KHネオケム 【東証プライム:4189】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<経営方針>
(1) 企業理念
当社グループは、以下の企業理念に基づき、様々な産業分野に特色のある高品質な化学製品を提供することを主方針として経営諸活動を遂行しております。
・ 企業使命 「化学の力」で、よりよい明日を実現する。
・ 経営姿勢 確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。
・ 行動指針 「新たな一歩」を踏み出して、さらなる高みに挑戦する。
・ 安全指針 自分を守る、仲間を守る。
(2) VISION 2030
当社グループは中長期的な視点から目指す姿を描くとともに、実現に向けた道筋を示すものとして「VISION 2030 ~世界で輝くスペシャリティケミカル企業~」を策定しております。
VISION 2030において、当社グループが目指す具体的な姿は以下の3点です。
目指す姿① 地球温暖化抑制・豊かな暮らしに貢献するスペシャリティケミカル素材を提供
事業活動を通じて地球温暖化抑制に資する製品や、よりよい暮らしに貢献できる素材を世界に向けて提供してまいります。
目指す姿② 戦略ドメインで世界シェアNo.1製品と新事業を拡大
当社が強みをもつ、冷凍機油原料、化粧品原料、高純度溶剤分野の製品を核とし、設備投資や研究開発など集中的に資源を配分する領域として、戦略ドメインを「環境」「ヘルスケア」「エレクトロニクス」に設定しました。この戦略ドメインにおいて、世界シェアNo.1の製品を拡大するとともに、新たな事業や製品を創出します。
目指す姿③ 国内で化学業界トップクラスの利益率
戦略ドメインにおいて、高付加価値で独自性の高い製品に対して生産能力の増強や新製品の開発を進め、AIやIoT等の最新技術を取り込み、生産効率を向上させることで、国内の化学業界の中でもトップクラスの営業利益率を目指します。
なお、2030年長期経営目標として、売上高 1,800億円、営業利益 250億円超、ROE 12%超、自己資本比率 50%を掲げております。
(3) 第4次中期経営計画
当社グループは、VISION 2030の達成に向けて、2022年度から2024年度の3ヵ年を対象とした第4次中期経営計画を策定し、その基本方針を「サステナブル経営の推進」と位置づけ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに企業価値向上を図ってまいります。なお、基本戦略として以下の3つを掲げ、各種施策を推進しております。
戦略Ⅰ 戦略ドメインにおける更なる成長
戦略Ⅱ 社会課題解決に向けた中長期的な取り組み
戦略Ⅲ ビジネス基盤の強化
なお、経営数値目標としては、2022年度~2024年度までの期間累計連結営業利益 486億円、
期間累計連結EBITDA 635億円、ROE 15%以上としており、目標達成に向けて邁進してまいります。
(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
以上のような、長期ビジョン及び中期経営計画のもと、2024年において、次のように、経営環境を認識し、様々な課題に全社一丸となって取り組んでまいります。
<経営環境>
中期経営計画の策定以降、外部環境は、当初の想定から大きく変化しており、ウクライナや中東情勢といった地政学リスクの高まりや、インフレに伴う各国の金融引き締めなど、世界経済の不透明感が高まっております。
とりわけ、当社グループを取り巻く経営環境は、中国経済の減速や半導体市場の低迷などによる需要減少に加え、物価高騰に伴い原燃料、物流、建設・メンテナンス等の主要コストが著しく増大するなど厳しさを増しております。
<対処すべき課題>
上記、経営環境の下、当社グループは、喫緊の課題である高経年化に伴う生産トラブルを低減させるため、予防保全を推進し、プラント設備の維持管理をより高いレベルに引き上げてまいります。さらに、機器異常を初期段階で検知することによりトラブルを未然に防ぐ、予兆診断システムを導入するほか、従業員への安全教育を実施するなど各施策を講じ、安全・安定操業へと繋げてまいります。一方、物価高騰等に伴うコストの増加に対しては、生産効率の最適化などによりコスト削減を図るとともに、適切なタイミングで製品価格に転嫁することで、収益を改善させてまいります。さらに、各業務執行ラインを統括するCxO(最高執行責任者)を新たに設置し、業務執行における権限と責任をより明確化することで、迅速かつ適切な業務遂行を実現いたします。
一方、中長期的な成長に向けた取組みでは、当社の主力製品である冷凍機油原料において、千葉工場での設備能力の増強を計画通り本年夏に完成させ、スムーズな立ち上げを行うことで、拡大する需要を積極的に取り込んでまいります。加えて、グループ会社の黒金化成株式会社で進行中の次世代半導体向け材料設備の増強工事を秋口に完工させ、成長が期待される最先端分野を中心に拡販を図ります。
また、新規事業の創出に向けたスタートアップ企業などとの協業や、既存事業における新製品開発を推進いたします。さらに、事業ポートフォリオの見直しを進め、成長分野への経営資源の投入を加速させてまいります。
カーボンニュートラル実現に向けた取組みとしましては、2023年に決定したCO2回収装置の設備投資について、2025年上期の完工に向け、準備を進めてまいります。本装置を用いることで、自社の製造工程において発生するCO2を回収し、当社のコア技術であるオキソ反応の原料として再利用することが可能となります。
これらの施策を実現するため、引き続き、ビジネス基盤を強化してまいります。具体的には、次世代リーダーの育成や社員の自律的なキャリア形成に向けた施策を拡充するなど、人的資本へ経営資源をより一層投じてまいります。また、プラント高度制御システムや予兆診断システムへのビッグデータの活用、業務改善システム導入による生産性向上、知的財産管理システムの導入など、DXを推進してまいります。
コーポレートガバナンスにつきましては、取締役会の監督機能を一層強化することを目的に、監査等委員会設置会社へ移行いたします。また、株価や資本コストを意識した経営の徹底、リスク管理レベルやコンプライアンス意識の向上などにより、企業価値の最大化を図ってまいります。
以上の取組みを推し進めるとともに、2025年度から始まる第5次中期経営計画へと繋げてまいります。
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