MRT 【東証グロース:6034】「サービス業」 へ投稿
企業概要
1.経営方針及び経営戦略等
当社グループは、「医療を想い、社会に貢献する。」を企業理念とし、医療現場の主役である医師と医師との繋がり、そしてその医師のQOLの向上が豊かな医療の創造を実現させるという信念のもと、医師の互助組織を母体として発足いたしました。以来、経験・ノウハウの蓄積により確立した医療分野の人材ネットワークを強みとして医療情報のプラットフォームを提供することで、豊かな医療の創造の実現を目指しております。
上記の目的を実現する上で、経営方針を下記のとおり定めております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念
医療を想い、社会に貢献する。
(2)ビジョン
医療・ヘルスケアの革新的なマーケットプレイスを創る
大切に受け継いできた相互扶助精神に基づき、患者様のために医療現場の問題をともに解決し、医療環境の未来をつなぐプラットフォームをつくります。
更なる企業価値向上のために、医師会員登録数及び医療機関登録数の増加に取り組みます。現在、主に口コミを中心に関東圏の会員を増やしておりますが、下記方針により、当社グループ及び当社サービスの知名度及び認知度向上を図ってまいります。
(1)医局向けサービスの拡充
大学医局向けのサービスを拡充することにより、大学附属病院を中心に、その関連の市中病院、開業医にいたるまで医局単位での医師及び医療機関にアプローチを実施。
(2)地方へのビジネスの拡大
自治体との連携及び関東圏以外の拠点を設けることにより、地方の医師及び医療機関との距離を縮小。
(3)グループ共有プラットフォームの活用
グループ共有プラットフォームを活用して、医師会員及び医療機関に更なる付加価値サービスを提供。
また、当社グループの持続的な成長を目指して、医療人材紹介サービスに加えて、①医師同士が必要とする情報を交換する場を提供することにより医師と医師とをつなぐサービス、②医療情報を必要とする企業と医師をつなぐサービス、そして、③医療を必要とする患者に医師をつなぐサービスを提供することにより、サービスの多様化を実現し、付加価値の高い新たなサービスの拡充に取り組んでまいります。
2.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は強みとしている医師の互助組織として発足以来の経験・ノウハウの蓄積で確立した医療情報プラットフォームをさらに強化し、以下の事項を対処すべき課題と認識して、「医療を想い、社会に貢献する。」という企業理念に沿って永続的な成長を実現するため、各課題に取り組んでまいります。
(1)医療人材紹介の取り組み
当社グループには累計200万件以上の非常勤医師紹介実績を誇る医療人材プラットフォームを強みとしております。現時点においては、MRTブランドは非常勤において優位性が有ると認知されておりますが、常勤に関しての認知は十分ではなく、今後非常勤紹介と同水準での認知度向上が必須と考えております。そのため、常勤および非常勤の紹介事業に係る経営資源が分散されるといった課題解決に向け完全子会社である日本メディカルキャリアの常勤紹介事業を当社が承継し、非常勤から常勤まで包括的な紹介ができる体制の構築に取り組んでおります。
今後は、医療従事者および医療機関に対して、常勤紹介サービスの周知および販促活動を拡大するとともに、営業組織体制も強化し、より良いサービス提供ができるよう努めてまいります。
当社グループの医療人材サービスにおいて、特に非常勤医師の人材紹介では、反復継続的に当社グループを利用している医師が数多く存在しているという事実があり、当社グループの強みになっていると考えております。しかしながら、当連結会計年度末日現在、当社グループに登録している医師会員数は10万名程度(過去に登録されている医師の累計数(退会者を除く))であり、日本全国の医師数が約33万人(厚生労働省「令和2年(2020)医師・歯科医師・薬剤師統 計」)であることを考えると、医療人材プラットフォームとして会員数の多さという視点ではまだ十分とはいえません。
このため、当社グループでは、会員向けサービスの拡充、営業体制・人員の強化を進めるとともにSNS等の各種媒体を有効活用する等、時流に併せたアプローチにより、医療従事者会員数及び登録医療機関数の増加を目指しております。
医師以外の看護師をはじめとする医療従事者においても日本全国の人数に比すると医師同様の課題があります。当社グループが医師以外の医療従事者の非常勤・常勤人材紹介を提供していることに関する訴求はまだ十分ではないと考えており、医療従事者に対しても医療機関をはじめとする紹介先に対しても知名度の向上に取り組んでおります。
以上の取り組みを踏まえ、当社グループは、当社グループが有する医療人材プラットフォームを活用し、医療従事者の地域偏在、診療科偏在といった自治体の抱える地域医療課題解決を目指しております。さらに、医療DXプラットフォームとの連携により医療過疎地の医療アクセスの向上にも寄与するものと考えております。現在こうした当社グループの取り組みや実績について取りまとめ、自治体に対し認知度の向上および継続的な啓蒙活動に努めております。
(2)新たな価値の創造
当社には非常勤医師紹介実績を誇る医療人材プラットフォームおよび、遠隔健康医療相談からオンライン診療まで一気通貫で行うことができる医療DXプラットフォームがございます。加えて、当社グループとして医療従事者向けのライフ支援サービス、医療機関向けWell-beingサービス、大学病院の書籍出版、製薬会社の販促支援といったさまざまな事業を展開しております。
これらのサービスの質やサービス間の連携を高め、新たな価値を創造することにより、各事業部門の収益性を高め、延いては当社グループの持続的な成長の実現を目指しております。今後も引き続き、これらのサービス以外にも、医師、医療機関、患者、一般顧客及びその他医療関係者に向けたサービスの拡充を目指しております。
(3)アライアンス及びM&Aの取り組み
当社グループは、医療人材サービスの拡大、医療・ヘルスケア分野における新規サービスの拡充に取り組んでおります。しかしながら、独自で新規サービスの開発等をするには、サービス提供までに長期の時間を要し、顧客ニーズを含む外部環境の変化に対応することができなくなるというリスクがあります。そのため、M&A等により、営業基盤の獲得、サービス提供開始までの期間短縮、開発コスト削減などを実現することで、顧客ニーズに対応したサービスの提供あるいはサービスの向上を適時実施できるものと考えております。また、M&Aによる統合プロセス(PMI)も重要な課題と認識し、M&Aの最大化を目指しております。
(4)海外へ向けた取り組み
ASEANをはじめとする東南アジアやアフリカといった地域においては、人口増加と経済成長に伴い、医療ニーズが高まることが想定される一方で、医療インフラは十分に整っていないのが現状であり、このギャップを埋めるためにも各国政府が国を挙げて法整備や医療のデジタル化を図っています。
当社グループが日本において医療人材プラットフォームおよび医療DXプラットフォームの展開により積み上げてきた医療現場支援の実績および知見ならびに経験を活かし、海外における医療DX・医療人材プラットフォームの構築を目指してまいります。今後ますます発展が見込まれる新たな市場を開拓することにより、当社グループの業績拡大を推進するとともに、各国の医療・ヘルスケアにおける社会課題の解決および健康向上に寄与し、当社の企業価値を向上するものと考えております。
(5)システムの安定稼働と強化
当社グループは、情報通信技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が、極めて重要であると認識しております。このため、当社グループは、会員数又は利用者数に応じたサーバーの増強、各種エンジニアの確保を含め、システムの安定化のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。
(6)人材の採用・育成
当社グループの「対処すべき課題」の解決には、優秀な人材を継続的に採用・育成することが課題であると認識しております。当社グループは、職場環境及び人事制度の整備を通じて、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に採用・育成すべく取り組んでまいります。
3.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長を目指し、重視する経営指標を①売上収益②営業利益③親会社の所有者に帰属する当期利益の対前年度比としております。
4.経営環境
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医療の担い手不足や地域偏在、診療科偏在が課題に挙げられてきました。日本の医療費は40兆円を超え2040年度には約66兆円を見込み、医療費の削減、医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられている危機的な状況の改善など、持続可能な医療サービスを実現するための対策が求められてきました。2020年より2年以上にわたり席巻した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2023年5月8日以降、5類へ移行しましたが、この感染拡大を契機として救急医療をはじめとした地域医療課題が顕在化し、医療サービスは様々な状況に応じた需要への対応を求められています。
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