No.1 【東証スタンダード:3562】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループでは、日本経済の原動力であり続けたいという想いから、「日本の会社を元気にする一番の力へ。私たちNo.1はトータルビジネスパートナーとしてお客様を支え、日本経済の原動力になります。」を経営理念に掲げ、「皆様のNo.1ビジネスパートナー セキュリティ&ソリューション 最先端の情報活用で企業成長を支援。」を経営ビジョンとして企業価値の向上を図り、当社グループのステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう事業活動を展開しております。
(2)経営環境
本年度は、不安定な国際情勢による世界経済の混乱、世界的な資源高に円安の影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。
加えて本年1月1日に発生した能登半島地震をはじめとする、ここ数年頻繁に発生している自然災害など気候変動等の環境変化、少子高齢化による人口動態の変化と働き方改革への対応など、全産業を取り巻く社会環境は急速に変化しており、企業はこれらの変化をしっかりと見通しながら事業運営を行っていく必要があります。
このような状況の中、当社の祖業であるOA機器市場は、世界的なペーパーレス、電子化などの影響によって市場の成長は鈍化してきております。一方、十数年前より取り組んできた情報セキュリティ機器市場は、中小企業にもIT化が進みつつある近年、サイバー攻撃が徐々に高度化し、各企業にもその対策の必要性が認識され始め、ニーズが顕在化してきました。今後IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)及びビッグデータを用いた「第四次産業革命」と呼ばれる全産業のデジタル化が急速に進行し、中小企業においても更なるDX化が進み、情報セキュリティ対策の需要は一層高まって来ると予想しております。
(3)目標とする経営指標
当社は2024年4月に新中期経営計画を策定し、公表しました。本中期経営計画では、最終年度である2027年2月期に売上高16,800百万円、営業利益1,830百万円、営業利益率10.9%、EBITDA2,160百万円という経営指標の達成を目標としております。重点戦略の項目である「経営基盤、事業基盤の再強化、構造改革」、「事業領域拡大に向けた積極投資」、「収益構造の安定化」、「サステナビリティ経営 人的資本経営の推進」を着実に実行することによって、経営指標の達成を目指してまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、OA関連商品の販売、メンテナンスを礎として事業を成長させてきました。2018年には、上場後初めての第1次中期経営計画を発表、その後2020年に第2次中期経営計画を発表し、M&Aによる大きなシナジーの発現により、ビジネスの領域を広げ、成長スピードを加速させてきました。 また2024年4月には、更なる成長を目指し「新中期経営計画(Evolution2027)」を発表いたしました。 |
新中期経営計画(Evolution2027)では、「For Further Evolution!(さらなる進化に向けて)」をテーマに掲げ、経営基盤と事業基盤を盤石とし、個と組織の強化による進化を続け、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。その実現に向けて、「経営基盤、事業基盤の再強化、構造改革」、「事業領域拡大に向けた積極投資」、「収益構造の安定化」、「サステナビリティ経営 人的資本経営の推進」の4項目を重点戦略として位置付けました。この各項目を着実に推進していくことで、100年企業に向けて持続的な成長と更なる企業価値向上のために取り組んでまいります。 |
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が対処すべき課題とする重点施策は以下のとおりです。
① 経営人財の育成
当社では、これまで社員教育の一環として経営に必要な能力を身に付ける教育システムを継続的に制度化してまいりました。新事業やグループ会社が増えていく中で、将来の経営人財や、新事業を創出する人財の育成は大きな課題となっております。今後、経営人財の育成という観点で教育カリキュラム、育成メニューをさらに充実させ、次世代の経営者候補の育成と幹部人財の中途採用も行い登用を図ってまいります。 |
② 生産性向上のためのシステム投資
当社では、グループの拡大に伴い、増大する顧客データの整備と連携を目的とした、社内基幹システムの見直しを行っております。今回の基幹システムの見直しでは、社内における各種情報システムの連携による営業の効率化、今後の業務量増加に対応するべく業務の効率化を行うシステム開発に関し、社内リソースに加え、SFA、CRMなどのデータマーケティングの開発に実績を持つコンサルティングベンダーと契約し、システム開発を行っております。 |
③ M&Aやアライアンスによる事業領域の拡大
当社では、事業領域拡大に向けた積極投資を重点戦略の一つに置いており、主な手段はM&Aと考えております。M&Aの方向性は、①既存事業とシナジーが創出できる分野と②新規の成長分野となります。具体的には、①IT関連のハードウェア又はソフトウェアを製品開発する企業、②前記業界の販売ディーラー、その他、DX・IT系企業となります。 社内にM&Aに取組むチームや、外部のDDチームをすでに準備しております。当社はこれまで、M&Aや各種アライアンスにより事業領域の拡大と業容を拡大して参りましたが、更なる成長に向け、今後も当社とシナジー効果の高いM&Aやアライアンスを行い、事業領域の拡大とビジネスモデルの変革を加速させてまいります。 |
④ 情報セキュリティ領域の拡大
IoT機器及びシステム等の発展により利便性が高まる一方で、インターネットを介したサイバー攻撃による事故が多発しております。しかしながら、適切な情報セキュリティやネットワークの環境構築や専門性を有した人財確保については、多くの中小零細企業が手をこまねいているのが現状です。そのような中、当社では、お客様のネットワーク環境のリモート診断を行い、お客様のネットワーク環境の課題に合わせたセキュリティ商品の提供を行っております。2023年4月には現行のUTMの上位機種「NA-GP5000/C5000」を、2023年12月にはWi-Fiの不正接続防止機器「NA-IGW1000」をリリースした結果、販売台数は順調に伸長しております。 |
⑤ 収益構造の安定化
当社は、ストックビジネスとして、2020年9月に課題解決型のトータルソリューションサービス「No.1ビジネスサポート」の提供を開始し、当初から続くハードの保守にとどまらない、顧客各社のIT/DXのサポートから経営相談まで対応し、顧客との信頼関係の強化を図りながら、ストック型収益の増加に取組んでおります。また、2023年10月に「No.1ビジネスサポート」のサービスメニューを一新したことで新規顧客との契約が堅調に推移いたしました。今後もNo.1ビジネスサポートに限らず、クラウドサービス事業、スマートフォン等の通信機器事業も含め、サービスラインナップの拡充を行い、ARPU(1ユーザー当たり平均売上)を向上してまいります。 |
⑥ サステナビリティ経営、人的資本経営の推進
当社グループでは、“日本の会社を元気にする一番の力へ。”という経営理念を礎に、社会と会社の持続的成長を実現させるために、提供する商品・サービス、社内外の様々な企業活動において、引き続きサステナビリティの取り組みを積極的に取り入れてまいります。主要テーマとして、「環境負荷を減らす取り組み」「地域経済や地域社会への貢献と人的資本経営の拡充」「ガバナンス・リスク管理体制の強化とダイバーシティ推進」の三本柱で取り組んでまいります。
また、人的資本経営の拡充を図る為、人財育成方針、環境整備方針を定めております。主要テーマとして、「社員の感動満足度の向上」(処遇全般の水準向上をはじめ、働き方を含めた社員の感動満足度の向上につながる施策導入)、「次世代経営人財の育成」(教育体系全般を再構築し、次世代経営人財の育成及び裾野の拡大を見据えた全社教育)、「ダイバーシティの推進」(多様な人財が個々の自律性と共に、働き続ける事が出来て活躍しやすい環境や制度づくり)を掲げております。
⑦ 財務戦略(資本戦略)、キャピタルアロケーション
当社では、成長投資、株主還元及び財務体質の安全性を確保しながら、経営資源を最適に配分し資本構成を維持することを基本的な考え方とし、当社グループの持続的な企業価値向上に努めてまいります。具体的には営業キャッシュフローを原資に、M&A等戦略的投資、人的資本投資、IT投資等の成長投資への分配と並行して、株主還元にも戦略的に分配し、事業成長及び収益性の向上を進めてまいります。 |
以上により、当社グループは積極的に新たな分野への挑戦を行い、他社との差別化を明確にすることで、より一層の事業拡大と収益性、資本効率の改善を図り、継続的な企業価値の向上に努めてまいります。
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