NFKホールディングス 【東証スタンダード:6494】「機械」 へ投稿
企業概要
当連結会計年度の研究開発活動は、コロナ禍による制限がほぼ解消したことにより、共同開発を実施中の企業との対面での議論や試験場における燃焼試験が進められるようになり、当社社内においてCFDを用いたシミュレーションでの検討等を進めるなど、活発化を取り戻しつつ進めて参りました。
今後産業界での普及が想定されるカーボンフリー燃料に対応するため、東邦ガス株式会社様のご協力により、熱処理炉などの工業炉等で使われるハイスピードバーナをベースに、従来の都市ガスと水素の両方の燃料を部品交換せずとも燃焼可能なバイフューエルバーナ(JSA-20S型)を開発し販売を開始いたしました。当該新型バーナについては、愛知製鋼株式会社刈谷工場におけるカーボンニュートラル化の一環として、都市ガスから水素への燃料転換に向けた実証実験採用され、2024年夏には水素による試験的な運転も予定されています。
今後は、このバイフューエルバーナの小型から大型までのシリーズ化や、他のバーナ機種においても水素燃料を適用するための開発を進める予定です。また、アンモニア燃料を燃焼できるバーナの開発を計画しており、当面はラジアントチューブバーナへ適用すべく取組みを開始しております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,520千円でした。今後の研究開発活動における目的と課題は、次のとおりであります。
(研究開発の目的)
1)バイフューエルバーナJSAの予熱空気対応と容量のシリーズ化。
2)燃料にアンモニアまたは水素を燃料として用いるラジアントチューブバーナの開発。
3)既存HRS-RTバーナの性能改善。
(主要課題)
1)水素燃料用バーナ:水素は燃焼速度が速く火炎温度が高くなりやすいため、バーナ近傍の混合を制御することで排出NOxを抑制できるが、その設計要点を客観化してシリーズ化に対応させる。
2)アンモニアは都市ガスなどの一般的な燃料と比較して冷間時の燃焼性、着火性が悪いため、着火から昇温にかけての燃焼安定性を保持するためのバーナ構造を見出すこと。
3)ラジアントチューブ温度の均一化促進によるチューブライフのさらなる延長化。
(成果及び進捗状況)
1)水素燃料用バーナで、燃料と空気の混合を制御することで排出NOxを実用可能な範囲まで抑制可能となったが、今後はさらなる改善を試みるとともにスケールアップ設計に着手。
2)冷間時におけるアンモニア燃料の燃焼安定性確保のための検討を実施中。
3)バーナノズルの改善により、温度の均一化に一定の成果があり、その理由をCFDシミュレーションで検証中。
- 検索
- 業種別業績ランキング