企業FPパートナー東証プライム:7388】「保険業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

(1)会社経営の基本方針

当社は、「私たちは『本来あるべき保険業』を追求し、本気で取り組み、お客様の大切な人生を保険で守り続けます。」という経営理念に基づき、営業社員が顧客に寄り添い、一生涯を保障で守り、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現することを目指してまいります。

(2)経営環境

 当社の主たる事業である生命保険業界を取り巻く環境においては、保険加入経路の選択肢として、複数会社商品を取り扱う乗合保険代理店の優位性が高まっております。

 公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の加入チャネルは「生命保険会社の営業職員」からの加入比率は55.9%と高い水準ではあるものの、2012年の調査からは12.3%減少しております。一方で、「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入比率は15.3%を占めており、2012年の調査から8.4%増加いたしました。また、今後の「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入意向の比率は12.3%を占め、こちらも2012年の調査から6.1%増加していることから、乗合保険代理店への期待が高まっていると考えられます。

 顧客ニーズにおいては、死亡保障のような万が一に備えるための商品から、長生きリスクを考慮し、老後生活に備えるための商品へと変化しております。このような顧客ニーズの変化に合わせて保険会社の商品も多様化し、保障機能を備えた資産形成商品や、加入後も健康状態に応じて保険料割引等の特典を受けられる健康増進型商品の販売が増加しております。

 保険代理店業界の動きとしては、2016年の改正保険業法の施行以降、体制整備コストの増加や代理店後継者不足問題などを背景に、廃業する代理店が増加しております。顧客保護の観点から、代理店の廃業により担当者不在となる顧客を他代理店に移管するケースも増加しており、当社はこの契約移管を「契約譲受ビジネス」として積極的に取り組んでおります。

 また、現在は様々な分野で加速するデジタル化やIT技術の高度化により、あらゆる情報を誰でも簡単に得られるようになりました。金融分野ではフィンテックの活用によって決済手段が多様化し、金融資産のデータ連携等が進んだことで、自身での資産管理が容易になるなど、顧客の利便性向上が進んでおります。保険分野においてもインシュアテックが広がりを見せ、ウェアラブル端末による契約者データの分析や、請求・契約手続きへの活用など、さらなる発展が予想されます。

 顧客ニーズの多様化やインターネットによる情報収集が容易になった一方で、情報の取捨選択や正誤判断が求められるようになりました。そのため、顧客自身で長期的な視点を持ってライフプランを作成することが困難となるケースが生じており、専門的知識を持ったファイナンシャルプランナーの必要性が高まっていると認識しております。

 当社は「マネードクター」として顧客からお金に関するあらゆる相談を承り、ファイナンシャルプランニングの提供によってその解決手段の提案を行います。従来の保険販売だけではなく、保険以外の金融商品やサービス提供をワンストップで行うことが、顧客利益の最大化につながると考えており、以下に掲げる経営戦略を遂行してまいります。

(3)経営戦略

 当社の経営戦略は、本業である保険代理業の「営業基盤の強化」と派生分野への進出を含めた「事業領域の拡大」の2つをメインテーマとしております。

その達成に向けて、2024年11月期においては、これまで取り組んできた「営業社員の増強」に加え、「契約譲受ビジネスの拡大」「マネードクタープレミア事業の拡大」「損害保険の業績拡大」の3つの項目を重点施策として取り組んでまいります。

① 営業社員の増強

 上記の経営理念を実現するためには「営業社員数の増加」と「営業社員の質の向上」が必要であり、これまでも全国47都道府県で高品質なサービス提供ができる体制を築いてまいりました。

 また当社では、全ての営業社員がスキル向上を目指せる環境を整備しており、生命保険における優績者の証であるMDRT会員資格基準達成を指標の一つとしております。当事業年度においては、2022年11月末に在籍していた営業社員2,014名のうち888名が該当し、業界平均0.7%を大きく上回る44.1%の該当率となりました。

2024年11月期においては、2023年3月に新設した人材開発室を中心に、保険営業未経験者採用の推進や各地域でのリクルートセミナー開催により、さらなる強化を目指します。

 また、ナレッジ共有やファイナンシャルプランニングツール「マネーカルテ」の機能追加等により、営業社員の質の向上に取り組みます。

② 契約譲受ビジネスの拡大

 契約譲受ビジネスについては、「(2)経営環境」に記載のとおり、保険代理店の廃業が増加していることをビジネス機会と捉え、積極的に取り組んでまいりました。

 これまで保有契約譲渡を希望する代理店に当社を選定いただいたのは、募集体制整備状況や全国営業拠点網の展開が多くの理由でしたが、現在は2022年9月の東証グロース市場上場、2023年9月の東証プライム市場への区分変更を契機に、当社の社会的信用力も評価いただいております。

 契約移管による顧客の獲得は、その契約から生じる継続手数料だけでなく、移管顧客からの新たな新規契約の獲得にもつながります。あわせて、当社が強みとしているファイナンシャルプランニングの提供や金融商品提案を行うことで、顧客満足度の向上も期待できると考えており、また、今後は同業の乗合代理店や損害保険代理店、マーケットホルダー企業とのM&Aによる事業拡大に取り組むことで、本業の安定したオーガニックな成長に加え、インオーガニックな成長が実現できると考えております。

③ マネードクタープレミア事業の拡大

 当社は、訪問型の営業を主としておりますが、2021年11月より来店型の営業拠点として、ワンランク上のお金の相談サービス「マネードクタープレミア」の店舗展開をしており、当事業年度末時点で17店舗となりました。

「マネードクタープレミア」店舗は、顧客が安心して相談できるようプライバシーに配慮した個室の面談ブースを完備しており、貯蓄や資産形成についてのご相談を数多くいただいております。

 オンラインでの相談を希望する顧客向けには「プレミアオンラインFP相談」を提供しており、来店相談およびオンライン相談の両方のニーズに対応することで、顧客接点の拡大と利便性向上を実現いたしました。

 また、「マネードクタープレミア」店舗による広告宣伝効果は、出店地域での当社の認知度向上にもつながります。そのため、人流が多く、高い集客力を持つ大型商業施設を中心に店舗展開し、2024年11月期には全国30店舗体制を計画しております。

④損害保険の業績拡大

 これまでの営業社員による顧客対応に加えて、損害保険の非対面でも契約獲得や更新手続きが可能な点を活かし、その一部を本社部門が担うことで、より効率的に業績拡大を目指せると考えております。

 その一環として、2023年3月に損保事業部ダイレクトセンター室を立ち上げ、火災保険の非対面販売に取り組んでおります。加えて架電システムや架電リスト等の見直しによる業務効率化を行い、生産性の向上を図ります。

 また、損害保険専任の営業社員を増員し、「②契約譲受ビジネスの拡大」による損害保険契約譲受案件への対応を強化し、契約の更新率向上と、新規案件の創出に取り組みます。法人マーケットを保有する損害保険代理店からの契約譲受においては、そのマーケット自体を当社が取り込むことで、事業領域の拡大にもつながると考えております。

 上記のほか、当事業年度に本格的に開始したIFAビジネスによる投資信託販売や、住宅ローン紹介・取次等のサービス拡充により、顧客ライフタイムバリューの最大化に努めてまいります。

 また、Customer Data Platform(CDP)による保有顧客分析や、既存顧客とのコミュニケーションツールであるマネドクLINEの機能強化によって顧客接点を強化し、より効率的な提案を行います。

 これらの取り組みによって、既存顧客と営業社員とのコミュニケーションが活性化され、既存顧客からの再販機会創出と顧客満足度向上を同時に実現することが可能と考えております。

 将来の経営戦略において、データ活用は重要な役割を果たすと考え、デジタル開発投資を積極的に行ってまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

 当社は事業拡大と企業価値の向上のために、売上高、営業利益、営業社員数、新規契約件数、新規顧客数及び会社集客案件数を重要な指標にしております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①保険代理店事業の確実な成長

 当社事業の永続的な成長においては、当社の最大の強みである全国展開する営業網のさらなる拡大と、それを支える会社集客の強化が必要不可欠と考えております。

 営業社員の増員と質の向上は、保険契約の獲得や顧客フォロー体制の強化に必須と考え、積極的な採用活動に取り組んでおります。また、営業社員の訪問先を確保するためには会社集客の強化が必要であり、当社サービスである「マネードクター」の認知度向上に取り組んでおります。

 当社事業への信頼性は、2023年9月の東証プライム市場への上場区分変更によって向上しており、集客・採用の両面においてその区分変更による効果がもたらされております。今後も、より効率的な集客を実現しつつ、営業社員の採用と育成の強化を進めてまいります。

②成長を加速させる新規ビジネスの開拓と推進

 当社事業の成長を加速するためには、本業である保険代理業を基軸とした派生分野への展開と強化を図る必要があります。

 当事業年度から全国展開を目指し本格稼働を開始した金融商品仲介業(IFA/Independent Financial Advisor)は、顧客が当社サービスの利用を通じて生命保険・損害保険商品以外の金融商品の検討や購入がワンストップで可能になります。これにより、新たな顧客層の獲得や、既存顧客との取引拡大につながると考えております。

 今後も、消費者のニーズや購買行動の変化を見極め、当社の強みである全国展開の営業網と営業社員数を活かした新たなビジネスに取り組むことで、事業の拡大及び経営体質の強化に努めてまいります。

③事業拡大を支えるデジタル技術への投資

 当社は昨今のデジタル技術の飛躍的な発展を好機と捉え、業務効率や生産性の向上を図ります。同時に、多様化するサイバー攻撃等のセキュリティインシデントの増加に対しては、システムリスク統制を十分かつ継続して行ってまいります。

 当社の事業拡大を支えるため、インシュアテック分野への研究開発や生成AIの活用による業務適合、マーケティングへの活用など、デジタル技術への投資は必要不可欠と認識しております。また、システムセキュリティ強化などのリスク対策への投資を行うことが企業価値向上にも寄与すると考え、積極的に取り組んでまいります。

④人的資本への投資

 当社のさらなる成長のためには、優秀な人材の確保と育成が必要と考えております。内部管理体制強化のため、研修制度の充実やリスキリング機会の提供などにより、社員の教育体制を整備し、確実に実行するとともに人事制度の整備を進めてまいります。また、健康経営への取り組みや社員のメンタルヘルスケアの強化などにも継続的に取り組みます。これらの取り組みによって社員の成長を促し、組織の活性化を目指してまいります。

⑤積極的情報開示とIR活動の継続

 当社の現状と目指す姿を公正かつ効果的に開示することで、幅広いステークホルダーとの建設的な対話を行うことが出来ると考えております。2024年11月期からはESG情報開示(2024年6月予定)並びに統合報告書開示(2025年6月予定)にも取り組み、非財務情報を含めた情報を戦略的に開示することで経営の透明性を高め、企業価値の向上に努めてまいります。

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