AVILEN 【東証グロース:5591】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、「企業と人がAIを自在に使いこなし、発展し続ける豊かな未来」の実現に向けて、「AIを搭載したソフトウエアの開発」と「デジタル組織の構築を支援するプログラムの提供」を主軸に、企業のAI活用/DX推進による成長を支援し、資本業務提携先とも連携しながら、データ×AIで豊かな未来を実現することを目指しております。
社会課題の解決にあたっては、様々な業界の顧客企業と協働・提携することで、多様な産業・社会課題を発見し、その革新を実現し続けることを目指して事業を推進しております。こうして各業界・様々な顧客との産業課題・社会課題解決を推進して得られた知見をもとに、AIを用いたサービス、プロダクトの開発・提供を行うことで、継続的に革新的なサービスを創出し、より広範な社会の課題を解決することを目指しております。
(2)経営戦略
当社は、業務効率化等の新たな価値を創造するAIソリューションを提供できるというビジネスモデルを構築しており、当該ビジネスモデルの優位性の最大化をするための経営戦略を策定しております。
①月間25万PV(当事業年度の月間PVの平均値)の自社メディア「AI Trend」、E資格講座の受講者の7期連続合格者数1位というブランド認知により効率的にリード顧客を獲得
②ビルドアップコンテンツ間のシナジーで取引深耕しLTVの向上
・様々なニーズ、レベルに応じたコンテンツを複合的に提供することで取引の深耕を図るとともに、継続率を高める。例えば、新卒者向けの研修を行った上で、次の取り組みとして部長クラスの研修を行うなど
③「ビルドアップユニット」で顧客のリテラシーを高めると共に顧客の理解を深め「AIソフトウエアユニット」で更に取引を深耕。同時にコアモジュールの性能向上
・「ビルドアップユニット」で顧客のビジネス構造の理解を深めた上で、実現場で実装できるAIソフトウエアを提供し、更なる継続率の上昇及びLTVの上昇を図る
・AIソフトウエアの開発・提供に関わるアルゴリズム構築ノウハウを蓄積することによりコアモジュールの性能向上を図る
・AIソフトウエアの開発に際しては、「AVILEN DS-Hub」を活用することで、先端AI技術者のリソースと安定した採用ルート確保
④「AIソフトウエアユニット」で開発されたパッケージ型ソフトウエアを横展開
・「ChatMee」や「AI Seed」のようなSaaS型等のパッケージ型ソフトウエアを顧客企業や資本業務提携先と共に共同開発・拡販
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標と捉えております。また、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、継続率を重要な指標としております。なお、2022年12月期から2023年12月期にかけての売上高成長率は27.0%、2023年12月期の営業利益率は18.5%、2023年12月期の継続率は76.7%(2022年12月期に100万円以上の取引を行った法人顧客の内、2023年12月期も取引を行った法人顧客)となっております。
(4)経営環境
国内のAIビジネス市場は2021-2027年の間に1.2兆円から2.0兆円に拡大(出典:株式会社富士キメラ総研「2022年人工知能ビジネス総調査」)、DX市場は2020年度に1.4兆円から2030年度に5.2兆円まで拡大する(出典:株式会社富士キメラ総研「2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)と予測されております。一方で、日本企業のDX人材の確保については、「量」が不足していると回答している割合(「大幅に不足している」と「やや不足している」を足した割合)が83.5%という状況(出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書」)であり、更には2030年にはAI人材の需給ギャップは12.4万人になると予想(出典:みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」)されております。日本企業は、DX推進のために必要となる人材要件を明らかにし、人材のスキル評価や処遇といったマネジメント制度の整備をする必要があると共に、その上で、採用や外部人材の活用だけでなく、社員の人材育成(リスキリング)といった人材確保のための施策の実施が求められている状況となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①業界及び顧客基盤の拡張
持続的な成長のためには業界や顧客基盤の拡張が必要となります。当社の優位性は「①特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、マルチモーダルなAIソフトウエアの開発を可能にする技術コアモジュール」、「②潜在的なAI/DX市場を創出し、高い継続率を実現するビジネスモデル」、「③業界全体が抱える成長ボトルネックを解消する「AVILEN DS-Hub」のエコサイクル」、「④高いブランド認知による顧客獲得能力」であり、これらの競争優位性は特定業界に限定されず幅広い業界において発揮されます。当社は既存の業界及び顧客で積み上げた実績や知見を活用することで継続的に成長を続けてまいります。
②一顧客当たり売上高の向上と契約の長期化
当社は、様々な業界の顧客に対し、ビジネスプロセスへのAI実装・データ利活用の支援(「AIソフトウエアユニット」)、組織のDXアセスメントやDXロードマップの策定、経営企画やエンジニア等部門横断的なAI人材の育成による組織開発の支援(「ビルドアップユニット」)を実施しております。初期的には課題の特定、概念検証等を行い、それらの結果を踏まえて具体的なサービスの提供、AIアルゴリズムの実装や運用へと領域を拡充いたします。従いまして、その成果に応じて、顧客企業との契約期間が長期化することが見込まれております。また、前年度から契約が継続した顧客との取引は、「ビルドアップユニット」におけるコンテンツ間での取引拡充、「AIソフトウエアユニット」においては、より高度なAIモデルの実装や運用が必要になることが多いため、結果として一顧客当たり売上高は上昇する傾向にあります。
③既存パッケージ型ソフトウエアの強化と新規パッケージ型ソフトウエアの開発
当社はこれまで資本業務提携先の企業や各業界の上場企業をはじめとした企業に対するAI実装・データ利活用の支援を通じて、「AI Seed」や「ChatMee」といったパッケージ型ソフトウエアを開発・提供してきました。今後は既存パッケージ型ソフトウエアの強化と新規パッケージ型ソフトウエアの開発が課題となりますが、そのために、開発体制の強化及び資本業務提携先との連携深化を進めてまいります。
④技術とビジネス双方において優れた人材の育成
持続的な成長のためには、技術面及びビジネス面の双方で優れた人材が必要となり、人材の確保と育成が課題となってまいります。当社には、AIアルゴリズムの構築等の技術面の豊富な知見を有するデータサイエンティストやエンジニアに加え、AIを活用した具体的な解決策の提示や難易度の高いAIプロジェクトのマネジメント等のビジネス面での執行能力を有するコンサルタントが在籍しております。更には「AVILEN DS-Hub」を通じた採用も行うことで、今後も、技術面及びビジネス面の双方の課題を解決できる能力を持つ人材の育成・採用に投資を継続してまいります。
⑤非連続な成長を支える事業資金の確保
当社は安定的にキャッシュ・フローを創出しているため、過去において第三者割当増資等の資金調達を必要としてきませんでしたが、今後の更なる事業拡大に伴う人材獲得や経営基盤の強化、非連続な成長のためのM&A等のアクション等のために、戦略的な資金調達を検討していく方針です。
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