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企業概要

 当社グループは、2030年頃に開始が予定されている次世代通信システムBeyond 5G/6Gを見据え、先端技術の研究開発を推進してきました。また、2030年頃の新しいライフスタイル実現に向け、ライフスタイルのトランスフォームにつながる技術をLife Transformation(LX)テクノロジーと銘打ち、あわせて研究開発を推進してきました。こうした活動を通して、当連結会計年度における研究開発費の総額は、26,373百万円となりました。なお、当社グループにおける研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。

 以下、Beyond 5G/6G時代に向けた先端技術として、ネットワーク、セキュリティ、AI及びXRの各分野の主なトピックスをご紹介します。また、LXテクノロジーに関する主なトピックスをあわせてご紹介します。

1.ネットワーク

 あらゆる場所でお客さま一人ひとりに応じた最適な通信を提供するため、Beyond 5G/6G時代のネットワークに資する技術として、無線通信技術、光通信技術の研究開発を進めております。

 例えば、2022年5月には、「Cell-Free massive MIMO技術(注1)」において、局舎に分散配置された基地局の無線信号処理機能(CPU)を連携させ、干渉抑制効果と無線信号処理の計算量の削減を両立する「CPU間連携技術」を考案し、同技術を用いたエンド・ツー・エンド通信の実証実験に成功しました。

 また、同月、名古屋工業大学と共に、テラヘルツ帯で電波の放射方向を変更できる、高利得なマルチビームレンズアンテナと、小型な平面型マルチビームアンテナの開発に世界で初めて成功しました。

 さらに、同月、京都大学大学院工学研究科と共に、フォトニック結晶レーザーを用いた高出力自由空間光通信の実証に世界で初めて成功し、宇宙空間での利用を目指しております。

(注1)複数の基地局アンテナを連携させ、個々のお客さまに対する無線信号の品質を最適化する基地局構成技術。

2.セキュリティ

 Beyond 5G/6G時代の安心・安全を実現するため、AIへの攻撃に対応する技術の研究開発を推進しています。

 例えば、2022年12月には、深層学習による自然言語処理に対する代表的な脅威のひとつである敵対的テキスト攻撃(注2)への対策技術を提案し、自然言語処理分野の最難関国際学会「Findings of EMNLP 2022(The 2022 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing)」で発表しました。

 また、AIに対する代表的な脅威のひとつである敵対的サンプル攻撃(注3)に着目して、AIを利用した動画の圧縮符号化へ与える影響を体系的に評価し、セキュリティ分野の最難関国際学会である「NDSS(The Network and Distributed System Security) 2023」に採択されています。

(注2)文章に対し、人間が気づきにくい変更(単語の置き換え等)を加えることで、AIに誤分類を引き起こす攻撃。敵対的テキスト攻撃に利用される文章を敵対的テキストという。

(注3)人間には分からないようなわずかなノイズを加えた画像により、AIに誤分類を引き起こす攻撃。

3.AI

 Beyond 5G/6G時代にサイバー空間と現実空間(フィジカル空間)の融合が進むことを想定し、現実空間特有の課題解決を行う「フィジカル空間指向AI」の研究開発を行っています。2022年4月には、KDDI総合研究所内にHuman-Centered AI研究所を設立し、人とAIが共生し、インタラクションを通じて共に成長する技術の研究開発を推進しております。

 同研究所の成果として、同年4月、スタンフォード大学Jure Leskovec准教授の研究グループと共に、画像情報と人の共通概念を融合することでより確からしい答えとその判断根拠を導き出す手法を開発し、「視覚情報に基づいた常識推論(Visual Commonsense Reasoning)」タスクで世界1位の精度を達成しました。

 また、同年9月、AI・データマイニング分野の難関国際会議「ECML PKDD(European Conference on Machine Learning and Principles and Practice of Knowledge Discovery in Databases)2022」が主催する国際コンペティション「Lung Cancer Survival Prediction Challenge」における、実データ特有のデータ欠損という課題に対し、正解のデータや余命情報を統計的に仮定し高精度な予測を実現することで、同コンペティションに優勝しました。

4.XR

 XRは、サイバー空間と現実空間を融合させた結果を人間の知覚にフィードバックする技術の総称です。当社グループは、Beyond 5G/6G時代のコミュニケーションスタイルに変革をもたらす本分野の研究開発を行っています。

 例えば、2022年11月には、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所と共に、昭和基地と国立極地研究所立川キャンパスを結ぶ衛星通信回線(最大7Mbps)を利用し、南極域としては世界で初めて8K映像のリアルタイム伝送に成功しました。

 また、2023年1月に、三次元点群圧縮技術(注4)の最新の国際標準方式であるPCC(Point Cloud Compression)に対応したリアルタイムコーデックを用いた伝送実験に世界で初めて成功しました。加えて、現実空間の人が発する音の向きや動きを、仮想空間でも遜色なく体感できる音場のインタラクティブ合成技術を開発しました。このように、三次元空間情報のハンドリングについても研究開発を推進しています。

(注4)三次元物体を点の位置と色の集合で表現するデータ形式を、点群と呼ぶ。高精細な三次元データである点群を用いた臨場感のあるコンテンツは、データ量が1Gbpsなど非常に大きくなるため、伝送するには圧縮技術が不可欠。

5.LXテクノロジー

 「ロボティクス」「モビリティ(含ドローン)」「ヘルスケア」など、様々な分野で生活者目線に立ち、ライフスタイルを変革に導く研究開発を推進しています。

● ロボティクス:

 ロボットの活用により日本の労働力不足の解消に貢献するため、様々な取り組みを進めております。

 例えば、2022年11月、クラウド上でメーカーや用途を問わず多様なロボットを一元管理する「ロボットプラットフォーム」の実証を開始しました。これにより、管理者の負担が軽減され、円滑なロボット運行が可能になります。

● モビリティ(含ドローン):

 点検業務などの作業負荷、地域による移動・物流格差および災害時の緊急物資輸送などの課題を解消するため、ドローンを含むモビリティ技術の検討を進めております。

 例えば、2022年6月、三重県鳥羽市と、水上ドローンを活用しブルーカーボン(注5)算定に必要な藻場調査の実証実験を行いました。鳥羽市で海草や海藻の分布面積調査を実施する場合、従来はダイバーによる潜水目視を行っていますが、これらを水上ドローンにより効率的に行うことを目指したものです。なお、本取り組みは第31回地球環境大賞 総務大臣賞を受賞しております。

 また、2023年3月、自動運転車からドローンが離着陸し、ラストワンマイルの物流を担うという実証を、アイサンテクノロジーと共に長野県塩尻市の中山間地域で実施しました。移動する自動運転車の位置に合わせてドローンが離着陸することに、日本で初めて成功しました。

(注5)海草や海藻、植物プランクトンなど、海洋生物の作用によって海中に取り込まれる炭素。

● ヘルスケア:

 人生100年時代における健康的な生活の支援に向け、パートナー様との連携やデータの活用を通じて健康寿命の延伸を目指しています。

 例えば、2022年11月から、当社が開発する健康アプリ「ポケットヘルスケア」とApple Watchを組み合わせて、不整脈の一種である心房細動の早期発見を目指す実証研究を開始しました。

 また、2023年2月、岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構、慶應義塾大学医学部と共に、今回初めて日本人の血液のエピゲノム(注6)情報から年齢を推定する手法を開発しました。その成果は国際科学雑誌 The Lancet Healthy Longevity誌に2023年2月1日付(オンライン公開)で掲載されました。

(注6)ゲノムに加えられた修飾のことで、後天的に変化するもの。

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