Mipox 【東証スタンダード:5381】「ガラス・土石製品」 へ投稿
企業概要
当連結会計年度における研究開発活動におきましては、当社経営基本方針に掲げる「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」に基づき進めてまいりました。
当社では、製品事業および受託事業においてSiCを中心とする次世代半導体材料・ウェーハの加工や結晶評価、データストレージや光ファイバー、プリント基板、環境に配慮した研磨材など高付加価値分野ハイテク関連向けの研究開発を中心に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は122百万円となりました。
主な研究開発活動は次のとおりであります。
(製品事業)
(1) ハードディスク関連
ハイテク関連製品では、ハードディスク関連において次世代の記録方式である熱アシスト記録方式のハードディスクに対応した、新しい研磨材、バインダーおよび塗布技術を用いて研磨フィルムの開発に取り組んでまいりました。
(2) 光ファイバー関連
光ファイバー関連では5Gをはじめとする、高速・大容量通信ネットワークの普及によるデータセンター用コネクタ市場の拡大に伴い、同コネクタ向けの初期工程の粗研磨用フィルムから最終工程の精密仕上げ用の研磨フィルムおよび研磨スラリーの開発に取り組んでまいりました。
(3) 一般研磨関連
一般研磨関連製品では、PCB向け研磨ホイールの開発を進めております。PCB研磨工程で使われる各種研磨材の開発であり、高精細化するPCB市場のニーズ合わせた砥石と不織布の研磨ホイールを開発、提案しております。前連結会計年度に開発した砥石の研磨ホイールは顧客より高い評価を得て、量産品として採用されております。当連結会計年度は今後使用拡大が予想される基板穴埋め工程での高硬度タイプ熱硬化型穴埋めインキへの対応として、不織布ホイールの高研磨力タイプの開発を進めております。
また、IH(高周波誘導加熱)を活用した溶剤レスのコーティング技術の確立に向けて自社製品の開発に取り組んでまいりました。有機溶剤による健康被害や環境対策、化学物質制限等の事業環境の変化に対応する取り組みであります。IH加熱技術は塗装業界及びその他の熱処理市場から多くの引き合いがあり、より低炭素で環境に優しい先進的な設備として提供を進めております。
この結果、当連結会計年度における製品事業の研究開発費は94百万円となりました。
(受託事業)
国立研究開発法人からの事業委託を受け、溶液法SiC結晶の内部欠陥の半導体結晶観察装置を開発してまいりました。また、大学と共同研究開発も継続して行っており、これらの研究開発をベースにした半導体インゴット〜エピウェハまで対応した受託観察サービスの提供を今後予定しております。
また、パワー半導体や高性能デバイスの開発に貢献し、脱炭素社会や EV(電気自動車)の普及に欠かせない次世代規格大口径(8インチ)SiC(炭化ケイ素)ウェーハ用の研磨装置を開発し、当社の研磨フィルムを使用することで、難削材であるSiCに対し、安定した面取り加工(ノッチ/エッジ研磨)を施せる工法を確立いたしました。
この結果、当連結会計年度における受託事業の研究開発費は28百万円となりました。
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