企業兼大株主DIC東証プライム:4631】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

(1)経営の基本方針

 当社グループは「経営理念」「経営ビジョン」「行動指針」の3つの要素から構成される「The DIC Way」を経営の基本的な考え方としています。

 「経営理念」は当社グループが追い求める究極的な「ありたい姿」を、「経営ビジョン」は「経営理念」を実現するために当社グループが進むべき事業の大きな方向性を、「行動指針」は「経営理念」を実現するにあたり当社グループ社員が、常に心に刻み、具体的な行動の道標にすべき行動原則をそれぞれ表しています。

The DIC Way

[経営理念]

 絶えざるイノベーションにより豊かな価値を創造し、顧客と社会の持続可能な発展に貢献する

[経営ビジョン]

 彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに -Color & Comfort-

[行動指針]

 進取、誠実、勤勉、協働、共生

(2)当社グループの経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、2030年に向けて、“DICが貢献する社会”を「グリーン」「デジタル」「Quality of Life (QOL)」とし、DICの強みを活かして貢献できる5つの重点事業領域を定め、経営資源を集中し、“社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオを構築”と“地球環境と社会のサステナビリティ実現に貢献”を、以下の「DIC Vision 2030」基本戦略のもと実現すべく取り組んでいます。

1.「DIC Vision 2030」の基本戦略

● 事業ポートフォリオの変革

1)5つの重点事業領域

 サステナブルエネルギー、ヘルスケア、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージを

 重点事業領域と定め、経営資源を集中

2)変革を支える5つの具体的施策

① 人的資本経営の強化 ② 戦略投資 ③ 技術プラットフォームの拡充

④ グローバル経営体制の強化 ⑤ IT・DXの推進

● サステナビリティ戦略

1)サステナブル製品の拡大

2)CO2排出量削減の推進

3)サーキュラーエコノミーへの対応

2.「DIC Vision 2030」の見直し

 当社は、2022年度からの4年間をDIC Vision 2030の「目指す姿」の実現に向けた基盤づくりの期間(Phase 1)と位置づけ、積極的に開発投資や事業買収を行い、可能性の探索を進めてまいりました。

 これにより多くの成果や可能性を創出できた一方で、経営資源の分散や拡散したテーマの取捨選択の遅れもあり、現時点におけるPhase 1の見込み値は、Phase 1の計画値から乖離が生じています。

 また、DIC Vision 2030策定後に発生した地政学リスクの高まりや世界的なインフレの進行等の外部環境の急速な変化も計画達成に悪影響を与えました。

 このような状況を踏まえ、当社は、今般、DIC Vision 2030のPhase 1最終年度(2025年度)における目標を見直すこととしました。なお、DIC Vision 2030全体の最終年度(2030年度)の計画値については、Phase 2(2026~2030年度)の計画策定段階で精査、公表する予定です。

● 新計画値(Phase 1最終年度:2025年度)

 

旧 計 画 値

新 計 画 値

売上高

11,000億円

11,500億円

営業利益

800億円

400億円

 売上高は、原材料価格の上昇及びインフレの影響を製品価格に転嫁することにより、従前を上回る計画値としました。

 営業利益については、買収事業のシナジー及び構造改革効果の発現等が当初計画より遅れ、Phase 1の翌年である2026年度以降に見込まれることから、目標達成をより確実なものにするため、大幅に下方修正しました。なお、2026年度には最高益更新を目指し、財務バランスの健全化と株主還元の充実を図ってまいります。

● 早期・確実な成果の実現に向けて

 経営資源の分散、テーマの取捨選択の遅れに対する反省を踏まえ、メリハリのある経営資源の配分を徹底すべく、5つの重点事業領域のうち「スマートリビング領域」を最重要領域と位置づけ、経営資源を集中することとしました。特に「エレクトロニクス分野」を集中強化するとともに、半導体用素材を扱う買収事業(PCAS Canada社)のシナジー追求を行うことで、早期かつ確実に成果を求めてまいります。

 一方、重点事業領域の残りの4領域(サステナブルエネルギー、ヘルスケア、カラーサイエンス、サステナブルパッケージ)についても、これまで買収した事業については一層の合理化、シナジー効果を追求してまいるとともに、それぞれの領域内における優先すべきターゲットを見極め、早期の収益化を目指します。

● ケミトロニクス事業の拡大・深化

 上記のとおり、「エレクトロニクス分野」への集中強化を図るべく、当社では、エレクトロニクス仕様の化学・素材を軸とした事業を「ケミトロニクス」と定義し、2024年1月に「ケミトロニクス事業本部」を新設しました。

 ケミトロニクス事業本部は、“製・販・技”一体とした組織体制とし、意思決定の迅速化を図ることで、技術革新のスピードが速く、スピーディーな対応が求められるエレクトロニクス分野で事業拡大を目指します。

 また、”Direct to Society”(自ら未来を予測し、解決策や価値(=材料・デバイス・サービス)を社会に直接訴求することで、新たな事業を興していくこと)により、ケミトロニクスの事業領域の拡大に経営リソースを集中してまいります。

 今後さらなる成長が見込まれる“パワー半導体用高耐熱樹脂”、“先端半導体レジスト用樹脂”などが使用される半導体実装分野や“易解体接合材”、“5G/6G用低誘電樹脂”、“次世代電池用接合材”などの先端電子部品分野を中心に、当社ならではのソリューションを提供してまいります。

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