KYORITSU 【東証スタンダード:7795】「その他製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「本質を見抜き 感謝を忘れず 挑戦し続ける」という理念の下、環境変化への柔軟な対応と基本の徹底に努め、日本一品質の高い製品を提供するという創業の思いを忘れることなく、お客様、取引先様、株主様に感謝し社会貢献に努めてまいります。
(2) 経営戦略
当社グループは、刻一刻と変化する市場の動向や経営環境を見極め、機動的な経営判断を行うために、全社・全部門参加型の「品質保証」及び「収益向上」に関する2つのプロジェクトを遂行しています。プロジェクトでは、案件毎に品質管理や収益分析を行うとともに、各部門の課題解決に関する情報共有を行い、全体最適を実現するための事業戦略を策定しています。
また、よりよい製品をお客様へ提供して信頼を高めるために、受注媒体毎に製造品質会議を行い、関係部署が情報を共有した上で製造することに取り組んでいます。
(3) 目標とする経営指標
当社は、売上高営業利益率5.0%以上、自己資本比率40%以上、配当性向30%以上を中長期的な収益力目標としています。厳しい市場環境に屈することなく、サービスの改善を積み重ね、事業領域の拡大に努めることで企業価値を高めてまいります。持続的な成長を図りながら、将来を見据えた機動的な投資と株主還元を図り、データに基づく合理的な製造基盤により効率性と収益性を確保してまいります。
(4) 経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症へ移行されたこともあり、経済活動の正常化が進み、景気に持ち直しの動きが見受けられます。しかしながら、長引くロシア・ウクライナ問題や海外景気の下振れリスクなどにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。こうした情勢のなか当社グループを取り巻く環境は、燃料価格の高騰や為替の円安基調により、諸資材の値上げなど製造コストが増加しております。
このような状況下にあって当社グループは、市場全体が縮小傾向にある印刷事業で市場規模維持に努めつつ、個人情報やマーケティングを活かしたBPO事業や市場の成長基調が続く電子コミック事業で収益力強化に努めながら、環境に特化した製品を製造することで、企業価値向上に努めております。
当社グループの事業別状況としましては、印刷事業が用紙などの材料費や燃料費の高騰による製造コスト増加やカタログやチラシを中心に印刷媒体の受注量減少が顕著化するなか、新規媒体の受注や生産性向上による製造コスト削減に努めております。BPO事業では個人情報を軸に購買履歴を活用した個人情報関連媒体の製造や全国展開する小売店への新たなサービス展開や既存の倉庫を活かした消耗資材の保管発送事業の拡大などに取り組んでおります。デジタル事業では電子コミックのタテスクロール制作やカラーリング業務など電子書籍関連が堅調である中、電子コミックの特性を活かし、海外市場も視野に事業展開を進めてまいります。環境事業では、生分解性プラスチック製造に加えて、2023年3月にグループ会社化しました株式会社山陰クリエートをはじめ、M&Aや積極的な設備・システム投資により成長スピードを加速させることに注力しております。
これらの施策により、印刷事業への依存度を下げるとともに売上高営業利益率の向上を図り、企業価値向上に努めてまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題の内容、その対処方針
当社グループは、今後も予想される厳しい市場環境に対抗し、継続的な成長を実現するため、主に下記の課題に注力します。
① 品質保証の取り組み
品質保証は当社グループの原点であり、生産性と品質向上の調和により、収益向上にも努めております。
期初には、グループ全社員による「品質保証プロジェクト」、「収益向上プロジェクト」の目標発表会を行い、1年間を通して多角的な視点で取り組み内容を精査しています。具体的には、設備の充実を図りながら各工程で製造設計を練る部門横断型の製造品質会議の実施や、製造時及び完成品の確認とともに日々のメンテナンスにより普遍的な高品質を実現する製造体制の確立に努めています。
② 成長事業の拡販
経済が急速に変化するなか、安定した収益確保ができる体制を構築するため、業務フローの改善やデジタル化など業務の効率化を図ることによりコスト削減に努め、印刷事業、BPO事業、デジタル事業、環境事業それぞれの事業領域の拡大に注力しながら、それぞれの製品やサービスを効果的に管理するポートフォリオ経営を意識して、企業価値向上に努めてまいります。
③ グループシナジーの追求
当社グループは、各事業の得意分野を棲み分けた営業活動、材料の共同購入、製造・物流の連携、技術・ノウハウ・原価管理の情報共有を通じて、グループ全体最適を追求しています。
④ 環境への取り組み
製造にかかる電気・ガス・廃棄物・原材料等の環境負荷低減に努め、省エネルギー・低CO2の次世代に繋がる製造体制を目指しています。
設備の省エネルギー化、デジタル化による生産性の向上、リデュース・リユース・リサイクルの3Rの取り組み、全社的な省エネルギー活動を継続しています。
また、自然に還る生分解性プラスチックと、限りある資源を再利用するリサイクルプラスチックの両面から事業を通して環境問題に取り組んでまいります。
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