FIG 【東証プライム:4392】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループは、継続的に事業規模を拡大させていくために下記課題への対応が必要であると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「想像と技術と情熱で快適な未来を創造」を経営理念とし、「笑顔になれる企業グループ」をVisionとしております。社員がワクワク感を持ってチャレンジしている、お客様から「ありがとう」と言われる、株主の皆様にも満足してもらえる、そんなグループを目指しております。
当社グループは、SmartSocietyの実現による快適な未来を目指しています。IoT分野において社会と人の役に立つことが、FIGグループの使命であり、笑顔が溢れる持続可能な社会の実現に貢献します。
(2) 経営環境
(IoT)
当社グループは、公共交通や人の移動に深く関与したサービスを提供しております。メインサービスでは、主に物流・タクシー・バスの事業者に対してIP無線サービス、動態管理システム、配車システム、運行管理システム、決済システムなどのサービスを展開しておりますが、各事業者ともに人手不足が深刻な課題となっております。IoTサービスをより進化させ、人やモノの移動など様々な情報共有により新たな価値を生み出すことで、社会が抱える課題の解決につながるものと考えております。
IP無線サービスは、リプレイス需要や周波数再編で自営系デジタル無線からの買替需要などにより回線を大きく伸ばすチャンスであるとともに、交通分野だけでなく防災分野などにも積極的に展開しております。
従来は、タクシーやバスにペイメントサービスを展開しておりましたが、決済端末機にPOS機能を搭載したことで自治体向けへの展開も始めており、引き続き需要が強い公共交通とともにペイメントプラットフォームの基盤拡大を目指してまいります。
一方、苦戦をしているのがホテルマルチメディアと通話録音であり、新たなスマートホテルに向けたサービス開発や外部パートナー連携による営業強化などの改革を図ってまいります。
(マシーン)
現在主力の半導体製造装置や車載製造装置に加えて、将来の中核事業とすべく搬送ロボットの製造に本格的に進出しております。搬送ロボットは、工場や倉庫などのFA・自動化向けを主なターゲット市場としており、人手不足による自動化ニーズに加えて、海外メーカーが先行する中で純国産ロボットへの期待度が高く、今後大きな市場獲得が見込める事業と考えております。
また、半導体製造装置については、足元では半導体市場が調整局面にあるものの、中長期的に大きく成長が見込まれる分野でもあり、ロボットとともに半導体工場内の自動化に取り組んでまいります。
(スマートシティ)
当社グループの持続的な成長を実現するために事業ポートフォリオの見直しを実施し、経営資源をコア事業と成長投資に集中させ、ノンコア事業であるスマートシティセグメントの賃貸不動産については譲渡(2024年3月29日譲渡実行)することを決定しました。これにより、資産の効率化及び財務体質の改善を図り、投資資産を成長分野であるロボット投資に組替えを行います。
(3) 経営戦略・目標とする経営指標
当社は、株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しに関してプライム市場を選択し、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、適合計画)を提出しております。適合計画において、プライム市場の上場維持基準適合に向けた取り組みの方針を定めるとともに、2022年2月10日に「中期経営計画(FY2022-FY2024)」を公表しました。現在までに、プライム市場上場維持基準を充たしていない流通株式時価総額について、企業価値「倍増への挑戦」をテーマに「EPSの倍増+PER30倍以上+流通株式比率5%増」により充足を目指す方針を掲げており、収益と資本効率のKPIを設定しております。
2024年12月期が適合計画及び中期経営計画の最終年度であり、基盤事業(IoT×SaaS)の拡大と成長事業(ペイメントとロボット)への積極投資をすすめてまいります。
(KPIと進捗)
| FY2021 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | |
| 実績 | 実績 | 実績 | KPI | 現予想 |
サブスク売上高(※) | 38.0億円 | 42.2億円 | 45.7億円 | 48億円以上 | 48.6億円 |
営業利益 | 5.6億円 | 9.3億円 | 7.2億円 | 11億円以上 | 11.2億円 |
EPS | 15.12円 | 23.36円 | 6.97円 | 24円以上 | 33.14円 |
ROE | 5.2% | 7.5% | 2.2% | 8%以上 | 8%以上 |
ROIC | 2.7% | 3.8% | 2.7% | 4.5%以上 | 4.5%以上 |
株主資本コスト | 4.8% | 5.3% | 6.2% | - | - |
WACC | 2.9% | 3.3% | 3.2% | - | - |
※事業ポートフォリオの見直しにより、各年度実績とFY2024予想のサブスク売上高は、スマートシティセグメントの売上高を除外しております。なお、スマートシティセグメントのサブスク売上高は約2.4億円のため、FY2024のサブスク売上高KPIは50億円から48億円計画に修正しております。
(4) 対処すべき課題等
① 新たな成長基盤の確立
当社グループは、2022年2月に中期経営計画「FY2022-FY2024」を公表し、資本・資産効率の向上に取り組んでおり、株主コストを上回るROEとWACCを上回るROICのKPIを設定しております。
当社グループが持続的な成長を実現するため、事業ポートフォリオの最適化に取り組むとともに、経営資源をコア事業と成長投資に集中させることで、資本・資産効率の向上に取り組んでまいります。
収益基盤(IoT×SaaS)のサブスク売上高拡大とともに成長事業(ペイメントとロボット)への積極投資を行い、成長ドライバーとして最も注力しているロボットにおいては、国内を代表する搬送ロボット(AGV・AMR)メーカーを目指して、技術力の向上に取り組みます。
② 開発体制の強化
IT投資の需要拡大に伴い、開発人材の確保と体制の強化は継続的な課題であります。また、グループ各社がONE COMPANYとして連携し、保有技術の蓄積・共有と知の探索をすすめることが、開発効率の向上とともに製品やサービスの優位性確保につながるものと考えております。グループの戦略的な新商品開発の体制構築をすすめ、最新の技術動向や環境変化を常に把握し、変化に対応できるグループであり続けます。
③ 優秀な人材の確保と育成
当社グループにおいては人材が大きな財産であり、会社の持続的成長のために優秀な人材確保と育成に努めてまいります。グループの価値観を共有し、グループ人材公募制度にてグループ内での交流や挑戦と自主性を促すとともに、自己啓発支援制度や資格取得支援制度などにより個々の成長をフォローしてまいります。また、ランチミーティングの補助などによるコミュニケーション活性化や福利厚生制度の充実に取り組んでまいります。
④ ESG、SDGsへの取組み
当社グループでは、事業活動そのものがサステナブルな社会の実現に直結する取組みを推進してまいります。経営理念にもある想像力と創造力により、SmartSocietyを支える技術革新やサービス、環境負荷低減に貢献するサービスにて経済発展と社会課題解決の両立に努めてまいります。また、コーポレートガバナンスの体制強化、取締役会の多様性にも取り組んでまいります。
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