SBIホールディングス 【東証プライム:8473】「証券業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を以下に記載しております。当該事項が顕在化する可能性の程度や時期、当該事項が顕在化した場合に当企業グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるものについては記載しておりません。他方、当企業グループは、これらの潜在的なリスクを認識した上で、かかるリスクの回避並びに顕在化した場合の低減に向けて当社及び当企業グループ各社にリスク管理担当役員を任命し、当企業グループのリスクを洗い出すとともにリスク対応策を策定し、リスクの低減に努めております。また、リスク管理態勢が機能しているか内部監査部門による監査を実施する等の様々な施策を講じており、引き続き適切な対応に努めてまいります。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書の提出日(2024年6月27日)現在において判断したものであります。
事業全般のリスクについて
1)複数事業領域への事業展開に伴うリスク
当企業グループは金融分野及び非金融分野の多岐にわたる業種の企業で構成されております。また、当企業グループには複数の上場会社が存在しております。このような多様性により、当企業グループは単一の領域で事業を展開している企業には見られないような課題に直面しております。具体的には以下の3点があげられます。
・様々な分野の業界動向、市場動向及び法的規制等が存在します。したがって当企業グループは様々な事業環境における変化をモニタリングし、それによって影響を受ける事業のニーズに合う適切な戦略を持って対応できるよう、リソースを配分する必要があります。
・当企業グループの構成企業は多数あることから、事業目的達成のためには説明責任に重点を置き、財政面での規律を課し、経営者に価値創造のためのインセンティブを与えるといった効果的な経営システムが必要です。さらに多様な業種の企業買収を続けている当企業グループの事業運営はより複雑なものとなっており、こうした経営システムを実行することはより困難になる可能性があります。
・多業種にまたがる複数の構成企業がそれぞれの株主の利益になると判断し共同で事業を行うことがあります。こうした事業において、期待されるようなシナジー効果が発揮されない可能性があります。
2)当企業グループの構成企業における議決権の所有割合又は出資比率が希薄化される可能性があります
構成企業は株式公開を行う可能性があり、その場合、当該会社に対する当企業グループの議決権の所有割合は希薄化されます。さらに、構成企業は成長戦略の実現その他の経営上の目的のために資本の増強を必要とする場合があり、この資金需要を満たすため、構成企業は新株の発行やその他の持分証券の募集を行う可能性があります。当企業グループはこのような構成企業の新株等の募集に応じないという選択をする、又は応じることができない可能性があります。当該会社に対する現在の出資比率を維持するだけの追加株式の買付けを行わない場合、当企業グループの当該会社に対する出資比率は低下することになります。
構成企業に対する出資比率の低下により、当該企業から当企業グループへの利益の配分が減少することになった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、出資比率が大きく低下した場合、当企業グループの当該企業の株主総会における議決権の所有割合が低下し、当該企業に対する支配力及び影響力が低下する可能性があります。
3)インターネットビジネスに関するリスク
当企業グループの事業は主にインターネット利用等の非対面チャネルでのサービスを提供しており、正確で有益なサービス、コンテンツの提供、安心、安全な利用環境の提供に取り組んでおりますが、システム障害によるサービスの遅延又は中断、不正アクセスによる保有資産の毀損、個人情報の漏洩等の情報システム及びセキュリティに関するリスクが顕在化した場合には、個別企業の商品及びサービスにおける顧客離れや損害賠償責任等が生じることに加え、グループ全体の評判の低下につながることにより、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当企業グループの成長には不可欠であります。インターネット関連業界は技術革新が継続しており、新技術の登場や異業種からの金融事業への参入により業界の競争環境は変化します。当企業グループはFinTech分野の新技術を活用した新サービスの開発や新たな金融ビジネスの創造を推進しておりますが、新技術や新規参入者への対応が遅れた場合、当企業グループの提供するサービスが陳腐化又は不適応化し、業界内での競争力低下を招く可能性があります。もし今後の環境変化への対応が遅れた場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、重要な技術変革に対応するために新たな社内体制の構築及びシステム開発等の費用負担が発生する場合があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)システムに関するリスク
当企業グループのシステム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、事業を行う上で非常に重要な要素の一つであり、適切な設計やテストの実施等によりシステム障害等を未然に防止し、セキュリティ面に配慮したシステムの導入に努めていますが、システム障害やサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、人為的ミス、機器の故障、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、新技術、新たなシステムや手段への不十分な対応等を完全には防止できない可能性があります。また、全てのビジネス要件や規制強化の高まりからくる規制要件に対応するシステムの機能強化への要請を十分に満たせない可能性や、市場や規制の要請に応えるために必要なシステム構築や更新がその作業自体の複雑性等から計画どおりに完了しない可能性があります。その場合、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生する可能性、当企業グループの信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するための費用負担等が発生する可能性があります。
5)当企業グループにおける合弁契約の締結、提携の相手先企業に対する法的規制若しくは財務の安定性における変化、又は双方の経営文化若しくは経営戦略における変化
当企業グループは国内外の複数の企業と合弁事業を運営又は提携を行っております。これらの事業の成功は相手先企業の財務及び法的安定性に左右されることがあります。合弁事業を共同で運営する相手先企業に当企業グループが投資を行った後に、相手先企業のいずれかの財政状態が何らかの理由で悪化した場合又は相手先企業の事業に関わる法制度の変更が原因で事業の安定性が損なわれた場合、当企業グループは合弁事業若しくは提携を想定どおりに遂行できない、追加資本投資を行う必要に迫られる、又は事業の停止を余儀なくされる可能性があります。同様に、当企業グループと相手先企業との間の経営文化や事業戦略上の重大な相違が明らかになり、合弁又は提携契約の締結を決定した時点における前提に大幅な変更が生じる可能性があります。合弁事業や提携事業が期待した業績を達成できなかった場合、又は提携に関して予め想定しなかった事象が生じた場合、これらの合弁事業又は提携事業の継続が困難となる可能性があります。合弁事業又は提携事業が順調に進まなかった場合には、当企業グループの評判の低下や、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)ブランド及び風評に関するリスク
当企業グループの業容拡大や知名度向上に伴い、グループ内の「SBI」ブランドを冠した一企業に対する評価がグループ全体の評価となり得る状況にあります。このため、当社は「SBI」ブランドの管理を徹底し、グループ各企業におけるブランドの適切な使用とブランド価値の維持向上に向けた取り組みを推進しておりますが、一企業の商品やサービス、顧客対応に対する信頼の毀損やインサイダー取引を含むコンプライアンス違反の他不祥事等がグループ全体のブランドに影響した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当企業グループの事業分野は安心、安定と顧客の信頼が最も重要とされる業界であることから、当企業グループは顧客又は投資家からの低評価や風評リスクの影響を受けやすい状況にあります。当企業グループ又は当企業グループのファンド、商品、サービス、役職員、合弁事業のパートナー及び提携企業に関連して、その正誤にかかわらず不利な報道がなされた場合、又は本項に記載されたリスク要因のいずれかが顕在化した場合、顧客及び顧客からの受託のいずれか一方又は両方の減少につながる可能性があります。当企業グループの事業運営は役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業に依存しております。役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業によるいかなる行為、不正、不作為、不履行、及び違反も相互に関連し合うことで、当企業グループに関する不利な報道につながる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループの商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生しており、当企業グループに非がないにもかかわらず、風評被害を受ける可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)事業再編と業容拡大に係るリスク
当企業グループは「Strategic Business Innovator = 戦略的事業の革新者」として、常に自己進化(「セルフエボリューション」)を続けていくことを基本方針の一つとしております。
今後もグループ内の事業再編に加えて、当企業グループが展開するコアビジネスとのシナジー効果が期待できる事業のM&A(企業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの事業再編や業容拡大等がもたらす影響について、当企業グループが予め想定しなかった結果が生じる可能性も否定できず、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当企業グループは適切な投資機会、提携企業、又は買収先企業を見つけることができない可能性があるほか、これらについて適切に見つけることができた場合でも、商取引上許容し得る条件を満たさない、又は取引を完了することができない可能性があります。企業買収に関しては、内部運営、流通網、取扱商品、又は人材等の面で買収先企業及び事業を現存の事業に統合することが困難である可能性があり、こうした企業買収によって期待される成果が得られない可能性があります。買収先企業の利益率が低く、効率性向上のためには大幅な組織の再編を必要とする可能性や、買収先企業のキーパーソンが提携に協力しない可能性があります。買収先企業の経営陣の関心の分散、コストの増加、予期せぬ事象や状況、賠償責任、買収先企業の事業の失敗、投資価値の下落、及びのれんを含む無形資産の減損といった数多くのリスクを有し、それらの一部又は全部が当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。企業買収や投資を行う際に、当企業グループが関連する監督官庁と日本国又は当該国政府のいずれか一方又は双方から予め承認を得る必要がある場合、必要な時期に承認を得られない、又は全く得られない可能性があります。また、海外企業の買収によって当企業グループには為替リスク、買収先企業の事業に適用される現地規制に係るリスク、及びカントリーリスクが生じます。これらリスクが顕在化した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)新規事業への参入に係るリスク
当企業グループは「新産業クリエーターを目指す」という経営理念のもと、21世紀の中核的産業の創造及び育成を積極的に展開しております。かかる新規事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当企業グループが新たに提供する商品又はサービスが既存の法令や会計基準では想定されていない場合、その適用の有無や解釈の確認のために迅速な事業展開が制限され、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、法令その他の理由により参入が遅れる場合や、必要な許認可等が取得できない可能性があります。また、新規事業において新たな法令の対象となる、又は監督官庁の指導下に置かれる可能性があります。これら適用される法令、指導等に関して何らかの理由によりこれらに抵触し、行政処分又は法的措置等を受けた場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたします。結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
9)投融資に係る損失計上及び市況変動に伴う収益悪化リスク
当企業グループは、関連会社への投資を含む多額の投資有価証券を保有しております。そのため、株式市場及び債券市場の状況(例えば、クレジット市況の悪化、金利急上昇等)によって、かかる投資有価証券の評価損計上等による損失が生じる場合があります。また、当企業グループは、事業会社等へ融資も行うことがあり、今後発生し得る様々な要因により、これら融資先企業の業績等が悪化することで貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上等が必要になる場合があります。加えて、不動産市場の状況によって、関連する債権にかかる信用損失引当金の追加計上や損失が生じる場合があります。さらに、調達コスト上昇を価格に転嫁できないことや市況により商品又はサービスの需給が減少することで、営業収益が減少する等のリスクが生じます。このような場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
10)訴訟リスク
当企業グループには各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在します。訴訟本来の性質を考慮すると係争中又は将来の訴訟の結果は予測不可能であり、係争中又は将来の訴訟のいずれかひとつでも不利な結果に終わった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
11)リスク管理及び内部統制に係るリスク
当企業グループは、グループ会社に証券会社、銀行、保険会社など複数の金融機関を持ち、国内外において多岐にわたって金融事業を展開しております。そのため、リスク管理態勢やコンプライアンス態勢の更なる強化を図り、グループの財務の健全性及び業務の適切性を確保するとともに、リスク管理及び内部統制のシステム及び実施手順を整備しております。
これらのシステムには、経営幹部や職員による常時の監視や維持、又は継続的な改善を必要とする領域があります。かかるシステムの維持を効果的かつ適切に行おうとする努力が十分でない場合、当企業グループは監督官庁から行政処分や制裁、処罰の対象となる可能性があり、結果として当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、経営成績及び財政状態や評判に影響を与える可能性があります。
当企業グループの内部統制システムは、いかに緻密に整備されていたとしても、その本来の性質により判断の誤りや過失による限界を有しております。したがって、当企業グループのリスク管理及び内部統制のためのシステムは、当企業グループの努力にかかわらず、効果的かつ適切である保証はありません。また、内部統制に係る問題への対処に失敗した場合、当企業グループ及び従業員が捜査、懲戒処分、さらには起訴の対象となる可能性、当企業グループのリスク管理システムに混乱をきたす可能性、又は当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
12)利益相反
お客様の利益を不当に害されることがないよう、利益相反のおそれのある取引を適切に管理するために利益相反管理方針を作成しております。また適切な管理のために社内研修等の実施を含めて適切な利益相反管理に必要な体制を整備し、定期的な検証に努めております。利益相反を特定し適切に対処することができない場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客の信頼を失うレピュテーションの毀損等により、当企業グループのビジネスに悪影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
13)資金の流動性に係るリスク
当企業グループは、事業資金を資本市場におけるエクイティファイナンスのほか、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しております。世界経済の危機による金融市場の悪化と、それに伴う金融機関の貸出圧縮を含む世界信用市場の悪化により、有利な条件で資金調達を行うことが難しい、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。また、各国中央銀行の金融政策、金融市場の動向等により金利が上昇した場合、若しくは当企業グループの信用格付が引下げられた場合には、当企業グループの資金調達が制約されるとともに、調達コストが増大する可能性があります。これらの場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
14)デリバティブに係るリスク
当企業グループは、投資ポートフォリオの価格変動リスクを軽減し、金利及び為替リスクに対処するためデリバティブ商品を活用しております。しかし、こうしたデリバティブを通じたリスク管理が機能しない可能性があります。また、当企業グループとのデリバティブ契約の取引内容を契約相手が履行できない可能性があります。その他、当企業グループの信用格付が低下した場合、デリバティブ取引を行う能力に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループは、その一部で行うデリバティブ商品を含む取引活動によって損失を被り、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
15)当社の収益は、その一部を子会社及び関連会社からの配当金に依存しております
当社は、債務返済を含む支払義務履行のための資金の一部を、子会社やその他の提携先企業、投資先企業等からの配当金、及び分配等に依存しております。契約上の制限を含む規則等の法的規制により、当企業グループと子会社及び関連会社との間の資金の移動が制限される可能性があります。かかる子会社及び関連会社のなかには、取締役会の権限により当該会社から当企業グループへの資金の移動を禁ずる、又は減ずることが可能であり、特定の状況下ではそうした資金の移動全ての禁止が可能となるような法令の対象となっているものがあります。これらの法令によって当企業グループが支払義務を果たすための資金調達が困難になる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
16)キーパーソンへの依存
当企業グループの経営は、当社代表取締役である北尾吉孝とその他のキーパーソンのリーダーシップに依存しており、現在の経営陣が継続して当企業グループの事業を運営できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。キーパーソンの喪失に対処するために経営陣が採用する是正措置が直ちには、あるいは効果を現さない可能性があります。
17)商標権等の様々な知的財産権に係るリスク
当企業グループが行う事業には、商標権、特許権、著作権等の様々な知的財産権、特に「SBI」の商標が関係しております。当企業グループが所有し事業において利用するこれらの知的財産権の保護が不十分な場合や、第三者が有する知的財産権の適切な利用許諾を得られない場合には、技術開発やサービスの提供が困難となる可能性があります。また、当企業グループが第三者の知的財産権を侵害したとする訴訟の対象となる可能性があります。特に特許権関連の知的財産権については関連コストが増加する可能性があり、その場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
18)法令及び会計基準の施行又は改正に係るリスク
法令の施行又は改正がなされた場合、当企業グループの事業の運営方法、国内外で提供している商品及びサービスにも影響を与える可能性があります。かかる法令の施行又は改正は予測不可能な場合があり、結果として、当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、会計基準の施行又は改正がなされた場合、当企業グループの事業が基本的に変わらない場合であっても、当企業グループが経営成績及び財政状態を記録する方法に重要な影響を与える可能性があり、結果として当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
19)繰延税金資産に関するリスク
財務諸表と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異にかかる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
このため税制改正等により法定実効税率が変動した場合には繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
評価性引当額は、将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分に対して設定しております。繰越欠損金については、回収可能な金額を限度として繰延税金資産を計上することが認められており、当企業グループにおける繰延税金資産も回収可能性を前提に計上しております。
将来の税金の回収予想額は、当企業グループ各社の将来の課税所得の見込み額に基づき算出されます。評価性引当額差引後の繰延税金資産の実現については、十分な可能性があると考えておりますが、将来の課税所得の見込み額の変化により、評価性引当額が変動する場合があります。この場合、繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
20)保険による補償範囲に係るリスク
事業リスクの管理のため、当企業グループは保険をかける場合があります。しかし、こうした保険契約に基づいて全ての損失について、全額が必要な時期に補償されるという保証はありません。加えて、地震、台風、洪水、戦争、及び動乱等による損失等、保険をかけることが一般的に不可能な種類の損失もあります。構成企業のうちいずれか1社でも保険で補償されない、又は補償範囲を超える損失を被った場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
21)天災又は悪天候、テロ攻撃や地域紛争、戦争、感染症の発生・蔓延等により重大な損失を被る可能性について
当企業グループの資産の相当部分は、日本国内にあり、当社純資産の相当部分は日本国内における事業から生じております。当企業グループの海外事業には、同様のあるいは他の災害リスクがあります。日本国内あるいは海外において、当企業グループの事業ネットワークに影響する大きな災害、暴動、テロによる攻撃あるいは他の災害はもとより、感染症の発生・蔓延等は、当社の資産に物理的被害を与えないとしても、当社の事業を混乱させる可能性があります。また、当企業グループが投資や事業展開を行う地域や国において紛争若しくは戦争等が発生する場合があり、当企業グループや投資先企業等の資産に被害が生じる可能性があります。これら災害等の影響を受けた地域や国における重大な経済の悪化を引き起こした結果、当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に支障あるいは影響を与える可能性があります。
なお、感染症の発生・蔓延に関わるリスクについては、外出規制・自粛要請や渡航禁止措置等により、日本国内のみならず世界的に経済や企業活動が広範な影響を受ける可能性があります。当企業グループが行う国内での金融サービス事業は、インターネットをメインチャネルとし、対面での接客・営業活動が限定されていることから、感染拡大による社会への影響が長期化した場合においても、業務継続の観点では直接的な影響を受けづらいものと認識していますが、企業や個人の経済活動の低下による取引量の減少等を通じて、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、国内外の投資事業は、将来の不確実な経済条件の変動や株式・為替市況の急変によっては直接的な影響を受ける可能性があり、感染症の発生・蔓延により事業環境及び市況が悪化した場合、当企業グループが保有する投資有価証券等について評価損失を計上する可能性があります。
22)海外における投資、事業展開、資金調達、及び法規制等に伴うリスク
当企業グループは、海外における投資や事業展開を積極的に進めております。これら投資や事業展開においては、為替リスクだけではなく、現地における法規制を含む諸制度、取引慣行、経済事情、企業文化、消費者動向等が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における投資や事業展開では発生することのない費用の増加や損失計上を伴うリスクがあります。海外における投資や事業展開にあたっては、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で対策を実行しておりますが、投資時点や事業展開開始時点で想定されなかった事象が起こる可能性があります。また、当企業グループが投資や事業展開を行う国が経済制裁対象国となる場合があり、これに関連する取引が存在すること等により、当企業グループが法規制等の影響や風評の悪化等の影響を受ける可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社の株主構成における、外国人株主の保有状況によっては、当社の意図とは関係なく結果的に海外における資金調達を行っているということとなる可能性もあり、その結果、外国の法規制、特に投資家保護のための法規制の影響を受け、その対応のための費用増加や事業における制約等を受ける可能性があります。また、今後は為替リスク回避等を目的として、海外における金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達が増加する可能性もあります。これら海外における資金調達を行う場合には、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で実行しておりますが、資金調達時点で想定されなかった事象が起こる可能性もあります。これらの結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、米国や英国による腐敗行為防止のための諸法令、各国当局等による経済制裁関連規制、EUによる一般データ保護規制等のように、当企業グループの海外拠点等所在地における法規制等で、その適用が日本国内を含む他の国における当企業グループ拠点にも及ぶ可能性のあるものがあります。これら法規制等については事前に十分な調査や検証を行いこれら法規制に抵触しないように対応しておりますが、現時点で想定できない事象が生じた場合や対応が不十分であった場合、これら法規制に抵触する可能性もあります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
23)反社会的勢力との取引及びマネー・ローンダリング等に関するリスク
当企業グループは、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、新規の取引に先立ち、反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の締結をするなど、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に関しても、当企業グループの商品及びサービスがこれらの不正な取引に利用されないための対策を講じています。しかしながら、当企業グループの厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との取引やマネー・ローンダリング等を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、対策費用の増大、監督官庁等による処分・命令、社会的な評判の低下等により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
24)サイバーセキュリティに関するリスク
国内外にわたり、事業展開をしている当企業グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威から顧客及び当企業グループの情報及び資産を保護するため、当企業グループ各社に情報セキュリティ管理責任者を設置しています。これら責任者に対し、当社のグループ情報セキュリティ管理責任者による統括の下、グループCSIRTが支援し、当企業グループ全体の情報セキュリティを確保する体制を整備しています。この当企業グループ横断的な協力体制の下、JIS Q 15001に示される個人情報保護の標準、及びISO/IEC 27001に示される情報の安全管理措置等を参照し、組織管理、技術的対応、人的対応及び外部連携による、情報セキュリティ対策を推進して、継続的に改善を行っています。しかしながら、新たに人的、システム的な脆弱性が顕在化し、サイバー攻撃又は情報セキュリティ事故が発生した場合、個人情報及び機密情報等の毀損、漏洩の被害が生じるおそれがあります。当該被害の結果、当企業グループの信用低下、被害者からの損害賠償請求、及び監督官庁による行政処分を受ける可能性により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
25)情報紛失・情報漏洩に係るリスク
当企業グループは、国内外の法規制に基づき、顧客情報や個人情報を適切に取り扱うことが求められております。当企業グループでは、顧客情報や個人情報を多く保有しており、情報の保管・取扱いに関する規程類の整備、システム整備を実施し、管理態勢高度化に取り組んでおりますが、不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正なアクセス、若しくはコンピュータウイルスへの感染等により、顧客情報や個人情報等の紛失・漏洩を完全には防止できない可能性があります。その場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客に対する損害賠償等、直接的な損失が発生する可能性があります。加えて、顧客の信頼を失う等により当企業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。
26)ESGへの取り組みに関するリスク
気候変動や資源問題に代表される環境課題のほか、人権や経済的不平等、食料問題といった社会課題の顕在化を背景に、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governance)を意識した経営に対する社会の注目や関心が高まる中、当企業グループでは、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、持続的な企業価値向上の両立を図ることが重要であるとの認識のもと、グループの経営戦略の一環としてサステナビリティ施策を議論・決定・管理するサステナビリティ委員会を設置し、その事務局であるサステナビリティ推進室を通じて各施策をグループ全体に展開・推進しています。
当企業グループはこのように、気候変動を含む環境・社会課題解決に向けた取り組みを適切に管理する体制を整え、施策の更なる実効性を確保していく方針ですが、当企業グループの経営体制や事業活動においてESGへの取り組みが不十分であるとステークホルダーに判断された場合、当企業グループに対する評価が低下し、資金調達や人材採用等に影響を及ぼす可能性があります。また、当企業グループの投融資先におけるESGへの対応が不十分である場合、投融資先の企業価値低下や信用状態の悪化により、当企業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
金融分野におけるリスク
<金融サービス事業に係るリスク>
・証券関連事業に係るリスク
1)証券関連事業に影響を与える事業環境の変化による影響
証券関連事業における収益は、株価や株式市場の取引高及び、売買高等の動向に強い影響を受けます。株式市場の取引高及び売買高は企業収益、為替動向、金利、国際情勢、世界主要市場の変動、又は投資家の心理等の様々な要因の影響を受け、株価が下がると一般的には取引高が縮小する傾向があります。今後、株式市場が活況を続ける保証はなく、株価の下落とともに取引高が減少した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)信用リスク
株式の信用取引は、証券関連事業における主な収益源の一つですが、同取引においては顧客への信用供与を行っており、顧客が信用取引で損失を被る、あるいは代用有価証券の担保価値が下落する等した場合に、顧客が預託する担保価値が十分でなくなる可能性があります。また、信用取引にかかる証券金融会社からの借入のために差入れた有価証券等の担保価値も変動するため、証券市況の変化に伴い、担保価値が下落した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのために必要な資金は独自に確保する必要があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当企業グループは、顧客から借入れた株式を他のブローカー・ディーラーに貸付ける場合があります。株式の時価が急激に変化し、株式の貸付先が決済不履行した場合、当企業グループは、損失を被る場合があります。株式市場における変動は、貸株取引を行っている当事者が決済不履行となるリスクをもたらす場合があります。また、当企業グループが貸株業務における顧客基盤を拡充することができず、株式の貸付先である他の証券会社と良好な関係を維持できない場合、当企業グループの評判、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、店頭外国為替証拠金取引は、定められた額の証拠金を担保として預託して行う取引であります。そのため、顧客は証拠金の額に比して多額の利益を得ることもありますが、逆に預託した証拠金以上の多額の損失を被ることがあります。外国為替市況の変動に伴い、預託されている証拠金を超える損失が発生した場合において、その総額又は発生件数によっては、無担保未収入金の増加により貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上が必要になる等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)為替変動及びカウンターパーティリスク
当企業グループは、顧客に対する当企業グループのポジションの為替変動等をヘッジするために行う店頭外国為替証拠金取引において、カウンターパーティリスクに直面する場合があります。当該カウンターパーティがシステム障害や業務又は財務状況の悪化等の不測の事態に陥った場合には、顧客に対するポジションのリスクヘッジが実行できないおそれがあり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)引受リスク
当企業グループは、収益源の多様化を図るため、株式等の引受及び募集等の投資銀行業務にも注力しておりますが、引受けた有価証券を販売することができない場合には引受リスクが発生します。有価証券の価格動向によっては、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、特に新規公開株式の引受業務において、当企業グループが主幹事証券として引受業務を行う企業が、新規上場する過程又はその後に評価が低下するような事態が発生した場合には、当企業グループの評価が影響を受け、引受業務の推進に支障をきたす等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)私設取引システム(PTS)運営事業に係るリスク
当企業グループが提供する私設取引システムは、複数の証券会社がシステム接続する本格的な取引所外電子取引市場です。しかしながら、システム障害、決済不能若しくは遅延、又は取引参加証券会社の破綻等の不測の事態により市場運営が困難になった場合には、投資家や取引参加証券会社等の当該私設取引システムに対する信頼性と安全性に対する信頼が損なわれ、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)証券関連事業における競合について
証券関連事業については、近年の規制緩和やIT技術の発展により競争が激化する一方で、商品及びサービスの多様化・顧客利便性の向上・独自性の発揮が強く求められてきております。このような状況の中で競争力を維持できない場合には、競合他社に取引シェア・収益などで劣後し、収益性の低下を招く可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)証券関連事業における法的規制について
① 金融商品取引業登録等
当企業グループの一部の構成企業は金融商品取引業を営むため、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を受けており、金融商品取引法、及び同法施行令等の関連法令の適用を受けております。また、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、及び札幌証券取引所の総合取引参加者等であるほか、金融商品取引法に基づき設置された業界団体である日本証券業協会及び(社)金融先物取引業協会等の定める諸規則にも服しております。当企業グループ及びその役職員がこれら法令等に違反し、登録等の取消し、又は改善に必要な措置等を命じる行政処分が発せられた場合等には、当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、あるいは経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 自己資本規制比率
第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率の制度が設けられております。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格変動その他の理由により発生し得るリスク相当額の合計に対する比率をいいます。当該金融商品取引業者は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければならず、金融庁長官は当該金融商品取引業者に対しその自己資本規制比率が120%を下回るときは、業務方法の変更等を命ずること、また100%を下回るときは3ヶ月以内の期間、業務の停止を命ずることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ回復の見込みがないと認められるときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。また、当該金融商品取引業者は四半期ごとにこの自己資本規制比率を記載した書面を作成し、3ヶ月間全ての営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならず、これに違反した場合には罰則が科されます。
③ 顧客資産の分別管理及び投資者保護基金
金融商品取引業者は、顧客資産が適切かつ円滑に返還されるよう顧客から預託を受けた有価証券及び金銭につき、自己の固有財産と分別して管理することが義務付けられております。但し、信用取引により買付けた株券等及び信用取引によって株券等を売付けた場合の代金については、このような分別管理の対象とはなっておりません。また、有価証券関連業を行う金融商品取引業者は投資者保護のために、金融商品取引法に基づき内閣総理大臣が認可した投資者保護基金に加入することが義務付けられており、当企業グループは日本投資者保護基金に加入しております。投資者保護基金の原資は基金の会員である金融商品取引業者から徴収される負担金であり、日本投資者保護基金は、基金の会員金融商品取引業者が破綻した場合には投資家が破綻金融商品取引業者に預託した証券その他顧客の一定の債権について上限を顧客一人当たり10百万円として保護することとなっております。そのため、基金の積立額を超える支払いが必要な会員金融商品取引業者の破綻があった場合、当企業グループを含む他の会員金融商品取引業者は臨時拠出の負担を基金から求められる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 金融商品販売法及び消費者契約法
「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」は、金融商品の販売等に際して顧客の保護を図るため、金融商品販売業者等の説明義務及びかかる説明義務を怠ったことにより顧客に生じた損害の賠償責任並びに金融商品販売業者等が行う金融商品の販売等に係る勧誘の適正を確保するための措置について定めております。
また、消費者契約法は、消費者契約における消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、一定の場合に消費者が契約の効力を否定することができる旨を規定しております。当企業グループでは、かかる法律への違反がないよう、内部管理体制を整備しております。これらの違反が発生した場合には損害賠償責任が生ずるとともに、顧客からの信頼が失墜する等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)証券関連事業に影響を与えるシステムリスク
当企業グループは、インターネットを主たる販売チャネルとしているため、オンライン取引システムの安定性を経営の最重要課題と認識しており、そのサービスレベルの維持向上に日々取り組んでおります。しかしながら、オンライン取引システムに関しては、ハードウェア及びソフトウェアの不具合、処理能力の逼迫、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウイルス、並びにサイバー攻撃のほか、自然災害等によってもシステム障害が発生する可能性があります。当企業グループでは、かかるシステム障害リスクに備え、365日24時間体制の監視機能、基幹システムの二重化、及び複数拠点におけるバックアップサイト構築等の対応を実施しておりますが、これらの対策にもかかわらず何らかの理由によりシステム障害が発生し、かかる障害への対応が遅れた場合、又は適切な対応ができなかった場合には、障害によって生じた損害について賠償を請求され、当企業グループのシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、結果として相当数の顧客を失う等の影響を受ける可能性があります。また、口座数及び約定件数の増加を見越して適時適切にシステムの開発及び増強を行ってまいりますが、口座数及び約定件数がその開発及び増強に見合って増加しない場合、システムの開発及び増強に応じて減価償却費及びリース料等のシステム関連費用が増加するため、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
9)証券関連事業における顧客情報のセキュリティについて
不正な証券取引注文、重要な顧客データの漏洩又は破壊が起こった場合は、賠償責任を負う場合があり、それが当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、個人情報の保護に関する法律への違反が発生した場合又は顧客データの漏洩若しくは破壊が発生した場合には、顧客からの信頼が失墜する等負の結果が生じ、それによって当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
10)自己勘定によるトレーディング業務に係るリスク
当企業グループは、自己勘定による有価証券・外国為替等に関するトレーディング業務を行っております。当該トレーディング業務では、市場動向や顧客側の取引需要の影響で当企業グループにとって不利な事象が生じ、取引の低迷や保有ポジションの時価変動により損失を被るリスクがあります。トレーディングに係るリスクを低減するため、ヘッジ取引やポジション管理を行うほか、継続的なモニタリングを行っておりますが、想定を超える市場変動等により、ヘッジが有効に機能しない場合やポジションの速やかな処分が進まない場合、取引先が受渡決済を含む債務不履行に陥った場合、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
・銀行関連事業に係るリスク
1)銀行関連事業全般に係るリスク
銀行関連事業(銀行業、無担保ローン、クレジットカード・信販及びリース事業等)においては、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、コンプライアンスリスク、オペレーショナル・リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、風評リスク、自己資本比率悪化リスク、事業戦略リスク、及び規制変更リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
当該事業は、債券、証券化・流動化商品、デリバティブ取引などの金融商品等への投資を行っております。また、預金・貸出金等の長短金利ギャップに伴う金利リスクを抱えております。そのため、リスク限度の設定、損失額についての損失限度の設定や、個別商品への投資上限の設定等を行い、厳格なリスク管理体制を整備しております。しかしながら、金融市場動向や景気動向等により、予想を超えて金利等の各種経済条件が大幅に変動した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)信用リスク
当企業グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、信用損失引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、信用損失引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当企業が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、又はその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上が必要になる等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)市場リスク
当企業グループは、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動しますが、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券等の価格下落等による資産の目減り、顧客の減少等に伴う貸出業務や投資業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループは、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却又は証券化することを目的としております。そのため、特定の資産又は特定の格付若しくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当企業の収益が予想より少ない場合(当企業グループにより証券化された資産のプールにおいて、当企業グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、こうした当企業グループが取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当企業グループが魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。
4)流動性リスク
安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。
・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。
・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債又はその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。
・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当企業グループの資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。
・海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。
・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、又は十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。
また、格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、又は一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当企業グループの資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)オペレーショナル・リスク
当企業グループでは、幅広い金融業務において大量に事務処理を行っておりますが、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続き内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な捕捉やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化に努めております。しかしながら、こうした対策が有効に機能せず、又は当企業グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当企業グループの業務運営や、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)銀行関連事業に影響を与えるシステムリスク
当企業グループは、情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しておりますが、システムの処理能力や信頼性に大きく依存しております。過去に発生しましたATM、インターネットバンキングサービスや他行宛て送金取引に係る不具合等に対して、発生原因の究明及び十分な再発防止策を講じておりますが、今後とも不具合やサービスの停止が発生する可能性があります。また、当企業グループのシステムには人為的ミス、自然災害、停電、システム連携先または外部委託先の障害、サイバー攻撃等の不正・妨害、機密情報の漏洩、ハッキングによる不正利用等が今後も発生する可能性があります。システム障害等により提供する金融サービスの中断や停止が発生した場合、レピュテーションや営業基盤の毀損等により、当企業グループの業務運営や経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)銀行関連事業における顧客情報のセキュリティについて
当企業グループは、銀行関連事業に関連し保有した多数の個人情報について、個人情報保護法に従い、個人情報の保護及び適切な利用に努めておりますが、万一個人情報の漏洩又は不正アクセス等による事故が発生した場合、その損害に対し賠償を行う必要があると同時に、関連監督当局から行政処分等を受ける可能性があります。さらに漏洩事故の発生により、顧客や市場の当企業グループに対する信用の低下を招き、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)銀行関連事業における法的規制について
当企業グループは銀行関連事業を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。また、金融当局による自己資本規制その他の銀行関連業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けております。こうした金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒される他、法令等に基づき「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分や、その他の制裁・罰則・賠償請求を受けること等により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループは現時点の規制に従って業務を遂行してい
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