企業HOYA東証プライム:7741】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、持続的成長と企業価値の最大化に向けて、ビジネスモデルや景気感応度、営業地域等が異なる複数の事業を展開することでリスクを分散し、グループ全体の収益性・安定性・成長性を確保していくポートフォリオ経営を行っております。それぞれの事業が現状どのライフサイクルにあるかを見極め、成長性の高い領域へ経営資源を配分し、また、市場が衰退期にある事業から撤退することで競争力の高い事業ポートフォリオの維持に努めており、現在は、ライフケアと情報・通信という2つの大きな事業分野を柱に据えています。

(2)経営環境

 世界的な高齢化の進展や新興国の経済発展による中間所得者の増加等で市場成長が見込まれるライフケア事業と、情報化社会の進展により市場成長が見込まれる情報・通信事業の半導体・HDD関連製品を成長ドライバーと捉えています。また、次の10年、20年の成長を担う新たな成長事業の開発・獲得を重要な経営課題と認識しています。

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、資本に対するコストを上回る利益を生んだとき、企業価値が増大し、すべてのステークホルダーにご満足いただけるものと考えております。その実現のための経営指標としてSVA( Shareholders Value Added )を導入し、効率的な経営に努めております。

(4)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

 中長期的な会社の経営戦略

 当社は継続的な企業価値の増大と最大化を経営方針としており、その実現のため、以下の5つの項目に注力してまいります。

① 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応と経営資源の効率的な活用

 当社グループの事業領域は多岐にわたっておりますが、事業部門に大幅に権限を委譲することで意思決定のスピードを早め、競合に先んじて顧客のニーズに沿った戦略を立案してまいります。また、当社グループの経営資源を適切に配分し、設備投資、事業提携、M&A、事業の撤退・縮小といった判断をタイムリーに行ってまいります。

② 新たな事業、技術の創出

 当社グループは、収益を確保し成長し続けるために、従来とは異なる成長分野において、内部開発やМ&Aなどにより新たな事業や技術を獲得していくことが重要な課題と認識しております。今後も世界に通用する技術や競争優位性の高い事業の内部開発やМ&Aによる獲得、それらを担う人材の採用・育成にさらに力を注いでまいります。

③ 成長市場での事業拡大

 デジタルデバイスの長時間使用などによる若年層の視力低下や世界的な高齢化により視力矯正を必要とする人口が増え続けています。医療の現場では医師・患者双方の要求として身体への負担軽減・治療の短時間化が望まれるようになり、低侵襲医療が加速度的に普及しています。また、情報化社会の進展により高性能で省電力な半導体の開発やデータセンターへの投資が進められています。以上のような背景から、当社グループは人々の視力や健康、情報化社会の進展をサポートする製品を成長分野と位置づけ、経営資源を積極的に投入し事業の拡大を目指してまいります。

④ サイバーセキュリティへの対応

 生成AⅠをはじめとするⅠT技術の進展や各種ⅠTツールの普及に伴い、企業にとってサイバーセキュリティへの対応は重大さを増しています。同時に、サイバーセキュリティに対する脅威は絶えず進化しています。そのような環境に対応すべく、当社グループではサイバーセキュリティ強化に継続的に取り組んでおります。

⑤ サステナビリティ(ESG)への対応

 当社グループは、サステナビリティ/ESGへの対応を重要経営課題の一つと設定しCEOから委任を受けた CSOが中心となってグループ全体のサステナビリティ/ESGに関する活動を推進しています。基本方針や重要施策はグループ本社のESG推進室において起案し、CSOから取締役会へ定期的に報告を行っています。取締役会は、経営に対する監督機能と客観性を担保するため、当連結会計年度では取締役7名中5名を独立社外取締役とし、経営者としての十分な経験や国際感覚に加え、サステナビリティ/ESGの観点からも「人材育成/ダイバーシティー」のバックグラウンドを持ち、そして、気候変動に関してもマネジメントとして重要な意思決定を行った経験を有する人物を配しています。取締役会はサステナビリティ/ESGに関する方針や目標、予算を含む重要事項や定期報告に対して多角的な観点から助言・監督を行っています。

 当年度では、執行役の中長期インセンティブ(Performance Share Unit)の指標の一つであるESG目標*1の配分を10%から25%に引き上げ、会社一丸となってESGの取り組みを前進させることへのコミットメントの姿勢を示しています。また、事業部ごとに気候変動への対応や各事業部固有のESG関連目標を設定し、KPIを事業部長の報酬に組み入れることで実効性を高めています。

*1 外部機関による評価および気候変動・人的資本などESGテーマへの取り組み状況により目標を設定

〈中長期 再エネ比率・CO2削減目標〉

 2023年2月にRE100*2へ加盟し、2040年までに事業活動で使用する電力の100%を再生可能エネルギー(再エネ)由来にすること、そして2021年度比でCO2を100%削減することを目標に定めました。これまでの省エネ活動をより一層推進させるとともに生産拠点での太陽光発電の導入やグリーン電力プランへの切り替え等により再エネ導入を進めることでCO2削減に取り組んでいきます。

*2 企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ

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