KDDI 【東証プライム:9433】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
「サステナビリティ経営」を根幹とし、サテライトグロース戦略の推進と、それを支える経営基盤の強化により、パートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。このうち経営基盤の強化としては、社会的な重要課題であるカーボンニュートラルの実現、人財ファースト企業への変革、人権尊重や、グループガバナンス等への取り組みも推進してまいります。まず、地球規模で大きな課題となっているカーボンニュートラルについて積極的に取り組みます。KDDI単体で2030年度、グループ全体では2050年度のCO2排出量実質ゼロの実現を目指し、携帯電話基地局・通信設備などでの省電力化や再生可能エネルギーへのシフトを強力に推進していきます。また、変化の激しい事業環境の中で持続的に成長し続けていくためには、イノベーションの推進、社員や組織の高度な自律性と成長を促す「人財ファースト企業」への変革が不可欠です。イノベーションの推進においては、5Gおよび Beyond 5Gの研究開発および設備投資を強化します。また、サテライトグロース戦略に基づく事業創造・研究開発・ AI・先進セキュリティ技術への取り組みを加速し、スタートアップとのコラボレーションなどパートナーシップをより深化させていきます。
①ガバナンス
サステナビリティ推進体制
委員長を代表取締役社長、委員会メンバーは全事業・統括本部長、KDDI財団理事長、ならびに監査役で構成し、サステナビリティを全社経営戦略の柱として取り組んでいます。なお、サステナビリティ推進の達成度は全社重点KPIに織り込まれており、役員報酬ならびに全社員の賞与に連動します。
サステナビリティ関連のリスク及び機会はサステナビリティ委員会におけるKPIの進捗確認等を通じて管理し、同委員会から取締役会へ定期的に報告することで取締役会がそれらを監視する体制をとっています。
マテリアリティ再選定プロセス
当社グループは、中期経営戦略(23.3期-25.3期)の策定に伴い、次のプロセスにてサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を見直しました。
1.サステナビリティ情報開示の国際的なガイドラインであるGRI要請項目および情報通信業界に対するESG評価機関の要請事項から、重要課題を抽出
2.「長期投資家等マルチステークホルダーの関心事項(縦軸)」と「事業へのインパクト(横軸)」をそれぞれ点数化し、優先順位を設定
3.社外有識者等へのヒアリングによりいただいたご意見を反映し、6つの最重要課題(マテリアリティ)を特定
4.サステナビリティ委員会および取締役会で妥当性を審議し、確定
②戦略
6つの重要課題(マテリアリティ)
長期投資家等マルチステークホルダーの関心事項と事業へのインパクトを軸に、中期経営戦略における課題をマッピングし集約いたしました。当社の事業変革に必要なイノベーションの推進、事業の多様化に伴う人財強化やガバナンス強化、気候変動など国際社会の課題意識の高まりに対応した点が変化点です。
当社グループの6つの重要課題(マテリアリティ)に対処するための取組(実施内容)、指標及び目標は次の
とおりです。
提供価値 | サステナビリティ中期目標(23.3期-25.3期) | |||
実施内容 | 指標 | 23.3期実績 | 25.3期 | |
①未来社会の創造 | サテライトグロース戦略に 基づく事業創造・研究開発 プロジェクトの推進 | プロジェクト数(累計) | 20件 | 60件 |
自治体さまと連携した LXサービスの提供 | LXサービス提供地域・施設数の拡大 | |||
イノベーションの推進 による知的資本の強化 | 5G/Beyond 5G+サテライトグロース 関連領域の保有特許件数 | 対前年28%増 | 対前年20%増 | |
②サステナブルな 産業・インフラ環境 の実現 | 産業・インフラDXへの貢献 | IoT回線数(累計) | 3,240万回線 | 4,400万回線 |
お客さまの働き方改革を 推進 | KDDIのお客さま(法人)に占める、 ゼロトラストソリューションの導入率 | 7% | 35% | |
5Gエリアの拡大 | 5G人口カバー率 政府目標95%(24.3期)への貢献 | |||
重大事故撲滅 | 重大事故発生件数(設備障害) ※総務省の事故報告判断基準 ガイドライン等に準ずる | 2件 | 0件 | |
③地域共創の実現 | 地域のデバイド解消支援 | 支援者数(累計) ※スマホ教室、店頭サポート、使い方サポート、交通オンデマンド、地域教育支援(講義・セミナーなど)、かんたんTV電話、自治体・中堅・中小組織デバイド解消等 | 567万人 | 1,500万人 |
地域体験応援サービス の構築 | 地域体験応援サービス のご利用者数(累計) | |||
金融格差の解消 | 決済・金融取扱高 | 14.3兆円 | 16.3兆円 | |
④グローバルでの 地域・経済格差の解消 | 新興国における グローバル事業の拡大 | 新興国の国民の人権を尊重し、 国民の生活に不可欠な社会インフラの維持に取り組む | ||
モンゴルにおける 通信を活用した 教育や次世代の育成 | 次世代を担う13歳以下向け 通信サービス「Stars」の加入者数 (累計) | 13万人 | 18万人 | |
⑤カーボンニュートラルの実現 | 通信設備を含むKDDIの カーボンニュートラル化 | KDDIのカーボンニュートラル実現 | ― | FY2030 カーボン ニュートラル の達成 |
全世界のKDDIデータセンターの カーボンニュートラル実現 ※他社のデータセンター施設や設備を 一部借り受けてサービス提供する形態は除く | ― | FY2026 カーボン ニュートラル の達成 | ||
お客さまへの 再生可能エネルギー (再エネ)提供 | 法人契約に占める再エネメニュー率 | 22% | 60%超 | |
次世代再エネソリューションの提供 | 法人お客さま向けへのカーボンニュートラル支援ソリューションの提供拡大 ※グリーンICT/通信、電力SL、DX-SL、コンサルティング等 | |||
⑥KDDIグループ全体の経営基盤強化 | グループ全体のガバナンスと 情報セキュリティの強化 | 重大事故発生件数※1 ・サイバーセキュリティ起因の個人情報の 漏えいおよび重大なサービスの停止 ・個人情報の不適切な利用 ・上記以外の重大事故 | 0件 | 0件 |
先進セキュリティ技術への 取り組み件数※2(累計) | 7件 | 15件 | ||
⑦人権の尊重 | 人権を尊重した事業活動の実施 | グループ会社を含めた事業活動における人権リスク評価の実施と その結果に基づく改善 | ||
人権デューデリジェンス ※3 | 人権侵害の恐れがある 高リスク取引先の活動改善率 | リスク先を 選定し、 個別対話と改善提案を開始 | 改善率100% | |
⑧多様なプロ人財の活躍とエンゲージメント向上 | プロ人財育成の ためのキャリア開発 | 各専門領域のプロ人財比率 (KDDI単体) | 35% ※戦略領域 | 30% ※全領域 |
全社員におけるDX基礎スキル 研修修了者(KDDI単体:累計) ※習得機会はグループ会社へ拡大 | 6,222人 | 全社員 | ||
社員エンゲージメント サーベイの実施 | 社員エンゲージメントスコアの 維持向上(KDDI単体) | 73 ※四半期ごと (4回/年)の サーベイ結果平均 | 72以上を維持 | |
多様性を重視した人財の 活躍推進(DE&I関連) | 女性取締役の構成比率 (KDDI単体) | 16.6% | 20%以上 | |
女性経営基幹職の構成比率※4 (KDDI単体) | 10.6% | 15%以上 |
※1 主務官庁への報告・届け出等レピュテーションを著しく棄損する事案
※2 KDDI単体、KDDI総合研究所によるニュースリリース・トピックス件数
※3 当社グループ調達額90%および人権リスクが把握された取引先が対象
※4 受入出向者・在籍出向者ともに含まず集計
経営基幹職:組織のリーダーならびに専門領域のエキスパート、実績値は2023年4月1日時点の比率
③リスク管理
KDDIのアプローチ(リスクマネジメント・内部統制の考え方)
企業を取り巻くビジネス環境が常に変化する状況において、企業が直面するリスクも多様化・複雑化しています。当社は、経営目標の達成に対し影響を及ぼす原因や事象を「リスク」と位置付け、リスクマネジメントの強化が重要な経営課題だと認識しています。事業を継続し社会への責任を果たしていくために、グループ全体でリスクマネジメント活動を推進しています。
KDDIのリスクマネジメント・内部統制活動
当社は、コーポレート統括本部を中核として、リスクマネジメント活動を一元的に推進する体制を整えています。また、グループ全体の持続的な成長を実現するため、当社のみならずグループ会社などを含むグループ全体でのリスクマネジメント活動を推進しています。当社に44名、グループ会社各社に計44名の「内部統制責任者」を配置し、さらにそれを統括する5名の「内部統制統括責任者」を任命しており、同責任者のもと、内部統制システムの整備・運用およびリスクマネジメント活動を推進するとともに、リスクが発現しにくい企業風土を醸成するため業務品質向上活動を展開しています。
リスクマネジメント活動サイクル
当社は、会社の危機を未然に防ぐためには、その予兆を把握し、事態が悪化する前に対策を講じることが重要という認識のもと、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを構築しています。また、リスクの発現時には迅速かつ適切な対応がとれる危機管理体制を整備しています。
リスク特定プロセス
当社は、リスク情報を定期的に洗い出し、会社事業に重大な影響を与えるリスクを重要リスクと位置付け、これらの重要リスクの発現およびその発現した際の影響を可能な限り低減するための対応策を検討し、対策を講じています。2022年度は、経営目標を確実に達成するために、過去に顕在化した課題のほか、事業環境の変化を踏まえ、重要リスク29項目を選定し、リスクの予見、重要リスクの低減活動およびリスクアプローチによる内部監査を実施しました。情報セキュリティ活動においても、グループ全体の統一基準を制定し、グループ全体で情報セキュリティレベルの向上を推進し、情報セキュリティリスクの低減を図っています。これら重要リスクの状況については、財務影響との関係から当有価証券報告書の「事業等のリスク」にも反映しています。
内部統制システム構築の基本方針
当社は、会社法第362条第5項の規定に基づき、「内部統制システム構築の基本方針」を取締役会にて決議し、決議内容および運用状況を対外的に公表し、会社業務の執行の公正性、透明性および効率性を確保するとともに、企業クオリティの向上にむけて、実効性のある内部統制システムの整備を図っています。
内部統制報告制度(J-SOX)への対応
2008年度から適用された金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への対応として、財務報告の信頼性を確保すべく、当社および国内・海外の主要なグループ子会社11社の計12社に対して、内部統制評価を実施しました。評価結果については内部統制報告書として取りまとめ、2023年6月に内閣総理大臣に提出し、投資家の皆さまに開示しています。
業務品質向上活動
当社は、内部統制報告制度への対応に併せて、企業クオリティ向上の観点から内部統制部を全社の業務品質向上活動の推進事務局とし、各部門の内部統制責任者が推進役となり、業務の効率化、標準化を図りながら、業務の質を高める業務品質向上活動に取り組んでいます。この活動による業務改善案件は、全てデータベース化され、全従業員が自部門の業務品質向上活動に活用できる仕組みを整えています。また、優秀で意欲的な業務改善案件に対して表彰する制度「業務品質向上賞」を導入し、従業員一人ひとりの業務品質に対する意識・モチベーションの向上を図っています。さらに、業務品質の向上と生産性・効率性の向上を両立させる取り組みとして、RPA (Robotic Process Automation)に係るシステム環境および体制(制度・教育)を整備し、全社でのRPA導入を推進しています。
業務品質向上の浸透活動
• eラーニングの実施
• メールマガジンおよび社内報における役員メッセージや好事例の共有
• 表彰制度の実施(年1回)
④指標及び目標
上記に記載の②戦略の項目をご参照ください。
(2)人的資本・多様性
①ガバナンス
(1)に記載の「サステナビリティ全般」における①ガバナンスの項目をご参照ください。
②戦略
「サステナビリティ経営」を根幹とし、サテライトグロース戦略の推進と、それを支える経営基盤の強化により、パートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。このうち経営基盤の強化の1つとして、人財ファースト企業への変革を推進しております。
[人材育成方針]
a.事業を支える組織・プロ人財の実現
グループ会社全体の持続的な成長の実現に向けて事業戦略を推進するにあたり、動的な人財ポートフォリオを用いたマネジメントにより、必要となるプロフェッショナル人財を質・量の両面でモニタリングし、充足していきます。
人財採用では、キャリア採用を促進し、新卒においても専門性深耕を目指すコースを拡充することで、プロフェッショナル人財の割合を高めていきます。入社後は、KDDI版ジョブ型人事制度により職務・スキルを明確化し、成果・挑戦・能力を評価することで、プロ人財を創り、育てていきます。特にDX領域については、全社員が基礎スキルを習得するとともに、グループ内に順次拡大していきます。また、グループ会社全体の事業戦略に合わせた公募等による異動やグループ内副業の実施により、適所適材を実行していきます。
[社内環境整備方針]
b.多様な人財が生き生きと働く環境の整備
一人ひとりの社員が生き生きと、エンゲージメント高く、健康に働くことがグループ会社全体の持続的成長につながると考え、データドリブンで各種施策を実行し、グループ会社全体の環境整備を図っていきます。
当社では、四半期ごとに全社でエンゲージメントサーベイを実施の上、各組織の結果を踏まえて、職場の課題や解決策について継続的に対話を行います。また、グループ会社各社では、同様の従業員満足度調査を実施しています。
DE&Iを事業戦略に活用し、多様な人財が個性や能力を発揮するための環境整備、風土醸成を継続的に行います。
また、全社員に対するカウンセラー面談とデータに基づく健康施策の実行により心身の健康面のフォローを行います。
③リスク管理
(1)に記載の「サステナビリティ全般」における③リスク管理の項目をご参照ください。
④指標及び目標
[人材育成方針に関する指標内容、当該指標を用いた目標及び実績]
a.事業を支える組織・プロ人財の実現
各専門領域のプロ人財比率、DX基礎スキル研修修了者の各指標の目標及び実績は、(1)に記載の「サス
テナビリティ全般」における②戦略の項目をご参照ください。DX基礎スキル研修修了者については、KDDI単
体全社員が習得するとともに、グループ会社へ順次拡大しています。
[社内環境整備方針に関する指標内容、当該指標を用いた目標及び実績]
b.多様な人財が生き生きと働く環境の整備
社員エンゲージメントスコア、女性取締役の構成比率、女性経営基幹職の構成比率の各指標の目標及び実績は、(1)に記載の「サステナビリティ全般」における②戦略の項目をご参照ください。社員エンゲージメントスコアについては、同様の従業員満足度調査をグループ会社へ順次拡大しています。
(3)気候変動
気候変動については、TCFDフレームワークに準拠して記載しております。
①ガバナンス
当社は、事業を通じた社会課題の解決(SDGs)・社会貢献・気候変動対策などのサステナビリティ(持続可能性)に関する課題を審議する機関として、代表取締役社長が委員長を務め取締役会の主要メンバー等で構成するサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会では、当社における気候変動に関する重要な課題や取り組みについて確認および議論を行い、リスクと機会に関する監視、監督を行うとともに報告事項などの承認を行う責任を担っています。上期には「前年度目標達成状況の確認」と「目標未達の場合はその要因分析と対策確認」、下期には「当年度目標進捗状況の確認」と「次年度目標の設定」を行います。また、取締役会は四半期ごとに気候変動に関するサステナビリティ委員会からの報告を受け、重要な課題や取り組みに対する施策実施の監督および指示を行っています。
②戦略
当社は、2030年を見据えたKDDIのSDGs「KDDI Sustainable Action」を2020年5月に発表し、その中で地球環境の保全を社会課題の一つとして考え、エネルギー効率の向上と2050年までにCO2排出量実質ゼロの達成を目指すことを公表しました。具体的には、COP21で採択されたパリ協定の合意を受けた「急速に脱炭素社会が実現する2℃未満シナリオ(産業革命前からの世界の平均気温上昇が2℃未満)」と「気候変動対策が何らされず物理的影響が顕在化する4℃シナリオ(産業革命前からの世界の平均気温上昇が4℃)」の2つの分析を行いました。その結果、2017年3月に策定したKDDI環境保全計画「KDDI GREEN PLAN 2017-2030」を「KDDI GREEN PLAN 2030」に改称し、「KDDI環境憲章」のもと、「気候変動対策」「循環型社会の形成」「生物多様性保全」を推進し、地球環境保全により一層貢献することを発表しました。
さらに2022年4月、より積極的なカーボンニュートラルの実現に向けた検討を行った結果、従来の目標を20年前倒しし、2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロ実現を目指すことを発表しました。
シナリオ分析結果
・急速に脱炭素社会が実現する2℃未満シナリオ(産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃未満とする目標が達成される未来)
参照:IEA(International Energy Agency)World Energy Outlook 2018 Sustainable
Development Scenario(SDS)、IEA Energy Technology Perspectives 2017 Beyond 2℃ Scenario(B2DS)、ETP(Energy Technology Perspectives)2017、2020
移行リスク分析 | KDDIとしてのリスク内容 | KDDIの対応 | |
政策・ 法規制 | 炭素税 | 炭素税課税リスク※1 | 化石燃料電力から再生可能エネルギー電力への切り替えを計画中 |
都条例 | 削減量未達となったCO2排出量に対するクレジット(排出枠)買い取りのコスト増加リスク | 第三計画期間の削減未達見込み排出量(約5万t-CO2)への対応として、第二計画期間排出権を購入 | |
消費電力削減・CO2排出量削減への新技術導入 | 基地局におけるAI技術や各種設備における省エネ化新技術の開発、CCUS※2開発等のコスト増加リスク | 各種技術開発への投資 | |
市場・評判 | KDDI GREEN PLAN 2030目標未達や再生可能エネルギー化の取り組み遅れによるKDDI企業評価低下および加入者減のリスク | 化石燃料電力から再生可能エネルギー電力への切り替えを計画中 |
※1 2030年度のCO2排出量見込みは約50万t-CO2 のため、炭素税7,700円/t-CO2の場合、年間約38.5億円の課税を想定
※2 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2回収・貯留技術)
・気候変動対策が何らされず物理的影響が顕在化する4℃シナリオ(産業革命前からの世界の平均気温が4℃上昇する未来)
物理的リスク分析 | KDDIとしてのリスク内容 | KDDIの対応 | |
急性 | (台風や洪水等の)異常気象による災害の激甚化と頻度の上昇 | 迅速な通信網復旧対応を行うための緊急復旧要員人件費等のコスト増加リスク | BCP※3の見直しと災害時復旧訓練実施による効率的な復旧作業への備え |
慢性 | 平均気温上昇 | お客さまからお預かりしたサーバを冷却するための、KDDIデータセンターの空調電力使用量の増加リスク | 高効率空調装置の導入や再生可能エネルギーへの置換 |
※3 Business Continuity Plan(事業継続計画)
参照: IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)第5次評価報告書
③リスク管理
当社グループのリスク管理を主管するコーポレート統括本部は、気候変動を含め、当社の財務上および経営戦略上、重大な影響を及ぼすすべての事業部門のリスクの抽出を年2回、半期ごとに実施しています。抽出されたリスクの中で、気候変動に関するリスクについては、環境ISOの仕組みを活用し、環境マネジメントシステム(EMS)のアプローチで管理しています。管理対象のリスクは、関係する各主管部門においてリスク低減に関する定量的な年間目標を策定し、四半期ごとに進捗評価を行います。進捗評価で指摘された改善内容については、サステナビリティ委員会傘下の部会であるカーボンニュートラル部会で報告され、全社・全部門に関係するリスクと機会については、サステナビリティ委員会で議論のうえ承認されます。
④指標及び目標
当社は、2012年度よりKDDI単体、2021年度より当社グループの温室効果ガス排出量を算出し環境負荷の定量的把握を通じて、気候変動が当社に及ぼすリスクと機会の管理を行っています。以下の指標と目標を掲げ、今後も温室効果ガス排出削減にむけ活動を進めていきます。
CO2排出量 | 2022年度(推定値、連結) | 目標 |
Scope1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出) | 90,920 t-CO2 | 単体で2030年度、連結で2050年度のカーボンニュートラル達成 |
Scope2(他者から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)の合計値 | 1,307,873 t-CO2 |
最新情報は、9月以降に公表予定のサステナビリティ統合レポート2023における温室効果ガスScope1+2の排出量(実績)に関する記載をご参照ください。
- 検索
- 業種別業績ランキング