GSIクレオス 【東証プライム:8101】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは、「社員とともに」「株主とともに」「取引先とともに」「市場とともに」「地球環境のために」
「会社組織のために」という6つの経営理念を掲げ、すべてのステークホルダーとの共存を目指して事業活動を行っ
ております。
また、中期経営計画「GSI CONNECT 2024」において、以下の3点をESG経営の推進に向けた重点施策とし、取り組
みを進めております。
・サステナブル事業分野への積極投資
・人材の充実と新しい働き方の推進
・実効性の高いガバナンス体制の強化
加えて、当社は「環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2」に登録されており、持続可能な社会に
向け地球環境の改善活動に取り組んでおります。
(2)具体的な取り組み
① ガバナンス
当社グループは、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステ
ークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、
これに向けた取り組みを推進するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。当委員会は、社長執行役員
を委員長とし、事業部門および管理部門統括役員、経営企画担当役員、経営企画部長、人事総務部長、財経部長、
事業戦略室長を委員として構成されます。
サステナビリティ委員会にて決定した内容については、管理部門統括役員より直接取締役会にて年に4回報告さ
れます。
②戦略
a) 気候変動
・参照シナリオ
気候変動のリスクと機会を明確にするために2つのシナリオを設定しました。「気候変動対策が進まず成行き
のまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢
性」について分析を行いました。一方、「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴
うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃未満シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」につ
いて分析を行いました。
区分 | シナリオの概要 | 分析対象としてリスクのタイプ |
4℃シナリオ | 気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ | 物理的リスクの 「急性」「慢性」 |
2℃未満シナリオ | 温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ | 移行リスクの 「政策・規制」「技術」「市場」「評判」 |
・シナリオ分析ステップ
シナリオ分析を行う上で、当社(単体)の事業部門(繊維および工業製品事業)ごとに具体的な検討を行い、
以下のフローの通り主要なリスクおよび機会による財務インパクトの算定、対応策の検討を行いました。
・気候変動リスクと機会の種類の特定
事業のレジリエンス評価のため、複数シナリオのもとで重要な気候変動リスク・機会について特定を行いまし
た。
・気候変動リスクに対する財務影響と対応策
特定された重要な気候変動リスク・機会についてシナリオ分析を行い、財務影響およびその対応策を考案しま
した。
リスク | シナリオ項目 | 事業における インパクト | 事業部門 | 時間軸 | 影響 レベル | 当社における 対応策 | ||
繊維 | 工業製品 | |||||||
移 行 リ ス ク | 政 策 ・ 規 制 | 炭素税導入・炭素税率の上昇 | 炭素税が導入され、負担コストが発生する可能性がある。 | 〇 | 〇 | 短~中期 | 小 | Scope1,2の排出量を把握するとともに、削減目標を設定 |
地球温暖化に伴い、原材料が高騰する可能性がある。 | 〇 | 〇 | 短~中期 | 中 | ・リサイクル原料の活用、環境配慮型商材の拡大 ・原材料調達手段の多様化 ・サプライヤーに対する長期的なGHG削減目標の設定依頼 | |||
工場の電気料金高騰による調達価格の高騰が発生する可能性がある。 | 〇 | 〇 | 短期 | 中 | ||||
プラスチック製品規制 | 環境関連情報の計測・表示が要件化され、それらに対応することにより価格競争力が下がる可能性がある。 | 〇 | 〇 | 短~中期 | 中 | ・リサイクル原料の活用、環境配慮型商材の拡大 ・脱炭素ニーズに応えるラインナップの拡大(生分解性樹脂など) | ||
製品・原材料に関する規制対策 | 環境関連情報の計測・表示が要件化され、それらに対応することにより価格競争力が下がる可能性がある。 | 〇 | 〇 | 短~中期 | 中 | Scope1,2,3など気候変動関係の情報開示の推進 | ||
物 理 リ ス ク | 慢 性 | 平均気温上昇、降水パターンの変動、海面上昇 | 水不足や電力供給制限、関連工場の施設・設備被害による輸送の遅延または停止にともない、間接的に調達が困難となり収益性を損なう可能性がある。 | 〇 | 〇 | 中~長期 | 中 | ・関連工場へのBCP策定要請/継続的な見直し ・サプライチェーンの強化 ・有事に備えた事前対応強化 (在庫水準見直し、複数購買や拠点化の検討等) |
機 会 | 資 源 効 率 | リサイクル率向上、未利用資源の価値化 | 未利用資源を効率よく使うことで廃棄物の減少が実現する循環型ビジネスモデルの構築により、需要拡大の可能性がある。 |
| 〇 | 短~中期 | 中 | 工場や製造設備プロセスなどの再利用および供給サービスにおける情報収集や売買交渉のサポート業務の開始 |
製 品 と サ │ ビ ス | 気候変動や環境配慮に適用するサービス | 環境に配慮した商材の需要が増加する可能性がある。 | 〇 |
| 短~中期 | 中 | 従来の石油由来よりCO2を大幅に軽減するサトウキビを原料とする再生可能なポリエチレン素材の拡販 | |
| 〇 | 短~中期 | 中 | プラスチックごみ問題の解決に寄与する生分解性樹脂の拡販 | ||||
| 〇 | 短~中期 | 中 | 次世代の再生エネルギーである有機太陽電池の開発と普及活動 | ||||
市 場 | 季節変動による需要増 | 急激な気温の変化が購買意欲や需要を左右する可能性がある。 | 〇 |
| 短~中期 | 中 | ・季節性商品の販売拡大 ・機能性素材を活かした衣類の拡充 |
時間軸(目安)
長期 | 10~30年 |
中期 | 3~10年 |
短期 | 0~3年 |
影響レベル(目安)
大 | 事業戦略や財務への影響が非常に大きくなることが想定される。 |
中 | 事業戦略や財務への影響がやや大きくなることが想定される。 |
小 | 事業戦略や財務への影響が軽微であることが想定される。 |
b) 人材戦略
・当社グループでは、中期経営計画の重点施策として、「人材の充実」と「新しい働き方の推進」を掲げ、多様
性の深化による競争力の強化を目指しています。
・人材の充実
人材育成強化のための教育制度の充実化、グローバルな次世代リーダーの計画的育成、多様なプロフェッショ
ナル人材の育成と活用を進めております。
これまで実施した具体的取り組みとしては、社員が進化し成長するためのスローガン「Learn the Future(次
代を学ぶ)」を掲げ、これまでの教育・研修制度を体系化したクレオスアカデミーをスタートさせ、階層別の
必須の研修と、自由にいつでも教育を受けられるeラーニング講座の一層の充実化を図っております。
グローバル人材の計画的育成策としては、若手社員に当社の海外店所でのビジネスや生活を体験させる海外研
修制度の実施、毎年米国(ボストン)で開催される留学生対象の就職活動イベントに参加して、語学スキルや
海外志向の高い人材の採用を行っております。
・新しい働き方の推進
ITを活用した業務オペレーションの効率化、多様な人材が活躍する仕組み・制度の充実化、社員の創造性、生
産性向上に向けた環境の整備を進めています。
具体的取り組みとしては、時間や場所を有効に活用できる在宅勤務制度、モバイルワーク勤務制度、フレック
スタイム勤務制度を実施しました。
また、本社移転を機に、フリーアドレスの採用、利便性の良い会議スペースやリフレッシュスペースを作り、
楽しみながら柔軟なワークスタイル、活発なコミュニケーションができる事務所レイアウトとしました。
さらに、社員の幸福度を高めることが企業の成長には不可欠と考え、職場の幸福度や社員エンゲージメントの
度合いを測定するハピネスサーベイを実施し、全体のスコアは平均点を上回る結果となりました。
・今後も、当社の経営理念の第一に掲げておりますとおり、人的資本こそが企業価値を創造する源泉と捉え、プ
ロフェッショナル人材の開発に投資をおしまず、社員一人ひとりが、発揮した能力と意欲に応じて喜びと誇り
を享受しながら、企業価値の創造に参画できる経営を実行してまいります。
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理
・リスクの識別・評価プロセス
当社グループは、サステナビリティ委員会を設置し、気候変動に伴うリスクについて、経営・財務・事業など
への影響を考慮し、現状のリスクの再評価を行うとともに新規リスクの抽出・評価を行い、重要リスクの特
定・見直しを行っております。また、重要リスクについてはリスク対策およびその対策実施のための管理項
目、管理目標値を設定し取締役会に報告し、管理・監督する体制を構築しております。
・リスクの軽減プロセス
特定したリスクについてはそのリスクの軽減のためにサステナビリティ委員会にて対応方針と施策(対応策)
を検討・決定し、関係部署に展開し、その対応状況をモニタリングしております。
・全社リスク管理への統合
サステナビリティ委員会が取締役会に報告した気候変動に伴うリスクに対して、その中で特に重要と判断し
た項目については全社リスクを検討するリスク管理部会と連携して対応策の検討・実施いたします。
④ 指標及び目標
a) 気候変動
当社グループは、2022年度のScope1,2のGHG(温室効果ガス)の排出量(単体)の算定を行いました。現在、
目標設定に向けて削減策の洗い出しを進めており、来年度を目処に目標の設定を行う予定です。
項目 | CO2排出量(tCO2e) | 割合 |
1 直接排出 | 15 | 7% |
2 間接排出 | 188 | 93% |
b) 人的資本・多様性
人材の多様性施策の一環として、管理職に占める女性を増やすべく、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行
しています。
管理職に占める女性の人数(単体)
2022年度実績 | 2025年度目標 |
5人 | 10人 |
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