Kaizen Platform 【東証グロース:4170】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「KAIZEN the World 〜なめらかな働き方で世界をカイゼンする〜」をミッションに事業を行っております。当社グループの事業を通じて、社会変化が加速するにつれ複雑化する企業のDX課題を、多様な能力を持つDX人材を結集して解決することを目指しています。そうしたアクションの中で私たちは、働くすべての人が持つ、無限の可能性を信じ、既存の制度や習慣、リソースなどの制約を、デジタル時代のアプローチで克服し、あらゆるチーム、データをなめらかにつなぎ、個人の才能や情熱を解放していくことで、それらに溢れる社会の実現に貢献し続けたいと考えております。
(2)経営戦略、経営環境等
当社グループが取り組む、顧客体験そのものを変革する「攻めのDX」において、対象市場となるインターネット広告の市場規模は3兆3,330億円となり、「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」を合計した「マスコミ四媒体広告費」の2兆3,161億円を大きく上回り(注1)、日本国内のDX市場は新型コロナウイルス感染症流行後も拡大を続け、2030年には6兆5,195億円の規模にまで成長すると予測されております(注2)。また、DX市場のうち、当社グループのコアターゲットとなる営業・マーケティング・カスタマーサービス領域の市場規模は、2030年には3,702億円の規模にまで達すると予測されております(注2)。
今後の中長期的な方向性としては、上述のとおり高い成長が見込まれる営業・マーケティング・カスタマーサービスに関するDXソリューションの領域において、多様な業種の規模の大きいクライアントに対してサービス提供を強化していくことにより、国内におけるDXのニーズを的確に捉え、当該分野での主力企業に成長していくことを目指してまいります。具体的な経営戦略は以下のとおりです。
出典
(注)1.㈱電通「2023年 日本の広告費」
2.㈱富士キメラ総研「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
①既存ソリューションのクロスセルによる更なる成長
当社グループは、グロースセグメントとトランスフォーメーションセグメントの2セグメントに大別して事業を展開しております。最近では大手クライアントのマーケティングやDXに関する総合的かつ上流からの課題解決を求められつつあります。また、M&Aの積極的な展開により、当社グループが提供できるソリューションも拡大しております。そうした状況を踏まえ、大手クライアントのマーケティングやDXに関するコンサルティングをより一層拡大し、コンサルティングの結果として実施されるUI改善や動画・Webサイトの制作や開発などにおいて、当社グループのソリューションをシームレスにクロスセルすることで、クライアントに対して高い付加価値を提供し、事業拡大を目指します。
②事業領域の拡張
現在取り組んでいるWebサイトや動画の領域だけではなく、生成AI、インフルエンサーマーケティング、LINE(注1)を活用した集客施策やCRM施策など、DXに関わる様々な領域へ拡大していく事で、今後も成長市場におけるポジションを確立いたします。
③直販チャネル以外の新たなチャネルの拡大
クライアントへの直販だけではなく、MetaやGoogleなどのプラットフォーマー、広告代理店やハウスエージェンシー(注2)、紙からデジタルへ広告媒体のシフトを進めている印刷会社等からDX領域のBPOを継続的に請け負うことにより、多大な広告宣伝費を投下することなく、効率的にクライアント開拓を行います。
④海外への展開
当社グループのサービスはインターネット上で提供されるものであり、時間・場所の制約を受けることはないため、国内で蓄積したデータ・ノウハウを活用して、市場動向を見極めつつ、戦略的に海外展開を図っていきます。
また、当社グループは、複数の大手プラットフォーマーからクリエイティブパートナーの認定を受けております。大手プラットフォーマーを通じて、米国を中心に事業を展開してまいります。
パートナー認定・選定プログラム一覧
| 会社名 | パートナー認定・選定プログラム |
2017年11月 | Meta Platforms, Inc. | 「Meta Business Partners(旧 Facebook Marketing Partners)」の「Creative Platform」 |
| (旧 Facebook, Inc.)
| 「Facebook及びInstagramにおけるマーケティング活動の支援」を専門とする企業のグローバルコミュニティで、実績に基づいてMeta社が認めるサービスを提供する認定企業を選出する制度であり、「Creative Platform」カテゴリは、「クリエイティブによるマーケティング課題の解決」に特化したパートナーとして、全世界のマーケティング担当者と、最適な広告クリエイティブやこれらを生み出すクリエイター/ユーザーとを結び付けることで広告成果の向上を実現する企業であるという認定 |
2019年6月 | Google LLC | 「App preferred creative partner」 Googleアプリ広告の認定パートナーシッププログラム |
|
| 「YouTube Creative Partner」 YouTubeにおけるマーケティング活動の支援を行なっている企業の中で、特にクリエイティブによる課題解決に特化した企業が実績に基づいて認定を取得できるパートナーシッププログラム |
2019年10月 | Amazon.com, Inc. | 「Service Provider Network」 Amazonで販売する企業のパフォーマンス改善をサポートすることを目的としたプロバイダープログラム ※ 日本では未実装のプログラムであり、米国での認証取得 |
(注)1.LINEヤフー㈱が運営するコミュニケーションアプリ
2.特定の事業会社専属の広告会社
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、客観的な指標等として、以下のKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)を設定し経営上の目標の達成状況を判断しております。
全社KPI
| 累計取引社数 (社)(注1) | 累計 登録ユーザー数 (件)(注2)
| 累計登録GH数 (件)(注3) | 累計 アクティブGH数 (件)(注4)
| ARPU (千円)(注5) |
2018年 | 406 | 12,678 | 8,482 | 1,373 | 4,943 |
2019年 | 583 | 14,244 | 9,175 | 1,508 | 5,237 |
2020年 | 819 | 17,508 | 10,601 | 1,620 | 4,345 |
2021年 | 1,072 | 19,228 | 11,672 | 1,695 | 4,027 |
2022年 | 1,212 | 20,017 | 12,181 | 1,735 | 5,107 |
2023年 | 1,272 | 20,527 | 12,432 | 1,761 | 5,974 |
(注)1.累計取引社数…累計顧客数
2.累計登録ユーザー数…プラットフォームを活用する顧客及び専門人材の累計登録数
3.累計登録GH数…プラットフォームを活用する専門人材の累計登録数(GH:グロースハッカーの略称)
4.累計アクティブGH数…過去にクリエイティブ改善案の投稿実績があるGHの累計数
5.ARPU…Average Revenue Per Unitの略称であり、1顧客あたりの平均売上金額
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①クライアントあたりの取引単価向上
当社グループが今後も持続的な成長を実現していくためには、クライアントあたりの取引単価向上が戦略的に重要だと考えております。引き続き高い成長が見込まれるマーケティングのDXの領域において、多様な業種の大手クライアントに対し、コンサルティング力を最大限に活かしつつ、デジタル上の顧客体験の改善に向けて一層充実したサービスを幅広く提供していくことにより、国内におけるDXニーズを的確に捉えてクライアントとの関係強化を図り、クロスセルをさらに積極的に推進することで、クライアントあたりの取引単価向上を目指してまいります。
②グロースハッカーネットワークの健全な拡大
当社グループのソリューションはプラットフォーム上のグロースハッカーネットワークを活用して提供されており、グロースハッカーネットワークの健全な拡大により、当社グループの競争力をより高めていくことができると考えております。そのため、教育機関との連携によるグロースハッカーの育成、グロースハッカーが互いのノウハウや知識を共有することができるコミュニティの運営及びトップレベルのグロースハッカーを表彰する「Growth Hacker Awards」の開催等を通じて、グロースハッカーネットワークの健全な拡大を目指してまいります。
③システムの安定性強化
当社グループは、インターネットを介したサービスを展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、そのための人員確保、教育・研修などを継続的に行ってまいります。
④情報管理体制の強化
当社グループは、グロースハッカーの個人情報を保有しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。
⑤組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社グループは、今後更なる事業拡大を推進するにあたって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、当社グループの企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでおります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを継続していく方針であります。
当社グループは、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでおります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、代表取締役を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、その結果を取締役会に報告する体制を取っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
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