企業兼大株主HENNGE東証グロース:4475】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、私たちの技術や時代の先端をいく技術を広くお客様に届け、世の中を変えていく「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を経営理念に掲げております。ITは急速なスピードで変化しています。ITはこれまでも、そしてこれからも世界を変え続けていきます。しかしながら、テクノロジーは時として人々の手に入りにくい形で出現します。ITの力を享受するためには、誰かが理想と現実のギャップを埋める必要があります。

 当社グループは、テクノロジーにおけるこのギャップの橋渡し役として、お客様に新しい価値を提供し続け、世界の発展に貢献していきます。

(2) 経営戦略等

 当社グループは「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を実現するための最適なビジネスモデルの1つとして、クラウドサービスを提供しております。クラウドサービスは、お客様ごとにカスタマイズし提供する受託開発型のソフトウエアサービスとは異なり、より多くのお客様に当社グループのサービスを届けることを可能にしております。

ITはめまぐるしい勢いで進化しており、日々新技術が世の中に生まれております。しかし、実際の世の中、特に企業で活用される新技術は数少ないという現実があります。当社グループはこのような経営環境の中、日々生まれてくる新技術に向き合い、失敗と成功を繰り返すことで、最適なクラウドサービスをお客様に提供いたします。そのためにも、当社グループは新技術に対する挑戦を継続し、絶え間ない努力を重ねる体制を整え、日々新技術を活用した新機能・新サービスの開発を行っております。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは重要な経営指標として、現在の当社グループの成長ドライバーであるHENNGE One事業のLTV(注)を重視しております。LTVは、ARR、売上総利益率、平均契約年数で算出されますが、この3つの要素の中で、現在は特にARRに着目し、今後の更なる成長に向けて積極的に将来ARRの最大化を目指し、日々の事業活動を行ってまいります。

 なお、ARRの最大化を目指す上では、以下の3点に着目した事業活動が重要になると考えております。

契約企業数の最大化

営業人員の更なる増員、広告宣伝活動によるブランド力や知名度の向上、当社グループのブランチオフィスがある東海、関西、九州、そして子会社のある海外を中心とした日本国内外での地域カバレッジの拡大、販売パートナーとの連携強化等の施策を継続し、契約企業数の最大化を図ります。

ユーザあたり単価(ARPU)の向上

営業活動やカスタマー・サクセス活動を通じて顧客の要望に耳を傾け、需要を探り、その需要に繋がる機能改善や、新機能・新サービス等の開発、さらには業務提携やM&A等をとおして、ユーザに提供できる付加価値を増やし続けることで、今後もユーザあたり単価の向上を目指します。

③平均ユーザ数の最大化

現在は、契約企業数の最大化を目指すべく、販売パートナーとの連携強化施策の中で、大企業だけでなく比較的小規模な企業へのアプローチも行っております。様々な規模の潜在顧客にアプローチしていることからも、獲得する顧客規模が多岐にわたり、ボラティリティが高くコントロールすることが困難な係数であると認識しておりますが、営業体制の強化等による比較的大きめの企業の獲得や、カスタマー・サクセス活動をとおした顧客企業のクラウドアダプションやデジタルトランスフォーメーションの推進による顧客企業の成長支援等により、顧客企業内での利用アカウント数の増加を穏やかに図ってまいります。

また同時に、当社グループは、提供サービスの基盤システムの効率化と、そこから生まれる利益の研究開発等への再投資が、提供サービスの価値向上の源泉であると考えております。そのため、研究開発部門を中心に、基盤システムの効率化や費用削減にも積極的に取り組んでおります。

さらに、お客様にとっての当社グループのサービスの価値を継続的に向上すべく新機能・新サービスの研究開発に注力するとともに、当社グループのサービスの認知度向上のための広告宣伝や営業活動等にも先行投資しております。そのため、財政状態についても、現金及び預金残高や契約負債残高の推移を重視しております。「HENNGE One」は年単位で契約いただくサブスクリプション型のサービスです。年間費用は、原則としてサービス開始時に一括でお支払いいただいております。このビジネスモデルにより、営業や開発への先行投資ができる健全な財務状況となっております。

    (注) LTV (Life Time Value)

顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。

(4) 経営環境

 当社グループが属するIT業界は技術進歩がめまぐるしく、新規企業の参入や新サービスの提供が頻繁に起こっております。このように業界における経営環境の変化が速いことが、探求心を持ち続ける当社グループにとって最大のビジネスチャンスであると捉え、新技術への挑戦を続け、新サービスを提供できる体制を構築しております。

 当連結会計年度内においては、時代と共に変容・拡大している企業のセキュリティ意識やニーズにより一層応えるべく、2024年4月には、HENNGE Oneの提供カテゴリを「Identity」「DLP」「Cybersecurity」の3つに増強するなどリブランディングを行い、2024年7月には新機能を追加しております。また、当社グループとしてのARRの向上を引き続き図るべく、2023年10月には、当社業務資本提携先である株式会社kickflowが提供するクラウドワークフロー「kickflow」の販売を開始するなど、社内開発活動や新規事業開発に止まらず、事業投資や事業連携等も継続的に推進しております。
 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 技術革新への対応

 AI技術の急速な技術発展等に伴い、IT業界における日進月歩の技術革新に留まらず、多くの企業においてデジタル変革(DX化)が一層進んでおり、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、様々な新技術をサービスに適切に取り入れていくこと及び市場やユーザのニーズを適時、的確に捉えることが重要であると認識しております。

 当社グループでは、2024年4月に、これまでの「IdP」「E-mail Secutity」の2つのカテゴリを「Identity」「DLP」「Cyber Security」の3つにカテゴライズし、増強することで、今後もより一層市場のニーズに対応し、「テクノロジーの解放」を実現できるよう、HENNGE Oneのリブランディングを実施いたしました。

 リブランディングされたHENNGE Oneの価値をより高めることにも注力しており、2024年7月には「HENNGE File DLP」(クラウド上のファイル情報漏洩対策サービス)を新サービスとして発売開始し、また、「HENNGE Tadrill」(標的型攻撃メールに対する訓練・報告サービス)を新機能として追加したほか、「HENNGE Access Control」にユーザープロビジョニング機能を追加いたしました。

 また、2023年10月に当社業務資本提携先である株式会社kickflowが提供するクラウドワークフロー「kickflow」の販売開始をするなど、社内開発活動や新規事業開発に加え、事業投資や事業提携等も推進していくことで、市場のニーズに合致した技術力の向上に取り組んでおります。

② 開発体制の効率化と強化

 ITや先進技術分野への需要は拡大しており、IT技術者不足が、企業の開発力の維持、強化を阻む要因の一つとなっております。当社グループでは、優秀なIT技術者の採用と育成強化に取り組むとともに、国外も含めた幅広い層にアプローチすることで、より優秀な人材の確保に努めてまいりました。グローバルインターンシッププログラムの実施や、英語の社内公用語化等の取り組みを実施しており、今後も国籍を問わない採用に注力するなど、体制の強化を図ってまいります。

③ 認知度の向上及び販売力の強化

 HENNGE OneのARRにつきまして、当連結会計年度は前連結会計年度末26.3%増と順調に伸長しております。しかし、更なる収益拡大には、当該サービスの認知度向上と営業力の強化が重要であると認識しております。当連結会計年度も前連結会計年度に引き続き、新規顧客獲得に向けた体制強化のため、より高付加価値を生み出すことのできる体制を意識した採用を推進いたしました。加えて、大手企業、販売パートナー、新規顧客、既存顧客など様々なアプローチ先に焦点を当てた各種イベントの開催など、多層的な顧客アプローチを実施いたしました。

 今後も状況に応じた戦略的かつ効果的な広告宣伝活動を実施するとともに、優秀な営業人材の採用や育成、そして販売パートナーとの連携強化を図ってまいります。また、HENNGE Oneは一度導入いただくと長期に渡りご利用いただけるサービスです。現在のサービス価値に加えて、将来のHENNGE Oneの発展とともに、顧客企業もHENNGE Oneを活用し続けることでセキュアにDXを推進いただけることを、広くアピールできるような施策も図ってまいります。

④ 海外への展開

 HENNGE Oneはクラウドサービスであるため、国境を越えた展開の可能性を有しております。当社グループでは、中長期的にSaaSの利用拡大が特に見込まれるアジア市場を引き続きターゲットとして捉え、販売拡大を図るとともに、アジア市場以外の海外市場への進出可能性につきましても、継続して検討してまいります。

⑤ 人材の採用・育成とダイバーシティの推進

 変化の激しい環境において、常に変化と挑戦が必要だと考えており、そのために多種多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用及び育成が重要であると認識しております。当社グループでは、英語を社内公用語とし、ダイバーシティを尊重するカルチャーを醸成するとともに、当社グループのカルチャーに共感した優秀な人材が中長期に亘って高い意欲を持って働ける環境の整備に取り組んでおります。また、オンサイト・リモート環境それぞれの特性を生かしたハイブリッド型の研修プログラムを構築、改善するなど、人材の育成にも努めております。

 なお、当連結会計年度においては、採用目標数を大幅に下回る結果となりました。当社グループが今後更なる成長を遂げるためには、採用推進による体制強化は急務であると考えております。そのため、引き続き、ブランディング向上を含めた採用力強化に資する戦略と活動を模索してまいります。

⑥ 顧客満足度の向上

 LTV最大化のためには顧客満足度の向上が必要であると考えております。当社グループでは、前連結会計年度に引き続き、顧客ニーズを反映した新機能を順々に追加しております。今後も積極的にユーザとのコミュニケーションを図ることで、新機能の理解促進を図るとともに、サービスに対する要望・意見を収集・分析し、既存サービスの改善及び新サービスの開発に反映させてまいります。

⑦ コーポレート・ガバナンスの強化

 コーポレート・ガバナンスを企業経営の透明性・公正性を確保し、持続的な成長を図るために必要不可欠な機能と位置付けております。当社グループでは、2024年9月開催の取締役会にて、2024年12月開催予定の第28期定時株主総会での承認可決を条件として監査等委員会設置会社に移行することを決議するとともに、取締役会の任意の諮問機関として「指名・報酬委員会」を設置することを決議いたしました。株主をはじめ、ステークホルダーとの信頼関係に基づく経営を実現できるようガバナンスの強化に努めるとともに、企業経営のリスクに対応するための内部統制システムの運用についても、監督・監査機能の強化、充実を図ってまいります。

 また、監査等委員会及び「指名・報酬委員会」の設置を機に、取締役会の監督機能強化、コーポレート・ガバナンス体制の強化、意思決定の迅速性と柔軟性を向上させることで、さらなる企業価値向上を目指してまいります。

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