AViC 【東証グロース:9554】「サービス業」 へ投稿
企業概要
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
また、当社におけるリスクの把握及び管理の体制は、後述の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
(1)インターネット広告を巡る事業環境について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
新型コロナウイルス感染症に対する各種制限の緩和により、経済活動の正常化の動きが見られました。このような経済情勢のなか、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションのトレンドが継続しており、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が前年度比さらに活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。株式会社電通「2022年 日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2022年に3兆912億円となりました。
このように、インターネット広告市場は拡大傾向にありますが、景気変動や広告主の広告戦略等の影響を受けるため、景況感が悪化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の分散を積極的に進めることで、当該リスクに対応してまいります。
(2)技術革新への対応について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社が扱うインターネット広告業界は、急速に技術革新が進んでいる分野であり、技術革新に伴って、広告主のニーズも常に変化し、多様化する傾向にあります。当社は、このような事業環境にあることを踏まえて、最新の技術・動向を常に取り入れながら、新しい技術の開発や研修を行い、技術力の向上を目指しています。
しかしながら、何らかの事情により当社の対応が遅れた場合等には、当社の競争力が低下し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合他社との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
インターネット広告の業界には、既に多数の競合他社が存在しますが、他の広告市場に比べて拡大傾向にあることから、今後も新規参入企業が増加する可能性があります。今後、競合他社が革新的な技術を開発した場合や、新規参入によって競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす恐れがあります。
当社は、メディア運営会社のアルゴリズムの理解をベースとしたサービス品質の維持・持続的な向上を、自社開発ツールの更なる進化や科学的な社員育成を継続し組織レベルで図ることで、当該リスクに対応してまいります。
(4)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社代表取締役社長である市原創吾をはじめとする幹部社員は、インターネット広告の業界に精通し、多くのノウハウを有しております。また、経営戦略及び事業戦略の決定等において、重要な役割を有しております。このため、他の社員への権限委譲や、ノウハウの組織知化を推進することで、出来る限り当社の事業に対する影響を軽減できるような体制を構築しておりますが、市原創吾をはじめとする幹部社員が何らかの理由により退任、退職等をした場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
デジタルマーケティング事業は、サービス業であるため、メディア運営会社のアルゴリズムを正確に理解した適切な施策を実行する能力のある優秀な人材の確保・育成が当社事業の価値を産み出す源泉となります。当社は、優秀な人材の積極的な採用や育成に力を入れています。
しかしながら、優秀な人材の確保が困難になる又は社外流出するような場合には、競争力の低下や事業拡大に支障を来たす可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)メディア運営会社との取引関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
デジタルマーケティング事業に関しては、メディア運営会社からの広告枠の仕入れがサービスの基盤になるため、当社は、より多くのメディア運営会社と良好な取引関係を維持できるように努めております。
しかしながら、一部のメディア運営会社との取引関係に変化が生じた場合には、必要かつ十分な広告枠の調達が困難となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「販売管理規程」、「広告取扱ガイドライン」、「SEOコンテンツ取扱ガイドライン」を定め、広告出稿、クライアントへの納品等が行われる前に、適切な内容であるかの複層的なチェック体制を構築することで、当該リスクに対応してまいります。
(7)新規事業について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):新規事業展開時(頻度:低)、影響度:中)
当社は、事業規模拡大及び収益基盤拡充のため、現時点において具体的に構想しているものはありませんが、新規事業を積極的に展開する方針です。その場合、新しい人材の採用など追加投資が必要になる一方、安定した収益を生み出すには一定程度の期間を要することが想定されます。新規事業が当初の計画通りに進まない場合には、投資回収が出来なくなる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新規事業を展開する際には、事前に十分な市場調査や必要な投資と回収の見込みを精緻に実施することで、当該リスクに対応してまいります。
(8)通信ネットワークについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は、主にインターネット通信を利用してサービスを提供しておりますが、通信ネットワーク機器の故障、ソフトウエアの不具合、コンピュータウイルス、人為的ミスその他の事故等により、通信ネットワークに障害が発生する可能性があります。当社においては、強固なバックアップシステムを構築するとともに、障害の発生を未然に防ぐように努めておりますが、万が一通信ネットワークに障害が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当該リスクに対応するために、メインルーターの冗長化、アクセスポイントの複数配置、MDM(注)1.(Mobile Device Management)の導入、EDR(注)2.(Endpoint Detection and Response)の導入等を行っております。また、障害発生の未然の防止として、クラウドストレージやネットワーク機器のアクセス権管理、ログ取得(ルーター、AP、Dropbox、Googleについてシステムがデフォルトで実施)、死活監視(注)3.等運用面での管理を行っております。
(注)1.MDMとは、モバイルデバイスを、ツールを用いて適切に管理し、企業のセキュリティを維持・向上させるツールです。
2.EDRとは、デバイスの不正な挙動の検知及びマルウェアに感染した後の対応を迅速に行うことを目的としたツールです。
3.死活監視とは、コンピュータやシステムが正常に稼働しているかどうかを、外部から継続的に監視する機能です。
(9)法令等による規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
インターネット広告事業は、許認可業種ではなく、当社の事業を直接的に規制する法令や業界の自主規制はありませんが、広告の内容によっては、広告主において、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の規制を受ける可能性があります。当社においては、広告主が各種法令等による規制に抵触することを回避し、また、当社としてのレピュテーションリスクにつながることのないように、具体的な注意点を記したチェックリストを整備し、複層的なレビュー体制を構築しております。また、当社自身が、企業の事業活動に関わる各種法律に抵触しないように、当社では「リスク管理規程」及び「コンプライアンス規程」を制定し、当社の役職員が遵守すべき法的規制の周知徹底を図り、また、「内部通報規程」の制定等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。また、定期的に社内研修等を行い、当社の役職員が遵守すべき各種法律の周知徹底を図っております。
しかしながら、上記の対策を講じているにもかかわらず、万が一何らかの理由により関係法令等の規制が遵守できなかった場合や、現時点において想定するものはありませんが、今後インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社の事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社の事業活動ならびに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。当社による法令違反又はレピュテーションが害されること等があった場合には、企業イメージの悪化等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)第三者の知的財産権(特許、著作権等)侵害に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は、当社が関わる広告物等が他人の写真や文章を盗用することがないように、具体的な対応策として、「販売管理規程」、「広告取扱ガイドライン」、「SEOコンテンツ取扱ガイドライン」を定め、広告出稿、クライアントへの納品等が行われる前に、他社の知的財産を侵害しないための業務フローを定めております。
本書提出日現在、当社は第三者より知的財産権の侵害に関して第三者の知的財産権を侵害した事実や損害賠償及び使用差止の請求を受けた事実はありません。今後においても、侵害を回避すべく監視及び管理を行ってまいりますが、当社の事業領域において当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。万が一、当社が第三者の知的財産権等を侵害した場合には、損害賠償請求、差止請求や使用許諾料の支払請求等により、当社の事業活動ならびに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
地震、台風等の自然災害などの事象が発生する場合には、当社事業も大きな影響を受け、円滑な事業活動に支障を来たす可能性があります。当社は、そのような事態に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的に社内研修等を実施しています。
(12)小規模組織であることに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社の人員体制は、事業の急成長に伴い人材採用を積極的に進めた結果、2023年9月末現在、取締役6名、従業員60名(2022年9月末比+9名)となっております。当社は、事業の急成長や変化並びに人員の増加に合わせて、最適な組織構築を迅速かつ柔軟に行っております。継続的に業務執行体制及び内部管理体制の強化を進めておりますが、事業や組織の変化に対し、最適な組織構築がなされない場合においては、当社の業務推進に支障が生じ、今後の事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。今後の組織の拡大に応じて、業務執行体制及び内部管理体制の一層の充実を図ってまいりますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)社歴・業歴が浅いことに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):十分な社歴を重ねるまで常時、影響度:中)
当社の実質的な創業は2018年3月であり、社歴・業歴の浅い会社であります。社歴の浅い会社であるため当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(14)のれん及び顧客関連資産の減損について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社は、企業買収に伴い発生したのれん及び顧客関連資産を貸借対照表に計上しております。当該のれん及び顧客関連資産については将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれん及び顧客関連資産について減損損失を計上し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)配当を行っていないことについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、将来の事業展開と経営基盤の強化を図るため、内部留保の充実を優先し、現在のところ利益配当を行っておりません。しかし、一方で株主に対する利益還元についても経営の重要課題の1つと認識しており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、将来的には配当による利益還元を検討する所存であります。
(16)ストックオプションに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、取締役、従業員に対するインセンティブとして新株予約権を発行しております。この新株予約権が権利行使された場合には、他の既存株主の保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、提出日の前月末現在(2023年11月30日)の新株予約権による潜在株式数は、提出日の前月末現在(2023年11月30日)で時価発行新株予約権信託243,000株を含め377,700株であり、発行済株式総数6,132,300株の6.16%に相当しております。
(17)当社株式の流動性に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社の株主構成は市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合、岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合及び吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合の大株主、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合及び当社役職員であります。株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は、当事業年度の末日(2023年9月30日)において、36.16%となっております。今後は、当社大株主への一部売出しの要請、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストックオプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)当社の大株主である市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合、岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合及び吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
① 市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合との関係について
当社の筆頭株主である市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合(以下「市原創吾・ミダスLPS」といいます。)は、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、当社発行済株式総数の35.5%を保有しております。
市原創吾・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、株式会社市原ホールディングス(当社代表取締役社長である市原創吾の資産管理会社)及び株式会社吉村ホールディングス(株式会社ミダスキャピタルの代表取締役である吉村英毅の資産管理会社)の3者で構成されており、本書提出日現在において、株式会社市原ホールディングスは市原創吾・ミダスLPSの99.7%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために市原創吾・ミダスLPSに出資しております。市原創吾・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、市原創吾・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として株式会社市原ホールディングスとなっております。市原創吾・ミダスLPSは、株式会社市原ホールディングスが当社株式を現物出資する仕組みで組成されております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:株式会社市原ホールディングス(580口)、株式会社ミダスキャピタル(1口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(1口)
b.本組合の存続期間
2018年9月28日から2038年3月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
株式会社市原ホールディングス及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)株式会社市原ホールディングスが主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・株式会社市原ホールディングスが主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、市原創吾・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
② 岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合との関係について
当社の大株主である岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合(以下「岩田匡平・ミダスLPS」といいます。)は、本書提出日現在において、当社発行済株式総数の23.0%を保有しております。
岩田匡平・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、岩田匡平氏及び株式会社吉村ホールディングスの3者で構成されており、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、岩田匡平氏は岩田匡平・ミダスLPSの99.5%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために岩田匡平・ミダスLPSに出資しております。岩田匡平・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、岩田匡平・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として岩田匡平氏となっております。岩田匡平・ミダスLPSは、岩田匡平氏が当社株式を現物出資する仕組みで組成されております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:岩田匡平氏(372口)、株式会社ミダスキャピタル(1口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(1口)
b.本組合の存続期間
2018年9月28日から2038年3月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
岩田匡平氏及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)岩田匡平氏が主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・岩田匡平氏が主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、岩田匡平・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
③ 吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合との関係について
当社の大株主である吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合(以下「吉村英毅・ミダスLPS」といいます。)は、本書提出日現在において、当社発行済株式総数の4.5%を保有しております。
吉村英毅・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、吉村英毅氏及び株式会社吉村ホールディングスの3者で構成されており、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、吉村英毅氏及び株式会社吉村ホールディングスは吉村英毅・ミダスLPSの99.97%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために吉村英毅・ミダスLPSに出資しております。吉村英毅・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、吉村英毅・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として吉村英毅氏となっております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:吉村英毅氏(3,450口)、株式会社ミダスキャピタル(8口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(23,339口)
b.本組合の存続期間
2017年9月14日から2037年8月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
吉村英毅氏及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)吉村英毅氏が主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・吉村英毅氏が主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、吉村英毅・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
④ 株式会社ミダスキャピタルとの関係
株式会社ミダスキャピタルは、吉村英毅氏が代表を務めるプライベートエクイティファンドの運営会社という形を取っておりますが、一般的なプライベートエクイティファンドとは異なり、吉村英毅氏が中心となって、今後成長を志向し、他の起業家との連携強化を求める国内外の起業家又は実業家を参画メンバーとして集め、原則として、外部からの資金拠出は受けず、当該参画メンバーのみが無限責任組合員又は有限責任組合員として同社が組成するファンドに出資する形態を基本としております(株式会社ミダスキャピタルの概要、経営理念、出資先等の詳細については同社のホームページ(https://midascapital.jp)をご覧ください)。
当社、市原創吾及び岩田匡平氏は、株式会社ミダスキャピタルが掲げるビジョンに賛同するとともに、市原創吾・ミダスLPSの議決権の保有主体は実態として株式会社市原ホールディングスであり、当該意思決定に当たっては株式会社市原ホールディングスの株式の100%を保有する市原創吾の意向が反映されること及び岩田匡平・ミダスLPSの議決権の保有主体は実態として岩田匡平氏であり、当該意思決定に当たっては岩田匡平氏の意向が反映されることで当社としても引き続き安定的な経営が可能となる点や、株式会社ミダスキャピタルのビジョン等に賛同して参画したメンバーとの間における、知見の共有や人材の紹介、参画メンバーが経営する企業間での取引関係の強化等によって、当社及び株式会社ミダスキャピタルに参画する企業群全体の企業価値向上を図ろうとする理念にも魅力を感じ、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏が保有していた株式をそれぞれ現物出資することによって市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSを組成するに至っております。
なお、本書提出日現在において、株式会社ミダスキャピタルから当社に対して派遣されている役員は存在せず、また、市原創吾・ミダスLPSの議決権の保有主体が実態として株式会社市原ホールディングスであり、岩田匡平・ミダスLPSの議決権の保有主体は岩田匡平氏であることから、当社の株主総会又は取締役会等における意思決定手続きにおいて、株式会社ミダスキャピタルから直接影響を受けている事実はありません。
このように、市原創吾・ミダスLPSは株式会社市原ホールディングス、岩田匡平・ミダスLPSは岩田匡平氏が主たる業務執行者になっております。なお、上記に記載したとおり、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏が投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務をそれぞれ主導的に行うこととなっているため、株式会社市原ホールディングスの意に反する市原創吾・ミダスLPSの意思決定がなされる可能性及び岩田匡平の意に反する岩田匡平・ミダスLPSの意思決定がなされる可能性は相当程度低いものと考えております。
しかしながら、市原創吾・ミダスLPS又は岩田匡平・ミダスLPSの業務執行に当たり、万が一、株式会社ミダスキャピタルの経営方針の変更等によって市原創吾・ミダスLPSにおける株式会社市原ホールディングスの意向又は岩田匡平・ミダスLPSにおける岩田匡平氏の意向が反映されなくなった場合には、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、株式会社ミダスキャピタルは、市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPS以外にも類似のスキームを採用することによって複数のファンドを組成しており、いずれも、基本的には、ファンドの出資先となっている企業の経営者が実質的な出資者となっている状況にありますが、株式会社ミダスキャピタル、当該他のファンドが出資する企業又はその出資者が、法令違反その他の事由により社会的信用を失墜することになった場合には、当社と各社等の間に直接的な関係は無いものの、「ミダス」を名称に冠するファンドが株主に存在しているという共通点から生じる風評等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日現在において、当社、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏は、ミダス企業群の一員として、市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSを通じて強固な関係を築いておりますが、万が一、経営方針の相違等によって、株式会社市原ホールディングスがミダス投資事業有限責任組合から脱退することになった場合や、岩田匡平氏が岩田匡平・ミダスLPSから脱退することになった場合などは、LPSの形態から各LPSの大株主による直接的な出資形態に切り替えることが可能です。しかしながら、ミダス企業群からの脱退により、ミダス企業群に参画している企業との間での知見の共有や人材の紹介、取引関係の強化等のメリットが得られなくなった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、今後において市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSの出資者の内訳や上記各事項に変更が生じた場合には、速やかに開示を行う方針であります。
⑤ 株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の内容及び当社とミダス企業群との関係について
株式会社ミダスキャピタルにおいて、ミダス企業群全体に適用されるガバナンス原則が定められており、各社同士の営業取引、資本取引、人的交流について規則を設けモニタリングが実施されています。具体的なガバナンス原則の主な内容と当社の状況は以下のとおりです。
a.営業取引
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
ミダス企業群に属する事業会社同士で営業取引を行う場合は、ミダス企業群以外の第三者との取引や市場取引から合理的な範囲で乖離しない経済条件(取引内容、取引開始の経緯、取引価格)で実施します。また、ミダス企業群に属する事業会社同士で営業取引を開始する際には、取引の双方における取締役会決議又はそれに準ずる機関決定を経るものといたします。原則として、各投資先事業会社において、売上高合計、売上原価合計、販売費及び一般管理費合計、資産合計、負債合計について、ミダス企業群の他の事業会社を相手方とする計上金額の構成比は一定の基準を超えないものとし、相互にモニタリングを実施することといたします。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群と以下の取引を実施しております。なお、当社がミダス企業群に参画している企業と取引を実施する際は、その取引価額については独立第三者との取引価額と同等の経済条件で取引を実施することとしております。
取引先名 | 取引の内容 | 取引開始の経緯 | 取引金額(注) |
株式会社GENDA Games | オンラインクレーン事業のWeb集客の支援(売上高) | Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 | 2,571千円 (0.2%) |
株式会社ゼスト | サイトリニューアルやWeb集客の支援(売上高) | Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 | 1,720千円 (0.1%) |
株式会社GENDA GiGO Entertainment | オンラインクレーン事業のWeb集客の支援(売上高) | Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 | 1,404千円 (0.1%) |
株式会社イングリウッド | 新卒・中途採用に関する業務委託の費用(販売費及び一般管理費) | 同社が人材紹介事業に関するノウハウを有していたことによる | 1,000千円 (0.2%) |
(注)金額は2023年9月期の実績値であり、括弧書きは2023年9月期の売上高合計、販売費及び一般管理費合計に占める割合を記載しております。
b.資本取引
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
ミダス企業群に属する事業会社が新たにミダス企業群の他の事業会社に対して出資や融資を行うことはありません。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群に参画している企業は独立した会社であることを踏まえ、各参画企業と資本取引又は金銭貸借やそれと同様の効果を生じさせうるような資金融通にかかる取引(以下、「資金融通取引」という。)に対し、以下の基本方針を有しております。
ⅰ.原則として、ミダスキャピタル参画企業との間の資本取引又は資金融通取引は行わない。仮に取引を行う場合においては、取締役会において当該取引の必要性・合理性等について慎重に確認・検討を行うと共に、当該内容について開示を行う。
ⅱ.資本取引又は資金融通取引を実施した場合においても、当該取引に起因して、当社やミダス企業群の与信を歪めうる等、資本市場の健全性を損なうおそれのあるコーポレートアクションは一切行わない。
なお、当社は、ミダス企業群からの出資、融資を受けておりません。
c.人的交流
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
原則として、ミダス企業群の常勤役職員は、ミダス企業群の他の事業会社との兼務を致しません。また、株式会社ミダスキャピタルの役職員が投資先事業会社の役員に就任する場合には、非常勤非業務取締役又は監査役に限るものとし、役員報酬は市場取引から合理的な範囲で乖離しない経済条件といたします。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群に参画している企業は独立した会社であることを踏まえ、上場後においては、原則として他のミダス企業群及び株式会社ミダスキャピタルとの役員兼務等の人的交流は行わないとの基本方針を有しております。
なお、当社には、他のミダス企業群及び株式会社ミダスキャピタルとの兼務を行っている役職員はおりません。
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