CAICA DIGITAL 【東証スタンダード:2315】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、時流を捉え、革新的な事業を創造することを目指しています。数多くの金融システム構築で培った知見と最先端のテクノロジーに、金融事業のノウハウを融合させることで得られるデジタル金融としての新たなナレッジを活かしたサービスを取引先に提供するとともに、デジタル化が進む社会の中で金融と社会が大きく変貌するパラダイムシフトに合致した企業グループとして革新的なサービスを生み出してまいります。
(2)経営環境に対する認識
当社グループが創業以来手掛けてきたシステム開発事業(SIer事業)は、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の進展により、事業構造が大きく変容していくものと考えており、近い将来、業界再編が加速し、劇的な変革に迫られるシナリオも想定しております。これらをふまえ、当社グループでは、50年以上にわたる金融機関向けシステム開発の知見を基に2016年よりフィンテック戦略を掲げ、ブロックチェーンに注力し、2022年からWeb3事業に参入いたしました。
(3)中長期的な会社の経営戦略
2023年10月に中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)を策定いたしました。
(単位:百万円)
| 2024年10月期 | 2025年10月期 | 2026年10月期 |
連結売上高 | 6,302 | 7,045 | 7,813 |
連結営業利益 | 169 | 318 | 467 |
※2024年10月期は見直した結果、2023年10月16日公表の数値と異なっております。
中期経営計画の達成に向けた具体的な施策は以下のとおりです。
1.既存Web3事業の拡大
・カイカコイン(CICC)の資産価値向上
当社は自社で暗号資産「カイカコイン(CICC)」を発行しており、運用実績は7年に及びます。今後は、GameFiとして注目されるゲーム内決済通貨としての活用をはじめとして、活用シーンを増やすことで資産価値の向上を図ります。
・Zaif INOにおけるサ-ビスの拡充
カイカフィナンシャルホールディングスが運営するブロックチェーン専門のNFTローンチパッドZaif INOでは、クリエイターが制作した作品のNFT化からマーケティングまでを包括して行っております。2023年11月、Zaif INOでのカイカコイン(CICC)決済が実装され、2023年12月に、カイカコイン(CICC)で決済可能なNFTの第1弾販売を実現いたしました。今後は暗号資産交換所Zaifのウォレットにおいて購入したNFTの管理機能などを検討し、サービスを拡充していく予定です。
・Web3型のデータ保管サービス(ブロックチェーンストレージサービス)の展開
当社グループはブロックチェーン技術を活用した次世代のストレージサービスを展開しております。従来のストレージサービスはデータセンターのセキュリティに関する潜在的なリスクを孕んでいましたが、分散台帳技術の活用により格段にセキュリティの向上が期待できます。また決済にカイカコイン(CICC)を用いることで、ユースケースの拡大にも寄与します。今後は事業ドメインの拡大とユーザビリティの向上を継続して行うことで、シェアの拡大を図ります。
2.DXコンサルティングによるSI事業の伸長
当社グループは暗号資産交換所Zaifの運用や、NFTローンチパッド、ZaifINOの運用実績を活かし、CtoCプラットフォームやIPを保有する企業に対して、Web3事業開発のノウハウを提供します。
また、CAICAテクノロジーズにおいては従来、開発案件の二次請け受注業務を行ってまいりましたが、従来の体制と併せて新しい体制を構築することにより上流工程の案件獲得を目指すことで収益構造の抜本的改革を目指します。なお、CAICAテクノロジーズは従来体制においてはウォーターフォール型の開発体制を構築してまいりました。一方、上流工程の案件を獲得するためにアジャイル型の開発チームにて新たにスクラム体制を組織いたしました。
3. M&Aによる事業拡大
当社は積極的にM&Aを行い、中期的な事業拡大を図ってまいります。現在、当社が想定している対象企業、及び戦略は以下の通りです。これまでに金融サービス事業で得た知見とパイプラインを活かし、複数の案件を検討しております。
・ブロックチェーン関連企業
ブロックチェーンを活用したサービスを展開する企業をM&Aにより獲得し、当社のノウハウを活かし更なる業績拡大を図ります。
・Web3と親和性の高い企業
ゲーム開発会社や、独自のIPを所有する会社をM&Aにより獲得し、当社とのシナジーにより、高い収益性を目指します。
・システム開発企業
引続きマーケットは需要が旺盛であり、CAICAテクノロジーズは需要過多な状況です。M&Aにより獲得した企業のリソースを活用するとともに新規顧客の開拓に努め、事業拡大を図ります。
今後、これらの具体的な施策を推進していく上での課題は、専門分野に特化した人材及びハイスペックな人材の確保であると認識しております。
当社グループのITサービス事業は創業来、開発案件の二次請け受注業務を行ってまいりましたが、近年は一次請け受注業務の比率が向上しております。今後は従来の体制と併せ、Web3のコンサルティング事業である「CAICA Web3 for Biz」とのシナジーを活かし、顧客ニーズを捉え、上流工程の案件を一層獲得することで収益を拡大してまいります。これにあたり、コンサルティングの専門人材やハイスペックなエンジニア等の確保が必要であることから、ヘッドハンティング会社や、専門分野に特化した紹介会社の利用による採用活動に加え、現状の社員紹介制度を充実させることで人材の獲得を強化してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、当連結会計年度において下記の項目に該当することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
・継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナス
・重要な営業損失
・借入金の返済条項の不履行
当社グループは、当連結会計年度の業績においても、営業損失2,378百万円、経常損失2,560百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失3,889百万円を計上し、当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、上記の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況を解消するために、以下の対応策を講じ、当該状況の解消又は改善に努めてまいります。
当社グループは、安定したキャッシュ・フローを産みだすシステム開発のITサービス事業に集中し、資本業務提携を締結したクシム及びその子会社である株式会社チューリンガムとともに、ブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大を図ります。ITサービス事業への集中とWeb3ビジネスの拡大により、2026年10月期までの間に年平均13%増の連結売上高を目指してまいります。
これまで業績面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた暗号資産関連事業の子会社を売却し、カイカ証券を廃業したことで、2024年10月期以降は販売費及び一般管理費は、約2,200百万円が削減される見込みです。
また、Web3コンサル事業「CAICA Web3 for Biz」から、上流工程の高単価SI案件を獲得することで、2026年10月期までに営業利益率6%を目指します。さらに、2026年10月期までにITサービス事業の人員(パートナー人員を含む)を2023年10月期比で8.5%増の725人とする予定であり、一人当たりの売上も8.5%増とする予定です。
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