Cominix 【東証スタンダード:3173】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
私たちは、取り組むべき事業について、“社会に貢献し、社会の発展に寄与してこそ本当の事業である”と考えています。
産業発展の歴史は生産性向上の歴史とも言えますが、当社は1950年設立以来、顧客の生産性向上に寄与することで社会の発展に寄与することを基本方針に掲げ、日本の中核産業であるものづくり産業の、その根幹に関わる切削工具と耐摩工具の販売に特化することで、ものづくり産業の発展に貢献してきたと自負しております。
今後も、当社グループは『ものづくりに携わるすべての人々に寄り添い、世界に「できる」を生み出す。』を存在意義として、対話を繰り返すことで相互の理解を深めながら、提案営業(顧客に潜在する問題点を見つけ出し、自社で提供する商品と使い方の提案にて解決策を提示する営業スタイル)の質を高め、ものづくり産業の生産性向上と付加価値の向上を通じて、社会に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは継続的な事業の拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)(※2024年5月28日付で当初計画「新中長期経営計画(FY74-FY78)」の数値計画等をローリング)におきましては、引き続き「売上高」「営業利益」「ROE」を重要な経営指標と位置づけ、真の生産性向上に貢献する、「ものづくりの専門商社」を目指し、諸施策を実行してまいります。
なお、当連結会計年度の新中長期経営計画(FY74-FY78)の2年目の各達成状況は次のとおりであります。
売上高 (FY75計画) 32,000百万円 (FY75実績) 28,644百万円 計画差 △3,356百万円
営業利益 (FY75計画) 1,280百万円 (FY75実績) 752百万円 計画差 △528百万円
ROE (FY75計画) 11.0% (FY75実績) 7.1% 計画差 △3.9pt
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社を取り巻く経営環境は、自動車のEV化や海外移転の加速など製造業の外部環境は目まぐるしく変化しており、業界内の競争は年々厳しさを増しております。加えて、経済社会活動の正常化が進み、インバウンド需要の復調等が見られるものの、為替動向の懸念や世界的な物価高、また不安定な国際情勢等により、依然として不透明な状況が続くものと思われます。こうした環境の変化を機会と捉え、当社の強みである切削工具や耐摩工具に関する専門性を発揮し、国内市場では、有力代理店の囲い込み、人材育成、全国各地への新規出店、有力な海外メーカーの発掘、テクニカルセンターにおける新商品の加工テストやデータ分析やグリーン市場への進出・開拓等により新規顧客獲得に努めてまいります。また、新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)におきましては、サステナビリティ経営の実現に向けた「持続的成長」と「改革」の5つの戦略骨子として以下のとおり定め、企業価値の向上に努めてまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、切削工具を主たる販売商品として対面販売による営業活動を行い、国内外の製造業者の生産性の向上に寄与することで事業を拡大してまいりました。今後の我が国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境が改善する中、国内経済の景気回復は緩やかに継続する見込みである一方、世界的な金融引締めに伴う影響や物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動、為替動向の影響など懸念材料も多く、先行きは未だ不透明なまま推移することが予想されます。
このような環境の中、改めて経営の基本方針である「社会に貢献し、社会の発展に寄与してこそ本当の事業である」という考えのもと『ものづくりに携わるすべての人々に寄り添い、世界に「できる」を生み出す。』という当社の存在意義に立ち返り、以下の事項を当社グループの対処すべき課題として取組みを進めてまいります。
①商品力の強化
当社グループは、発注から納品までリードタイムを要する切削工具事業において、顧客への即時納品体制を重視し、商品の先行手配による早期在庫化や、国内市場で同業他社との競合がない、あるいは少ない商品を選定し代理店として販売するなど、販売商品の「幅」と「奥行き」の充実を基本的な方針としております。従って、同業他社との差別化を推し進めるために、今後もプロダクト・ミックスを重視した商品力の強化に取り組んでまいります。
加えて、カーボンニュートラルの実現に向けたトレンドが強まるなか、求められる事業の抜本的な変革に対し、いち早く対応するため環境に配慮した商品の選定とラインナップの拡充に取り組んでまいります。
②営業活動の効率化
対面販売を基本とする営業活動を少しでも効率化するため、インターネットを利用したWEB販売システム「Cominix On-Line」を構築しております。このシステムの登録ユーザーは、システムにログインすることで24時間いつでも取扱い商品の在庫状況と購入価格の確認ができ、発注することができます。
今後も、このシステムの利用率を高めることで、営業活動の効率性を高めてまいります。また、連結子会社においてeコマースサイト「さくさくEC」を展開し、効率的に新たなマーケットへの販路拡大を進めてまいります。
③社員教育
商社の競争力は社員の能力であるため、社員教育・人材への投資には力を入れており、豊富な商品知識をもとに「ものづくりに携わるすべての人々に寄り添える人材」であることが、他社との差別化・競争力の源泉と考えており、優秀な人材を育成することが当社の持続的な成長に繋がると考えております。当社では年間を通じて計画的に海外メーカーや専門研修機関による研修の実施や、外部研修機関を利用した階層別研修プログラムを導入するなど、成長を実現する人材育成の仕組みづくりに取り組み、社内テクニカルセンターを活用し、独自で蓄積してきたノウハウや知識の伝達に取り組み、今後も社員のスキル向上に努めてまいります。
④海外市場への展開
国内製造業においては、日本経済の停滞や海外新興国の成長を受け、生産拠点の海外移転が進んでおります。当社グループとしては、海外展開を進める日系製造業の需要に対応するため、中国、東南アジア諸国、北米等への海外展開を積極的に進めております。国内販売で培った販売ノウハウや仕入先メーカーへの交渉力を使い、海外に現地法人を設立し、事業を進めてまいります。
⑤耐摩工具事業、光製品事業の育成
国内の切削工具の需要は、自動車市場が大きなウエイトを占めておりますが、我が国では2030年の次世代自動車普及目標を掲げ、EV車の普及促進に力を入れており、全世界的にもエンジン車からEV車への切り替えが進んでおります。EV化が進むと切削加工が減少し、切削工具の需要も減少する可能性があります。当社グループとしては、主力事業の切削工具販売以外の耐摩工具事業、光製品事業の育成も進めております。
⑥国内製缶業界以外の耐摩工具の販売先開拓
当社グループの耐摩工具事業においては、国内製缶業界向け製缶工具の販売割合が高い状況となっております。今後は、国内製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、海外の製缶業界への販売及び、EV業界への販売など国内の製缶業界以外への販売を開拓し進めてまいります。
⑦切削工具卸売業界の再編に備えた財務体質強化
製造業の海外移転の加速により、国内市場の大きな成長が期待できなくなっており、当社グループの所属する業界は再編の動きが出る可能性があります。当社グループもシェア拡大を目指し、時にはM&Aにも備えて積極的に再編に動けるよう、総資産のうち十分な手元流動性を確保すると共に、資産効率性の改善を図りながら自己資本利益率を向上させ財務体質の強化を進めてまいります。
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