構成ではScope1及び2に比してScope3の割合が非常に多くなっており、情報サービスを中心とする同業他社と同様の傾向がみられます。また、Scope3では、カテゴリ1(原材料)、カテゴリ4(輸送)の排出が多く、それぞれ Scope3の87%、7%を占めています。カテゴリ1は当社グループの排出量の大部分を占めており、今後、炭素税や GHGのキャップ・アンド・トレード制度が導入されれば、組織の大きな財務リスクになると考えられます。また、カテゴリ1は原材料調達に関わる部分であり、調達コストと直結していることを踏まえれば、GHG排出規制の強化が市場における価格変動と連動し、当社グループの財務リスクとして顕在化する可能性があると認識しています。
当社グループでは、シナリオ分析や GHG排出量算定の結果を踏まえ、2030年までにグループの全事業所での使用電力を実質再生可能エネルギー由来電力100%とし、Scope1及び2のGHG排出量を50%削減することを目指します。目標達成のため、Scope1については社用車を順次EV・HV車両に切り替えており、2025年度の導入率目標40%以上、2022年度の導入率目標15%というサステナビリティのKPIに対し、2022年度の実績は20%で目標達成となりました。Scope2の事業所の電力については、2021年12月に設立した事業会社のU-POWERが扱う実質再生可能エネルギー由来電力に順次切り替えを行っており、非化石証書の購入も含めると、2021年度には約50%、2022年度には約70%の事業所使用電力を実質再生可能エネルギー由来電力に切り替えています。Scope3の目標については、当社グループの廃棄物排出量削減など自らの取組みを進めるとともに、調達先に理解と協力を求め、購入製品及びサービスに伴うGHG排出量の削減に努めます。また、国内外のCO2排出権取引価格の動向を注視し、インターナル・カーボン・プライシングによるGHG排出量の貨幣価値の把握と低炭素投資について検討していきます。目標達成のため、2022年度は廃棄物排出量の削減・ペーパーレス推進・森林認証紙比率の向上・サプライチェーンマネジメントなどに取り組み、廃棄物排出量の削減については昨年度より 7%の削減を達成しました。また、ペーパーレス推進・森林認証紙への切り替えについては現状把握のため、当社グループで印刷している紙や外部へ発注している印刷物などの総量を把握し、電子化・運用変更・素材の切り替えなどの施策を実施しています。サプライチェーンマネジメントについては 2023年度に取引先向けのアンケートを実施しました。
※詳細は、当社TCFD開示資料をご確認ください。https://usen-next.co.jp/sustainability/data/tcfd_2022.pdf
(3) 人的資本
人財は当社グループにとっての重要な経営資本であるという考えのもと、当社グループは、人的資本の充実、多様な人財がイキイキと生産性高く働く働ける環境整備、多様な成長が実現できる機会提供、心身ともに健康で持続的に働くことができる環境整備などを進めており、持続的な企業成長に繋げています。
I. ガバナンスおよびリスク管理
人的資本に関するガバナンスおよびリスク管理は、サステナビリティに関する考え方に組み込まれています。詳細については、(1)サステナビリティに関する考え方のI.ガバナンス、Ⅱ.リスク管理をご参照ください。
また、当社グループでは、2022年に「USEN-NEXT GROUP 人権の尊重に関する基本方針」(https://usen-next.co.jp/sustainability/humanrights.html)、を制定しており、当社グループの従業員だけでなく、関わるステークホルダーに対しても、本方針にのっとって人権を尊重し侵害しないことを求めています。当社グループのコンプライアンスプログラムでは社内外2つの相談窓口を設置しており、従業員の職場内における悩み・相談事を受付け、公正な立場での問題解決支援を行うことを目的として適切に運用しております。
<社内:メンバーズサポートデスク>
ハラスメントや労働時間に関する相談窓口、LGBTQなどに関する相談窓口、育児介護に関する質問・相談窓口
<社外:コンプライアンスカウンター>
法令違反・就業規則違反など、重大な規定違反について、社外の弁護士に相談できる窓口
Ⅱ. 戦略
① 採用(Recruiting)
当社グループで中長期的に活躍する優秀人財の確保のため、2019年7月より、FAIR・SIMPLE・INNOVATIVE・DIVERSITYをポリシーとした「GATE」というリクルーティングプログラムを開始し、新卒一括採用を廃止して通年採用にシフトしています。また、2021年度からは「就活維新- RecruiTech® for U.-」をコンセプトに、選考進捗情報を全て週次で公開、エントリーシートの代わりに自己PR動画を投稿、AI面接やAIによる自己PR動画・インタビュー内容分析結果のフィードバックを実施するなど、DXを活用した就職活動の「あたりまえ」にとらわれない革新的なリクルーティングスタイルをとっています。
また、2021年に長岡市と新しい人材採用モデルに関する協定を締結し、長岡で暮らしながら本社採用・同待遇・完全リモートワークで働く社員を「NAGAOKA WORKER」とし、当社にとっては地元の優秀層の採用に繋げているだけでなく、長岡市にとっては地元の雇用創出にも繋がるような取り組みを実施しています。
次世代を担う経営層の採用としては、2021年度、2022年度に「CEO‘s GATE」という起業家・経営者を輩出するためのプログラムを実施しました。自身で起業したい方や自身で企画した事業を加速度的に成長させたい方を募集・選考し、投資・業務提携・協業・グループ内起業などあらゆる面から支援を行うプログラムとなっています。
② 働き方(Work Style)
イキイキと生産性高く働くことができる環境整備のため、2018年6月より、「かっこよく、働こう。-Be innovative for results!- 」というコンセプトのもと、下記3つの方針で「Work Style Innovation」という新人事プログラムを始動しています。従業員はこれらの制度を活用し、自律的に働くことが出来ます。
1)既成概念にとらわれず、結果を出すための最適な方法を追求する
2)時間・場所の概念を捨て、効率と結果を追求する
3)イキイキとエネルギッシュに働けるコミュニティをつくる
フレックスタイム制度 | 時間に縛られない働き方。詩行就業時間は社員に委ねる。 コアタイムのないスーパーフレックスタイム制度。 |
リモートワーク制度 | 場所に縛られない働き方。 上長許可を得ればいつでも誰でも社外での業務が可能。 |
Workers Location制度 | 勤務地に縛られない働き方。 原則在宅で業務を行う社員を「Remote Worker」と定義し、必要な手当てを支給。 |
3R Program | Cost Reduction(費用削減)Work Reduction(業務削減)Time Reduction(時間削減)により、生産性向上を図り、グループ全体で収益改善を実現するためのプログラム。 |
定年再雇用制度(70歳定年) | 60歳で定年を迎えた後、本人が希望すれば70歳まで正社員として継続して勤務することができる。 経験豊富で意欲的なシニア世代が積極的に活躍できる環境を提供。 |
Special Activity Worker制度 | 当社で働きながら社会貢献活動やスポーツ活動など、 自己成長や自己実現のために社外活動を行う社員を支援。 |
副業兼業許可制 | 会社に事前に届け出を行い承認された場合、副業兼業を許可する。 |
社内副業制度「Helpers」 | 業務外の時間を有効活用したい社員と人手を募集している部門をマッチングし、社内での副業を可能に。 |
U BASEプロジェクト | 新たなアイデアやコミュニケーションを創出するフリーアドレスオフィス。 社員がイキイキと、効率良く、イノベーティブに働けるオフィスを目指し、 2018年7月に本社移転を皮切りに地方拠点のリノベーションを実施。 |
③ 成長(Growth)
当社グループは、成長の過程や成長の姿は多様であるべきという考えのもと、従業員の多様で際限のない成長のために十分な機会提供を行うことが重要だと考えており、意欲ある従業員は自律的に成長機会を得ることが出来ます。
Career Growth Program 「Next Way」 | 下記3つのグループ内異動制度で、グループ内での多様なキャリア形成や挑戦を支援。 1)Scout U(グループ内スカウト制度) 自身の社内での経歴・成し遂げてきた成果・スキル・キャリアビジョンなどを キャリアディスクリプションに記載し、事業会社社長からスカウトを受けられる 2)Want U(社内公募制度) 各会社・各部門からの公募に対し、社員自らが手を挙げ、選考を経て希望の部門に配置される 3)Try U(ジョブローテーション制度) グループ内の人材を積極的に流動化し、適材適所に最適配置する |
ライセンスサポートプログラム | 自身の能力向上を目的とした資格や、業務に必要となる資格を取得する社員を支援するプログラム。 |
若手育成制度「Green」 | 新卒入社1~3年目の社員を対象とした”多様な成長のための基礎作り”のサポートプログラム。 eラーニングでの学習機会や、他部署の先輩社員の話を聞くイベントなど、 オンライン・オフライン双方で多種多様な学びの場を提供し、未来を担う若手を育成。 |
評価報酬制度「val.U」 | 年齢や役職に関係なく”現在の人財価値”が反映できるよう、等級を廃止し、年俸制を導入。 自らMissionを設定し、上長との1on1を通じたコミュニケーションを強化。 |
未来塾 | 2023年1月に開校した、代表の宇野が率いる「未来塾」。 年齢や性別、役職の有無や職種に関わらず応募を受け付け、「自分の未来」「グループの未来」「社会の未来」を共に考え新たな時代を切り開いていく人材、グループの中核を担っていく人材の輩出を目的とする。 |
④ 健康(Well-Being)
新たな生活様式や働き方においての従業員の身体的・精神的・社会的な健康維持は、経営にとっても重要な課題と認識し、心身ともに健康で持続的に働くことができるような体制を整備しています。2021年に始動した独自の健康サポート・持続的活躍支援プログラムSustainable Well-being Program「Well.U」においては、リモートワーク・非対面を前提としたオンライン医療相談・面談環境の整備や先進的な健診センターでの専門医師によるきめ細やかな検査体制の構築などを行っており、社内は人事部・サステナビリティ推進室、社外は健康保険組合・産業医が連携し当社グループの健康経営を推進しています。
⑤ 多様性(Diversity, Equity & Inclusion)
当社グループでは、多様な人財が活躍しイノベーションが生まれる会社を目指しています。2022年に制定した「USEN-NEXT GROUP DE&I 宣言」(https://usen-next.co.jp/sustainability/diversity-equity-inclusion.html)においては、様々なバックグラウンドや価値観を持つ多様な人財が個人として歓迎・尊重され、安心してイキイキと働ける環境を作るためにDiversity, Equity & Inclusionを推進していくことを宣言しており、社内外に公開している他、従業員向けには年1回DE&I研修を実施しています。
2021年には「障がい者」と「健常者」を区別しない、新たな障がい者採用・求人システムの構築、および職場環境整備のための障がい者専用の求人サイト「Career Opportunity For DIVERSITY」を独自開発しました。このプログラムにより、障がい者も健常者と同じように適材適所で配属することが可能になり、業務効率化、離職率低下にも寄与すると考えています。
その他、全ての従業員が安心して働ける環境整備のため、 2022年にはセクシュアル・マイノリティ(LGBTQ)の方々への対応を実施し、LGBTQ専用窓口の設置、性別や氏名変更の社内対応整備、同性パートナーへの福利厚生の適用などを行っています。
女性活躍推進については当社グループにとっても重要テーマのひとつとして捉えており、出産など女性特有のライフイベントにも対応できるよう、多様な働き方の推進や、産休育休、復職支援、自社独自の特別休暇であるLadies休暇などで、女性のキャリア支援を行っていますが、重要なのは性差なく意欲ある全ての従業員に対し平等に機会が提供され、人財価値に応じて適切に評価し役職・報酬反映されることだと考えており、それらの方針浸透に努めています。
⑥ 繋がり(Communication)
多様な働き方が進んだ一方で、新たに出てきたコミュニケーションの希薄化やマネジメントの課題に対し、社内で活発なコミュニケーションが行われ、従業員がモチベーション高く働くことができるような制度や施策を展開しています。
社内部活制度「BUKATSU」 | 誰でも創部・参加ができる、社内部活制度。 様々なジャンルにおける自分の「好き」「やってみたい」を通じて、グループ内の会社や地域の垣根を越えた交流機会を支援。 |
HAPPY HOUR | グループの垣根を越えたコミュニケーション、 社員のモチベーションアップや満足度向上のために月1回本社オフィスにて開催。 2024年度からは地方大規模拠点でも開催される。 |
ツナガリナイト | 会社や部門間のコミュニケーション活性化を目的として開催される社内交流イベント。 毎回テーマを設定し、軽食を交えながら有意義なコミュニケーションや情報交換の場を提供。 |
Bravo!! | コミュニケーションの活性化やイキイキと働ける風土醸成に繋げることを目的として自社開発。 「Bravo!!」ポイントを硝酸や感謝のコメントともに送りあう仕組み。 |
USEN-NEXT GROUP Leaders Summit | 経営方針の発表共有や経営統合後の5年間で組織成長に貢献した優秀社員の表彰を目的とし実施。 グループの管理職や優秀社員が全国から約1,200名集まり、コロナ禍後はじめてオフラインで開催。 |
Ⅲ. 指標と目標
人的資本に関する指標と目標は、サステナビリティに関する考え方に組み込まれています。詳細については、(1)サステナビリティに関する考え方のIV.指標及び目標、Social(社会)の項目をご参照ください。
II.戦略に記載しております2017年12月の経営統合後から実施してきた様々な人事プログラム、各種制度、施策により、一人ひとりの仕事の成果を最大化させるだけでなく、人財間のシナジーを生み出し、会社全体の生産性向上に繋がっています。これは当社グループの人的資本経営が持続的な企業成長に繋がっていることを表していると考えており、今後もより一層人的資本経営に力を入れてまいります。
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