企業兼大株主IDEC東証プライム:6652】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループにおける研究開発は、主として当社とAPEMグループで行っており、各連結子会社は当社及びAPEM SASで開発されたものを製造並びに販売することを主としております。したがって、当社グループにおける研究開発活動は、主として日本とEMEAで行っております。

 当社では、時代のニーズに対応した最適な製品・ソリューションを提供するために、"Pioneer the new norm for a safer and sustainable World.(いつも、ずっと、みんなに新しい安心を)"をVisionとして掲げ、機械の操作スイッチをはじめとする制御機器開発で培ってきたコア技術を活用してきました。また新たなコンセプトとして、HMI-X[Human-Machine Interface Transformation]を掲げております。これはHMIの考え方をさらに進化させた新コンセプトであり、人と機械、機械と機械などが、IoTの進展などにより相互にネットワークでつながることで、人と機械が共存する環境の実現となります。そして工場などの製造現場やくらしの身近な場面において、人と機械が向き合う接点をより安全に、そして快適にするといった安全・安心・ウェルビーイングの実現と追求を目指した、技術並びに製品の開発を推進しております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は2,796百万円であり、売上高の3.8%となっております。

 主な研究開発活動の成果を示すと次のとおりであります。

 主力製品であるHMI事業では、「φ22CWシリーズフラッシュシルエットタッチレススイッチ」にNPN照光制御/青PW(ピュアホワイト)照光タイプ/短距離検出タイプ(限定反射方式)のバリエーションを追加しました。照光制御方式NPNタイプ追加によりお客さまの回路構成に合わせた製品の選択を可能とし、青/PW照光色タイプは色覚の個人差を問わず、より多くの方が認識できる色を提供、公共アプリに最適な製品となります。また短距離検出タイプは約5~30mmの短距離で検出を可能としており、限られた範囲のみで使用したい場合に適した製品となっております。当スイッチは感染症予防対策・衛生対策の一つとしてスイッチに触れることなく操作を可能としており、不特定多数の人が操作するアプリケーション(例えばエレベーター等)や、衛生面の観点から接触操作を避けたいアプリケーション(例えば食品機械の操作等)に対応した製品となります。

 「非常停止用押ボタンスイッチ_XA、XWシリーズ」では、当社独自のセーフティポテンシャル構造により高い安全性を備えつつ、非常停止用押ボタンスイッチの有効/無効状態を色で識別する機能を持つ照光タイプを追加開発しました。これはISO13850に準拠、ロボット業界などで使用されるティーチングペンダントに搭載される非常停止スイッチに最適な仕様となっております。また、高い防水性や耐UV性能を備えることで需要が拡大している小形のAGV/AMRや屋外設置の急速充電器などにも用途拡大が見込まれます。さらにこれまでのXシリーズの奥行を36%削減しつつ、接点数を2接点から3接点に増加することで装置の小型化や軽量化にも貢献できる製品となっております。

 オートメーション&センシング事業では、7.0インチの中型ディスプレイを搭載したプログラマブル表示器とPLCが一体化した製品「FT2Jプログラマブル表示器一体型コントローラ」を開発しました。当製品は、PLCと表示器を別々に使用した場合と比較して1/3の省スペースを実現しており、加えてUSB・スピーカと接続して音で製造現場の作業者へ情報を伝達することや、USB・Wi-Fiドングルと接続し無線通信を用いた作業効率を高めるための自由度の高い機械配置など、人と機械の関係に最適なインターフェースを提供しております。デュアルCPU構成による高速な制御処理の実現、PIC制御機能、タッチパネルの水滴による誤動作防止と手袋操作対応、WEBサーバやEメール機能といった遠隔監視、優れた耐環境性(広い使用温度範囲、IP66F/67F対応の高い保護構造)を持つ製品であり、IO構成30点以下で実現されている「食品・包装機械」や「ファン・ポンプを用いた機械」といった市場に適した製品となります。

 安全・防爆事業では、「非常停止アシストシステム」(操作支援機能付非常停止用押ボタンスイッチ、無線スイッチ送信機、無線スイッチ受信機)を開発しました。AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット)などでは、搭載されている非常停止用押ボタンスイッチを搬送中に押すことが難しく、また搬送物によってスイッチが押しづらい場合があります。当製品は非常停止用押ボタンスイッチに新たな操作支援機能を追加(既存の非常停止用回路を変更することなく独立した装備としての追加)、遠隔機能により手で行う非常停止操作と同等のスイッチ動作、非常停止操作後の状態と同じ状態(電源断の状態)を実現しております。また複数の作業者が複数の装置を停止させることにも対応しており、最長約70mでのN:Nの通信を可能としております。重量や形状が大きいものや、不安定なものの自動運搬が見込まれる自動搬送ロボットメーカーや自動車メーカー及び建機や農機などの遠隔操作や自動運転の場面にも有効な製品となります。

 また防爆コントロールボックスの統合製品として、「EC2B形コントロールボックス(耐圧・安全増防爆構造)」のリニューアル製品を開発しました。当製品は日本国内防爆検定、及び海外防爆認証において、ガス蒸気防爆に加え粉塵防爆にも対応することで、新たに粉体機器メーカー及び粉体ハンドリングシステムを手掛ける製品メーカー、集塵機メーカー、石炭運搬装置メーカーなどの市場における、粉塵防爆対応機器の需要に応えます。さらに輸出案件を含む海外市場においては、競合他社で不足しているブザー及びポテンションメータをラインアップすることで、競争力アップを図りました。

 APEMグループでは、当連結会計年度において、製品品質向上に注力すると同時に、イギリス及び米国において新たな技術マネージャーを迎える等、新製品の開発を推進し、5件の新製品群の発売や15件の顧客とのプロジェクトを実施いたしました。重点的な研究開発の結果、3件の特許を登録し、また、当社と協業しソリューションやデザインの共有、コスト削減にも取り組みました。

 引き続き主要産業セグメントに沿った新製品の開発を追求し、部品の標準化や機能安全要件に関する新たな課題に取り組むと同時に持続的な利益改善を見据えたコスト削減を推進いたします。一方で当社との連携を強化し、開発プロセスの整理やCAD/PLM/ERPエコシステム等の戦略的な管理を行います。

 また、ez-Wheel SASの有する開発技術のグループへの統合も推し進めて参ります。

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