Jストリーム 【東証グロース:4308】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社では、「Jストリーム行動規範」の中で、IT産業特有の情報通信技術を提供して社会に貢献する旨と、環境保全に自主的・積極的に取り組む旨を定めております。創業後まもなく、当初描いていたネットコンテンツ配信という事業像に、インターネット動画のビジネス利用が加わり、以降、常にネット動画を利用したビジネスコミュニケーションの活性化を行い、リアルなコミュニケーションを代替、または補足するというビジネスモデルをあらゆる業種の企業向けに展開しております。
現時点において、当社およびグループ企業は、IT領域に特化した企業集団であり、物品の生産設備や輸送機器を保有しておらず、主要な保有設備であるサーバ群についても、自社でのデータセンター施設はなく、通信事業者等のデータセンターに自社サーバを設置しております。また、ビジネスモデルが、企業活動におけるDX実現から収益をあげるものであり、当社サービスの利用は基本的に人の移動を削減し、エネルギー消費を効率化・抑制する効果があるものと認識しております。気候変動への取り組みについては、当社の業態・事業規模を踏まえたうえで、優先順位、取組手法を設定しております。
また当社では、「Jストリーム行動規範」及び「リスク管理規程」の下、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しており、必要に応じ社内にデータ提供等を求めつつ課題検討、実績の確認、経営メンバーへの共有、取締役会における報告を行っております。
(2)リスク管理
当社では、前掲のとおり、リスク管理に関して必要な事項を定め、リスクの防止及び会社損失の最小化を図ることを目的とし、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。同委員会の管理するリスク項目の中では、気候関連リスクが「国内外の災害・事件・事故に関するリスク」および「環境に関するリスク」として定義づけられており、他のリスク要因と共に管理、リスクの防止、会社損失の最小化を図っております。
[リスク管理委員会の構成]
①委員長 社長(リスク管理最高責任者)
②事務局長 管理本部長(リスク管理責任者)
③委員 社長が指名する役員及び社員
④オブザーバー 常勤監査役
⑤事務局 法務・広報部
また、気候関連リスクを含む関連する情報を基に、具体的なリスクの存否と程度、対策の要否とその内容等についての検討を行い社内施策への反映を図ると共に、決算説明会や当社コーポレートサイトを通じてその取組みを開示しております。
(3)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は
以下のとおりであります。
①環境
②社会
③ガバナンス(企業統治)
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
①環境
気候変動への対策
当社では、業務上利用する主要な機器であるサーバ、PC等電気・電子機器に関してグリーンPCをはじめとした環境保全に配慮した備品調達を行っております。当社事業は、主要な市場として認識している3市場のうち、特に
・医薬企業の医師向けマーケティング活動を中心とした動画コミュニケーション(EVC: Enterprise Video
Communication)に関連するライブ配信サービス、コンテンツ制作サービス等の提供
・医薬以外の業種全般における動画コミュニケーション(EVC)に向けた動画ソリューションの開発・提供
の2市場に関しては、その基本的なビジネスモデルが、企業活動におけるDXの実現から収益をあげるものであり、当社サービスの利用は基本的に人の移動を削減し、エネルギー消費を効率化・抑制する効果があるものと認識しております。
こうした背景から、環境項目は、当社の企業価値(経済的利益)とCO2削減という社会価値(社会的利益)が一致する点であり、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)が実現できていると考えております。2022年度においては、当社が実際に携わっているウェブセミナー参加者のアクセス地域を測定し、ウェブ利用により実移動を行わないで済むことに伴いCO2排出を削減できる効果を試算いたしました。この結果、例えば参加者1,000人規模の全国セミナーをネット開催しますと、一度で東京ドーム435個分の森林が一日に吸収するほどの量のCO2排出を削減できることが判明しました。今後も、気候温暖化対策への貢献度の可視化や、会社としての消費資源、主に電力消費の可視化と削減に取り組む方針です。
②社会
災害に強いインフラ、新しい技術の開発と産業化
当項目においても、当社は企業価値(経済的利益)と社会における情報インフラの安定や災害時拠点強靭化への支援という社会価値(社会的利益)の一致があり、CSVが実現できていると認識しております。当社では、動画ソリューションの一部として、通信キャリアのデータセンターなどに設置しております配信インフラを用いて構築したCDN(Content Delivery Network)を提供しております。安定性・堅牢性をもち円滑なコンテンツ配信を実現するネットワークシステムであるCDNは、2015年から推進されている自治体情報セキュリティクラウドの強化において主要な役割を果たしております。また、大雨により避難が必要な地域の情報提供、大雪による交通機関停止時の復旧情報へのアクセス集中による障害回避等、災害時の重要な情報提供にもCDNは貢献しております。当社のCDNサービスである「CDNext」においては、導入しやすい地方公共団体向けプランを設定しており、2023年3月期末時点において、全国200を超える数の市区町村に導入されており、災害時拠点強靭化に向けたインフラ支援策となっております。
技術革新に向けた当社技術の適用
また、当社では技術革新に向けた当社技術の適用を意図し、ネットワーク技術を中心とした各種の実証実験、調査研究に参画しております。
・効率的な地域分散型ネットワーク構築を目指したISPのトラヒック集約、効果測定に関する実証実験
・トラヒック流通効率化に向けた地域IXに関する調査研究
・データ連携によるネットワーク機能動的制御技術の研究開発
・IPv6アドレスの地理情報を用いた動画配信制御の実証実験
等を実施、または現在実施中であり、今後も当社の専門能力を活かし、産業におけるイノベーションに貢献していきます。
だれもが健康で幸せな生活を
当社では、スポーツは社会の健全な発展に有益であるとの認識のもと、SDGs採択以前から各種支援を実施してまいりました。2014年から、小中学生ラグビー選手の基礎力鍛錬のための私塾「FUNDAMENTAL エリートアカデミー 藤田塾」の活動に協賛しております。
③ガバナンス(企業統治)
働きがいも経済成長も
当社では、公益通報者保護法、個人情報保護法の各法令及びその改正に対応した体制を講じ、法令等違反による事業停止を防ぐ施策を講じております。また、法令遵守の枠組みより広い形で企業としての方向性を維持形成し、事業会社として長期的に成長していくために、コーポレートメッセージ「もっと素敵な伝え方を。」を定め、この下で、マネジメントに対する共感度や働きがいを高める取り組みを展開しております。
2017年の創業20周年を機に、企業としての一体性の向上、社員のエンゲージメントを高めるためのプログラムとして「JストリームWAY」(業務上判断に迷った際に参考になるような行動方針をカジュアルな形で共有するもの)をボトムアップで作成。この告知、普及活動を行うエヴァンジェリストを社員から選定し、現在3期目の活動に入っております。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社では、人材を会社が最も大切にすべきものであり、当社の競争力の源泉であると位置づけ、その成長支援・人材開発をますます重視していくことを基本方針としております。そのための社内環境整備にあたっては、5つの基本方針のもとで、人事制度設計や各種人事施策を実施しております。
<5つの基本方針>
①会社の成長ステージとともに、人事制度も常に見直し続ける
②社員と会社は、日々の業務の中で成長競争を繰り広げる関係である
③人事制度の中心にあるのは、人材開発である
④チャレンジした人を評価し、チャレンジする風土を醸成する
⑤JストリームWAY行動に満ち溢れた組織を実現させる
現在は、2022年度からは「みんなの活躍推進施策」にも取り組み、「自ら考え、周囲の力を借りながら、自ら一歩前に踏み出すような活躍を、楽しみながらし続けられる人」を目指す人材育成像として、人事部が中心となって各種施策を展開しております。
<多様な人材のモチベーションと社員力を高めていくための取組(一部)>
マネジメント強化施策 部課長の組織管理強化のための支援と開発の取組
(新任組織管理者向けライセンス研修と同ライセンス更新研修)
新任マネジメント層向けマネジメント/リーダーシップ研修
JST(ジェイスト)マネジメント・ミラー 360度評価とフィードバック研修
全体の社員力底上げ施策 主任格社員向けミニMBA的研修
新卒者向け1年目終期のフォロー研修、3年目研修
各事業本部で実施する専門的人材育成施策に沿った追加研修等の実施による支援
人事制度による施策 「飛び級昇格」の制度化、社内公募制度のトライアル、新卒社員のジョブ型採用
テレワーク・ロケーションフリー制度の運用、ワークシフト手当
絶対評価に基づく評価制度、ラインケア支援施策
キャリア自律支援施策 副業制度の実施、セルフ・キャリアドックの導入、キャリア面談制度の導入
社員交流促進施策 JSTプレイス 参加社員同士の対話を重視したオンライン「研修型交流」プログラム
原則レクチャー型研修を廃し、対話型の研修として学びつつ対話・交流を促進
また、当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、連結グループにおける記載が困難である為、連結グループにおける主要な事業を営む当社単体の記載をしております。当社は、2021年から立ち上げた人材開発体制を強化・定着させることを重要課題と認識しており、社内における人事部主催の多様な研修の回数を2023年度の指標としております。2022年度に49回だったものを2023年度は60回実施する(前年比122.4%)前提で進めております。
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