企業兼大株主DM三井製糖ホールディングス東証プライム:2109】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「姿かたちを変えながら一生に寄り添い、幸せの時を広げる。」を企業理念として掲げております。「おいしい」「たのしい」「うれしい」など、人が生きている幸せを実感するときにそばにいることを事業活動の目標とし、その事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちにして広く社会に届け、幸せの時が広がる未来にずっと貢献できる企業グループを目指して一歩ずつ挑戦してまいります。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループでは、ROE(自己資本当期純利益率)7%以上を経営目標達成のための客観的な指標の一つとしております。引き続き成長分野への経営資源の投入を進めながら収益力の強化を図ってまいります。また、将来の成長に向けて取得してきた事業・資産に伴うのれん等の償却負担が増大している財務上の特徴を踏まえ、キャッシュ創出力を表すEBITDA指標を参考として、当社グループの財務の実態把握に努めてまいります。

(3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題等

 当社グループは、砂糖事業が売上高の約80%以上を占めております。国内の砂糖消費量は、人口減や甘味需要の多様化を受け漸減傾向にありますが、健康寿命の延伸や新しいライフスタイルの定着などが、人々の食のあり方そのものに新たな広がりをもたらしております。最先端のITを活用したフードテックにより、食品ロスが削減され環境保全に大きく影響するなど、食の持つ新たな可能性に期待の眼差しが向けられており、DXの推進やサステナビリティ意識の向上に対する取り組みは、更に速度を増すことが想定されております。また、国内においては賃上げの定着など、社会経済活動が活発となる兆しが見え、インバウンド需要の増加なども期待される一方、地政学的リスクの長期化、原材料価格や光熱費の高止まり、円安継続の定着懸念及び人手不足の一層の深刻化などを受け、当社グループの事業を取り巻く環境は、より不確実性を増しております。

 このような状況下、国内砂糖事業の強靭化や、安定的なキャッシュを創出する不動産事業を通じて高い収益性を確保することで、当社グループが成長領域として定める海外事業やライフ・エナジー事業に経営資源の再配分を行い、両事業の更なる拡大に拍車を掛けるべく、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」の達成に向け引き続き邁進してまいります。また、グループの全役職員が多様な力を結集することで、「人と社会の幸せの ちからになる」ために、人々の様々なライフステージにおいて必要とされる栄養と健康のソリューションをお届けする企業グループを目指してまいります。

 国内砂糖事業につきましては、バリューチェーン全体を抜本的に見直し、グループ販売体制の拡大や更なる商流の合理化などを通じて、最適な物流体制の構築による輸送・配送効率の向上を図ってまいります。また、生産面では環境配慮の観点からエネルギー使用量削減に取り組み、販売面では付加価値の創出と推進を図り、調達面では原料糖や燃料価格の高騰に対し、即効性のある収益向上策を講じてまいります。国内砂糖産業の長期安定化への貢献といたしましては、日本甜菜製糖㈱との資本業務提携に基づき、連結子会社である北海道糖業㈱を通じた、北海道全体のビート糖生産体制の見直しを始めとする課題解決に向け取り組んでまいります。また、DM三井製糖㈱と和田製糖㈱との業務提携に基づき、当社を含めた資本提携に向けた協議や、砂糖製品の受委託生産開始(2025年3月末目途)に向けた検討を進めてまいります。鹿児島県及び沖縄県には、生和糖業㈱や石垣島製糖㈱などの原料糖を取り扱う連結子会社があるため、引き続き安定的な原料糖調達を実施し、サトウキビ産業を維持することで、特に離島経済の維持や国土の保全(国境防衛)にも貢献してまいります。

 海外事業につきましては、堅調な経済成長を持続する東南アジア・中東・中国において、当社グループの進出エリアごとに、以下の各種施策を推進してまいります。①東南アジア(タイを除く)・中東:シンガポールの連結子会社であるSIS’88 Pte Ltdを中心に、同社の高いブランド力や、得意とする中東向けリテール商品を活用し、精製糖サプライチェーンの構築を目指してまいります。アラブ首長国連邦(UAE)の新リパック(詰め直し・包み直し)拠点や、連結子会社であるAsian Blending Pte Ltdのベトナムにおける新製造拠点を本格稼働させ、更なる拡販体制のもと収益力の強化を図ってまいります。②中国:砂糖消費大国での事業拡大により、巨大市場の取り込みを図ります。持分法適用関連会社である中糧糖業遼寧有限公司では、高付加価値商品の新規投入などにより、引き続き安定的な収益力を確保してまいります。また、持分法適用関連会社である遼寧長和制糖有限公司では、主力製品となる精製糖小袋とブラウンシュガーの新商品の拡販などにより、販売を一層強化してまいります。③タイ:持分法適用関連会社であるKaset Phol Sugar Ltd.を通じ、グループ海外各社への高品質砂糖の供給拠点として、連結収益に貢献してまいります。なお、海外における更なる事業拡大に向け、様々なパートナー企業との新規事業を進めることにより、ライフ・エナジー事業も含めた積極投資を検討してまいります。

 ライフ・エナジー事業につきましては、「Nutrition by Life Stage」をキーワードに、連結子会社である㈱YOUR MEALのアクティブ層への栄養強化食を主とした「活力健康食品事業」領域では、グループでこれまで構築したバリューチェーンを最大限に活用することで、更なる事業拡大及び強化を図ってまいります。また、連結子会社であるニュートリー㈱を軸とする「栄養療法食品事業」領域と、㈱タイショーテクノスの天然由来の食品素材・機能性食品を中心とする「フードテック事業」領域では、既存のビジネスモデルを補完し、販売チャネルを拡大すべく、M&Aや資本提携を積極活用したボルトオン成長を目指してまいります。更に、連結子会社である北海道糖業㈱のバイオ事業も、幅広い微生物の培養技術と製糖で培われた精製技術を駆使し、機能性食品素材、食品及び工業用酵素、機能性微生物、医薬用原料など、顧客ニーズに沿った付加価値のある受託製造を目指してまいります。これら4つの領域の強固な連携により、ライフステージにおける栄養と健康ニーズに沿った商品やサービスを提案・提供してまいります。新事業の具体的方向性としましては、スポーツパフォーマンスの向上や美容領域、アクティブシニアからケアシニア層が抱える顧客課題解決のための機能性食品素材・食品形態開発及びアプリケーション開発を実施してまいります。

 研究開発につきましては、エネルギー源となる機能性糖質・タンパク質の開発、健康食の新たな提供方法・効率的な摂取方法の研究に着眼し、外部共同研究なども活用してまいります。DM三井製糖㈱のDM三井グループ研究所を中心に、ニュートリー㈱や㈱タイショーテクノス、北海道糖業㈱のバイオ事業といったライフ・エナジー事業を牽引するグループ会社との連携のもと、事業開発部門と一体となり、更なる事業拡大と新規事業領域への展開・発展を目指してまいります。

 不動産事業につきましては、Mita S-Garden(東京都港区芝)一部賃貸事業の収益貢献の本格化など、所有不動産の有効活用による安定的なキャッシュ創出に努めるとともに、一層の資産効率化及び収益力の強化を図り、グループの事業展開に貢献してまいります。また、地域の雇用創出や消費拡大、地域社会の発展に寄与してまいります。

 サステナビリティにつきましては、当社グループの基本方針である「5つの「寄り添い」で持続可能な社会の実現を目指す」をもとに設定した、10項目の重要課題及びKPI(評価指標)の実現に向けて、合計16のアクションプランを設定し、各種施策を推進してまいります。詳細につきましては、「2サステナビリティに関する考え方及び取り組み」をご参照ください。

 なお、当社は、2025年4月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社であるDM三井製糖㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、また、同日付で、当社の商号をDM三井製糖㈱に変更する予定です。当社グループは、2021年4月1日に、三井製糖㈱(当時)と大日本明治製糖㈱(当時)の経営統合により持株会社体制に移行後、2022年10月1日に、傘下の両事業会社を合併させ、グループ経営を深化させてまいりました。当社グループは、現在、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」に掲げる各種施策を展開しており、これらの取り組みは、各事業の強靭化・成長のポテンシャルを高め、グループ全体の生産性・収益力の向上に大いに寄与しております。一方、不確実性が益々高まる事業環境下において、指揮命令系統のシンプル化、事務オペレーションの効率化及びグループシナジー創出に向けた活動の加速が必須であると認識しております。よって、中期経営計画目標達成の確度を高め、適切なグループガバナンスのもとで迅速な意思決定を行い、かつ、経営統合効果をより早期に実現できる現状に適した仕組みと組織体制を整備することが必要であると判断いたしました。当社グループは、各事業の更なる成長を見据え、より効率的で収益力のある企業体を目指すべく、実効的かつ最良なガバナンス体制を構築してまいります。

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