企業Atlas Technologies東証グロース:9563】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 ビジョン(Vision)

 人と産業の可能性を、解き放つ

   (Unleash the potential of every person and industry on the planet)

『新たな地図を描くように、価値を生み出す「機会」や「場」を世界中に創り出したい』

 創業者が世界の多くの国や都市を旅し、ビジネスを通じて抱いた想いによって、「Atlas(地図)」という名を冠した「Atlas Technologies」は創業されました。そんな私たちのビジョンは「人と産業の可能性を解き放つ」ことです。テクノロジーの力によって、世界中の人・組織・産業が本来持っている力を最大限に発揮できる豊かな社会を実現したいと考えています。

 ミッション(Mission)

 あらゆる産業とFintechの融合

   (To offer seamless solutions for embedding Fintech across all industries)

 インターネットによって、人類は地球規模で情報を低コストに伝達できるようになりました。

 その一方、日々生み出される経済的・社会的価値が世界中で途切れることなく移動し、交換されるためには、今なお多くの課題があります。

 私たちは、従来の金融機関のみならず、あらゆる産業がFintechと融合することで、決済・送金・投資・融資・預金・会計・保険・証券といった従来の金融のあらゆる領域がテクノロジーによって再定義され、その結果創造された価値が世界中をなめらかに移動し、人と産業の可能性が解き放たれる社会を実現したいと考えています。

    Set of Values(5つの価値観)

   ① Challenge the Possibilities(可能性に挑戦しよう)

 自分たち自身が奮い立つような高い目標を成し遂げよう。解は必ずあると信じて行動する。

   ② Build Leadership(全員がリーダーであろう)

 ゴールを掲げ、自らがチームの先頭を走ろう。勇気をもって決め、相手が行動を起こせるように伝える。

   ③ Act As One(一丸となってコトを成そう)

 個人では成し遂げられないような驚くべきことをチームで実現しよう。

   ④ Have Integrity(常に誠実さを持とう)

 顧客・パートナー・同僚、そして自分自身に対して誠実で謙虚であろう。

   ⑤ Keep It Fun(日常に遊び心を)

     自らがその日常を楽しいと思えるような機会や場を創り出そう。余裕やユーモアをもって行動する。

(2) 経営環境

 当連結会計年度における我が国及び海外経済は、ウィズコロナからアフターコロナへの転換に伴う行動制約の解除や各種政策の効果もあり、社会経済活動の正常化が進んだことで、緩やかに回復しております。しかしながら、インフレーションの進行や世界的な金融引締め等により依然として先行き不透明な状況が続いており、景気への影響を引き続き注視する必要があります。

 国内DXコンサルティング事業を取り巻く環境においては、国内コンサルティング市場規模が2025年には1兆2,551億円(出典:IDC「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2021年から2025年(2021年)」)、国内DX市場規模も2030年には6兆5,195億円(出典:富士キメラ総研「2023デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)にまで拡大し、今後も中期的に右肩上がりで成長が続くものと予想されております。また、海外においてもビジネス及びITに関するコンサルティング需要は中期的に成長が続くものと予想されます。

 当社グループがコンサルティング事業を展開する金融業界及びFintech事業関連業界の多くの企業においては、日々変化する事業環境での生き残りを図るための対応を行いながら新たな価値の創出を模索している状況と推察されます。経営戦略やIT戦略の見直しを、イノベーションを実現するテクノロジーの活用と事業上で必須として求められるIT対応や業務効率化対応を両立させながら追求するよう迫られており、それらに対するコンサルティング需要は底堅く続くものと予想されます。


 このような環境のもと、当社グループの事業結果としては、特に決済関連業界におけるITプロジェクト支援に関する需要を底堅く捉え、一部プロジェクトからの収入減少が生じた中で、新規顧客獲得や既存顧客深耕の推進により新しいプロジェクトの受注は堅調に推移いたしました。更なる顧客の獲得や新しいプロジェクトの受注の取組みを実施中であり、また、Fintechコンサルティングサービス体制及び事業体制の拡充を一層推進しております。その一環として、コンサルティング・経営の経験を豊富に有するトップ・コンサルティングファーム出身の執行役員2名を含めたコア人材の登用、成長基盤の要となるスキルの高いコンサルタントの積極採用の継続、アジアでの事業基盤強化に向けたASEAN地域のFintechコンサルティング企業であるKapronasia Singapore Pte. Ltd.の完全子会社化などに取組んでまいりました。

(3) 中長期的な経営戦略

 当社グループでは、中長期的な経営戦略として、次の3つを推進してまいります。

① サービス分野の拡大と活動エリアの強化

② 優秀な人材の採用/定着とサービスの高付加価値化

③ 新規クライアント獲得と既存クライアントの深耕


① サービス分野の拡大と活動エリアの強化

Fintech領域のサービス分野において、決済分野に加えて、銀行・証券・保険分野も強化します。活動エリアについては、シンガポールを拠点とした連結子会社であるKapronasia Singapore Pte. Ltd. を中心に、アジア地域での事業活動を本格的に開始しています。


②  優秀な人材の採用/定着とサービスの高付加価値化

 優秀な人材の採用・育成などによりコンサルタント数の増加及び定着率の向上を図るとともに、OJT/OFF JTを通してコンサルティングサービスの高付加価値化を推進します。


③ 新規クライアント獲得と既存クライアントの深耕

 各業界のリーディングカンパニーとの先進的なプロジェクト経験によって得られた知見を活用し、新たな業種・企業へも再現性を持って事業を展開します。また、既存クライアントからの高い信頼に基づき、1社当たり複数のプロジェクトを継続的にご支援することで、プロジェクトの層をさらに積み上げます。


クライアントポートフォリオの多様化を伴う持続的な事業成長を実現

 事業成長に向けた取組みで得た成長エンジンをベースに、提案力の更なる深化とサービスを拡充し、Fintech領域全体におけるクライアントニーズを取り込みながら、更なる事業成長を目指します。


(4) 目標とする経営指標

 当社グループでは、持続的な成長と企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており、主な経営指標として、成長性については売上高、企業価値の向上については売上総利益及び営業利益を重視しております。

 収益のドライバーである事業KPIは「クライアント数」及び「コンサルタント数」を継続的に確認及び分析しております。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき主な課題は、以下の項目と考えております。

① 優秀なコンサルタントの確保

 当社グループは、顧客の様々な課題解決ニーズに応えるため、Fintech分野の知識に精通した優秀なコンサルタントの更なる積極的確保が早期に取組むべき課題であると認識しております。企業規模の拡大のためには、コンサルティング業界やFintech業界から専門性の高い人材の獲得・育成を進めることが不可欠であると考えており、コンサルティングファームとして顧客への提案力や課題解決力を豊富に持つ人材の確保を促進してまいります。

 また、今後の成長の推進のため、人材採用手法の強化とともに、当社グループのビジョンやミッション等を理解し、スピード感を持って事業を推進することができる積極的な採用活動を様々な手法を活用し推進してまいります。また、コンサルタントがより働きやすく成長できる環境を、制度面・組織風土の双方から整備することで育成・定着を図り、人的資本の価値最大化につなげてまいります。

② 取引先及び取引額の拡大

 当社グループのデジタルソリューション事業は、大手通信キャリアを中心とした顧客からの収益が多くを占めております。業界におけるリーディングカンパニーとの先進的なプロジェクト経験によって得られたFintech事業特有のノウハウ・ナレッジを活用し、新規顧客獲得や異なる部門の潜在課題や需要の発掘を通じた顧客ポートフォリオの拡大を目下推進しております。

 また、プロジェクトの継続支援と追加のプロジェクトの獲得が進んでおりますが、既存顧客との取引深耕による更なるプロジェクトの獲得及び取引額の拡大の取組みを進めてまいります。

 収益の安定的な成長に向けては、付加価値提供をさらに追求し、サービスメニューを拡大するなど、その取組みを加速してまいります。

③ コンサルティング力強化による付加価値向上と大型案件並びに新たな事業・サービスの創出

 当社グループは、プロジェクト経験やグローバルにおける最先端動向の研究などを通じて得られる知見のナレッジ化・アセット化を推進しております。それらを踏まえ、顧客の課題解決をさらに追求することや、専門性が求められる様々な新規プロジェクトの獲得及び大型案件獲得の追求をさらに促進してまいります。

 また、顧客業界の市場特性や課題解決に直結する分析などの知識や経験を活かして、高付加価値のコンサルティングを提供するほか、新たな事業・サービスの開発につなげてまいります。

④ 内部管理体制の強化

 当社グループは成長段階にあり、今後もより一層の企業規模拡大及び持続的な成長を見込んでおります。そのために、企業規模拡大に応じた内部管理体制の更なる強化が必要であると認識しております。具体的には、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の強化、内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化、内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化並びにリスクマネジメントの強化などを図ってまいります。

⑤ 事業拡大を支える財務基盤の構築

 当社グループはこれまで金融機関からの借入を行ったことがなく、資金需要は自己資金により賄い、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉に手元流動性を確保してまいりましたが、今後の事業拡大及び事業上の課題への対処により、更なる資金需要が生じると考えております。そのため、資金調達方法の多様化と柔軟な流動性確保を図るため、金融機関との良好な関係を構築し、資金調達が必要な場合には適時適切に対応することを検討してまいります。

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