企業Japan Eyewear Holdings東証スタンダード:5889】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、金子眼鏡とフォーナインズというブランドを保有しています。それぞれのブランド力を最大限に活かし、グループ全体の事業価値の極大化を目指します。両ブランドの世界観・ロイヤルユーザー・販売網は、お互いの独自の強みです。両社の戦略・ブランド・店舗網を尊重し、両社にとってメリットの多い領域においては前向きに事業提携・シナジーを追求していくことで持続的な成長を維持するべく取り組んでまいります。

 金子眼鏡グループの売上構成は約9割が直営店における小売販売が占めており、年齢・性別に偏りなく幅広いお客様にご支持いただいています。一方で、フォーナインズグループの売上構成は小売販売と卸売販売が約5割ずつとなっています。フォーナインズ直営店の顧客層は、40代~50代の男性が中心となっており、金子眼鏡グループの店舗の顧客層と住み分けができております。また金子眼鏡はよりクラシカルでオーセンティックなデザイン、フォーナインズはよりモダン・スタイリッシュなデザインで機能的というブランドイメージとなっているものと認識しており、当社グループ内での競合(カニバリゼーション)は大きくないと考えております。

 今後、両ブランドともに国内外での直営店出店を成長ドライバーとして考えており、出店先物件情報の共有化を通じてシナジーを追求するほか、金子眼鏡グループの保有する眼鏡フレーム製造工場を活かして当社グループ全体の内製化率を高めることにも取り組んでまいります。

(2)経営環境及び経営戦略

 眼鏡小売市場は、高齢化の進展による老視人口の増加、また、パソコン・スマートフォン等の電子デバイスの普及に伴う若年層の視力低下、眼精疲労、スマホ老眼の増加など、眼鏡需要増加の事象も見られます。また、個人のライフスタイルや価値観の変化に伴いお客様のニーズが多様化することで、眼鏡小売市場は低価格帯と高価格帯に二極化しており、それぞれの市場は堅調に推移しております。

 当社グループは、日本発の世界トップクラスの高価格アイウェアブランドを目指しており、高級感を求める顧客の要求を常に意識し、改善・改革に取り組んでまいります。国内市場においては、お客様に照準を合わせた商品・技術・接客サービス面のアプローチを積極的に強化・推進することで顧客満足度の向上を実現し、ロイヤルカスタマーに結びつけることで、企業価値の向上に努め、成長を図る所存です。また、グローバル展開を視野に国内発の高価格アイウェア・グループを目指し、新しい展開を拡大してまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、サービスレベルの向上、人材投資、各ステークホルダーへの収益還元のために、更なる事業拡大と経営基盤および収益体質の強化実現を目指しております。持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDA(注)を重視し、これらの向上を目指しております。

(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+識別可能資産償却費

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、上記のような経営方針等を踏まえ、既存店の収益拡大、新規出店、インバウンド需要取り込みを軸に国内売上の拡大を図るとともに、中国出店を足掛かりとするアジア展開により海外売上の更なる伸長を目指してまいります。具体的な課題は以下の通りです。

① 継続的な単価の向上

 当社グループでは、ブランド価値向上を背景にした価格改定を含む戦略的なプライシング、高品質のフレームに合うレンズ等の高機能・高単価商品の積極的な提案により、継続的な単価の向上を図っております。単価向上を図るためにはカスタマーロイヤリティが構築できていることが前提となりますが、カスタマーロイヤリティ構築及び単価向上を実現するため、高品質のものづくりの追求に加え、ブランドイメージを高める店舗立地や店舗デザインの実現、店舗スタッフの専門性向上に努めております。フォーナインズにおいては価格改定について従来積極的に取り組んでおりませんでしたが、金子眼鏡のノウハウを活かし、今後は積極的に実施していく方針です。

 直近5期間における一式単価(フレーム及びレンズの購入単価合計)の推移は以下のとおりです。

 

2020年1月期

2021年1月期

2022年1月期

2023年1月期

2024年1月期

金子眼鏡

65,803円

67,187円

69,157円

69,872円

72,862円

フォーナインズ

73,489円

72,313円

72,927円

74,611円

78,708円

 (注)1.直近5期間の各期について、国内直営店の2月1日から1月31日までの集計結果であります。

 なお、フォーナインズグループについては当社がグループ化するまでは8月決算であったため、上記は実際の決算期とは異なります。

2.フレームは眼鏡のみ(サングラス、高額品、OEM等は除く)、レンズは眼鏡の単焦点・多焦点の合計(サングラス等のレンズは除く)の集計となっております。

② 着実な店舗網の拡大

 金子眼鏡グループでは、ブランド力を希薄化させないよう、出店立地を厳選しながら着実に店舗数を拡大してまいりました。今後も、高級ブランド街、百貨店、アウトレット等、立地を厳選した上で、年間5店舗程度の新規出店及び既存店舗の近隣好立地への移転を目標として安定的に店舗数を拡大し、当社ブランドの認知向上及び新規顧客需要の創出を図っていく方針であります。既に都心においては出店が一定程度進んでいる中で、地方都市への展開も強化してまいります。一方で、デベロッパーの出店コンセプト等を踏まえて当社グループのブランド戦略にそぐわないと考えられるようになった店舗がある場合には、近隣の好立地への移転も検討してまいります。

 また、従来卸売比率の高かったフォーナインズグループにおいても、金子眼鏡の出店ノウハウを活かし、直営店出店を加速していく方針であります。まずは都心を中心に、年間数店舗程度の新規出店を進めていく方針です。

 直近5期間の各期末時点における、金子眼鏡株式会社及び株式会社フォーナインズの国内店舗数(直営店)の推移は以下のとおりです。

(単位:店)

 

2020年1月期

2021年1月期

2022年1月期

2023年1月期

2024年1月期

金子眼鏡

61

63

67

74

80

フォーナインズ

13

13

13

11

14

 (注)1.直近5期間の各期については1月末時点の国内直営店店舗数であります。

 なお、フォーナインズグループについては当社がグループ化するまでは8月決算であったため、上記は実際の決算期とは異なります。フォーナインズグループでは、2022年1月期に東京・銀座エリアで展開していた銀座本店と銀座並木通りサロン店を統合し、新たな銀座本店を開店しました。また、2023年1月期にはイセタンサローネメンズ(丸の内)の撤退に伴い、店舗数が減少しております。

③ 海外展開、インバウンド需要への対応

 グローバルブランドとして更なる成長を図るため、海外展開を強化していく方針であります。特に、短期的には、高価格帯アイウェアの市場として成長可能性が高く、ラグジュアリーブランドへの嗜好性も高い中国を重視すべきと考えており、既に出店済みであるフランス、シンガポールに加え、2023年4月に上海に金子眼鏡の中国1号店(直営店)を出店いたしました。中国においては、実際の金子眼鏡直営店出店後の平均一式単価は日本よりも高価格帯であり、当社グループとして高い成長ポテンシャルを見込んでおります。中国におけるブランド認知を向上させるとともに、中国における現地売上拡大及び国内インバウンド売上や越境EC売上等の更なる拡大を目指してまいります。今後もまずは中国におけるブランドイメージが醸成されやすいロケーションを中心に直営店出店を進め、中長期的には、中国の主要都市の一等地への出店を拡大するとともに、台湾・香港をはじめとしたグレーター・チャイナ及びアジアでの出店も検討してまいります。また中長期的には、直営店に加えて、必要に応じて現地パートナー企業との提携も検討していく方針です。

 足元では、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)業界環境に関するリスクについて ③ パンデミックの発生」に記載の通り、当社グループのインバウンド売上は新型コロナウイルス流行前の水準を上回っておりますが、コロナウイルス流行前のインバウンド需要を牽引してきた中国からの訪日客の割合は依然回復しておらず、団体旅行の解禁等により更なる回復が期待できると考えております。

 また、今後大きく回復が見込まれるインバウンド需要については、インバウンド顧客の割合が高い店舗を中心に語学を含めて対応できるスタッフを重点配置するなど、インバウンド需要の取り込みを強化してまいります。

④ 内部管理体制の強化

 今後の業容拡大を展望した場合、各種業務の標準化と効率化によって事業基盤を確立させることが重要な課題があると認識しております。そのため、適切かつ効率的な業務運営を遂行するために従業員に対し業務フローやコンプライアンスなどを周知徹底させ、内部管理体制の強化を図るとともに、業務の効率性と適正化の確保に努めてまいります。

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