企業JESCOホールディングス東証スタンダード:1434】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営基本方針

当社グループは、「For Safety For Society」を基本理念に掲げ、国内及びベトナムを中心とするアセアンにおいて、カーボンニュートラルやSociety5.0等、 持続可能で豊かな社会の実現に向けて、ダイナミックにChallenge&Innovationする企業集団を目指しております。

長年培ってきた電気設備・電気通信設備工事の技術や経験を活かし、様々な社会インフラの構築及び保守メンテナンス、さらに老朽化したインフラ設備の更新工事に取り組んでおり、総合エンジニアリング企業として、社会インフラに関する各種の課題に対し、企画・調査・コンサル・設計・施工・保守メンテナンス等、高度なサービスをワンストップで提供することによって、安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献してまいります。

(2) 中長期的な目標

 当社のビジョン「日本及びASIAを中心にカーボンニュートラルやSociety5.0、及びレジリエントな社会の実現に向けてダイナミックにチャレンジする企業集団を目指します」に基づき、昨年、新中期経営計画(2023年8月期~2025年8月期)を策定いたしました。

 新中期経営計画では、国内EPC事業においては、再生可能エネルギー設備建設工事及び無線通信インフラ関連設備工事、アセアンEPC事業においてはエンジニアリング事業を注力分野とし、さらに新たに立ち上げたCRE(不動産)事業により、「EPC事業」と「CRE事業」を2本柱とする両利きの経営を推進し事業の多角化を図るとともに、事業を通じてサステナブルな社会構築を目指しております。

 また、中長期といたしましては、こうした施策に加え、新規受注の拡大や業務提携、M&A等の施策により、グループ全体の売り上げ目標を200億円としております。

(3) 会社の対処すべき課題

 ウクライナ情勢の長期化や金融不安、資材・エネルギー価格の高騰等により、世界経済は引き続き厳しい状況が見込まれるものの、国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の影響が低減し、社会経済活動の正常化とさらなる回復が期待されます。

 このような環境下、世界規模でのサステナブルな社会の実現に向けて取り組みが強化されており、再生可能エネルギー分野においては、脱炭素社会実現に向けてマーケットが引き続き拡大を続ける中、太陽光発電設備工事のさらなる需要増加が見込まれます。

 情報通信分野においては、Society5.0の社会実現に向けてBeyond5G(6G)の通信環境構築が急がれており、これに向けた5G基地局関連設備工事、また気候変動に伴う甚大災害に対応した防災減災関連設備工事が見込まれる他、老朽化した社会インフラ設備更新や保守メンテナンス等についても、安定した成長が期待されます。

 アセアンにおいては、旅客取扱い能力増に向けた空港の拡張等、空港への投資に向けた動きが見られる他、ベトナムにおける不動産開発会社の融資や社債発行への規制強化等の改善が期待されます。

 当社グループでは、こうした事業環境下において、サステナブル経営を軸に、以下の成長戦略により事業の拡大を図ってまいります。

1)サステナブル経営

世界を取り巻く異常気象が激しさを増しており、脱炭素への取り組みが喫緊の課題となってきています。当社においては、森林の保有・維持管理によるカーボンニュートラルの推進や水資源確保とともに、使用電力の100%再エネ化(再エネ100 RE Actionに参画)など、SDGs実現に向け積極的に取り組んでまいります。 

森林につきましては、2022年9月に那智勝浦の保安林(16.7ha)が、都市に立地する企業の緑地管理による地域への社会貢献として評価され、都市緑化機構のSEGESからExcellent Stage2の認定を受けました。生物多様性を高めるネイチャーポジティブアプローチなどさらなるステージアップによりExcellent Stage3を目指すとともに、保有する森林(現在約31ha)をさらに拡大し、国内グループの排出CO₂(約580トン)の100%吸収を進めてまいります。

また、持続的な成長に向けて、新たな社会インフラの構築や老朽化したインフラ設備の更新工事の需要が高まる一方、国内における人口減とともに、建設業では、高度技術者不足が大きな問題となっており、当社においても人材不足と教育が重要な課題であります。当社では、独立行政法人「国際協力機構」(JICA)と締結した「ベトナム国BIM理論を活用した産学連携教育事業による電気設備技術者育成のための案件調査」について、工学院大学とSOBA Projectとの産学連携によりベトナム国ダナン工科大学と共に調査を実施し、2023年8月に結果報告が完了いたしました。2024年度の普及・実証の提案に向けて、引き続き取り組んでまいります。

2)成長戦略

国内EPC事業では、2023年9月1日付けで、連結子会社であるJESCO株式会社について、注力分野である「再生可能エネルギー関連設備事業」と「無線通信インフラ関連設備事業」を主体とする二つの会社に分割しました。時代の変化を迅速に捉えた機動的な組織体制の構築、また経営体制の強化や次世代経営者の育成により、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

①再生可能エネルギー関連設備

世界的な脱炭素社会実現に向けた動きが加速しており、当社グループが注力分野の一つとしている太陽光発電所についても、企業自らが再生可能エネルギーを創出する自家消費型の太陽光発電システム市場が大きく拡大しています。引き続きPPAモデルの自家消費案件に注力するとともに、今後拡大が期待される太陽光パネルのリサイクルに向けて、2023年2月に業務提携したJ&T環境株式会社(JFEグループ及び、東京電力・中部電力のグループ会社である株式会社JERAが出資するリサイクル企業)と連携して、EPCからリサイクル事業までライフサイクルに亘りワンストップでサービスを提供する新たなビジネスモデルを提供してまいります。

②無線通信インフラ関連設備

2023年7月に「国土強靭化基本計画」が改訂され、大規模災害への備えをより盤石にする方向性が出されており、当社グループでは引き続き、河川監視システムや防災無線システム等の防災減災分野に注力してまいります。また、移動体通信システムにおいては、総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」の2030年末5G人口カバー率99%実現及びSoceity5.0の未来社会実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。

③アセアンEPC

ベトナムのエンジニアリング部門では、コロナ禍で取り組んできたDXをさらに進化させ、国内技術部門との連携を深めるとともに、2022年に開設したロンアン支店、カントー支店を含め5拠点において、現状の220名から300名への早期増員と技術強化により事業の拡大を図ってまいります。建設部門では、不動産開発会社の融資や社債発行への規制強化等により厳しい状況が続いておりましたが、改善傾向が見られ、今後とも注視するとともに、ベトナム国際空港(ロンタイン、ノイバイ)、再生可能エネルギー、防災減災関連設備等の事業拡大に取り組んでまいります。

④CRE(不動産)

「両利きの経営」を支える新たな事業として、2022年1月にJESCO CRE株式会社を設立しました。従来より、駅近の高付加価値のオフィスビルを所有し、賃貸等により高い収益性を確保してきましたが、不動産バリューアップ事業や不動産売買、不動産証券化、不動産仲介等、総合不動産事業として、さらに高い収益性を維持しながら、社会資本の有効活用に貢献してまいります。

3)資金面での取り組み

資金につきましては、保有不動産の適切な運用により流動性の確保を図りつつ、アセアンにおける事業拡大、国内外でのM&A資金等に活用する方針であります。また、金融機関や証券市場を通じた資金確保も可能であります。

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