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【東証プライム:7388】「保険業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社は、「私たちは『本来あるべき保険業』を追求し、本気で取り組み、お客さまの大切な人生を保険で守り続けます。」という経営理念に基づき、営業社員が顧客に寄り添い、一生涯を保障で守り、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現することをめざしてまいります。
(2)経営環境
当社の主たる事業である生命保険業界を取り巻く環境においては、保険加入経路の選択肢として、複数会社商品を取り扱う乗合保険代理店の優位性が高まっております。
公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の加入チャネルは「生命保険会社の営業職員」からの加入比率は56.7%と高い水準ではあるものの、2012年の調査からは11.5%減少しております。一方で、「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入比率は15.7%を占めており、2012年の調査から8.8%増加いたしました。また、今後の「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入意向の比率も同様に2012年の調査から5.6%増加し、11.8%を占めていることから、依然として乗合保険代理店への期待が高いと考えられます。
顧客ニーズは、死亡保障のような万が一に備えるための商品から、長生きリスクを考慮し、老後生活に備えるための機能も併せ持った商品へと変化しております。また「貯蓄から投資へ」といった国策の流れを受け、比較的短期の資産形成に特化した商品の需要も高まっております。このような顧客ニーズの変化に合わせて保険会社の商品も多様化し、保障機能を備えた資産形成商品や、加入後も健康状態に応じて保険料割引等を受けられる健康増進型商品の販売が増加しております。
2024年は保険代理店業界においてもさまざまな変化や動きが見られ、規制およびコンプライアンスの強化、顧客情報の取り扱いや販売の透明性の確保に力を入れる必要が高まっています。
また、保険業界におけるDXはここ数年で急速に進んでおり、オンライン契約手続きやAIチャットボットの導入による相談強化といったフィンテックの活用等により、新たな顧客との接点創出及び顧客の利便性向上につながっています。
DXの取り組みにより、保険業界は業務の効率化だけでなく、顧客との関係性を強化し、より柔軟で迅速な対応が可能となります。今後も他業界含むテクノロジーの進化に伴い、保険業界のDXはさらに進化し、業務フローや顧客体験が大きく変化していくことが予想されます。
これらの動きに加え、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」の一環として、2023年11月29日に公布された「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に基づき、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年4月5日に設立されました。多くの人々が金融経済について学び、適切な金融行動を取れるようになることが期待されております。
(3)経営戦略
当社は全国規模の伴走型ファイナンシャルプランニングという独自性を持って、顧客からお金に関するあらゆる相談を承り、その解決手段の提案を行います。従来の保険販売だけではなく、保険以外の金融商品やサービス提供をワンストップで行うことが、顧客利益の最大化につながると同時に、顧客の金融リテラシー向上の一翼を担うと考えており、以下に掲げる具体的施策を遂行してまいります。
本業である保険代理業の「営業基盤の強化」と派生分野への進出を含めた「事業領域の拡大」の2つをメインテーマとしており、その達成に向けて、2025年11月期においては、これまで取り組んできた「営業社員の増強」「契約譲受ビジネスの拡大」「マネードクタープレミアビジネスの拡大」「損害保険ビジネスの業績拡大」に加え「DX+教育」を基盤とした事業成長に取り組んでまいります。
① 営業社員の増強
上記の経営理念を実現するためには「営業社員数の増加」と「営業社員の質の向上」が重要であるという考えのもと、これまでも全国47都道府県でサービス提供ができる体制を築いてまいりました。
また当社では、全ての営業社員がスキル向上を目指せる環境を整備しており、生命保険における優績者の証であるMDRT会員資格基準達成を指標の一つとしております。
2025年11月期においては、引き続き人材開発部を中心に、既存営業社員からのリファラル採用や各地域でのリクルートセミナー開催を推進してまいります。
また、後述の「⑤「DX+教育」を基盤とした事業成長」に記載の通り、DXの推進と教育・研修により、営業社員のスキルアップと業務効率改善を行い、質の向上を図ります。
② 契約譲受ビジネスの拡大
契約譲受ビジネスは、廃業する保険代理店の顧客フォローが、当社においては顧客利益を確保しながらビジネス機会の創出につながると捉えております。ビジネス開始以降最大の成長となった2024年11月期の経験を活かし、2025年11月期はさらなる躍進をめざしてまいります。
保有契約譲渡を希望する代理店からは、当社の募集体制整備状況や全国営業拠点網の展開を理由に移管先として選定いただいております。それに加え、東証プライム市場上場企業による社会的信用力も評価いただいております。
契約移管による顧客の獲得は、その契約から生じる継続手数料だけでなく、移管顧客からの新たな新規契約の獲得にもつながります。あわせて、当社が強みとしているファイナンシャルプランニングの提供や金融商品提案を行うことで、顧客満足度の向上も期待できると考えております。今後は同業の乗合代理店や損害保険代理店、マーケットホルダー企業とのM&Aによる事業拡大に取り組むことで、本業の安定したオーガニック成長に加え、インオーガニックな成長が実現できると考えております。
③ マネードクタープレミアビジネスの拡大
当社は、訪問型の営業を主体としておりますが、2021年11月より来店型の営業拠点として、ワンランク上のお金の相談サービス「マネードクタープレミア」の店舗展開をしており、2024年11月期末時点で30店舗となりました。
「マネードクタープレミア」店舗は、顧客が安心して相談できるようプライバシーに配慮した個室の面談ブースを完備しており、貯蓄や資産形成についてのご相談を数多くいただいております。
オンラインでの相談を希望する顧客向けには「プレミアオンラインFP相談」を提供しており、来店相談及びオンライン相談の両方のニーズに対応することで、顧客接点の拡大と利便性向上を実現いたしました。
また、「マネードクタープレミア」店舗による広告宣伝効果は、出店地域での当社の認知度向上にもつながります。そのため、人流が多く、高い集客力を持つ大型商業施設を中心に店舗展開しており、2026年11月期には全国50店舗体制を計画しております。
④ 損害保険ビジネスの業績拡大
これまでの営業社員による顧客対応に加えて、損害保険の非対面でも契約獲得や更新手続きが可能な点を活かし、営業活動の一部を本社部門が担うことで、より効率的に業績拡大を目指せると考えております。2023年3月に立ち上げた損保事業部ダイレクトセンター室と2024年11月期に増員した損害保険専任営業社員の連携により、火災保険の非対面販売と契約後のフォロー強化に取り組んでおります。加えて架電リスト等の見直しを行い、生産性の向上を図ります。
全国のお客さま(顧客)対応のため、2025年11月期も引き続き損害保険専任の営業社員を増員することで、「②契約譲受ビジネスの拡大」による損害保険契約譲受案件への対応を一層強化し、契約の更新率向上と、新規案件の創出に取り組みます。法人マーケットを保有する損害保険代理店からの契約譲受においては、マーケット自体を当社が取り込むことで、事業領域の拡大にもつながると考えております。
⑤ 「DX+教育」をベースとした事業成長
2025年11月期より、新たな成長戦略として「DX+教育」を掲げました。
システムの刷新をはじめとするDXによる成長基盤の強化・業務の効率化を進めると同時に、教育・研修による社員全体のスキル向上を図ってまいります。
システム面では、保有顧客のデータを利活用するデータベースの整備と、営業社員の使用する顧客管理システムの刷新、人事管理システムの刷新を行います。これら新システムとCustomer Data Platform(CDP)を連携することにより、より効率的に顧客へのアプローチが可能になり、業績拡大への寄与を期待しております。また、CDPによる保有顧客分析や、既存顧客とのコミュニケーションツールであるマネドクLINEの機能強化により顧客接点を強化してまいります。
教育面においては、2024年6月に営業現場経験豊富な執行役員を配置したことで、より実態に則した指導と経営方針のスピーディーな伝達が可能となりました。2025年11月期からは、人的資本経営の一環として外部講師による人材育成研修を開始いたしました。
上記のほか、2024年11月期より本格的に開始したIFAビジネスによる投資信託販売や、住宅ローン紹介・取次等のサービス拡充により、顧客のライフタイムバリューの最大化に努めてまいります。
以上の取り組みによって、既存顧客と営業社員とのコミュニケーションが活性化され、既存顧客からの再販機会創出と顧客満足度向上の実現、そして顧客へのより適切なご案内とフォロー体制構築が可能と考えております。
2025年11月期からの経営戦略において、引き続きデータ活用は重要な役割を果たすと考え、デジタル開発投資を推進し、営業部門だけでなくバックオフィス体制の強化を積極的に行ってまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社は事業拡大と企業価値の向上のために、売上高、営業利益、営業社員数、新規契約件数、新規顧客数、会社集客案件数及び契約譲受移管合意件数を重要な指標にしております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 保険代理店事業の確実な成長
当社は、全国展開する営業網を最大の強みとし、これをさらに拡大することで事業の永続的な成長を目指します。お客さまサイドに立ち、共に解決策を考える伴走型ファイナンシャルプランニングを全国のあらゆる地域で提供し、顧客からさまざまなお金に関する相談を承ります。人生設計や資産増大のためのアドバイスを行うことで、顧客に安心を提供することは、当社の社会的な意義かつ使命であると考え活動しております。
営業社員の増員と質の向上は、保険契約の獲得や顧客フォロー体制の強化に不可欠なため、積極的な採用活動を行い、営業社員の訪問先を確保するための会社集客強化にも取り組んでおります。
また、今後想定される保険業法改正や新たなルールの策定に備え、これまで同様、体制整備への時間と費用を投じるとともに、顧客サービス向上のためのデータ整備やDX(Digital Transformation)を積極的に推進し、業務品質の向上を図ってまいります。また、これらの取り組み状況を開示することで、透明性の高い事業運営を行います。より良いサービスを提供することが業務品質と顧客満足度の向上につながり、確実な成長の基盤になると考えております。
② 成長を加速させる新規ビジネスの開拓と推進
保険業界の国内市場が成熟化する中、持続的な成長を実現するための戦略として、新規ビジネスの開拓と推進が重要性を増しています。収益基盤の強化においては、本業から派生したIFAビジネス以外にも、金融教育事業など近隣分野への進出を通じて収益源の多様化を図ります。また、契約譲受の拡大にも注力することで、顧客基盤の強化や保険契約数の増加を実現し、収益の安定性を高めていきます。その結果として、特定市場への依存リスクを軽減し、より安定的な経営基盤を構築することが可能となります。
同時に、当社の強みである全国展開の営業網と営業社員数を活かし、経営資源の最適配分を実現することで、全社的なコスト効率の向上も期待できます。顧客価値の創造の観点では、ファイナンシャルプランニングや資産形成など、顧客の多様なニーズに応える総合的なサービスを提供します。これにより顧客接点が拡大し、ブランド価値と顧客満足度の向上が実現します。
さらに、競合他社との差別化が可能となり、当社の市場におけるシェア拡大につながります。これらの取り組みは相乗効果を生み出します。新規事業を通じて獲得した知見や顧客基盤は、既存事業の強化にも寄与し、総合的な企業価値の向上と持続的な成長の実現を可能にします。
③ 事業拡大を支えるデジタル技術への投資
当社は、近年の飛躍的なデジタル技術の発展を受け、新たな技術を活用した業務にも積極的に取り組んでおります。今後の事業拡大のため、顧客情報を始めとする大量のデータを整備し、システムを刷新することで業務効率や生産性向上を図るとともに、サイバー攻撃等のセキュリティインシデントに対してシステムリスク統制を継続して行います。また、インシュアテック分野の研究開発や生成AIの活用、マーケティングへの応用など、デジタル技術への投資は企業価値向上と同時に顧客満足度向上に寄与すると考え、積極的に取り組んでまいります。
④ 人的資本への投資
当社のさらなる成長のためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。社員教育の強化と研修制度の充実により、社員の生産性向上と業務の効率化を図ります。また、社員が希望する職種への異動を表明しやすい環境を整備し、適正に合わせた配置の効率化を行います。同時に、異動に伴うリスキリング機会の提供を通じて、組織力とバックオフィスの機能を強化します。これにより、社員一人ひとりの成長を促し、組織全体の活性化を目指します。さらに、健康経営への取り組みや社員のメンタルヘルスケアの強化にも継続的に取り組み、働きやすい環境を整備します。これらの総合的な取り組みにより、当社は持続的な成長を実現してまいります。
⑤ 積極的情報開示とIR活動の強化
当社は株主・投資家との建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指し、IR活動の強化を行います。より幅広いステークホルダーとの接点拡大のため、保険業界並びに当社ビジネスモデルの理解促進資料や、海外投資家向けの英語版資料・情報発信の充実に取り組みます。
また、前期から開始したESGデータブックの公開に加え、2025年6月には統合報告書を開示予定です。投資家との対話機会を通じて得られた意見を経営にフィードバックし、透明性の高い企業経営を実現してまいります。
⑥ 個人情報漏えい防止に関する取り組みの強化
2024年8月に発覚しました、保険会社からの出向者による顧客情報漏えい事案を踏まえ、当社は以下のとおり、社内体制の整備と社員教育を実施いたしました。
ⅰ)保険会社の送受信システムの目的外利用の一切の禁止
ⅱ)顧客情報へのアクセス権限制限の強化
ⅲ)個人情報取扱いルールの再度の周知徹底
ⅳ)個人情報保護に関する社員研修の継続実施
ⅴ)法令遵守意識のさらなる強化
当社はこれまで個人情報の取扱いにあたり、厳格な取扱い・管理の徹底に努めてまいりましたが、この度顧客情報漏えい事案が発生したことを踏まえ、今後はさらなる厳格化を図り、再発防止に全力で取り組んでまいります。
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