企業IMV東証スタンダード:7760】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社は開発型企業として顧客のニーズに応えるべく、各装置において積極的に研究開発活動に取り組んでおります。継続的な新製品・新技術の研究開発活動には大別して振動試験技術と振動計測技術があります。当連結会計年度の研究開発費の総額は734百万円であります。

 なお、当社グループの事業は単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、品目別に記載しております。

 主な研究開発テーマとその内容は以下のとおりであります。

(1) 振動シミュレーションシステム

① クラウドサービス

ITの進化によって社会環境は大きく変化しており、振動試験に対しても遠隔ソリューションや情報の効率的な利用等の要望が高まってきております。このような環境下のニーズに対応するため、振動試験現場のDXを推進するクラウドサービスとして「iMVcloud」を開発し、多数のお客様に導入して頂いており、リリース後も、常にお客様の声に耳を傾け、ご要望が多数あったカレンダー機能の追加など、継続的な改善を行っております。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は16百万円であります。

② 次世代振動シミュレーションシステム

 電気自動車の普及、航空宇宙ビジネスの伸長、ドローンの利用拡大、労働人口の減少など、振動試験を取り巻く環境は常に変化をしています。当社は、振動シミュレーションシステムを構成する振動発生機、電力増幅器、振動制御器のすべての機器を自社開発しており、この総合力を活かして、試験ニーズの変化に対応した開発を行っております。当期は、使いやすい製品の開発はもとより、大きな加速度を発生できる製品や大きな試験品を試験できる製品の開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は89百万円であります。

(2) メジャリングシステム

① 地震監視計、構造ヘルスモニタリング

ISO/TC268(持続可能な都市とコミュニティ)/SC1(スマートな都市インフラ)/WG6(防災)にてISO37174(地震計システム導入ガイダンス)が発行され、次のISO37194(地震計システムの選択プロセスガイダンス)についても規格化が提案されました。これらの規格にいち早く対応した各種地震計の開発を前年度より進めております。その第一弾として、都市ガス市場向けの「スリーエス地震計SW-5033」の開発に成功し、販売が開始され、既に複数の都市ガス事業者での評価が始まっています。

 また、大阪関西万博への提供が決定している計測震度計SW-9033及び防災データクラウドGalnetCloudについても、大阪関西万博だけでなく、複数の案件で実証設置の準備が進んでおり、これまで有効な製品ラインナップが無く困難であった国内外の観測地震計市場へも展開をしてまいります。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は52百万円であります。

② 振動設備診断

FA市場の振動設備診断に関する要望を強く反映させる形で開発しておりましたVDユニットCP-9011-ALについて、従来にはないティーチングと呼ばれる判定閾値を設置シーンごとで自動設定出来る機能を搭載し、より簡単に振動設備診断が可能な装置の製品化を推進しました。独自機能については、特許化を進めており、CP-9011-ALは、従来よりも低コストで導入でき、かつ複雑であった振動設備診断の適正設定の自動化を実現しました。これにより、これまで振動での予知保全を断念していたユーザ層への開拓を試みてまいります。

 さらに、CP-9011-ALと組み合わせて使用する振動センサ(ピックアップ)についても、適正コスト化を目指してVP-8021C-T及びVP-7021Aの開発を推進しました。特にVP-7021Aは、従来高感度での計測が困難と言われてきた20kHz高周波振動の計測も可能にした新しい形の振動センサとなっております。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は82百万円であります。

③ 要素技術開発

 継続的に大学及び研究機関との共同研究を推進し、振動計測技術の進歩と普及に取り組んでおります。

 予知保全・設備診断事業では、より小型な機械設備も診断の対象にする事が求められており、要望に対応すべくさらなる高周波領域での振動センシング能力を目指し開発を進めております。防災事業では、長周期地震動の影響が懸念されており、より低周波領域の振動センシングを低コストで実現する研究開発を進めております。

 これらの基礎技術を確立すると共に、より広い社会への実装を目指して、JICAのビジネス支援事業による「インドネシア国における地震計を活用した水門での自動閉門及び上水道での緊急遮断による地域防災ニーズ調査」を実施し、さらに昨年から継続して国立研究開発法人科学技術振興機構が進める「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」へも参画し、能登半島地震でも問題となった木造文化財の地震モニタリングに関する研究にも参画しております。また、来年度開催される大阪関西万博へも、衛星通信による緊急時のデータ送信に対応した最新の地震計システムを提供する予定です。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は47百万円であります。

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